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改訂二万枚る

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conception×sis

Conception×sis
   ★★★
「もう圭太も高校生だからな。いいぞ、お姉ちゃんたちとセックスしても」
 高校の入学式の夜、家族五人揃っての夕食時に、何の前振りもなく父さんが言った。唐突な発言に、俺は口の中の味噌汁を噴き出しそうになった。
「ちょっ、待てよっ! 親が言っていい台詞じゃねえだろっ!」
 そう叫んだ後に二人の姉を見ると、あこ姉は頬を染めて恥ずかしそうに俯き、りこ姉は真剣な顔を俺へと向けている。ちなみにあこ姉とりこ姉は双子で、俺との年齢差は一歳。二人ともこの春に俺と同じ玉秀高校の二年生になった。
「いいじゃないか。お前たちは父さんと母さんの連れ子同士。血縁じゃないんだから、ガンガン犯りなさい」
 父さんは笑いながらそう切り返してきたが、俺からすれば冗談では済まされない放言だ。確かに俺は父さんの実子、あこ姉とりこ姉は母さんの実子で、血は繋がっていない。だが、真性ブラザーコンプレックス気味の二人の姉は、常日頃から俺の隙を突いては性的な意味で襲い掛かってくる。具体的に言えば、唇を強引に奪って舌を入れてきたり、朝勃ちしている陰茎を直接擦ってきたりするのだ。今のところ何とか貞操は保たれているが、父さんが許可など与えたら近日中に奪われることは確実だ。ここは何としても発言を撤回させなければならない。
 箸と味噌汁の椀をテーブルの上に置き、俺が再び怒鳴り付けようとすると、それまで穏やかな笑みを浮かべていた母さんが平素の口調で問い掛けてきた。
「圭太は、あことりこ、どっちと結婚するの?」
「……はぁ?」
「実はね、近所の奥さんたちと賭けてるのよ。圭太がどっちと出来ちゃうか」
「おおっ、それは父さんも興味あるなぁ」
「子供で遊ぶなあっ!」
 以前から薄々感じていたことではあるが、父さんだけでなく母さんもおかしい。常識的に有り得ない。確かに俺はあこ姉もりこ姉も好きだが、それは家族の一員としてだ。子供の頃には両方と結婚したいなどと考えたこともあったが、物心ついた現在では世間から後ろ指を指されるような間違いを犯す気はない。
「圭ちゃん、私と結婚してよ。何でもしてあげるから」
 意を決した表情でそう言ってきたのはあこ姉だ。名前は住之江あこ。双子の姉に当たる。いつも前髪をヘアピンで留め、肩まで届く黒髪を後ろで括っている。しっかり者で世話好きだが、些細な事で暴走し易い性格でもある。りこ姉のように常時大胆に迫ってくる訳ではないが、油断しているとそれ以上に過激なことをしようとする危険な姉だ。
「圭太、私を貰って。何でも言うこと聞くから」
 媚びた視線を向けてくるのはりこ姉だ。名前は住之江りこ。双子の妹になる。何か願掛けでもしているのか、常に左頬に絆創膏を張り、腰まで伸ばした黒髪をポニーテールに纏めている。日頃からマイペースで性的好奇心を隠すことなく、事ある毎に俺を誘惑しようとする恐ろしい姉だ。
 とは言え、共に幼児体型で色気は殆ど無いものの、容姿端麗で性格も悪くはなく、以前は揃って毎日大量のラブレターを家に持ち帰って来てもいた。そんな二人から結婚を迫られて、正直に言えば俺としても嫌な気分ではない。しかし、姉は姉だ。
「んなこと無理に決まってんだろが。父さんも母さんも姉ちゃん達も、冗談は止めてくれ」
「圭ちゃん、私、本気だよ?」
「圭太、私も本気だぞ?」
 姉達は真摯な口調でそう述べてきたが、本気であるからといって認めてやれるような問題ではない。しかし、一筋縄では説得出来そうになく、俺が対処方法について悩んでいると、母さんが更にとんでもないことを言い出した。
「あらまあ、モテモテね、圭太。じゃあ、こうしたらどうかしら? 先に妊娠した方が圭太のお嫁さんになるの」
「おおっ、流石は母さん。圭太、そうしなさい。判り易い」
「アホかああっ! 判り易けりゃいいってもんじゃねえだろがああっ!」
「圭ちゃん、私達はいいんだよ? だから落ち着いて」
「私もあこも、もう圭太の赤ちゃんを産む覚悟は出来てるから」
 家長命令だろうが、本人達が了承していようが、駄目なものは駄目だ。大体、今日の入学式の後に顔見知りの先輩に聞いたところでは、姉達が最近ラブレターを持ち帰らなくなったのは、周囲にブラザーコンプレックスであることを公言して憚らないからだと言う。故に入学直後から教師や上級生達に目を付けられることになるかも知れず、今後の学校生活を考えただけでも頭が痛いのに、これ以上難題を増やすつもりはない。
「俺はいつか、ちゃんとした彼女を作んだよ! ちゃんと恋人を作んのっ!」
「お姉ちゃんたちだって、ちゃんとした女の子だろうが」
「圭太は母さんが産んだ二人に欠陥があるとでも言うの?」
「圭ちゃん、じゃあ、まずは恋人同士になろうよ?」
「私は圭太が望むなら、最初から性奴隷でもいい」
 俺は席を立ち、食事を中断して自室に逃げ込むことにした。こんなことを真顔で言う家族と一緒に飯を喰うよりは、空腹を抱えながら不貞寝する方がマシだ。
「おや、話の途中で席を外すのか? 父さん、そんな圭太には学費出してやれないなぁ」
「母さん、圭太のお小遣いの増額を考えてたのに、残念だわ」
 似た者夫婦が脅してくる。仕方なく俺は自席に座り直し、殊更不機嫌な口調で言葉を放った。
「……どうすりゃいいんだよ?」
「だから言ってるだろう? あことりこ、二人とセックスをして、先に妊娠した方がお前の結婚相手だ。ふふ、初孫かぁ」
「ホテル代とかスタミナドリンク代とか必要な時は言いなさいね? 母さん、ちゃんと出してあげるから」
 俺は湧き上がる怒りと遣る瀬無さを抑え、可能な限り冷静になって考えを巡らせ続けた。社会通念や常識はこの中年男女に通用しそうにない。ならば法律はどうだ?
「……血縁じゃなければ家族でも結婚出来るのかよ? それに俺、まだ十五歳だぞ?」
「そのことなら民法上、問題なさそうだ。お前が十八になったら籍を入れればいい」
 どうやら質問を想定して既に色々と調べてあるらしい。無駄に頭が回るのが父さんの嫌なところだ。他に策はないかと思案していると、あこ姉とりこ姉が少しばかり小声で囁き掛けてきた。
「圭ちゃん、私、処女だけど宜しくね?」
「圭太、私も初めてだけど、痛くても我慢するから」
 狼狽える俺に止めを刺すように、父さんが続け様に口を開いた。
「お姉ちゃんたちだって普通のか弱い女の子だ。初めての時は優しくするんだぞ?」
「それ以後は優しくしなくていいのかよっ!」
「それはまあ、お前の趣味の問題だからな」
「アダルトグッズ代とかハンディマッサージャー代とか必要な時は言いなさいね? 母さん、ちゃんと出してあげるから」
「圭ちゃんになら、私、どんなことされてもいいよ?」
「圭太、私、痛いのも楽しめる大人の女になりたい」
 俺はテーブルの上で頭を抱え、この家の子供であることを心から恨んだ。
   ★★★
 その後、入浴を終えてTシャツとスウェットパンツという出で立ちで自室に戻ると、ベッドの上の掛け布団が妙な形に膨らんでいた。恐る恐る剥いでみたところ、案の定と言うべきか、あこ姉とりこ姉が下着姿で横になっている。あこ姉は薄いピンクのブラジャーとショーツ、りこ姉は緑と白のストライプのブラジャーとローレグパンツという格好だ。共に俺を見て妖しく微笑み、両腕を開いて招くような仕草を見せてくる。俺だって年頃の男だ。人並みに欲情はするし隠れて自慰だってする。だが、何度も言うように姉は姉なのだ。相手がどんなに望んでいようとも許されないことがある。
「何やってんだよっ。ここは俺の――」
 言葉の途中で両腕を掴まれ、俺はベッドの上に引き倒された。手の平が姉達の乳房に触れてしまい、慌てて仰向けになったところで、左側からあこ姉、右側からりこ姉が圧し掛かってくる。
「圭ちゃんも初めてだよね? 私が貰っちゃってもいい?」
「あこ、ズルい。私も圭太の初めてが欲しい」
「ちょっ、待てっ! いい加減にしろっ! うっとーしいんだよっ! このブラコンっ!」
 力一杯怒鳴り付けると二人は表情を曇らせ、示し合わせたかのように真摯な口調で訴え掛けてきた。
「違うよ、圭ちゃん。確かに私達ブラコンだけど、それは圭ちゃんが弟だから……」
「弟だから好きなんじゃない。一人の男の人として圭太のことが好き。大好き」
 いつもの二人ならばこんな時、少なからず戯けた雰囲気を纏っているのだが、あこ姉もりこ姉も目尻に涙を浮かべている。故に俺は困惑した。姉達が冗談交じりでなく、こんな風に切々と真情を告げて迫ってきたのは初めてのことだったからだ。気持ちが揺らいで二人の方へと傾きそうになるが、その想いを一旦受け入れてしまったならば、一緒に住んでいることで先々歯止めが効かなくなってしまうだろう。ならば自分に言い聞かせる為にも、ここは強く拒絶の意を示しておかなければならない。
「けど――」
「「弟相手にこんなことしてるんじゃないの。好きな人相手だから、いいよね?」」
 俺の否定の言葉を遮ろうとするかのように、姉達は異口同音に囁き掛けてきた。自然と鼓動が早くなり、頬が熱を帯びてくる。どれだけ頭の中で否定しようとも、二人の容姿や性格は俺の好みそのものなのだ。一歳年上とは言え、可愛らしく甘えてくることも頻繁にある。もしも誰かに取られるようなことがあれば、俺は悔しさのあまり涙してしまうだろう。
 受け入れられない、でも好きだ。世間が許さない、しかし結婚はできる。妊娠させてしまうかもしれない、けれど当人達を含めて家族は皆賛成している。そんな風に思いを巡らせている内に、俺は自然と姉達との関係を望み、それが自身の素直な感情であることに気が付いた。同時に今迄抑え付けていた欲望が、身体の中に沸き上がってくる。しかし、それでもたった一つ、俺にはその劣情に従えない理由があった。
「……どっちか一人なんて選べねえよ。だから駄目だ。父さんたちの言うようなこと、する訳にはいかねえよ」
「じゃあ三人でしようよ。りこと一緒でも私は別に構わないし」
「相手が圭太とあこなら、私も3Pでいい。むしろ、そんな初体験がいい」
 二人の非常識振りに、俺は深々と溜息を吐いた。真顔で内心の迷いを告げた自分が馬鹿に思えてくる。
「……んなこと言われたって、結婚は一人の相手としか出来ねえんだぞ?」
「私は圭ちゃんがりこと結婚しても、一緒にいられるのなら構わないよ?」
「圭太の子供さえ産ませてくれるなら、私は別に愛人でもいい。でも週に七回は相手して」
 言葉を交わす度に恋慕の情が冷めていく。何よりこの二人、双子ということもあって根本的な発想が一緒なのだ。それでもここまで言われた以上は、俺も覚悟を決めるべきなのかもしれない。
「……その時になって痛みに泣いても、文句は一切言わせねえかんな?」
 半ば脅しの意味も含めてそう告げたのだが、姉達は心底嬉しそうに笑い、俺の身体にしがみ付いてきた。
「それって、私たちの初めてを貰ってくれるってことだよねっ?」
「圭太っ、嘘じゃないなっ? エッチしてくれるんだなっ?」
 無言で頷くと、二人は共に涙ぐみながら俺の頬に唇を押し付けてきた。
   ★★★
 二人の想いを受け入れる気にはなったものの、即座に性交を要求するほど俺は鬼畜ではない。自らを律し、姉達を制御する為にも、まずは三人の間での約束事を決めておく必要がある。添い寝は許可、相手の部屋に入る際にはノック必須、勝手にキスしてきたり、互いの身体に触れたりすることは禁止、他にも諸々の条件を言い渡していると、二人は揃って拗ねた顔付きになった。
「それじゃ今迄と何も変わらないじゃない。圭ちゃんはそれでいいの?」
「圭太、もしかして私達のことを騙してるのか? このままエッチしないつもりなんじゃ?」
「んなことねえけどさ、別に慌てなくても……」
「じゃあ、何時になったら圭ちゃんとエッチ出来るの?」
「私は今したい」
 りこ姉は短く呟くと俺のスウェットパンツの中へと手を潜り込ませ、トランクスの上から陰茎を撫で上げ始めた。あこ姉も間を置かずして俺のTシャツを捲り上げ、乳首に舌を這わせてくる。
「ちょっと待てっ! 今約束したばっかだろっ? これじゃレイプじゃねえかっ!」
「でも圭太だってホントはしたいんだろ? こんなにオチンチンをガチガチにさせて……」
「れろっ……んちゅ……ふふっ、圭ちゃんの乳首甘ぁい……んっ……こっちの乳首も……ちゅぷ……んれっ……美味し……」
「何をっ……くっ……うぅ……んんっ……あうっ……」
 二人を払い除けようにも、何時の間にか肘や膝などの関節を押さえ付けられており、自由に手足が動かせない状態で次第に快感が高まってくる。
「ほら、気持ちいい声出ちゃってる。圭太だってエッチしたいよな? ちゃんと言ってくれたら直に擦ってやるぞ?」
「りこってば、独り占めにする気? 私にもちゃんと触らせてよ」
 あこ姉はそう言って身体の向きを変え、あろう事かトランクスの中へ片手を差し入れてきた。
「んあっ……」
「あっ、ごめん。直接触っちゃった」
「何やってるんだ。焦らしてんのが台無しじゃないか」
「でも凄いよ、これ。いつもより大っきくて熱くて。もう先っぽの方ヌルヌルしてるし……」
「あこの方こそ独り占めにする気か? こうなったら私も本気を出すぞ」
 りこ姉は上体を起こして場所を移動し、スウェットパンツとトランクスを纏めて引き摺り下ろすと、それらを素早く足首から抜き取った。右半身の拘束が解けたにも関わらず俺が抗わなかったのは、それ程までにあこ姉の手による愛撫が心地良かったからだ。絶妙の速度で茎部を扱き上げながら、我慢汁の漏れ出ている尿道口に指の腹を押し当ててくる。
「んっ……あこ姉っ……くうっ……何でそんなっ……はうっ……上手くっ……」
「圭ちゃんのことなら何でも判るよ? 誰よりも大好きだから……」
「圭太の一人エッチを何度も隠れて覗いてただけだろ?」
「りこだっていつも一緒に見てたじゃない。手の動かし方とか速さとか、エッチな本とかも参考にして、二人で色々と研究したでしょ」
「まあ、な。では、私もその成果を圭太に確かめて貰おう」
 りこ姉は脱力し掛かっている俺の両脚を大きく開き、その中心へと顔を埋めてモゾモゾと動き始めた。当初は何をしようとしているのか理解出来なかったが、奇妙な感覚が陰嚢へと訪れ、それはすぐに深い悦楽へと変わった。
「んあっ? あっ……あっ……ああっ……くうっ……ひあっ……ああっ……」
「うわぁ、オチンチンからヌルヌルがどんどん溢れ出てくる。男の人って、ホントにタマタマ舐められるの気持ちいいんだ」
 一物への奉仕を継続しているあこ姉の言葉通り、りこ姉は袋の上から睾丸を口に含み、鼻息を荒くしながら舌で舐め回していた。時には強く吸い上げ、一旦解放した後で宥めるように顔を擦り寄せ、次いで改めて口中へと取り入れていく。
「んちゅっ……ぢゅるっ……れるっ……んふっ……んあっ……れろっ……ぶむっ……もごっ……」
「んくっ……もう俺っ……あうっ……我慢がっ……」
「いいよ、圭ちゃん。我慢せずに出して。圭ちゃんが出すとこ見せて」
「ううっ……あこ姉っ……くうっ……りこ姉っ……ひあっ……くうううっ!」
 叫び声を放った直後に射精を開始すると、あこ姉は穏やかに微笑みながら唇を重ねてきた。互いに舌を絡め合いながらも姉達の献身は続き、俺が全ての放出を終えると共に、りこ姉が再び右隣に寄り添ってくる。
「お疲れ様、圭太。気持ち良かったか?」
「はぁ……はぁ……凄かった……」
「圭ちゃんが自分でするのより?」
「はぁ……はぁ……うん……」
「なら良かった。それじゃ、あこ」
「うん、判ってる」
 二人は互いに頷き合うと、俺の腹部に飛び散った精液を集め始めた。一滴も残さないようにと考えているのか、指で丁寧に掬っては、もう一方の手の平の上に擦り付けていく。肉棒に触れ続けていたあこ姉の右手は元より粘液に塗れていたが、わざわざそうすることの意味が判らず、俺は余韻に浸りながらも姉達に問い掛けた。
「はぁ……何やってんだ? 手が汚れちまうぞ?」
「それはね、こういうこと」
 あこ姉はそう言って両手を自身のショーツの中へと入れ、ゆっくりと動かしながら甘く鼻を鳴らし始めた。反対側へと顔を向けてみると、りこ姉も全く同じ事をやっている。
「えっ? あっ! ちょっと待てっ! そんなことしたらっ!」
「ふぁ……妊娠しちゃうってこと? はぅ……だってそれが目的だもん……んぁ……圭ちゃんがエッチしてくれないなら……くぅ……勝手に赤ちゃん作っちゃうんだから……」
「んぅ……私達は本気だぞ……はぁ……圭太はいいのか? ひぅ……こんなことで妊娠しちゃっても……ひぁ……エッチしてないのに赤ちゃん出来ても……」
「判ったからっ! ちゃんとするからっ! だから取り敢えず止めてくれっ!」
 俺がそう怒鳴ると二人は下着から腕を抜き、顔を見合わせて満足そうに笑った。
   ★★★
 指先の汚れをティッシュで拭き取らせた後で、俺は姉達を連れて風呂に入り直すことにした。二人が自らの股間に塗り付けた精液を早く洗い流してしまわないと、本当に処女懐妊となってしまう恐れがあるからだ。時既に遅しということも充分に考えられるが、出来るだけの処置はしておきたい。
 脱衣所に辿り着くと二人は躊躇うことなく下着を脱ぎ始め、瞬く間に一糸纏わぬ姿となった。身体付きは殆ど同じで、上向きに尖った薄い乳房、その先端の桜色の突起、僅かな陰毛さえも惜し気もなく晒してくる。
「ふふっ。圭ちゃん、目付きがエッチ。私の身体を気に入ってくれたのかな?」
「私の身体は? これ全部、圭太の物だぞ?」
 俺は返事の代わりに二人の腰に手を回し、華奢で愛らしい裸身を力強く抱き寄せた。急いでシャワーを浴びさせなければと判ってはいるものの、少しばかりはその肌の温もりを感じていたい。
「圭ちゃんのオチンチン、また大っきくなってきてる」
「圭太は意地っ張りなのに、オチンチンは素直で可愛いな」
 りこ姉の発言に俺は内心狼狽えた。思い返してみれば、確かに先刻の行為の最中、俺は曖昧な態度しか示していない。そのことで二人の気持ちを傷付けているのであれば、迷うことなく本心を告げて安心させてやるべきだろう。心情を口にすることで感情の抑制が効かなくなってしまうかも知れないが、何よりこの先、自分の想いを誤魔化したまま姉達と関係を結ぶことは出来ない。
「……本当のところ、常識とか世間体とか考えて、我慢してた部分もあった。こういう関係になるのは悪いことだって、ずっと自分に言い聞かせてた」
「え? 圭ちゃん? 何?」
「圭太? 急にどうした?」
「でも、もういいや。非常識と言われたって、隣近所から白い目で見られたっていい。本当は俺だって、あこ姉とりこ姉のことが好きだ。大好きだよ」
「……ホントに?」
「……それが圭太の本心か?」
 縋るような眼差しのあこ姉とりこ姉とに問い掛けられ、俺はその答えをゆっくりと口にした。
「ああ。俺は、あこ姉のことも、りこ姉のことも大好きだ。その、何て言うか、愛してる」
 自身の言葉の響きに照れ臭さを感じながら、俺はあこ姉の唇を奪い、次いでりこ姉と口付けを交わした。顔を離した後で姉達に笑い掛けると、揃って頬に涙を伝わらせながら、力一杯しがみ付いてくる。
「ふえっ……圭ちゃん……ぐすっ……圭ちゃあん……ひぐっ……嬉しい……うえっ……嬉しいよおっ……うわああああああ~んっ!」
「ううっ……圭太ぁ……ひっぐ……圭太あっ……えぐっ……好きいっ……うぐっ……大好きいっ……ふえええええええ~んっ!」
 重なる泣き声を聞きながら、俺は二人の背中を優しく撫で続けた。
   ★★★
 気持ちを落ち着かせてから浴室に入ると、俺は姉達に自身の股間を念入りに洗うよう告げた。二人は並んで風呂椅子に座ると俺に向かって大きく脚を開き、洗浄液を染み込ませたボディスポンジで秘所全体を泡立てていく。その手の動きは徐々に妖しくなり、俺が自分の下腹部を洗い終えた時には、明らかな自慰と化して喘ぎ声までも発し始めていた。
「んだよ、俺は洗えって言ったんだぞ? 二人共完全にオナってんじゃねえか」
「んはぁ……だって圭ちゃんのオチンチンがすぐ傍にあるのにぃ……はふぅ……我慢なんか出来ないよぉ……」
「ふはぁ……圭太もっとこっち来てぇ……あふぅ……洗い立てのオチンチン確かめさせてぇ……」
 請われるままに椅子から腰を上げて近付くと、両者とも前屈みになって左右から舌を伸ばしてくる。予想通りの反応に俺は苦笑いしたものの、この場では好きにさせておくことにした。本心を伝えたことで性的行為に対する罪悪感は霧散し、長期に渡る抑圧の反動からか、好奇心も欲望も今まで以上に高まっている。それは恐らく俺だけに限らず、姉達にとっても同様だろう。流石に洗い場で処女を喪失させる気にはならないが、口での奉仕程度であれば大目に見てやるべきだ。
「おい、手の動き止まってんぞ? 自分の方はいいのかよ?」
「れるっ……だって圭ちゃんに気持ち良くなって貰う方が大事だもん。ふふっ……ろれっ……んちゅ……れろんっ……」
「れろっ……圭太が喜んでくれるなら、それだけで私達も気持ちがいいからな。んふっ……るれっ……ぴちゅ……れろおっ……」
 先刻射精している為に、肉棒は完全勃起していながらも、再臨界に到達する迄には幾分余裕がある。比較的安らかな気持ちの中で、俺はここまで尽くしてくれる二人に何か見返りを与えてやりたくなった。しかし、当人達に要望を尋ねたならば、恐らく性交以外の答えは返って来ないだろう。一頻り思案を続けていると不意に閃きが訪れ、俺は雁首に舌を這わせ始めた姉達に向かって問い掛けた。
「呼び捨てにしてもいいか?」
「れるぅ……ふえっ? 何?」
「はぷっ……んんっ? どういうことだ?」
「姉ちゃん達が俺のことを一人の男として見てくれるなら、俺も姉ちゃん達のことを一人の女として見ていきたい。だから、これからは名前を呼び捨てにしてもいいか? もし嫌なら――」
「ううん、そうして欲しい。家族であることとは関係なく、圭ちゃんの物って気がするもん」
「私もその方が嬉しい。もう私達は圭太の物なんだから、普段から命令口調でもいいんだぞ?」
「んなこと言われたら、本当に威張り散らしちまうぞ? 学校でもこうやって口でさせたりとか、裸にして後ろから入れちまうとか」
 その言葉にあこ姉は大きく身震いし、りこ姉は表情を蕩けさせた。次いで真顔になって俺を見上げ、何度も大きく頷いてくる。どちらかと言えば二人揃って加虐的な資質の持ち主だと思っていたのだが、どうやらその真逆であるらしい。
「んじゃ、あこ」
「あ、はいっ!」
「りこ」
「はいっ!」
「取り敢えずシャワーで泡落とせよ。早くみんなで湯に浸かろうぜ」
   ★★★
 浴槽に入った後で、俺達は互いの身体に自由に触れ始めた。バスタブに背中を預けて脚を伸ばしている俺に、あこもりこも当たり前のように覆い被さって抱き付き、片手で陰茎を弄びながら控え目な乳房を擦り付けてくる。俺は二人の尻を撫で上げながら交互に口付けを交わし、ちょっとした悪戯心から左右の中指を菊門へと押し付けた。
「きゃんっ、圭ちゃあん、そこお尻だよぉ」
「ひゃうっ、圭太ぁ、そこは汚いからぁ」
 そう言って身を捩りながらも、共に心地良さそうに目を細めている。
「けど、ここも俺の物なんだろ? 先々使えるように日頃から解しておかねえとな」
「んもう、圭ちゃんの変態。そっちに目覚めちゃったら、ちゃんと責任取ってよね?」
「でも考えてみれば圭太のパソコン、お尻でしてるのとかSMとかの写真ばっかりだしな」
りこの台詞に俺は一瞬身体を硬直させ、怖ず怖ずと質問を投げ掛けた
「……もしかして、保存場所に気付いてる?」
「私も知ってるよ? 圭ちゃんが留守の時にたまたま弄ってたら偶然見つけちゃったの」
「見られたくないフォルダに『受験勉強』とか『世界情勢』とか名前を付けるのは、多分逆効果だと思うぞ?」
「う、あ、えっと……」
「別に責めてる訳じゃないの。ただこれからは、写真見ながら一人でするんだったら、私達にして欲しいな」
「圭太がしたいんだったら、あの写真のようなこと、全部してくれていいんだぞ?」
 その申し出は有り難かったが、俺は速やかに話題を逸らすべく、以前から抱いていた疑問を口にした。
「そ、そう言えばさ、昔っからあこは俺の左側、りこは右側に寄ってくるだろ? 何か理由があんのか?」
「圭ちゃんの腋の下、こっち側の方が匂いが強いから」
「利き手で圭太のオチンチン触り易いから」
 即答かよっ! と思いはしたものの、確かに自らの異常性を省みる必要はなさそうだ。この二人が相手ならば性的行為のみに明け暮れたとしても、日常を排した分以上の満足感と快楽が得られることだろう。
「ねえ、圭ちゃん。そろそろお風呂出よう? お部屋に行ってちゃんとしようよ」
「圭太はさっき出したからいいけど、私達はもう我慢の限界だ」
「そういや、さっきのオナニーも途中で止めさせちゃったしな。んじゃ、出るか」
「うんっ。圭ちゃんの身体、私が拭いてあげる」
「あこは何でそう自分勝手なんだ? 私だって拭きたいに決まってるだろ?」
「じゃあ右と左で半分ずつね。タマタマも一個ずつ。それならいいでしょ?」
「ん、了解。なあ圭太、タオルで拭く代わりに舐めちゃダメか?」
 些細な事柄をも男女間の営みに変えようとする発言に、俺は首を横に振って否定の意を示した。
   ★★★
 脱衣所で身体を拭いて貰っている間、話題となったのは破瓜の場所と順番だ。前者はすんなりと俺の自室に決まったが、後者に限ってはどちらも譲らず、あこが一番、りこが二番という結論が出たのは二十分近く経ってからのことだった。但しそれには条件があり、俺の童貞を得られなかったりこに対しては、尻穴性交での優先権と三日間の宿泊デート権を与えてやらねばならない。尤もホテル代等については母さんが出してくれるとのことなので、俺の懐が痛むことはなく、その程度の取り決めで円満に解決するのならば願ったり叶ったりといったところだ。
 その後、俺達は裸のまま部屋へと戻り、ベッドの上に並んで腰掛けた。ほんの少しだけ会話を交わしてから左隣に座るあこを押し倒し、唇を重ねつつ乳房に触れ、その柔らかな感触を楽しみながら優しく揉み上げてやる。
「んっ……れろっ……ちゅっ……はふぅ、圭ちゃん気持ちいいよぉ……んむっ……れるっ……んちゅ……ぷはぁ、オッパイ気持ちいい……」
「もっともっと、気持ち良くしてやるからな」
 そう囁いて首筋に口唇を這わせ、少しずつ下へと移動させていく。鎖骨や腋の下を経て胸の先を口中に含み、舌先で繰り返し転がしてやると、あこは俺の身体にしがみ付いたまま四肢を小さく震わせた。
「ふはぁ……ヌルヌルってぇ……くふぁ……絡みついてくるぅ……やぁん……噛んじゃダメぇ……」
 硬く尖った乳首を甘噛みしてやる度に強張りが取れ、裸体はしなやかに乱れていく。太腿に手を置けば自ら脚を開き、薄い陰毛を指先で梳いてやれば自ら下腹部を押し当ててくる。その様は淫らでありながら、人と戯れている子猫のように愛らしい。程なく俺が湿った秘所全体を手の平で包み込み、痛みを与えないようにゆっくりと解し始めると、あこは喘ぎを深めて愛液を一気に溢れさせた。
「んふあっ……圭ちゃんに触られてるうっ……ふはうっ……私のアソコおっ……くはあっ……圭ちゃんが触ってくれてるよおっ……はふうっ……嬉しくって気持ちいいいっ……」
 悦びの深さを示すかのように淫蜜は粘りと量を増し、直接触れていない手の甲や手首にまでも纏わり付いてくる。その滑りを包皮から突き出した淫核に塗り付けてやると、あこはそれまで以上に大きく開脚しつつ腰を何度も跳ね上げた。全てはハウツー本で得た生半可な知識だったのだが、女芯への愛撫は殊更気に入ってくれたようだ。
「くふはあっ……圭ちゃんダメえっ……んはふうっ……そこ触られると私いっ……ふひはあっ……身体の力が抜けちゃうからあっ……」
「そことかアソコとかじゃ判んねえよ。ちゃんとクリトリスとかマンコとか言え。ついでに俺のはチンポな。ほら、言ってみろ」
 被虐的な資質の高さを確認する為にそう告げると、あこは即座に指示に従った。
「うくはあっ……クリトリスうっ……んくふうっ……クリトリスはダメえっ……かふはあっ……オマンコすぐに蕩けちゃうからあっ……」
「充分に蕩かしとけ。じゃねえと突っ込んだ時に痛えぞ? それとも俺の童貞チンポはいらねえか?」
「あはふうっ……欲しいっ……んふはあっ……圭ちゃんのオチンポおっ……くはふうっ……圭ちゃんの童貞オチンポおっ……」
 淫語を口にする度に、あこの表情に蠱惑的な影が差してくる。瞳の虹彩は鈍く、鼻孔は大きく開き、口の端から僅かに涎が垂れているのは肉情に溺れ始めている証だろう。その昂ぶりを頂きへと導いてやるべく、俺は身体を起こして両脚の間に座り直し、粘液に塗れた淫裂へと口を付けた。
「ふはひああっ……ペロペロってそんなあっ……あっ、あっ……くふぁああっ……オマンコ変になっちゃううっ……」
「れるっ……んれっ……れろっ……んむっ……ぢゅる……ずぢゅるるっ……」
「ひゃあ、あ、あっ……飲まれてるうっ……ふあっ、んああっ……私の圭ちゃんに飲まれてるうっ……あひっ、くっ、ううっ……嬉しくてイっちゃううっ……んくふああっ……私もうイっちゃうよおっ……」
 内腿の不規則な痙攣を横目に、膣口から止め処なく漏れ出てくる痴液を音を立てて啜り上げていく。対処し切れなかった愛蜜は幾筋もの糸を引いてシーツへと滴り落ち、周囲は失禁でもしたかのようにびしょ濡れだ。彼方此方から甘酸っぱい淫臭が立ち上り、その濃密な香りに酔いながら、俺は止めとばかりに肉豆に軽く歯を当てた。
「んひゃあああっ……クリ噛んじゃダメえっ……んあっ、あっ、ああっ……もうダメイっちゃうイっちゃうのおっ……うぐっ、ひああっ……んはああああああっ!」
   ★★★
 あこが恍惚の時を迎え、余韻を浸り始めるのを見届けてから、俺はりこの裸身に手を掛けた。そのまま挿入に至らなかったのは、なるべく平等に接してやりたいからだ。もちろん、脱衣所での会話の際に二人の許可は得ている。先ずは一度ずつ絶頂させてやり、後に二人を重ねて3Pという段取りだ。
 少しばかりあこから距離を離して乾いたシーツの上へ仰向けに寝かせると、りこは隣に寄り添う俺の手を取って自身の女性器へと導いた。そこは既に濃度の高い蜜液に覆われており、淫核までも硬く勃起させているようだ。
「ん? いきなりマンコからでいいのか?」
 俺が問い掛けるとりこは小さく頷き、うっとりとした顔付きで囁き掛けてきた。
「圭太があことしてるの見ながら弄ってたから、もう待ち切れないんだ。その代わり、いっぱいエッチなことを言ってくれ。圭太の声でエッチな言葉を聞くと、それだけで凄く昂奮するから……」
「別にいいけどよ。だったら場所を移動すっか」
 俺はりこの脚を大きく開かせ、局部の正面へと移動して胡座を掻いた。そのまま前屈みになって利き手を伸ばし、先ずは指で肉溝を繰り返しなぞってやる。
「はぁんっ……やっと圭太に触って貰えたぁ……んふあっ……嬉しくって溢れちゃうっ……」
「溢れちゃうって言うか、マンコ汁ダダ漏れになってんぞ? これだけでイけんじゃねえのか?」
「くはうっ……だってずっと我慢してた上にいっ……ふはあっ……二人のあんなの見せつけられたらあっ……」
「だったら特別に二回イかせてやっから、このまま腰振って自分からマンコ押し付けて来い」
 そう告げた後に思わず薄笑いを浮かべてしまい、俺は自身の加虐性が高まっていることに気が付いた。浴室での会話の通り、視界の隅に映るパソコンの中にはアナルセックスやSMプレイの実写データが大量に取り込んである。その殆どはインターネット上の専門サイトを巡って拾い集めた物で、自慰を行う際の性的対象として幾度となく観賞しているのは当然のことだ。自らの嗜好が一般的でないということは以前から理解しており、実際に異性と性的行為を行う折には隠し通そうと考えていたものの、その全てを受け入れてくれそうなあことりこの痴態を前にして抑制が効かなくなっているらしい。ほんの数時間前までは姉弟間の淫行をあれだけ拒んでいたというのにだ。
 しかし、嘘偽りなく本性を晒すのは決して悪いことではないのかもしれない。考えようによっては、それこそ真実の愛情と言えるだろう。父さんの発言を境に開放性を増した二人にとってはそれこそ望んでいたことなのかも知れず、実際にあこは淫語によって肉情を高め、りこは悦びの声を上げながら下半身を揺らし始めている。
「ふひはあっ……圭太の指気持ちいいっ……んくふうっ……オマンコとっても気持ちいいっ……」
 横たわったまま徐々に腰を浮かび上がらせ、りこは秘肉の擦り付けを少しずつ速めてくる。両手で乳房の先を摘み上げ、軽く捻り上げてもいるようだ。愛液は本気汁と呼んで差し支えない程に白く濁り、女芯は米粒大以上に大きく膨れ上がっている。声色や体臭、その他の反応から鑑みても、昇天間近と言ったところだろう。
「イく時はちゃんとオマンコイくって言うんだぞ? じゃねえと二回目は無しだかんな?」
「かふはあっ……オマンコイっちゃううっ……んくふうっ……オマンコイっちゃううっ……」
「偉いぞ。んじゃ、御褒美な」
 早々と指定の言葉を述べてきた応用力を褒め称え、俺は指の動きを加速させた。幾分深めに挿し入れて膣口の感触を確かめながら、もう一方の手をも添えて肉豆を優しく押し潰してやる。
「んひゃああっ……今クリ触られてたらあっ……くひふはあっ……すぐにイっちゃうイっちゃうからあっ……あひっ、くふううっ……オっ、オマンコイくううううううっ!」
 敏感な部分を指に挟まれたまま爪先立ちになり、りこは総身を幾度となく波打たせた。背中を弓なりにした状態でシーツを握り締め、断続的に短い声を上げてくる。
「ひあっ……ふぐっ……んっ……くっ……ふぁ……ああっ……」
「悪いけどよ、あんま時間掛けるとその分チンポが辛くなっから、このまま二回戦に突入な」
「くうっ……んぁ……え?」
 りこの両脚を持ち上げてマングリ返しの姿勢を取らせると、俺は目の前の股間へと武者振り付いた。
「あふひゃああっ……ちょっ、待っ、くふああっ……まだイってるからあっ……んぐふひいいっ……待ってってばああっ……うぐふひああっ……こんなのすぐにオマンコがああっ……あひっ、ふぐううっ……またイっちゃううううううっ!」
   ★★★
 それから十数分後。執拗に秘所を嬲り続けてやった結果、りこは喘ぎ声すら発しなくなった。だらしなく脚を開いたままシーツの上に裸身を横たえ、虚ろな瞳で何処か遠くを見つめている。破瓜直前の前戯としては充分だろうが、少々やり過ぎてしまった感は否めない。何しろ俺が数えていただけでも、十ニ回は連続で達していた筈だ。
「圭ちゃん、容赦なさ過ぎ。それにズルい。私は一回しかイかせて貰ってないのに……」
「簡単に何度もイくから面白くなっちまってさ。あこには後で腋の下たっぷり嗅がせてやっから」
「その時はオマンコもいっぱい触ってよね? でも、このまま始めちゃって大丈夫かな? ねえ、りこ、しっかりして、ねえっ。圭ちゃんがオチンポ入れてくれるって」
「あぁ……ぁ……ぁ……あぁ……ぁ……」
 頬を軽く叩きながらあこが呼び掛けるが、りこは掠れた呻き声を上げてくるばかりだ。
「先に始めてようぜ。その内、元に戻んだろ」
 俺はそう言ってりこの身体をベッドの端へと移動させた。正常位が可能なように位置を微調整した後で、あこを四つん這いにさせて正面から覆い被らせる。女性同士を向かい合わせて重ねるという、3P時特有の体勢だ。
「こうして見ると、何から何までそっくりだな。マンコの色とか形とかよ」
「ちょっとぉ、観察してないで早くしてぇ。私だってもう待ち切れないんだからぁ」
 言葉の通り、あこの淫裂は白く濁った本気汁に塗れている。内腿全体を濡らしているりこには及ばないものの、余韻に浸り切った後で自慰をしていたことは明らかだ。
「うーん、記念に写真撮っとくかなぁ?」
「そんなのいいから、って、何? りこ、気が付いたの?」
 発言に釣られて視線を移すと、あこは下から抱き付かれていた。りこは両腕をあこの腰に回し、脚同士を絡めて拡げさせ、そのまま小さく裸体を揺らしている。
「あんっ……ちょっと待って……くふうっ……そんなに乳首を押し付けられたら……んはあっ……クリも当たってるってばあっ……」
「あはぁ……ぁ……オマンコぉ……あぁ……ぁ……ヒクヒクぅ……ぁ……」
 どうやら多少は意識が戻ってきているようだが、未だ余韻を楽しんでいる真っ最中といった様子だ。突然あこを抱き竦めたのは、更なる快楽を探し求めてのことだろう。呆けながらも実の姉に複数の性感帯を擦り付けている様は、獲物を捕食している食虫植物のようにも見える。
「はぁんっ……もうりこってばあっ……ふはあっ……圭ちゃんどうにかしてえっ……」
「ったく、しょうがねえな」
 俺はあこの背後に近付くと、陰茎を掴んで上段の肉溝へと密着させた。そのまま亀頭部で淫唇を押し広げ、膣口の周囲に幾度となく先走り汁を塗り付けてやる。
「んくふうっ……ちょっ、圭ちゃんっ……ふひはあっ……助けてくれるんじゃないのおっ?」
「折角だからこのまましようぜ。マンコ汁も溢れてきてるし、多少は痛みも和らぐだろうしよ」
「あはふうっ……だってえっ……かふはあっ……だってえっ……」
「文句言ってる暇があったら、おねだりでもしてみろよ。このままもうちっと馴染ませたら、奥までチンポ突っ込んでやっから」
 淡々とした口調で告げると同時に、一物の先端を少しだけ膣内へと挿し入れてやる。入り口間近にあるという処女膜に触れないよう、注意深く浅い場所を擦ってやると、あこの声色は一層悩ましいものへと変化した。
「ふはぁあんっ……圭ちゃんのが入って来るうっ……んくはぁあっ……硬いオチンポが入って来るうっ……んあふうっ……オマンコ拡げられちゃってるうっ………」
「おねだりって言ってんだろうが。実況とか感想とかは後にしろ」
「くふはあっ……圭ちゃんの童貞オチンポでえっ……あはふうっ……私の初めて貰って下さぁいっ……」
「……まあ、合格ってことにすっか」
 鈴口を膣内に押し込んだまま、腰を少しずつ前へと進めていく。肉棒の先端はすぐに障害物へと辿り着いたが、然程硬さは感じられない。何より熱く火照った肉壁は侵入物をきつく締め上げながらも適度に柔らかく、加えて粘度の高い愛液を絶えず分泌させ続けている。下半身に幾らか力を込めるだけで膜は次第に抵抗感を弱め、代わりにあこの口からは悲痛な声が漏れ始めた。
「ひぎっ……つうっ……んんっ……くうっ……」
「おい、大丈夫か?」
「んくっ……うん……ううっ……思ってた程痛くないし……んうっ……ちょっと気持ちいいかも……」
「はあ? 痛えのが気持ちいいのか? どんだけマゾなんだよ」
「んあっ……だって相手が圭ちゃんだから……はうっ……ずっと圭ちゃんにして欲しかったから……ふあっ……オチンポ入れて貰えるだけで嬉しくて……」
 直向きなあこの台詞に俺は心と生殖本能を打たれ、そのまま一挙に男性器を埋没させた。途端に部屋全体に絶叫が響き渡る。
「んぎいいいいいっ! かはあっ……くうううっ……」
「あ、悪い。つい……」
「あううっ……もうっ……ひうっ……圭ちゃんの鬼畜ぅ……」
「だから悪かったって。んじゃ、抜くぞ」
「んはぁ……ええっ?」
「そういう約束だったろ? まずは二人の膜を破って、楽しむのはその後って」
「つっ……もうちょっとだけ……んっ……りこもこんなだし……くっ……圭ちゃんを身体の中で感じてたいから……」
「こんなとはどういう意味だ? そうやってまた圭太を独り占めにするのか?」
 前触れもなく会話に割り込んできたのは、それまで夢の世界を彷徨っていたりこだ。俺の位置からでは顔が見えず、四肢もあこに絡みつかせたままだが、口調は平素のものになっている。
「はぁ、はぁ……もう、りこってば……んっ……間が悪いんだから……」
「間が悪いのはあこの方だろう? 人が幸せな時間を満喫してたのに、耳元で大声なんか上げて……」
「だってあれは圭ちゃんが……くっ……いきなり奥まで入れるから……」
「と言うか、人がボンヤリしてる間に始めちゃってたんだな? で、もう処女じゃなくなったと。だったら次は私の番だろ?」
「もう平気なのか?」
「ああ、私のことは気にせず一気に奥まで入れてくれ。まだオマンコがフワフワしているから、今ならそんなに痛くはないと思うし、仮に辛くとも早く済ませてくれる方がいい」
「なら、まずは抜かねえとな。いいな、あこ?」
「ん……うん……」
 不満そうな返答に苦笑しつつ腰を戻して男根を引き抜くと、あこが再び声を上げた。
「はうんっ……くうっ……んはぁ……」
 ぽっかりと開いた膣穴は瞬く間に閉じてしまったが、周囲は破瓜の血で赤く染まっており、眺めているだけで痛々しい。見れば、俺の愚息も殺人現場の凶器のような色合いになっている。
「うわぁ……」
「ふぅ……はぁ……ん? どうしたの、圭ちゃん?」
「いや、何でもねえ。んじゃ、りこ。チンポ入れる前におねだり言ってみろ」
「おねだり?」
「うん。オチンポ下さいって。私も言ったよ?」
「そうか。じゃあ、圭太のオチンポで、私の初めて貰って下さい」
「それ、私が言った」
「二回目だと面白くも何ともねえな」
「そんなこと言われても、私だって初めてなんだぞ? それじゃ、えっと……」
 りこが考え込んでいる間に、俺は恐る恐る肉茎に手を添えた。血を見るのが嫌いな俺にとっては苦行とも言える行為だが、状況を考えればここは我慢するしかない。今すぐシャワーを浴びて洗い流したりしたら、後々まで文句を言われることだろう。
「私の処女オマンコを、圭太専用にして下さい。何時でも何処でも使い易いように、オチンポの形に拡げて下さい」
「何それ? 媚び媚びじゃない」
「俺的にはオッケーだ。このまま少し腰上げろ。あこは身体をもっと前へ」
 二人が指示に従うと、俺は肉筒の先をりこの牝穴へと食い込ませ、当人の希望通り一息で刺し貫いた。
「あくうううううっ! ひぁ、ああっ……くふううっ……」
「……根元まで突っ込んどいて言うのも何だけどよ、大丈夫か?」
「ふはあっ……平気だ……んくっ……入り口の所がピリっとするが……はふぅ……やっぱりそんなに痛くない……」
「とてもそうは見えないわよ?」
「耐えられそうもねえなら抜くぞ?」
「んっ……ちょっとビックリしただけだ……くっ……オチンポが一番奥に当たった時……はぁ……凄く気持ち良かったから……」
 確かに俺の愚息は今もりこの最深部に触れており、蕩けていながらも異物を絞り上げようとする膣壁とは別の、コリコリとした硬い感触が伝わってくる。恐らくはそこが子宮口なのだろう。事前に何度も果てていた為か、膣内はあこよりも些か狭く、子宮そのものが下りてきていると考えて良さそうだ。
「それってここだよな?」
 そう告げて微かに腰を動かすと、りこの口から甘い声が漏れてくる。
「んふぁ……そこもっとツンツンってしてぇ……あふぅ……当たる度に痛いのなんてぇ……ふはぁ……何処かに飛んで行っちゃうからぁ……」
「ちょっと圭ちゃん、それ私にもしてみてよ。オチンポで一番奥をツンツンって。ねえ、いいでしょ?」
「待て待て。これで二人共処女じゃなくなったんだし、一旦休憩しようぜ」
「くふぅ……止めちゃ嫌ぁ……はぁん……もっとオチンポぉ……」
「圭ちゃんしてぇ。オマンコの奥ぅ」
「血塗れマンコ二つも目の当たりにして、んな気になる訳ねえだろが」
 淫語混じりの合唱を耳にしながらも、俺は問答無用で男性器を抜き出した。
   ★★★
 各々が自身の股間の体液をウエットティッシュで拭い取り、あことりこの出血が止まっていることを確認した後で、俺達は川の字になって横になった。俺を挟んで左側にあこ、右側にりことといういつも通りの並び順だ。背中に当たるシーツは二人の愛液と血で湿り気を帯びていたが、壁時計を見れば既に午前二時を回っており、長時間に於ける性行為の疲労もあって今すぐ交換する気にはなれない。
「ねえ、圭ちゃん。お父さん達、矢っ張り気を利かせてくれたのかな?」
「……まあ、普通に考えたら、そうだろうな」
 風呂場から自室へ裸で戻って来れたのも、あことりこが自由気侭に喘ぎ続けていられたのも、全ては両親が不在であるが故だ。父さんと母さんは同じ外資系の商社に勤務しており、高給取りではあるらしいが残業は日常茶飯事で、週に三日は帰りが遅く、週末も殆ど家にはいない。数時間前の夕食の際も揃って業務を抜け出してきたとのことで、姉弟間の性交を強引に指示し、食後は速やかに職場に戻って行った。
 尤も、仕事を言い訳にしてホテルで抱き合ったりもしているらしく、今回もそちらの可能性が高いと俺は見ている。「父さんも母さんも、明日の夕方までは帰れそうにないから」と、尋ねてもいないのに言い残していったところが怪しい。
「お父さん達、今晩中に私達がこうなることを判ってたんだろうな」
 りこの言葉に、俺は適当に相槌を打った。気配りと言えば聞こえは良いが、全て見透かされているようで、気恥ずかしさを覚えると同時に少しばかり腹も立つ。
「そう言えば、お父さん達がいる時はどうするの? 私とりこのこと、呼び捨てにしてくれる?」
「んー、その辺は今まで通りでいいんじゃねえか? 学校とかでもよ」
「私は人前でも呼び捨てにされたいな。今更りこ姉とか呼ばれるのは寂しい気がする」
「あ、それは確かにあるかも。どことなく余所余所しい感じがしちゃいそう」
「あんま無茶言うなよ。急に態度変えたら、お前らとの関係が学校の奴等とかにバレちまうかもしんねえだろ?」
 俺がそう言うと、あことりこは横合いから抱き付いてきた。視線を向けると共に照れ臭そうに微笑んでいる。
「んだよ? 急にどうした?」
「だって圭ちゃんが、お前ら、なんて呼ぶから。遠慮が一切なくなった気がして嬉しい」
「ホントに圭太のオンナになったんだなぁ、オチンポ入れられちゃったんだなぁ、って実感が沸いてくる」
「……よく判んねえけど、だったら三人でいる時はこれからもそう言うか。今更姉ちゃん達とか口にすんのも妙な感じがするしよ」
「うんっ。名前を呼び捨てにする時も、もっと自分の物だって感じで呼んでね?」
「私はもっとキツい言葉でもいいぞ? 圭太に人前で肉便器とか呼ばれるのも、何か気持ち良さそうだしな」
 突拍子もないりこの台詞に苦笑いを浮かべつつ、俺は両脇の二人をそっと抱き寄せた。
「んじゃ、そろそろ再開すんぞ? 今度はあこが下、りこが上になってみろ」
   ★★★
「んはあっ……オチンポ気持ちいいっ……くふうっ……圭ちゃんの凄くいいのおっ……」
「ふはあっ……圭太もっとおっ……はふうっ……クリにオチンポいっぱい当ててえっ……」
 重なり合った秘所の間に陰茎を挿し入れて素股を始めると、ほんの数分であこもりこも嬌声を響かせ始めた。単に一人ずつ前戯をしてやるのが面倒だっただけなのだが、対処法として間違ってはいなかったようだ。混じり合った愛液は肉棒だけでなく俺の陰毛までもを濡らし、更なる領域拡大を求めてシーツの上に新たな染みを作っている。上下の淫唇は茎部を挟み込んで火照りを伝え、その柔らかな感触に硬く尖った淫核が彩りを添えており、俺は心地良さに浸りながら躊躇せず腰を速めていった。予定とは異なるが、このまま射精に至るのも悪くはない。
「はふあっ……圭ちゃん私いっ……んふうっ……もうオマンコイっちゃうよおっ……」
「くはあっ……圭太私もおっ……あふうっ……もうオチンポでイっちゃいそおっ……」
「このまま俺が出すまで我慢してろ。勝手にイったりしたら、暫く相手してやんねえからな」
「んくうっ……そんなの嫌あっ……あううっ……頑張るから早くうっ……ふうあっ……圭ちゃんも早く一緒にいっ………」
「あくうっ……圭太出してえっ……くううっ……早く私達にいっ……ひうあっ……オチンポに溜まってる精液掛けてえっ……」
「なら、お前らも協力しろよ。俺に合わせてケツ振ってみろ」
 そう告げた後、あこの内腿とりこの尻とを手の平で軽く叩いてやると、二人は下半身を揺らめかせ始めた。幾分ぎこちなくはあるものの、双子であるが故か動作は同調しており、肉溝を密着させたまま交互に腰を前へと進めては引き戻し、限界間近の一物を扱き上げていく。
「んひあっ……自分ですると尚更あっ……はううっ……気持ちいいのが止まんないいっ……くひあっ……圭ちゃん早くイかせてえっ……あひうっ……もうオマンコ限界だからあっ……」
「んくあっ……こんなのもう無理イっちゃううっ……はうあっ……圭太早く精液掛けてえっ……ひううっ……オマンコイきたいイきたいのおっ……くひうっ……オチンポと一緒にイかせてえっ……」
「んじゃ、三人で一緒にイくぞ? おらっ!」
「ひゃああっ……圭ちゃんの熱いいっ……んうっ、あっ、あっ……オマンコイくううううううっ!」
「んひゃあっ……圭太の精液いっ……あうっ、ひああっ……オマンコイくううううううっ!」
 俺の放出に合わせてあことりこは互いの身体に腕を回し、姉妹で抱き合ったまま全身を大きく波打たせた。献身目的の腰使いは不規則な痙攣へと変わり果てたが、それでも止むことなく牡の生殖液を自身の肉襞へと塗り込んでいく。
「ふあっ……うっ……んはぁ……圭ちゃんのヌルヌルぅ……くふぅ……オマンコに染み込んでくるぅ……」
「んあっ……んっ……くはぁ……圭太のまだ硬ぁい……んふぅ……クリに当たって気持ちいい……」
「ふぅ……取り敢えず出切ったか。で、こっからは一人ずつな」
 俺はそう言って、粘液の付着した肉茎をあこの膣口へと押し当てた。
   ★★★
 射精後ということもあって些か硬度不足かと思っていたのだが、あこの膣は俺の萎え始めた陰茎を簡単に呑み込んでいった。決して締まりが悪いという意味ではなく、事前に充分に解されていたということだ。尚且つ三人分の体液が潤滑剤の役割を果たしてもいる。膣壁は相も変わらずに一物を強く圧迫し続けているが、りこへの挿入時と同様に亀頭の先には硬い感触があり、軽く突いてやる度に不要な強張りが取れていくのが判る。当初は少しばかり辛そうに顔を歪めていたあこも、子宮口への打ち付けを開始してからは甘い声ばかりを上げており、最早その表情に苦痛の影は見えない。
「はうあっ……圭ちゃんのオチンポズルいよおっ……くふうっ……何でこんなに気持ちいいのおっ……うはあっ……こんなの知っちゃったら私いっ……んあうっ……どんどんイヤらしい女の子になっちゃううっ……」
「ふはぁ……何を今更ぁ……んふぅ……元々あこは私よりスケベだろぉ……はぁん……普段はムッツリだってだけでぇ……」
 ちなみにりこは現在、あこの上から移動して俺の隣に座り、結合部を見つめながら自身の秘所を弄っている。時折濡れた指先に舌を這わせ、精液の味を確かめては喘ぎを深めているようだ。
「少し前まで処女だったのに、もうマンコがいい具合に馴染んできてるしな。俺のザーメン付きチンポ、そんなに気に入ったか?」
「んはあっ……好きいっ……はふうっ……大好きいっ……くふあっ……圭ちゃんのオチンポおっ……あふうっ……圭ちゃんのザーメン付きオチンポおっ……」
「んはぁ……圭太ぁ……はふぅ……私にもオチンポぉ……あぁん……早くオマンコにオチンポ入れてぇ……」
「さっき言っただろ? 俺かあこのどっちかがイくまではこのままだって。もう少し待ってろよ」
 幸い本日は土曜で学校は休みであり、両親が帰ってくる夕刻までは存分に性行為を楽しむことが出来る。合間に休息や睡眠を挟めば、もう二、三回は精液を放つことが可能だろう。
「あはうっ……交代なんて嫌あっ……ふはあっ……もうずっとこうしてたいよおっ……はあうっ……圭ちゃんのザーメン付きオチンポおっ……んふあっ……オマンコ一杯に感じてたいのおっ……」
「くはぁ……そんなこと言うんだったらぁ……んふぅ……無理矢理にでもイかせてやるぅ……」
 りこは前屈みになり、正常位で繋がる俺とあこの股間へと腕を伸ばした。指の腹で淫核を摘み、クリクリと刺激を与えていく。途端にあこは腰を跳ね上げ、シーツを握り締めながら両脚を小刻みに震わせ始めた。
「ふひはあっ……りこダメえっ……あくふうっ……まだ嫌なのイきたくないのおっ……くひはあっ……お願いだから許してえっ……んはふうっ……オマンコ勝手にイかせないでえっ……」
「イ・ヤ」
「んじゃ、俺も少しスピード上げっか」
「ひゃううっ……圭ちゃんまでえっ……かふはあっ……イっちゃううっ……あふひうっ……こんなのすぐにイっちゃううっ……んくひあっ……オマンコイくううううううっ! ひあ、ああっ……んあっ……くふうっ……」
「なあ、圭太。このまま続けて何度もイかせて、足腰立たなくさせておこう。私の時に反撃されたら困るし」
「理由はともかく面白そうだな。だったら俺は子宮口責めといくか」
 俺とりこは笑顔で頷き合い、あこを悦楽地獄へと送り込むべく、指使いと抽送を更に速めていった。
「んぁああっ……そんな待っ……ふひゃああっ……まだ余韻がっ……あっ、あっ、んひうっ……くふぁああああああっ!」
   ★★★
[2010年09月24日] カテゴリ:【SS】conception×sis | TB(-) | CM(-)

con×sis・未改訂分

Conception×sis・未改訂分
     ★★★
「もう圭太も高校生だからな。いいぞ、お姉ちゃんたちとセックスしても」
 高校の入学式の夜、家族五人揃っての夕食時に、何の前振りもなく父さんが俺に向かって言った。唐突な発言に、俺は口の中の味噌汁を噴き出しそうになった。
「ちょっ、待てよっ。親のセリフじゃねーだろっ!」
 そう言って二人の姉を見ると、あこ姉は頬を染めて恥ずかしそうに俯き、りこ姉は俺にじっと視線を向けている。ちなみにあこ姉とりこ姉は双子で、俺との年齢差は一歳。二人とも俺と同じ高校の二年生になった。
「いいじゃないか。お前たちは父さんと母さんの連れ子同士。血縁じゃないんだから、ガンガンいきなさい」
 父さんは笑いながらそう言い返してきたが、冗談じゃない。確かに俺は父さんの実子、あこ姉とりこ姉は母さんの実子で血は繋がっていない。だが、前々から真性ブラコン気味の二人の姉は、俺の隙をついては犯罪的なスキンシップを取ってくる。添い寝ぐらいならまだいいが、唇を強引に奪って舌を入れてきたり、朝立ちしている陰茎を直接擦ってきたりするのだ。父さんのこんな発言を許したら、今まで以上の過激なアプローチをしてこないとも限らない。 
俺が再度父さんに怒鳴ろうとしたその時、それまで穏やかな笑みを浮かべていた母さんが口を開いた。
「圭太は、あことりこ、どっちと結婚するの? 実はね、母さん、近所の奥さんたちと圭太がどっちと出来ちゃうか賭けてるのよ」
「おおっ、それは父さんも興味あるな」
「子供で遊ぶなあっ!」
 父さんだけでなく母さんもおかしい。常識的にあり得ない。確かに俺はあこ姉もりこ姉も好きだが、それは家族の一員としてだ。子供の頃には両方と結婚したいなどと考えたこともあったが、物心ついた現在では世間から後ろ指を指されるような間違いを犯す気はない。
「圭ちゃん、私と結婚しようよ?」
 紅潮した顔でそう言ってきたのはあこ姉だ。名前は住之江あこ。双子の姉に当たる。いつも前髪をヘアピンで留め、肩まで届く黒髪を後ろで括っている。しっかり者で世話好きだが、些細な事で暴走し易い性格でもある。りこ姉のように常時大胆に迫ってくる訳ではないが、油断しているとそれ以上のことをしようとする危険な姉だ。
「圭太、私は圭太に貰われたい」
 真顔で言ってきたのはりこ姉だ。名前は住之江りこ。双子の妹だ。何か願掛けでもしているのか、常に左頬に絆創膏を張り、腰まで伸ばした黒髪をポニーテールにしている。日頃からマイペースで、性的好奇心を隠すことなく、事ある毎に俺を誘惑しようとする恐ろしい姉だ。
 とは言え、弟の俺が言うのも何だが、二人揃って幼児体型で貧乳、色気はないものの、以前は毎日大量のラブレターを自宅に持ち帰って来ていたほど容姿端麗で、性格も悪くはない。そんな二人から結婚を迫られて、正直、俺だって嫌な気分ではない。が、姉は姉だ。
「あのなぁ、父さんも母さんも姉ちゃんたちも変だぞ? そんなの許されることじゃねぇだろが。冗談は止めてくれよ」
「圭ちゃん、私、本気だよ?」
「圭太、私も本気だよ?」
 二人とも真摯な口調で言ってきたが、本気ならばいいという問題ではない。だが、一筋縄ではいきそうにないようだ。どう説得しようか俺が一頻り考えていると、母さんがとんでもないことを言い出した。
「あらまあ、モテモテね、圭太。じゃあ、こうしたらどうかしら? 先に妊娠した方が圭太のお嫁さんになるってことで」
「おおっ、流石は母さん。うむ、圭太、家長命令だ、そうしなさい。判り易い」
「アホかああっ! 判り易けりゃいいってもんじゃねぇだろがああっ!」
「圭ちゃん、私たちはいいんだよ? だから落ち着いて」
「私、圭太の赤ちゃん産みたい」
 家長命令だろうが、本人が了承していようが関係ない。駄目なものは駄目だ。大体、今日の入学式の後に顔見知りの先輩に聞いたところでは、姉たちが最近ラブレターを持ち帰らなくなったのは、周囲にブラコンであることを公言して憚らないからだと言う。入学直後から教師や上級生たちに目を付けられるかもしれず、今後の学校生活を考えただけでも頭が痛いのに、これ以上難題を増やすつもりはない。
「俺はいつか、ちゃんとした彼女を作んだよ! ちゃんと恋人を作んの!」
「お姉ちゃんたちだって、ちゃんとした女の子だろうが!」
「圭太は、母さんが産んだ二人に欠陥があるとでも言うの?」
「圭ちゃん、じゃあ、まずは恋人同士になろうよ?」
「私、圭太が望むなら性奴隷でもいい」
 俺は席を立ち、食事を中断して自室に逃げることにした。こんなことを言う家族と一緒に飯を喰うよりは、空腹を抱えながら不貞寝する方がマシだ。
「おや、話の途中で席を外すのか? 父さん、そんな圭太には学費出してやれないなぁ」
「母さん、圭太のお小遣いの増額を考えてたのに、残念だわ」
 似た者夫婦が脅してくる。仕方なく俺は自席に座り直して、あからさまに不機嫌な口調で問い掛けてやった。
「……どうすりゃいいんだよ?」
「だから言ってるだろう? あことりこ、二人とセックスをして、先に妊娠した方がお前の結婚相手だ。ふふ、初孫かぁ」
「ホテル代とか必要な時は言いなさいね? 母さん、ちゃんと出してあげるから」
 俺は湧き上がる怒りとやるせなさを抑え、冷静に考えてみた。社会通念とか常識とかはこの夫婦に通用しそうにない。ならば法律はどうだ?
「血縁じゃなければ結婚できるのかよ? それに俺、まだ十五歳だぞ?」
「そのことなら民法上、問題なさそうだ。お前が十八になったら籍を入れればいい」
 どうやら質問を想定して下調べしておいたらしい。無駄に頭が回るのが父さんの嫌なところだ。他に策はないかと考えていると、あこ姉とりこ姉が揃って口を開いた。
「圭ちゃん、私、処女だけど、よろしくね?」
「圭太、私も初めてだけど、痛くても我慢するから」
 狼狽える俺に止めを刺すように、父さんが続いて言った。
「お姉ちゃんたちだってか弱い女の子だ。初めての時は優しくするんだぞ?」
「それ以後は優しくしなくていいのかよっ!」
「それはまあ、お前の趣味の問題だからな」
「縄とか玩具代とか必要な時は言いなさいね? 母さん、ちゃんと出してあげるから」
「私は、その、圭ちゃんがしたいんだったら、縛られてもいいよ?」
「圭太、私、拘束された状態でピンクローターっていうの試してみたい」
 俺はテーブルの上で頭を抱え、この家の子供であることを心から恨んだ。
     ★★★
 その後、入浴を終えて自室に戻ると、ベッドの上が妙な形に膨らんでいた。恐る恐る掛け布団を剥いでみると、案の定、あこ姉とりこ姉が下着姿で横になっていた。あこ姉は上下揃いの白のブラとショーツ、りこ姉は同じく上下組らしき緑と白のストライプのブラとローレグパンツという格好だ。二人とも俺を見て妖しく微笑み、招くように両腕を開いてきた。俺だって年頃の男だ。それなりに欲情はするし隠れて自慰だってする。だが、何度も言うように姉は姉なのだ。いくら当人たちが望んでいても許されないことがある。
「何やってんだよ。ここは俺の――」
 言葉の途中で両腕を引かれ、俺はベッドの上に引き倒された。右側からあこ姉、左側からりこ姉に圧し掛かられて仰向けに押さえ付けられ、振り解こうとしても身動きが取れない。
「圭ちゃんも初めてだよね? 私がもらってもいい?」
「あこ、ズルい。私も圭太の初めてが欲しい」
「ちょっ、待てっ! いい加減にしろっ! うっとーしいんだよっ! このブラコンっ!」
 力の限りに怒鳴ってやると、あこ姉もりこ姉も揃って愕然とした表情になった。
「……違うよ、圭ちゃん。ブラコンなんかじゃない。確かに圭ちゃんは私の弟だけど――」
 泣き出しそうな顔になったあこ姉を見て、俺は言葉に詰まった。見れば、りこ姉も寂しそうに表情を曇らせている。
「――弟だけど、圭ちゃんのことが本気で好きなの……」
「……私も好き、大好き」
 あこ姉に続き、りこ姉も真面目な口調でそう言ってきた。いつもの二人ならばこんな時、どこか悪巧みしているような、からかっているような雰囲気を纏っているのだが、そんな様子は微塵もなく、弄びたいが故に俺を騙そうとしている訳ではないらしい。つまり、真の告白だ。
 俺は困惑した。姉たちが冗談交じりでなく、こんな風に切々と真情を告げて迫ってきたのは初めてのことだったからだ。気持ちが揺らぎ、二人の方へ傾きそうになる。しかし、姉たちの想いを一旦受け入れてしまったならば、世間様に顔向けが出来なくなるどころか、一緒に住んでいることで先々歯止めが効かなくなってしまうだろう。ここは自分に言い聞かせる為にも、強く拒絶しておかなければならない。そうでなければズルズルと流されていってしまう。
「けど――」
「「弟相手にこんなことしてるんじゃないの。好きな人相手だから、いいよね?」」
 俺の否定の言葉を遮ろうとするかのように、二人が異口同音に囁いた。正直に言えば、俺はそこまで言われて非常に嬉しかった。何だかんだと言ってはいても、二人とも容姿も性格も俺の好みなのだ。一歳年上とは言え、妹に思えてしまうほど可愛い素振りをして甘えてくることも多い。この二人がそれぞれ彼氏でも作ったら、恐らく俺は悔しさのあまり涙してしまうだろう。受け入れられない、でも好きだ。世間が許さない、しかし結婚はできる。もしかしたら妊娠させてしまうかもしれない、けれど当人たちを含めて家族は皆賛成している。様々な思いが頭の中を巡り、否定と肯定を繰り返している内に、俺は自分が二人との関係を徐々に望み始めていることに気がついた。そして同時に、それが自分の素直な感情であることを知った。とは言え、それでもたった一つ、あこ姉とりこ姉の言葉に頷けない理由がある。
「……悪いけど、どちらか一人なんて選べねえよ。比較して選ぶなんてこと、俺には出来ねえし、したくもねえ。だから駄目だ。父さんたちの言うようなこと、する訳にはいかねえよ」
「私は別に、りこと一緒でもいいよ?」
「私も、相手が圭太とあこなら、3Pでもいい。むしろ、そんな初体験がいい」
 姉二人の非常識振りに、俺は溜息を吐いた。真顔で内心の迷いを告げた自分が馬鹿に思えてくる。
「……あのなぁ、例えそうしたとしても、結婚はどっちか一人としか出来ねえだろ?」
「私は圭ちゃんがりこと結婚しても、一緒にいられるのなら構わないよ?」
「私も、子供さえ産ませてくれるなら愛人でもいい。でも、週に三回は相手して」
 どんどん頭の中が冷え切っていく。この二人、双子ということもあり、根本的な発想が一緒だ。だが、ここまで言われた以上、俺も覚悟を決めるべきなのかもしれない。
「……その時になって痛みに泣いても、文句は言わせねえかんな?」
 半ば脅しの意味も含めてそう言ってやったのだが、姉たちは嬉しそうに俺の身体にしがみ付いてきた。
「それって私たちとしてくれるってことだよねっ?」
「圭太ぁ、今の言葉、嘘じゃないよねっ?」
 無言で頷くと、二人は共に涙ぐみながら俺の頬にキスを浴びせ始めた。
     ★★★
 姉たちの想いを受け入れる気にはなったものの、即座に性交を要求するほど俺は鬼畜ではない。安易に事に及ばぬよう、自分を律し、姉たちを抑制しておく為にも、まずは三人の間の約束事を決めておく必要がある。暫く関係は今まで通り。部屋に入ってくる時にはノック必須。添い寝は許可。勝手にキスしてきたり、陰茎に触れてくることは禁止。他にも諸々の条件を言い渡していると、拗ねた顔でそれを聞いていたあこ姉は突然俺のパジャマの上着を捲り上げ、露わになった乳首を舌で舐め始めた。同時に、頬を膨らませていたりこ姉も俺のズボンとトランクスを下げ、それらを素早く足首から抜き取って下半身を丸裸にすると、半勃起していた一物を手で扱き出した。
「ちょっと待てっ! 今の話、聞いてなかったのかよっ! これじゃレイプじゃねえかっ!」
 勿論、俺は慌てて二人を払い除けようとしたのだが、腕や脚は巧みに絡め取られ、肘や膝などの関節を押さえ付けられて再び身動きの取れない状態にされた。つい先刻までならば二人とも力を抜いており、逃げ出すことも容易く出来たろうが、それ故に油断していたことは否めない。
「んれろっ、んちゅっ、ふふっ、圭ちゃんの乳首、甘ぁい、はぷっ、れおれっ、れろっ」
「はぁ、お風呂上がりなのにぃ、んぁ、圭太のオチンチン、ふぁ、凄い匂いがするぅ」
 二人とも俺の言葉に耳も貸さず、嬉々として身体に触れている。更には、快感に思わず俺が全身の力を抜くと、その隙を見計らっていたかのように自らの下着をも脱いで全裸になった。身体付きは殆ど同じで、上向きに尖った薄い乳房、その先端の桜色の突起、僅かな陰毛さえも惜し気もなく晒してくる。愛らしい二人の身体を目の当たりにして俺は呆けてしまい、拘束が緩んでいたことに気が付いたのは再度身動きを封じられてからのことだった。
「うふっ、圭ちゃん、今、見とれてたくれてた? 私の身体、気に入ってくれたのかな?」
 あこ姉はそう言いながら自身の乳首を俺の胸へと擦り付け、
「圭太、私の身体は? 圭太が望んでくれるなら、これ全部、圭太の物だよ?」
 りこ姉はそう言って完全勃起した陰茎を扱き上げてくる。そんな愛撫を同時に受けて身体が反応しない筈もなく、徐々に射精の限界が近くなってきた。
「うっ、ちょっと待てっ、このままじゃ出ちまうだろうがっ」
「えっ? りこ、ちょっと待ってっ。私にも圭ちゃんが出すとこ見せてっ」
「んふっ、圭太ってば、先っぽこんなに濡らして。全部舐め取ってあげるからね?」
 りこ姉はそう言って亀頭の先に唇を押し当てた。濁った音を立てて我慢汁を吸い上げると、次いで亀頭全体に舌を這わせ、そのまま口で咥え込んでいく。その背筋が震えるような悦楽に俺は抗い切れず、力任せに両腕の拘束を振り解くと、実妹の痴態を凝視していたあこ姉を引き寄せた。尻に手を回して胸の上へと座らせ、強引に足を開いて俺の顔を跨がせる。甘酸っぱい香りを放つ秘所に舌を当て、微かに分泌していた愛液を舐めると同時に、俺はりこ姉の口中へと精液をぶち撒けた。
「むぶがぼもおっ……んぼもっ……んごくっ……むおぶっ……もごぶっ……んごくっ……」
「んはあっ……圭ちゃんがぁ……はふあっ……圭ちゃんが私のあそこ舐めてくれてるぅ……」
りこ姉の口腔に白濁液を放ち続けながら、あこ姉の膣口に舌を挿し入れて中の柔肉を舐め上げる。快楽に堪え切れなかったとは言え、こうなってしまった以上、もう迷いはない。あこ姉とりこ姉が好きなようにするなら、俺だってそうしてやる。
「おぼもっ……んべぼっ……んごくっ……むもぶっ……んぶぼっ……んごくっ……」
「あふあっ……圭ちゃあんっ……んくうっ……それ気持ちいいっ……ひうあっ……そこ気持ちいいよおっ……」
 射精直後の一物に絡みつく舌の感触は心地良く、溢れ出してくるトロリとした愛蜜は甘く、ずっとこのままでいたいとも思ったが、流石にそういう訳にもいかない。射精が終わると俺はあこ姉の細い腰に手を当て、顔の上から除けて上半身を起こした。視線を移すと、りこ姉は恍惚に満ちた笑みを浮かべていたが、何故か少しだけ頬を膨らませ、あこ姉に手招きをしている。
「んはぁ……気持ちよかったぁ……、えっ? あこ、何?」
 あこ姉が近付くと、りこ姉は何も言わずにその唇を奪った。様子から察するに、どうやら口腔に溜めておいた精液を口移しに飲ませているらしい。あこ姉はそれを拒まずに、何度も大きく喉を鳴らしている。
 ベッドを降りて机の前の椅子へと座り、一頻りそんな様子を眺めていると、やがて二人はうっとりした顔で互いの唇と唇、舌と舌を離し、俺に視線を向けてきた。身体を隠すことなくベッドを降りて正面まで歩み寄り、床に正座して俺の顔と半勃起状態の陰茎とを交互に見上げてくる。共にその口元から精液だか涎だかを僅かに垂らしているのを見て、少しだけ迷ったが、俺は本心を告げることにした。言ってしまうことで今以上に自己の抑制が効かなくなることは判っていた。けれど、嫌な顔一つせずに精液を飲んでくれた二人に自分の想いを告げず、誤魔化したまま関係を結ぶことは出来ない。
「……ほんとのことを言うと、常識とか世間体とか考えて、我慢してた部分もあった。こういう関係になるのは悪いことだって、ずっと自分に言い聞かせてた。でも、もういいや。非常識と言われたって、隣近所から白い目で見られたっていい。本当は俺だって、あこ姉とりこ姉のことが好きだ。大好きだよ」
「……圭ちゃん? ほんとに?」
「……圭太、ほんとに好き?」
 縋るような眼差しのあこ姉と、いつになく真剣な表情のりこ姉とに問い掛けられ、俺はその答えをゆっくりと口にした。
「本当だよ。俺は、あこ姉のことも、りこ姉のことも大好きだ」
「……嬉しい、圭ちゃん、嬉しいよおっ、すんっ、ふぇ、ぐすっ、うわああああああ~ん」
「……圭太ぁ、圭太ぁ、好きぃ、大好きぃ、うっ、うぐっ、ううっ、うううううぅ~っ」
 立ち上がって左右から抱きついてきた二人の背を撫で、重なる泣き声を聞きながら、もしかしたら自分は宇宙一幸せな弟なのかもしれない、と俺は思った。
     ★★★
 二人が泣き止んだ後、俺は服を脱ぎ捨てて全裸になると、姉たちの手を引いて再びベッドの上へと導いた。まずはあこ姉を仰向けにして大きく足を広げさせ、その上にりこ姉を四つん這いにさせて秘所を上下に並らべてみる。あこ姉の淫裂は先刻の愛撫により愛液と唾液で濡れていたが、りこ姉の秘裂はまだ僅かな体液しか漏らしてはいない。俺はその場に座り、陰茎に手を添えてあこ姉の秘所へと亀頭の先を押し当て、りこ姉の尻を高く抱え込んで膣口へ舌を挿し込んだ。あこ姉の肉溝を生殖器でゆっくりとなぞりながら、りこ姉の膣肉を優しく舐め上げていく。
「んくはぁ……圭ちゃんのが当たってるぅ……ふうあぁ……嬉しいぃ……あふはぁ……圭ちゃんしてぇ……はふあぁ……このまま圭ちゃんのものにしてぇ……」
「くふはぁ……圭太が舐めてくれてるぅ……んふあぁ……幸せぇ……んはあぁ……そこいい気持ちいい気持ちいいぃ……あふはぁ……気持ち良すぎてあそこが溶けちゃうよぉ……」
 りこ姉の愛蜜は次第に粘りを増し、濃厚な淫臭を辺りに漂わせている。それはあこ姉も同様で、亀頭の先はヌルヌルとした感触に覆われており、堪らなく心地いい。当初は愛撫だけのつもりだったのだが、更なる快楽への渇望を覚え、俺は一物の先端をあこ姉の膣口へと押し当てた。少しずつ埋没させていくと、膣内に入ってすぐの所に引っ掛かるような抵抗がある。恐らくは処女膜だろう。俺はりこ姉から口を離し、あこ姉へと問い掛けた。
「あこ姉、本当にいいんだな? このまま奥まで入れちまうぞ?」
「はふうぁ……してして入れてぇ……んくうぁ……私を圭ちゃんのものにしてぇ……あくふぅ……痛くても我慢するからぁ……ふくはぁ……私のそこを好きに使ってぇ……」
「んはぁ……圭太続きしてぇ……はあぁ……もっと私の舐めてぇ……ふはぁ……早くぅ……」
 言われた通りに俺は腰を前に進め、目の前の性器に武者振り付いた。亀頭で膜を押し破るようにして陰茎を挿入し、舌を膣内から陰核に移して何度も軽く弾いてやる。
「ひぎいいいいいいっ……圭……ちゃん……んぐああっ……大好きぃ……かはっ……くうっ……んくひいっ……愛して……んあっ……るうっ……あうっ……圭ちゃん愛してるううっ……」
「んふはぁ……私にもぉ……くはふぅ……圭太のを私にもぉ……ひうはぁ……私も圭太のものになるぅ……あふはぁ……だから入れてぇ……ふくはぁ……私も圭太のものにしてぇ……」
 あこ姉の膣に一物を根元まで入れてゆっくりと引き抜き、りこ姉の腰を下に押し付けて今度はその蜜壷へと押し入れていく。あこ姉の破瓜の血で染まった陰茎が再び処女膜に触れると、俺はりこ姉にも尋ねてみた。
「りこ姉、俺のものにするぞ? 本当にいいんだな?」
「くうはぁ……全部圭太にあげるからぁ……ふくはぁ……圭太の好きに使ってぇ……はうあぁ……どんなに痛くても耐えるからぁ……んふはぁ……気にしないで奥まで全部入れてぇ……」
 陰茎を少しずつりこ姉の膣内に挿入し、同時に片手を伸ばしてあこ姉の陰核を指で擦ってやる。可能な限り二人には快感を与え、例え僅かでも痛みを取り除いてやりたい。
「あふはぁ……圭ちゃん気持ちいいっ………んふはぁ……それ好き気持ちいいっ……」
「はぎいいいいいいっ……んくっ……圭太ぁ……んっ……くひうっ……圭太ぁ……つうっ……もう圭太のものだよぉ……あうあっ……くっ……もうそこ奥まで圭太のものだよおおっ……」
 りこ姉の膣内にも一物を根元まで入れ終えると、再び引き抜いて、またあこ姉の中へ。そしてまたりこ姉の中へと繰り返しながら、果たしてどちらに射精すればいいのかと、俺は少々不安になった。
     ★★★
 よく言われることだが、世の中には試してみなければ判らないことがある、というのは本当だと思う。俺自身、実際に性体験を行なってみて気付いたことがある。それは、自分の中にどす黒い欲望があるということだ。今まで気付かずにいたが、俺は俗に言うサドという性癖の持ち主らしい。抱え込んでいた鬱屈した想いが発散されたことによって、目覚めてしまったのだと思う。流石に殴ったり蹴ったり叩いたりすることはないが、言葉で相手を嬲り、身体を弄びながら快楽を得るというのは非常に心地いい。俺個人に限ったことかもしれないが、自慰なんかとは比べ物にならない。
 故に、ベッドの上で二人に各三回ずつ膣内射精をする度に、俺は妊娠させてしまう恐怖も忘れ、いやらしい言葉で精液をねだるように言わせ、合間に血と精液と愛液に汚れた一物を競わせて口で掃除させた。あこ姉とりこ姉も俺のそんな嗜好を拒むことなく受け入れ、命令に従うのが愛情の証とでも考えているようだった。
 現在、俺は机の前の椅子に座ってあこ姉を座位で貫き、床に座らせたりこ姉に陰嚢を舐めさせている。二人とも昨晩まで処女だったとは思えないほど、俺に心でも身体でも尽くしてくれている。もうそろそろ朝になるが、幸い本日は土曜日で学校もない。このまま夕方まで延々と性交を続け、たっぷりと女の身体というものを教えて貰い、男の身体というものを教え込んでやるつもりだ。妊娠を望む発言をしていた以上、父さんと母さんがそのことについて文句を言ってくる筈もない。
「ふくはあっ……圭ちゃんのオチンポ気持ちいいっ……くふひあっ…オチンポ好き大好きいっ……あふひうっ……また出してえっ……んくふうっ……また中にオチンポ汁出してえっ……」
 あこ姉は蕩けた顔で俺の首に両腕を回し、自ら腰を押し付けてきている。まだ膣内が多少痛むのか、時折微かに辛そうな顔をするものの、桜色の小さな乳首と陰核を硬く尖らせ、粘った白い愛液を大量に溢れさせており、淫悦に酔っていることは間違いない。それはりこ姉も同様で、交わる際には時に痛々しく顔を歪めることもあるが、悦楽に大きく喘ぎなから乳房や股間を擦り寄せてくる。更に言えば、二人とも既に何度も果てている。恐らく今までに自慰で達した経験ぐらいはあるのだろうが、性交による絶頂を覚えてからの二人は肉体を急速に開花させたようで、指示など与えなくとも淫語を口にし、膣で精液を受け止める度に全身を波打たせている。
 考えてみれば、こうなることを否定したり迷ったりしていた時の俺は馬鹿だった。何しろ家族で、学校も同じなのだ。こんな都合のいい状況はない。俺の言葉に従う二人となら、いつでもどこでも交わることが可能だ。出来ることなら妊娠などさせずにおきたいが、俺が中出しの快感を覚えた以上、今更コンドームなどの避妊具を使う気にもなれない。
「おら、あこ、中に欲しかったらもっとちゃんと言ってみろ。じゃねえと、お前の分、りこの中に出しちまうぞ?」
 つい先刻から俺は姉たちを呼び捨てにし、今まで以上に横柄な言葉を使っている。だが、文句を言うどころか、そう呼ばれる度に二人とも嬉しそうに微笑み、従順に俺の指示に従っている。どうも姉としてではなく、一人の女性として好きな男に名前を呼ばれ、言いなりにされるのを喜んでいる様子だ。
「んくはあっ……そんなのダメえっ……あふひうっ……ちゃんと言うから私に出してえっ……んふひあっ……圭ちゃんのオチンポ汁うっ……かふはあっ……あこの濡れ濡れオマンコに注いでくださいいっ……うくふあっ……お願い圭ちゃん早くうっ……ひうはあっ……私もうオマンコイっちゃうよおっ……んひはあっ……ドロドロのオチンポ汁でイかせてええっ……」
 あこ姉は俺に強くしがみ付き、全身を小刻みに震わせ始めた。りこ姉は自分の順番が待ち切れないのか、睾丸の一つを陰嚢ごと口に含みながら、片手であこ姉の淫核を擦り上げている。
そんな二人の痴態を前に、もう俺も射精を我慢できそうにない。
「じゃあ、受け取れ。ほらっ」
「あひふはあっ……熱いのきたオマンコにきたあっ……んくひうあっ……熱くて染みて気持ちいいっ……はくふひあっ……圭ちゃん見ててイくから見ててえっ……かふはへあっ……オチンポ汁でオマンコイっ……くううううううっ!」
     ★★★
 土曜日の晩、俺は父さんと母さんに姉たちと関係を持ったことを話した。共に喜んでくれたが、避妊具以外に妊娠させないで済む何か良い方法がないか、と俺が尋ねると、揃って渋い顔になった。どうも本心から初孫を望んでいたようだ。それでも俺が同じ質問を繰り返すと、父さんが経口避妊薬なるものを大量に渡してくれた。話によると、『ネオピル』というその避妊薬は市販されたばかりの新型で、呑んで十数分後から二十四時間前後は効果があるとのことだった。但し、時期はある程度自由に選べるものの、月に一週間ほどは薬を飲まずに生理期間を設ける必要があるとのことで、その点については後で当人たちと相談しようと思い、俺はその場に同席していた二人の姉に取り敢えず少量ずつ薬を渡しておいた。
 母さんからは貯金通帳と口座のカードを授けられた。共働きで余裕があるので、当座のホテル代や必要な物を買う為の資金として好きに使って構わないと言われ、俺は頷いた。通帳を開くと、とてもそれだけの目的では使い切れない程の金額が記されていた。
 更に父さんは一枚のカードキーをも与えてくれた。転売目的で以前に購入したマンションの鍵とのことで、俺たちの通う高校に近く、部屋も広いらしい。関係を持った以上、いっそのこと三人でそこに住んだらどうかと問われ、明日の日曜日にでも現地を見てから決める、と俺は答えておいた。あこ姉とりこ姉を見ると、三人での新生活を期待するかのように嬉しそうに笑っており、至れり尽くせりとはこんなことを言うのかと思いつつ、俺は二人に笑い返した。
 自室に戻って一息吐くと、俺は先々の性生活の充実の為、パソコンを使ってアダルトグッズを買うことにした。幾つか比較した後に一番商品が充実しているサイトを選び、ローターやバイブ、ローションや下着など数十点ほどを選んで購入手続きをし、支払い方法は銀行振り込みでの先払いとした。妊娠対策、資金、淫具がこれで整うことになる。マンションが気に入れば新たな性交場所も得られる。あとは何が必要だろうと考えていると、部屋のドアをノックしてあこ姉とりこ姉が入ってきた。今からお風呂に入るので一緒に入りたい、と言われたが、俺はそれを断った。昨晩から十二回も精を放っていて体力の余裕はなく、それでも裸の二人を見たらまた欲情してしまいそうだったからだ。あこ姉もりこ姉も寂しそうに顔を曇らせたものの、近い内に必ず一緒に入ると約束して各々の唇にキスをしてやると、共にあどけなく笑って部屋を出て行った。
 姉たちが風呂から出たら身体を洗い流そうと思い、ベッドに横になって待っている内に、俺はいつか眠りに落ちた。それはとても安らかで満ち足りた眠りだった。
     ★★★
「ここに住むとしたら、私、この部屋がいいな。景色がいいもん」
 部屋の窓から外を見渡してから、りこ姉はそう言って可愛らしく首を傾げた。釣られて同じ風景に目をやると、確かに眺めは悪くない。
 父さんから与えられたマンションの部屋は地上八階にあった。部屋数も多く、ざっと確認したところでは6LDKと言ったところだろうか。洋間が四部屋、和室が二部屋、ベランダも広く、風呂場の奥にはホームサウナまである。築二年とのことだったが、居住者がいなかった為に埃が薄っすらと積もってはいるものの、どの部屋もまだ綺麗であり、専門業者に清掃を依頼する必要もなさそうだ。
 各部屋の現状を確認した直後から、ここになら住んでもいい、と俺は考えていた。高校からは徒歩数分という距離で、朝寝坊しても慌てなくて済む。駅もそれほど遠くはないし、遊びに出かけるのにも都合がいい。そうなると後は具体的な部屋の割り当てだ。俺とあこ姉とりこ姉で洋間を一室ずつ使うとして、一番大きな洋間にはキングサイズのベッドを二つ入れ、三人のベッドルームとして使用するのもいいだろう。和室の一つは客間とし、もう一つは用途が決まるまで空けておけば、気が向いた時には畳の上での性交も楽しめる。
「じゃあ、りこはこの部屋な。で、あこはどの部屋がいいと思う?」
 俺がそう尋ねたのは、あこ姉が一緒に来ていないからだ。生徒会の急な用事とかで今朝早くに学校に呼び出され、不貞腐れた態度で出かけていった。用が済み次第携帯に電話を入れ、場合によってはこのマンションに来るとのことだったが、未だに連絡はない。ちなみに、あこ姉は生徒会の書記を去年の十一月から務めているらしい。毎年、二学期の中盤に生徒会選挙があり、その年度の十一月から翌年度の十月末までが任期となるようだ。
「う~ん、あこだったら、さっきの部屋かなぁ? この部屋って言うかもしれないけど、向こうの方が少し広そうだし。一番広い部屋は圭太が使うんだよね? って言うか、ここに住むの決定?」
「ああ。帰ったら引っ越しの段取り組もうぜ。今週末か来週末に荷物運べば、月末までには生活も落ち着くだろ。んで、一番広い部屋だけどな、あそこは皆で寝る為のベッドルームにしようと思ってんだ。嫌か?」
「……嫌じゃないけど、毎日3Pしてくれるの?」
「……お前、俺を殺すつもりか? んじゃなくてだな、それぞれの部屋にもベッドを置いといて、普段は別々に寝んの」
「夜這いしてもいい?」
「たまにだったらな。で、この後どうする? 一通り見たし、あこの携帯に連絡入れて、手が空くようだったら待ち合わせてさ、帰りにどっかで飯でも喰うか?」
 俺がそう言うと、りこ姉は悪戯っぽく微笑み、ワンピースの裾を両手でゆっくりと捲り上げた。ピンクのローレグパンツを俺の眼前に晒しながら、甘えた口調で囁いてくる。
「初めてはあこが先だったんだから、このマンションでの初めては私にして?」
     ★★★
 まだ各種の手続きをしていないが故に電気やガス、水道などが使えないこと、事後処理に必要なティッシュを持ってきていないことなどを理由に、俺はりこ姉の誘いを断わった。だが、りこ姉は引かず、行為の後にシャワーを浴びることが出来ない点はともかく、陰茎の後処理については舌で汚れを全て舐め取ってくれると言う。更には家を出る時に避妊薬も呑んできたと聞かされ、俺は仕方なく相手をすることにした。
 カーテンがない為に外からの死角を選び、床の埃が服や身体に付かないよう、立ったまま壁に背を預けさせる。りこ姉の前に屈み込んで捲り上げられたスカートの中を確認すると、下着の股布には既に小さな染みが出来ていた。
「んだよ、もう濡らしてんのか?」
「だって、昨日の夜は相手してくれなかったし。あこなんか、自分の部屋でオナニーして慰めてたんだから」
「見てたのかよっ?」
「してるところを見てはいないけど、あこ、出掛ける時に下着替えて行ったから。脱衣カゴの中を見てみたら、染みだらけのが入ってたし、間違いないと思うよ?」
「……悪趣味だぞ?」
「いいじゃない。もう私たち、セックス見せ合う仲なんだから。ねぇ、それより今はここぉ」
 拗ねたようにそう言うと、りこ姉は自ら脚を開いてきた。
「おい?」
「んはぁ、圭太早く触ってぇ。見られてるだけじゃ切ないよぉ。もうそこは圭太の物なんだからぁ、毎日ちゃんとお手入れしてよぉ」
 甘えきった声でそう言われ、俺は苦笑いしながら立ち上がると、りこ姉の唇を奪った。舌を挿し込んで絡めながらショーツの中へ手を伸ばし、肉溝の愛液を指先で掬い上げては繰り返し淫核に擦り込んでやる。
「あむうっ……むぶもっ……おぶうっ……もごぼっ……んごくっ……ぶもおっ……」
 破瓜の直後から色々と教え込んだ甲斐あって、りこ姉はスカートから片手を離すと、ジーンズの上から勃起し始めた陰茎を絶妙の加減で撫で上げてきた。同時に小さく震える腰を前に突き出し、尖りつつある淫核を俺の指に強く押し当ててくる。そのまま暫く行為を続け、やがて下着全体がしっとりと濡れてくると、俺はりこ姉から口を離し、その耳元で意地悪く囁いてやった。
「このままチンポ入れてやるから、自分で片足抱え込め。んで、パンツの股ずらしてマンコ見せながら、いやらしくおねだりしてみろ」
 りこ姉はうっとりとした顔で俺の言葉に頷き、指示通りの姿勢になると、下着だけでなく淫唇さえも自らの指で開き、濡れた膣肉を見せつけてきた。
「んくふぅ……ほら見てもっと近くでぇ……あふはぁ……圭太のオチンポが欲しくてこんなに濡れちゃってるんだからぁ……うくはぁ……だからこのグチョグチョのオマンコ奥まで好きに使ってぇ……ふくはぁ……好きなだけ突っ込んで掻き回してオチンポ汁吐き出してぇ……」
     ★★★
 その後。前面立位で膣奥へと精液を浴びせてやると、りこ姉は同時に達しながら軸足をも俺の腰へと回し、駅弁、つまり四十八手の櫓立ちの状態で余韻に浸り始めた。小柄で華奢な身体は軽く、両手で尻を抱え込んでやっていても負担はそれ程ないが、せめて事前に近くのコンビエンス・ストアで替えの下着と雑巾ぐらいは買ってくるべきだったかもしれない。接合部から垂れ落ちた二人の体液が床の上に小さな水溜まりを幾つも作っており、その数は尚も増加しているからだ。
「あふへぇ……気持ち良かったぁ……んくはぁ……も一度しようよぉ……」
 弛み切った笑顔でりこ姉はそう言ってきたが、穿いたままの下着がびしょ濡れなのはともかく、ワンピースの布地にまで大きな染みを作っており、これ以上は帰途に就くのが難しくなりそうだ。とは言え、幸い俺はジーンズとトランクスを完全に脱ぎ去っており、背負ってきたデイバッグの上に畳んで置いてあるので問題はない。事後に服と下着を買ってきてやれば、どうにかなりそうではある。だがまあ、続けるにしても一旦は休息を入れたいところだ。
「ところで身体は大丈夫なのかよ? もう全然痛くねえのか?」
「くはぁ……まだ時々ピリってするけどぉ……んふぁ……気持ちいい方が強いから平気ぃ……あふぅ……相性バッチリってことだよねぇ……かはぁ……だからも一度しよぉ……」
「ならしてやるから、チンポが元気になるまで少し待ってろ」
 一昨日使い過ぎた為だろう、今日の俺の一物は少し元気が足りない。気合いを入れれば即二回戦目に入れるだろうが、自然に回復するのを待った方が恐らくは負担が少ないだろう。出してしまえば同じだけの疲労を抱え込むのかもしれないが。
「ふはぁ……それなら私がぁ……あふぅ……圭太の元気にしてあげるぅ……んんっ……」
 そう言うと、りこ姉は俺にしがみ付いたまま腰を前後に動かし始めた。
「ちょっ、何やってんだよっ」
「くふうっ……圭太のオチンポにサービスぅ……ふはあっ……でもこれだけで気持ち良くなっちゃうっ……あふはっ……気持ちいいオマンコ気持ちいいっ……」
りこ姉は腰使いを徐々に加速させ、ぬらりとした膣内で容赦なく陰茎を扱いてくる。多少動きがぎこちなくもないが、一旦射精を終えたとは言え、その触感と喘ぎ声、甘い体臭に一物が反応しない訳がない。
「あはふうっ……オチンポどんどん硬くなってきてるうっ……ふくはあっ……このまま私が全部してあげるからあっ……んくひあっ……一番奥にオチンポ汁注ぎ込んでえっ……」
 そこだけ別の生き物のように激しく尻を振り立てられ、最早陰茎はほぼ完全に勃起している。しかし、全てを任せてしまったら今後も主導権を奪われかねない。よって、俺はりこ姉の動きに合わせて反復運動を開始した。子宮口を突かれるのが相手の弱点であることは、先日からの性交で確認済みだ。
「勝手なことばっか、言ったりやったりしてんじゃねえよ。おら、ここ突っつかれんのが好きなんだろ? 一人で何度でもイっちまえ」
「ひくはふあっ……それ好きそこ好き大好きいっ……んくはひあっ……勃起オチンポ気持ちいいっ……あへひくうっ……イくイっちゃうイかされちゃううっ……」
「好きなだけイっていいぞ。そうだな、俺が出すまでに三回以上イったら、子宮にたっぷりザーメンぶっ掛けてやる。一番奥に出されんのが好きなんだろ?」
「かはくふあっ……好き奥に出されるの好きいっ……くふはひいっ……子宮に掛けてもらうの大好きいっ……ふくかはあっ……だから先にイくねイっちゃうねえっ……はへひくあっ……イくイくイくイくううっ……んへひはあっ……オマンコイくううううううっ!」
     ★★★
 月曜日の朝。俺は自分のクラスを初めて訪れ、黒板に張り出されていた自席に着くと、顔見知りと座談を始めた。相手は戸田という中学時代からの友人で、昨年度もクラスメイトだった男だ。クラスには他にも何人か同じ中学出身の奴がいたが、戸田以外に特に親しくしていた相手はいなかった。
「……あの、住之江くん?」
 一頻り戸田とクラスの女子の品定めをして盛り上がっていると、不意に後ろから苗字を呼ばれた。振り返ると、やはりこの三月までクラスメイトだった三国美春という女生徒が立っていた。サラサラ髪をボブカットにした巨乳の眼鏡娘だ。あまり話をしたことはなかったが、整った容貌は俺の好みであり、以前からそれなりに観察はしていた。性格は温和で大人しく、悪く言えばいつも多少おどおどしている。とは言え、真面目でそれなりに責任感も強いようで、気の弱い優等生といったところか。
「よっ、三国も同じクラスなんだな。よろしくな」
「あ、うん。よろしくね。でね、あの、その、そこ、私の席なんだけど……」
 そう言って三国が恐る恐る指差したのは、戸田が腰を下ろしている俺の隣の席だった。恐らくは一見怖そうな風貌をした戸田に直接言うよりは、多少は言葉を交えたことのある俺に告げた方が安全だとでも思ったのだろう。俺は片手で拝む真似をして三国に謝意を示すと、戸田へと向き直った。
「ほれ、戸田、退け。そこは三国の席なんだと。本人が座れねえだろが」
「ああ? んじゃしょうがねえなぁ。悪ぃなぁ、三国よぉ。本当に悪かったなぁ」
 即座に椅子から立ち上がった点から見ても、戸田は本心から謝ったのだろうが、何しろ普段から目付きが悪く、口調も荒々しい。嫌な奴ではないのだが、周囲に誤解されることも多い。案の定、殊更低い声で放たれた戸田の謝罪の言葉に、三国は怯えたように身体を竦ませた。
「あの、私はその、お話がまだ済んでいないんだったら、別に、その、座ってても……」
 その反応に俺は苦笑し、自席から立ち上がって戸田の頭を軽く叩いた。
「ってぇな、何すんだよ、圭太ぁ」
「お前が悪い。三国をビビらせてどうすんだよ? もっとちゃんとした口調で謝れ」
 そう言われて戸田も三国の様子に気付いたようで、深々と頭を下げ、改めて丁寧な口調で謝り始めた。
「こっ、この度は誠に申し訳なくっ、本当に済みませんでしたっ。全て俺、いや、私の不徳の致すところでありましてっ、その、前向きに善処を――」
「どこの政治家だ、お前は」
 聞くに堪えなかったので、俺はそう言ってもう一度戸田の頭を叩いた。戸田は悔しそうに睨んで来たが、自分でも変だと思ってはいたのか、俺と視線が合うと照れ臭そうに笑い出した。俺も苦笑いを返し、いつの間にか三国も一緒になって笑っていた。
     ★★★
 初の朝のホームルーム。担任だという女教師は『桐生夕月』と自らの名前を大きく黒板に記すと、教室の中を見回し、咳払いをしてから挨拶を始めた。年齢は二十三歳で独身、日本史担当の新任で、当たり前のことだがクラスを受け持つのは初めてだという。経験値のない人間を担任にさせる学校の運営方針には呆れるばかりだが、何かと顔を合わせることの多くなる相手だ、変なオヤジ教師よりはこちらの方が断然いい。何しろ桐生は容姿端麗であり、腰まで伸ばしたストレートの髪も、細い身体とは不釣り合いな程に豊かな胸も、見ていて飽きることがない。目付きが多少きついのも俺の好みだ。我ながら守備範囲が広いとは思うのだが、あこ姉とりこ姉が貧乳だけに、巨乳の持ち主にはつい評価点が甘くなってしまう。
 どうも初の性交を経てから感情や性欲の抑制が出来なくなっているようで、桐生の身体つきを眺めているだけでズボンの中の陰茎が勃起し始めてきた。更に加虐的嗜好も日を追う毎にどんどん強くなってきている。本音を言えば機会があれば罠に嵌めてでも、三国や桐生の巨乳を露わにし、思うがままに蹂躙してみたい。
「それでは、問題がなければ席順はこのまま。二学期になったら改めて席替えをしたいと思います。それでいいかしら?」
 桐生の発言に教室のあちこちから不満の声が漏れ出した。とは言え、声を上げているのは少数で、意見が覆りそうな気配はない。俺としても知らない奴と席を並べるよりは、このまま三国の隣で乳房の揺れでも見ている方が楽しい。
「はい、静かに。大多数の人は了解みたいだから、それではそういうことにします。どうしても納得がいかない、問題があるという人は、後で私のところまで言ってきてください。その時点で改めて対応を考えます。それでは次に――」
 俺が桐生を見ながら呆けていると、突然、三国が横から身を乗り出してきた。何事かと思って視線を向けると、恥ずかしそうに笑いながら、小声で囁いてきた。
「住之江くん、さっきはどうもありがとう」
さっきと言うのは戸田の謝罪の件だろう。一緒に笑い合ってから後は、三人で他愛のない話を続けていたのだが、ほっと息を吐いているところを見ると、ずっと礼を言う機会を窺っていたらしい。
「別に大したことじゃねえよ。戸田は口と態度はああだけど、話せばいい奴だろ?」
「うん。私、誤解してたみたい。これからも同じクラスなんだし、早く気付いてよかった」
 頬を染めて言う三国を見て、俺は嫉妬心を抱いた。
「え? まさか戸田に惚れたのか? 俺が言うのも何だけど、彼氏には向かねえと思うぞ?」
「なっ、彼氏なんてっ、そんなっ、別に好きとかそんなんじゃっ」
「はい、そこ。さっきから煩いわよ?」
 教壇から放たれた桐生の言葉に、俺と三国は肩を竦めた。
     ★★★
 その日の放課後。俺は姉たちと一緒に帰ろうと思っていたのだが、あこ姉は生徒会の会議、りこ姉も昨年度と同じく風紀委員になったとのことで、やはり会議で遅くなると言う。仕方なく一人で自宅に帰る途中、ズボンのポケットに入れておいた携帯から着信音が鳴り響いた。
 液晶画面で確認すると、電話をかけてきたのは俺が中学の陸上部に在籍時のマネージャーの女の子だった。名前は桐生三日月、現在は中学三年生。いつも伸ばした髪を肩まで届くツインテールにしている、可愛いけれど一風変わった性格の後輩だ。三日月は俺が中学を卒業した後も、現在の部の状況や学校の様子などを何度か電話で知らせてきてくれている。以前から俺の追っかけと自称して事ある毎に交際を迫ってきてもいたが、あまりにも積極的なその様子に気後れし、昔も今も特に付き合ってはいない。とは言え、今となっては二人の姉以上に細く貧弱な身体にも興味が出てきた。言葉巧みに誘導すれば、即座に性交が可能かもしれない。
「もしもし?」
『あっ、せんぱーい。お久し振りですぅ、三日月ですぅ』
 数日前に話したばかりだというのに、三日月の声は弾んでいる。同じ学校に通わなくなった現在でも、まだ脈がありそうだ。
「どうした? 何かあったのか?」
『特に何もないですよぉ。でもでもぉ、玉砕覚悟でまたまたデートのお誘いですぅ』
「いいぞ。今度の土曜とかどうだ?」
『はへっ?』
 三日月は俺が簡単に了承したことに驚いている様子だ。今まで何度も誘いを断わっていたのだから無理もない。
「何か用があんなら、別の日にするか?」
『えっ? ええっ?』
「部活が忙しいんだったら、また今度の機会でも――」
『いえっ! 部活なんかどーだっていいですっ! 土曜日っ! 土曜日にしましょうっ! けーた先輩の気が変わったりしたら困りますっ!』
「じゃあ、三日月ちゃんはどこに――」
 どこに行きたい? と尋ねようとして、俺はあることに気付いた。電話の向こうは桐生三日月、そして俺の担任は桐生夕月。偶然とは思えない。
『あれっ? どしたんですか? けーた先輩? 今のなしなんてダメですよ?』
「……三日月ちゃんさ、桐生夕月って人、知ってっか?」
『はえっ? あたしの姉ですけど。なんでお姉ちゃんのこと、先輩がご存知なんですか?』
「俺の担任だから」
『……そうきたかぁ、悔しいいいっ! こうなったら、けーた先輩の授業中の写真と、健康診断のデータと、着替えの時の盗撮写真と、汗の染み込んだ体操着と、あと、えっと……』
 以前から妙に積極的だったが、そんなことまで考えていたのかと俺は呆れ返った。
「そう言えば部活の後、たまに靴下無くしてたんだけど、盗んだの三日月ちゃんか?」
『はいいっ? いえっ、決してそんなことはっ、ごめんなさいっ、いえっ、あたしじゃないですっ、そうだっ、夕月お姉ちゃんが犯人ですっ、今度叱っておきますからっ』
 語るに落ちるとはこのことだろうが、この話は後でも使えそうだ。あまり現時点で追い詰めるのも可哀想だし、話題を変えてやった方がいいだろう。
「まあ、いいや。じゃあ今度の土曜日、三日月ちゃんはどこに行きたい?」
    ★★★
 三日月と通話を終え、最寄りの銀行でアダルトグッズ代の振り込みを済ませて帰宅すると、俺は昨晩姉たちと立てた引っ越し計画を基に、パソコンで関連資料を作っておくことにした。業者に頼んで実際に荷物を運び入れるのは来週末の予定で、その日から問題なく新生活を始める為にも、家具などの具体的な配置図と関連のチェックシートだけは事前に用意しておく必要がある。他にも新たに必要な物の一覧、電気やガスなどの手続き先など、一通りのデータを作り終えた時には夕暮れ時になっていた。
「圭太、いる?」
 作成したデータを紙にプリントアウトしている最中、ノックの音と共に、自室のドアの向こうからりこ姉の声が聞こえてきた。
「ん、何?」
 そう声をかけると、ドアを開けてりこ姉が部屋に入ってきた。まだブラウスにチェック柄のスカートという、高校の制服のままだ。
「あこ、まだ少し遅くなるかもしれないって。お父さんたちも残業だって連絡があった」
 父さんと母さんは同じ外資系の商社に勤務している。給料はいいらしいが、残業は日常茶飯事で、おまけに退社後にホテルで抱き合ったりもしているらしく、週に三日は帰りは遅い。
「そっか。じゃあ、夕飯は俺が作るか。りこ、何か食べたいもんあるか?」
 あこ姉は器用で料理上手だが、りこ姉は不器用でキッチンに立たせる訳にはいかない。以前に料理を作ろうとした際には、危うく家が火事になるところだった。とは言っても、運動神経はあこ姉よりもりこ姉の方が上で、その他のことも含めて総体的に見れば、どっちもどっちというところだ。
「食べたいもの? そんなの、これに決まってるじゃない」
プリント用紙を手に立っていた俺に近付くと、りこ姉はそう言って制服のズボンの上から陰茎を撫で上げてきた。慈しむようなその手の動きに、忽ち一物が勃起してくる。
「あはっ、圭太のオチンポ大っきくなってきたぁ。圭太ぁ、これ食べたいよぉ」
「なら食べさせてやるから。壁に手をついてケツ突き出せ」
 俺がそう言うと、りこ姉は嬉しそうに笑い、指示に従っていそいそと尻を差し出してきた。手早くズボンとトランクスを脱いで下半身を露出し、目の前のスカートを捲り上げて白と青のストライプのローレグパンツを膝までずり下げる。自分の手で一物を扱きながら、既に濡れ始めていた淫裂に亀頭を強く擦り付けてやると、りこ姉は焦れったそうに尻を揺らし、蕩けた息を漏らし始めた。
「んはぁ……圭太早くぅ……くふぁ……焦らさないでちゃんとしてぇ……」
「いきなりぶち込んだら、俺もりこも痛えだろうが」
 そう言ってはみたものの、あこ姉もりこ姉も身体はかなり敏感で、こんな行為だけでも愛液が奥から溢れ出てくる。
「あふぁ……痛くてもいいから入れてぇ……ふはぁ……今すぐオチンポ食べたいよぉ……」
「なら挨拶しろ。食事の前には戴きますだろ?」
「んくぁ……戴きますぅ……はふぁ……圭太のオチンポ戴きますぅ……うはぁ……言ったから早くぅ……あふぅ……早くオマンコに入れてぇ……ひはぁ……お願いだから早くぅ……」
「おらよっ」
 俺は陰茎を一気に根元まで突き入れた。籠もった水音と共に淫蜜が跳ね、中腰となっていた俺の内腿を微かに濡らしてくる。
「んくひはあああっ! あひっ……くふっ……ああっ……くっ……んひっ……」
 挿入と同時にりこ姉は高らかに声を上げ、次いで全身を小刻みに震わせ始めた。絶頂した時の様子に近いが、当人からの予告はなく、まだ俺は腰を振ってもいない。
「おい? りこ、どうした?」
「ひあっ……軽くイっちゃったぁ……んくっ……オチンポ入れられただけでぇ……くはぁ……ちょっと待っててぇ……ふはぁ……少し休めばぁ……はふぅ……落ち着くからぁ……」
「駄目だ」
 俺はそう告げて抽送運動を開始した。逃げられないように両手でりこ姉の腰を抑え、弱点である子宮を亀頭で押し潰すようにして容赦なく責めてやる。
「はひゃふああっ……待ってダメ待ってえっ……んくひはあっ……今はダメ待って許してえっ……あひくふうっ……圭太お願いだから止めてえっ……ひうはへあっ……またイくまたオマンコイっちゃうよおおっ……あへひくあっ……イくイっ……くっ……イくううううううっ!」
 りこ姉は四肢を痙攣させ、苦しそうな声で行為の中断を求めてきたが、膣内で不規則に蠢く柔肉の感触が心地良く、俺としては中途半端なところで止めるつもりはない。
「俺が出すまで頑張れよ。昨日だって繰り返しイってたじゃねえか」
「んくはへあっ……昨日とは違うの何か違うのおおっ……ふひくはあっ……またイくイってるのにイくううううううっ! かはへくあっ……イくイく止まんない止まんないいっ……」
 昨日とどう違うのか尋ねてみようかとも思ったが、接合部から周囲に飛び散る大量の愛液から察するに、また一段と肉体の感度が上がったらしい。恐らく俺の加虐嗜好の目覚めと同様、快楽によって開花した肉体が更なる痴悦を求めて成長しているのだろう。破瓜の時点から急ぎ足で調教を重ねたことによって、初心な反応を楽しむ期間が殆どなかったのは多少残念ではあるが、二人の姉を肉欲の虜にすることは現在の俺の望みでもある。ならば、言葉とは裏腹なその身体からの訴えに応えてやるだけだ。
 俺はりこ姉の腰に当てていた手をブラウスの中へと入れ、ブラジャーの上から両の乳房を荒々しく揉みしだいた。頃合いを見てその中へと手を入れ、硬く尖った乳首を指先で軽く押し潰してやる。そうしながら腰の動きを速めていくと、りこ姉は何度も果て続けて膣肉の収縮を繰り返し、その反応を受けて流石に俺も射精を我慢出来なくなってきた。。
「一番奥で出してやるから、たっぷりと味わえよ? おらっ」
 そう言って俺は一際深く陰茎を挿入し、亀頭の先に子宮口のコリコリとした感触を確かめながら精液を放った。同時に両乳首を潰したまま軽く捻り上げてやる。
「んはくふあああっ……オチンポ汁いい染みて気持ちいいっ……くひへふはあっ……なんか凄いのがくるううっ……はへひくうあっ……怖いよ圭太怖いいいっ……んかひぎっ……あへっ……あっあっ……オマンコおっ……オマンコイっくっ……オマンコイくうううううううっ!」
 肉付きが薄く小さな尻を自ら艶めかしく振り回し、菊門さえも微かに開閉させながら、りこ姉は歓喜の声と共に全身を揺らし、壁に当てていた手をズルズルと下に滑らせた。
「おい、りこ、食事の後の挨拶はどした?」
「んかへぁ……ごちっ……くふひっ……ご馳走様っ……ひへあっ……でひたぁ……」
 その言葉に俺が射精を終えた一物を引き抜くと、りこ姉は力なく床へと崩れ落ち、膣から精液を垂れ流し始めた。
     ★★★
 翌日の放課後、帰る準備をしていると、不意に隣の三国が尋ねてきた。
「住之江くんは、また陸上部に入るの?」
「いや、入んね。帰宅部にしようかと思ってんだ」
 既に春休み中、あこ姉たちに学内を案内してもらった際に陸上部は下見してある。碌な設備も活気もなく、正直言って期待外れで、入部する気にはなれなかった。かと言って他にやりたい部活もない。
「そうなの? 住之江くん、あんなに足速いのに。何か勿体なくない?」
「何で俺が足速いって知ってんだ? そんな話したことあったっけか?」
 思い返してみたが、中学時代の体育の授業は男女別々であり、加えて三国とは部活の話などしたことはなかった筈だ。確か三国はバレー部で、練習場所などの接点もなかったように思うのだが。
「え、あの、ほら、体育祭とかで走ってたじゃない」
 その言葉で俺も納得した。確かに体育祭ではクラス対抗リレーやら何やらで、全校生徒の前で走った覚えがある。
「そっか。でも、やる気ねえし。今は家でパソコンでも弄ってる方が面白えんだよ。近々引越しもしなくちゃなんねえし」
「ええっ? 住之江くん、引っ越すのっ? 学校はっ? 辞めちゃうのっ?」
 そう言って三国は表情を歪め、俺の制服の袖をちょこんと摘んできた。深い意味はないのだろうが、恋人に訴えかけられているような錯覚に陥りそうになる。
「んにゃ、ガッコはこのまま。ここに近いとこに引っ越すだけだよ」
「な、なんだ、そうなんだ……」
「だからまあ、もしどっかの部に入るとしても、引っ越しが終わって落ち着いてからだな」
「そっか、うん、そうだよね」
「で、さっきから袖、掴んでんだけど……」
そう告げると三国は不思議そうな顔で俺を見つめ、次いで自分の手に視線を移し、慌てて袖を放して後退さった。顔が真っ赤だ。
「ごごご、ごめんなさいっ。あの、なんていうか、その、ごめんなさいっ」
「いや、別にいいけどさ。恋人みたいで、ちょっとドキっとしたよ」
「こっ、ここっ、恋人おっ?」
 三国は両手を頬に当てて驚嘆の声を上げた。呆けたような表情のまま、口をパクパクと開閉させている。何かを呟いている様子だが、声が小さ過ぎて聞こえない。嬉しかったのか嫌だったのかは判らないが、突然の言葉に衝撃を受けたことだけは確かなようだ。一応、謝っておいた方がいいのかもしれない。
「いや、俺がそう感じただけだから。気に障ったら謝る。ごめん」
 軽く頭を下げてそう言ってみたのだが、三国は何の反応も見せず、相変わらず独り言を呟き続けている。どうしたものかと思ったが、あまりしつこく話しかけるのも悪い気がする。ここは敢えて何もせず、本人の精神的治癒力に期待するしかないだろう。と言っても、挨拶ぐらいはしておくべきか。
「んじゃ、俺、帰るな。また明日」
 俺は鞄を手にして椅子から立ち上がると、教室の出口へと歩き出した。
     ★★★
 その日の夜、俺が自室のベッドで就寝しようとしていると、ノックもせずにあこ姉が入ってきた。添い寝に来たのではないらしく、掛け布団の上から勢いよく俺に覆い被さると、眉間に皺を寄せて睨み付けてくる。
「ちょっ、何だ? 何か俺、怒られるようなことしたっけか?」
「一昨日、マンション見に行った時にりことしたんだって? 聞いたんだからね? 私にもその分して」
「ちょっと待てよ、昨日の夜は、あことした回数のが多かったろ? それに、さっきだって風呂場で三人でしたばっかじゃねえか。俺を殺す気か?」
「だって内緒にしてたじゃない。それにあの晩、りこが着てた服、圭ちゃんが買ってあげたんだって? 下着まで買ってあげるなんて、差別よ差別っ! 悔しいっ!」
 内緒にしておくつもりなどなく、言い出す機会がなかっただけだと告げてから、俺は当時の状況を説明したのだが、あこ姉は納得せず、服や下着の分も含めて身体で償えと言い出した。その好色振りは頼もしいが、僅かな対応の差異でこんなことが続いたら、本当に身が持たなくなる。やむを得ず、俺はベッドから起き上がってあこ姉の腕を掴むと、りこ姉の部屋へと向かった。
 ノックをしてから部屋に入ると、りこ姉は机に向かって勉強している最中だった。が、俺とあこ姉を見て何を勘違いしたのか、椅子から立ち上がって妖しく微笑むと、徐ろにパジャマを脱ぎ出した。
「待てっ、違うっ、話をしに来ただけだっ」
 俺は慌ててそう言うと、あこ姉と並んでベッドに腰をかけ、姉たちの顔を交互に見ながら再び口を開いた。
「可能な限り平等に扱うようにするから、セックスする順番とか、何回までとか、ちゃんと決めとこうぜ? このまま毎晩二人を相手にしてたら、枯れ果てて死んじまう」
「そんなこと言っても、圭ちゃん、土曜日の夜は相手してくんなかったじゃない」
「圭太、淡泊過ぎるよ。もっと男の子らしく貪欲に求めてきて構わないのに」
「それに、平等って言ったって、私、服も下着も買ってもらってないもん」
「私、圭太のオチンポ毎日食べたいよ? 3Pも毎晩続けたい」
「私だって圭ちゃんに毎日オチンポ入れて欲しい」
「じゃあ圭太、今まで通りってことで。枯れる直前まで頑張ってみようよ」
「人の話を聞けええっ! 死んじまうって言ってんだろうがああっ!」
 喧々諤々としながらも三人で相談し、一先ずの妥協案が出来たのは約一時間後だった。月曜と水曜があこ姉、火曜と木曜がりこ姉、金曜は三人で、土曜日曜は俺の自由。これなら土日はどちらも相手にせず、身体を休ませることが可能だ。祝日は別途考慮するということにし、一日の上限は三回まで。但し、俺がそれ以上の回数を望むのならば可能とし、あこ姉とりこ姉もそれで何とか納得してくれた。
ちなみに服と下着については、後日あこ姉にも買い与える約束をさせられた。
「じゃあ、今日は火曜日だから、私の番だ」
 りこ姉は嬉しそうに呟いて、脱ぎかけのパジャマに手をかけた。
「ちょっと、りこっ、もう零時過ぎてるでしょ。 圭ちゃん、私の番だよね?」
 あこ姉もパジャマを脱ぎ始め、俺は軽い目眩を覚えながら、額に手を当てて二人に言い放った。
「時間は零時からで構わねえけど、今日はこれ以上なしっ!」
     ★★★
 翌日の昼休み、学食での昼食を終えて自分の教室に戻ると、あこ姉が俺を待っていた。クラスメイトたちの注視する中、俺を見つけて笑顔で歩み寄り、物怖じせずに腕を絡ませてくる。
「なっ、止めろよっ。恥ずかしいだろっ。何の用だよっ?」
「顔を見に来ただけだよ? それに私たち、もう恋人同士じゃない。だからこうしててもいいの」
 あこ姉の問題発言に教室の彼方此方でざわめきが起こった。このまま放置しておくのは流石に拙い。俺は慌ててあこ姉の腕を振り解き、周囲を見渡しながら大声で言い放った。
「ちょっ、待てっ! これは俺の姉ちゃんだっ! 誤解すんなっ!」
「でも血は繋がってませーん。身体は繋がっちゃったけど。えへっ」
 悪びれもせずに更なる問題発言をぶちかまし、あこ姉は舌を出して悪戯っぽく笑った。その表情は確かに可愛らしかったが、俺としては堪ったもんじゃない。実際に身体は繋がったが、近親相姦をした男として学校中の噂の的になるのは勘弁願いたい。
「誤解だっ! 確かに血は繋がってねえっ! けどっ、そのっ、身体は……」
「酷い。圭ちゃん、私のこと弄んだんだ」
「頼むからいい加減にしてくれよおっ!」
「仕方ないなぁ。今のは冗談で~す。今後とも圭ちゃんのこと、宜しくお願いしま~す」
 そう言ってあこ姉がクラスの皆にお辞儀をすると、漸く室内の騒ぎが納まり始めた。安堵の息を吐きながら見ると、あこ姉はしたり顔で満足そうに笑っている。どうも確信犯らしい。最初から肉体関係については戯れ言で済ますつもりだったのだろうが、これで血の繋がらない姉がいるということを強烈に印象付けた訳だ。大方、クラスの女子が俺に近付くのを阻止しようとか、そんなことが狙いだろうが、俺の心臓はまだ激しく脈打っている。心なしか胃も痛く、正直、今さっき食べてきたものを戻しそうだ。俺は呻きながら、自分の口を押さえてその場に座り込んだ。
「えっ? 圭ちゃん? どうしたの? 圭ちゃん?」
 あこ姉が心配そうに顔を覗き込んできたが、もう答える気力もない。
「ちょっと圭ちゃん? ねえっ、圭ちゃんっ? 誰かっ! 保健の先生を呼んでっ! 圭ちゃんっ、しっかりしてえっ!」
     ★★★
 結局、俺の不快感は食い合わせが原因だったようだ。学食で食べた油塗れの天麩羅うどん二杯と、合間に何度も飲んだ氷水のせいで胃に負担が掛かり、そこにあこ姉の問題発言で動悸が激しくなって身体が変調を起こしたらしい。幸い吐くこともなく、保健室のベッドの上でしばらく横になっていると、徐々に気分も落ち着いてきた。
 あこ姉もりこ姉も先刻まで泣きだしそうな顔で俺の身体に縋っていたが、大丈夫だから授業に戻るように言うと、一頻り反論した後に渋々と保健室を出て行った。あこ姉はかなり責任を感じているようで、俺としても可哀想なことをしたとは思ったが、いつまでも付き添わせておく訳にはいかない。
 保険医の先生が私用とのことで出かけ、部屋に一人きりになると、俺は折角の機会なので少し寝てから教室に帰ることにした。連日の性交により睡眠も体力も不足がちだったからだ。窓から差し込んでくる麗らかな春の日差しと、制服越しの布団の暖かさに誘われ、俺は目を閉じてゆっくりと眠りに落ちた。
目が覚めた時には既に辺りが薄暗くなっていた。腕時計を見ると十六時四十八分、もう授業は終わっている。あれだけ心配してくれていた二人の姉が傍にいないことが不思議だったが、大方、生徒会や委員会の仕事でもあるのだろう。取り敢えずは教室に戻り、携帯で姉たちと連絡を取ってみるか、そう考えながら上半身を起こした途端、太腿の辺りに違和感を覚えた。見ると、驚いたことに三国が椅子に座ったままベッドに凭れ掛かり、布団に顔を埋めている。どうやら見舞いに来てくれて、そのまま眠ってしまったらしい。
「おい、三国、そんなとこで寝てたら風邪ひくぞ? 三国?」
 放置も出来ずに何度か声をかけると、三国は静かに顔を上げた。指先で目元を擦りながら呆けた顔で俺を見つめ、安心したように微笑みかけてくる。が、どうも寝惚けている様子で、椅子から立ち上がって俺の身体に抱き付き、目を閉じて唇を突き出してきた。
「おい? 三国?」
 巨乳を手に入れるチャンスには違いないが、意識が虚ろな状態で俺を誰かと勘違いしているのかも知れず、迂闊に手を出すのは拙い。後々話し辛くなったりしないよう、ここは欲望を抑え、軽く肩でも叩いてしっかりと目覚めさせてやるべきだろう。そう思って手を伸ばしたところで、うっとり顔の三国が掠れた声で呟いた。
「……住之江くぅん」
 明らかに俺の苗字を口にしているということは、このままキスしても構わないのだろうか。いや、やはり起こした方がいい。だが、その豊かな乳房をものにする機会でもある。色々と思い悩んでいると、三国は強引に俺の唇を奪ってきた。
「んむっ……んっ……はぁ、住之江くぅん、大好きぃ」
 唇を離した後、悩ましい声で三国が告白してきたが、俺は試しにその頬を三回ほど軽く叩いてみた。何度か目を瞬かせた後、三国は間近にある俺の唇をじっと見つめ、次いで自分の唇を指先でそっとなぞると、わなわなと身体を震わせ始めた。正常な意識に戻った後でも、自分のした行為は覚えているのだろう。
「あっ、あのっ、わ、私、そのっ、ごごごごご、ごめんなさいっ!」
 しどろもどろになってそう言うと、三国は素早くベッドから降りて、保健室から逃げて行った。
     ★★★
 二、三度携帯メールでやり取りをした後、俺はあこ姉と校門で待ち合わせ、一緒に帰ることにした。りこ姉は委員会で遅くなるとのことだったからだ。
「……ごめんね、圭ちゃん。ほんとにごめんね」
 顔を合わせるなり、あこ姉は腰を深々と折ってそう告げてきた。問題発言の一見で反省しているらしく、かなり意気消沈した様子で、気にするな、と言ってやっても謝罪の言葉ばかりを繰り返してくる。
 その状態は帰宅途中も変わらず、これ以上は顔を合わせ辛いとでも思ったのか、家に入ってからは自分の部屋へと閉じ籠もってしまった。鍵の掛けられたドア越しに呼びかけても、曖昧な返事をするばかりで埒があかない。余程の衝撃を受けたのだということは判るが、何とか気持ちの折り合いをつけさせてやらなければ可哀想な気がする。暫し考え込んだ後、俺はわざと固い声で突き放すように言い放った。
「あこ、反省してるなら出てこい。今すぐだ。じゃなきゃ、俺はもう知らねえからな?」
 途端に慌てたような足音がして、ドアの取っ手の部分がカチャリと鳴った。内側に少しだけ開かれたドアの隙間から、困惑顔のあこ姉が視線を向けてくる。
「もう知らないって、そんな、やだ。やだよ圭ちゃん……」
「なら、引き籠もったりすんな。悪いことをしたって思ってんなら、その分の詫びをしろ」
「……うん、判った。でも、お詫びって、何をしたらいいの?」
 予想通りのあこ姉の返答に、俺は心の奥でほくそ笑んだ。自分を責めているのならば、何らかの罰を与えれば精神の均衡を取り戻すに違いない、と考えたのは確かだが、当然、言葉の趣旨はそれだけではない。
 無言で手招きをし、未だ制服姿のままのあこ姉がドアから廊下に出てくると、俺はまずその華奢な身体を抱き締めて唇を重ねた。舌を絡め合った後に耳たぶを甘噛みし、服の上から乳房を撫で、スカートの中に手を入れてショーツの上から秘所全体を揉み解してやる。そんな他愛もない愛撫だけであこ姉は顔を上気させ、下着を淫蜜で濡らし始めた。
「あふあっ……圭ちゃんっ……んくうっ……圭ちゃあんっ……」
「ほんとに反省してんのかよ? こんなに濡らしやがって」
「はふうっ……ごめんなさいぃ……んはあっ……ごめんなさいいっ……」
 その声色からも発情の度合いを確かめつつ、俺は頃合いを見計らってあこ姉の身体に触れるの止めた。背中に回された両腕を払い除け、戸惑うあこ姉に向かって意地悪く問い掛ける。
「あこが楽しんでたら詫びになんねえだろ?」
「はふぁ……だって……圭ちゃんが……」
「続きがして欲しいか?」
 俺の言葉にあこ姉は一瞬押し黙ったが、やがて小さく頷いた。
「だったら俺の前で誓え。そしたら、それを詫びとして受け入れてやる」
「え? それって何を? 何を誓えばいいの?」
「恋人なんかじゃなく、一生俺の性処理用の奴隷になるって、そう誓え。でなきゃ今後、あことは二度とセックスしねえ」
 真顔で尋ねてくるあこ姉に向かい、俺は事前に用意しておいた言葉を告げた。
     ★★★
 多少は躊躇し、場合によっては怒るか泣くかするかと思っていたのだが、あこは俺の言葉に間髪入れずに頷くと、身悶えしながら嬉しそうに誓いの言葉を述べた。
「んはぁ……それでもいいっ……はあっ……私、圭ちゃんの性処理奴隷になるうぅ……あはっ……一生圭ちゃんのオチンポ奴隷になるうっ……」
 勝手にプロポーズか何かと勘違いしたのだと思えなくもないが、その点をはっきりさせるのは少し怖い。それでもそんな従順な言葉を聞かされた以上、主人としては隷属する者に褒美を与えてやらねばならない。
 手を引いて脱衣所に行き、互いに服を脱がせ合うと、俺は風呂場の椅子に座ってあこに指示を与えた。
「まずはマンコでチンポを洗え」
「うんっ。えっと、でも、どうやってすればいいの?」
「お前が汚れたまんまのチンポ掴んでマンコにぶち込んで、一人で腰を振るんだよ。出来んな?」
 被虐心を煽るように冷たく言ってやったのが功を奏したのだろう。命令してから十数分後、当初は拙かった腰の動きもそれなりに上手くなり、あこは水音を立てて陰茎を自らの膣内に出し入れしながら、座位の状態で俺の背中を愛おしそうに撫で回している。接合部から漏れ出してくる愛液の量は通常よりかなり多く、その点だけを取っても、奴隷として奉仕することに悦びを見出しているのが判る。
「んくひはあっ……圭ちゃん大好きいぃ……あくふああっ……圭ちゃんのオチンポも大好きいぃ……ふくひああっ……気持ち良過ぎて溶けちゃうよおおっ……」
「どこが溶けるんだ? ちゃんと言え」
「あくはひあっ……圭ちゃん専用のオマンコだよおっ……くひはふうっ……奴隷オマンコが溶けちゃうのおっ……はへひうあっ……硬いオチンポで溶かされちゃうのおっ……」
「好きなだけ溶かして楽しめ。その代わり、これからはずっと奴隷として俺に尽くせよ?」
 そう言って俺はあこを抱きしめてキスをし、舌を入れて口腔を嘗め回してやった。あこは勃起した乳首を俺の胸へと擦り付けながら、嬉しそうに鼻を鳴らして懸命に舌を絡ませてくる。その反応に満足しつつ、俺は片手を薄い乳房に当ててゆっくりと揉み上げてやりながら、自分でも腰を動かし始めた。挿入した陰茎の角度を変え、あこの弱点であるGスポットを何度も何度も擦り上げてやる。
「おぶむおっ……んぶもがっ……んんぐぶっ……むもおごっ……ごくっ……もむぶおっ……」
 一頻りそうしてから、俺は唇を離してもう片方の手も別の乳房に当てた。両手で二つの尖った乳首を摘み上げてやると、あこは恍惚感に満ちた笑みを浮かべ、それまで以上に激しく腰を使い出した。どうやら絶頂が近いらしく、一物をきつく締め上げながら膣肉を不規則に蠢かせている。俺の方も間もなく射精臨界点を突破しそうだ。
「んひくはあっ……圭ちゃん早く出してえっ……かはふうあっ……もう私イっちゃうからあっ……ふくひはあっ……奴隷オマンコに圭ちゃんのオチンポ汁ゴクゴク飲ませてええっ……」
「なら全部飲めっ、おらっ」
 俺は乳首から離した手をあこの腰に回し、陰茎を奥深くまで突き入れた状態で抑え込むと、子宮口に亀頭を密着させてその奥へと精を放った。
「あひふはへああっ……オチンポ汁美味しい美味しいよおっ……んくはひあっ……イくイくオマンコイっちゃううっ……ふはひうあっ……オチンポ汁でイっ……くううううううっ!」
 あこは拘束された腰を跳ね上げようと足掻きながら精液を受け止め続け、やがて余韻に浸りきった顔で俺にその裸身を預けてきた。その口の端から一筋の涎が垂れ落ちているのを見て、俺は薄く笑った。
     ★★★
 身体を洗い、浴槽の中で再び交じり合った後にキッチンで夕飯を食べていると、程なくして
りこ姉が帰宅してきた。落ち込んでいた筈のあこが甲斐甲斐しく俺の口へと料理を運ぶ様子を無言で眺め、その態度の豹変振りに不審を感じたのだろう、眉根を顰めて問い掛けるような視線を向けてくる。どう説明したらいいかと迷っていると、隣席のあこが俺に身体をすり寄せながらいち早く口を開いた。
「ふふっ、私ねぇ、圭ちゃんのオチンポ奴隷にしてもらっちゃったぁ」
 りこ姉はあこの勝ち誇った言葉に片頬を引き攣らせ、パジャマ姿の俺たちを睨み付けたまま両の拳を握り締めた。
「あこばっかりズルいっ! 私も圭太のオチンポ奴隷になるっ!」
「別に好きにすれば? でも今日は私が相手をする日なんだからね? ねえ、圭ちゃあん、早く部屋に行こぉ? さっきの続きしようよぉ?」
 あこはそう言って妖しく笑い掛け、ズボンの上から陰茎を撫で上げてきたが、俺はその手を強く払った。
「えっ? 圭ちゃん?」
「お前、昼間のこと本当に反省したのか? 無闇に周りを煽ってんじゃねえよ。りこ、こっちへ来い。俺の前でスカート捲って見せろ」
「うんっ!」
 りこ姉は嬉しそうに俺の前へ来ると、指示に従って腰を前に突き出してきた。白と黒のストライプ柄のショーツから、甘い体臭が立ち上ってくる。その素直な態度の見返りとして、俺は下着の上から指先で淫核を何度か弾いてやった。
「はうっ……もっとちゃんと触ってぇ……んくっ……クリトリス摘み上げてぇ……」
「やだ、圭ちゃん、私にしてよ。もう勝手なこと言ったりしないから、お願い」
「あこは少し黙ってろ。それで、りこ、ほんとに俺の奴隷になりてえのか?」
「くうっ……なりたいっ……んあっ……私も圭太のオチンポ奴隷になりたいいっ……」
「なら、自分で考えて誓いの言葉を言ってみろ。その内容によっては考えてやる。但し、俺の相手をするのは約束通り明日、今晩の零時からだ。それは変えねえぞ?」
 そう言って下着の股布部分から指を中に潜り込ませ、膣口に直接触れてやると、りこ姉は何度も頷いた。
「んはあっ……私は圭太の性奴隷になることを誓いますうっ……くひあっ……だからいっぱいセックスしてえっ……あふはっ……明日でいいからオマンコ滅茶苦茶に犯してええっ……」
 誓約の途中でりこは自分から腰を落とし、俺の指を膣内に取り入れて腰を振り始めた。言葉は少々物足りないが、この態度なら合格点をくれてやってもいいだろう。俺はもう片方の手で落ち込んだ様子のあこを優しく抱き寄せ、二人の奴隷に囁いた。
「あこ、部屋に行くぞ。りこも飯と風呂が終わったら部屋に来い。俺とあこのセックス見ながらオナニーでもしてろ。日付が変わったらすぐに相手してやる。いいな?」
     ★★★
 りこが俺の部屋にやってきたのは、それから小一時間ほど後のことだった。その時までにあこは後背位で貫かれたまま四回ほど果て、それでも俺の動きに合わせて健気に薄い尻をくねらせていた。
「はひくふあっ……圭ちゃんまたイくオマンコイっちゃううっ……かひへふあっ……早く飲ませて飲ませてよおっ……んくはひいっ……オチンポ汁でイきたいよおっ……」
 ベッドの上で性交し始めてから、俺がまだ一度も射精していないことが不満なのだろう、あこは愛液を周囲に跳び散らせながらグイグイと尻肉を押し付けてくる。そんな全裸の俺たちを一頻り羨ましそうに見つめると、りこはパジャマを脱ぎ捨てて机の前の椅子に座り、自らの秘所を見せびらかすようにして自慰を始めた。
「ふあっ……ほら圭太見てぇ……んあっ……もうこんなにオマンコ濡れちゃってるのぉ……くうっ……圭太のオチンポが欲しくて欲しくてぇ……はあっ……ずっと涎垂らしてるのぉ……」
 触覚を膣肉に、視覚をまさぐられる秘所に、嗅覚を微かに漂ってくる奴隷二人の体臭に、そして聴覚を二つの局部から響く淫靡な水音と、重なる喘ぎ声とに捕らわれ、その快感に俺は目を細めた。唯一残った味覚をどうにかしたいという気持ちもあるが、今はこのまま精を放ってしまいたい。
「あへひふあっ……早く早くオチンポ汁うっ……ふひくはあっ……イってる私またイっちゃってるよおっ……んくはへえっ……イってるオマンコにオチンポ汁早く流し込んでええっ……」
「んふうっ……圭太ちゃんと見ててえっ……くはあっ……オマンコ汁が止まんないのおっ……はふあっ……オチンポ奴隷になったばかりのオマンコを目で犯し尽くしてえっ……」
 あこは淫らに尻を振り立て、りこは腰を浮かせて指を咥え込んだ秘所を晒してくる。そんな二人の痴態と言葉に背筋を震わせながら、俺はあこの膣奥へと白濁液を放った。
「んくふはへえっ……きたきたオチンポ汁きたああっ……はひうくふあっ……イってるのにイっててまたイくううっ……あひへくふおっ……奴隷オマンコが溶けるううううううっ!」
「くふはひあっ……オナニー見られてイくイくイくうっ……んかはひいっ……圭太見て見てイくとこも見てええっ……あへふおあっ……奴隷オマンコイっ……くううううううっ!」
 腰を跳ねさせ続けるあこだけでなく、りこも同時に達したようで、二本の指を根元まで膣に押し込んだまま全身を小刻みに揺らしている。と、その股間から大量の水が溢れ、椅子のシートを濡らし始めた。
「んっ……はひっ……ふあっ……圭太ごめぇん……くふうっ……オシッコ止まんないぃ……」
 一瞬呆気に取られたものの、りこが尿を垂れ流しているのは俺の椅子の上だ。そのシートは布地で、特に防水処理もしていない。更に液体は床へも零れ落ち、水溜まりを作っている。ここは感情に任せて叱責せざるを得ないだろう。そう思って口を開いた瞬間、股間に生暖かさを感じ、俺は慌てて視線をあことの接合部に移した。嫌な予感がした通り、そこからも黄色い流動体が漏れ出てきている。
「はへぇ……わらしも出ひゃったぁ……ふひっ……んあっ……圭ひゃんごめんらさいぃ……」
 俺は出かかっていた言葉を忘れ、肩を落として深く溜息を吐いた。
     ★★★
 翌朝。教室に着いた途端、俺は真っ赤な顔をした三国に手を引かれ、校舎北側の非常階段の下へと連行された。教室や廊下で他の生徒たちが好奇の目を向けてきたが、三国はそんなことにすら気付かないほど焦燥した様子だった。昨日の保健室での一件に対する行動、恐らくは謝罪だろうと理解してはいても、正直、朝からこういう行動に出るのは遠慮して欲しい。と言うのも、昨晩の姉たちの放尿のおかげで眠くて仕方がなかったからだ。その後は交わり合うこともなく、体力はそれなりに温存出来ていたが、夜中まで部屋の清掃をしても、立ち籠めたアンモニア臭が完全に消え去ることはなかった。結果として、俺はりこの部屋のベッドで三時間ほどしか睡眠を取っておらず、その間、小便漏らしの二人には罰として掃除の継続を命じておいた。登校途中、あこもりこも徹夜により足取りがふらついていたが、それは自業自得と言うものだろう。
「そっ、そのっ、ごっ、ごめんなさいっ!」
 周囲の人気を確認することもなく、三国は開口一番そう言って頭を下げてきた。さて、この状況をどうするべきか。何しろ相手は加害者だ。傷ついた振りをして罠に嵌めるか、それとも誠実振って和姦に持ち込む段取りを組むか。少しばかり呆けた意識の中で考えを巡らせていると、三国は顔を上げて申し訳なさそうに俺の顔を覗き込んできた。
「その、やっぱり怒ってる、よね? あんな、勝手なことしちゃって……」
 おどおどとしたその態度を見て、俺は三国に対する方針を決定した。
「三国は俺のことが好きなのか?」
「えっ? あ、えっと、その……」
 俺の言葉に三国は一瞬目を丸くし、次いで頬を染めて俯くと、忙しなく視線を彷徨わせ始めた。そんなことを問い掛けられるとは予想もしていなかったに違いない。昨日の発言といい、この反応といい、充分に脈がありそうだ。が、ここは敢えて一歩引き、もう少し感情を揺さぶるべきだろう。
「あ、悪い。何かそんなこと言われた気がしたんだけど、俺の勘違いだったかもしんねえ。それに、あんなことしてきたから、もしかしたらって思ってさ。違うんならそれでいいんだ」
 何でもないことのように俺がそう言うと、三国は否定するように何度も首を横に振った。
「違うのっ、えっと、その、違うんだけど、あの、だから、その……」
「不躾なこと聞いて悪かった。俺、三国のこと、前からいいなって思ってたから、舞い上がっちまって。昨日のことなら気にすんな、誰にだって間違いはあるし。それより、そろそろ教室へ戻ろうぜ? ホームルームが始まっちまう」
 そう言って踵を返した途端、背後から小さな呟きが聞こえてきた。
「……間違いじゃ、ないもん」
 そのか細い声には真摯な感情が込められているようだったが、俺はわざと聞こえなかった振りをして、自分の教室へと歩き始めた。
     ★★★
 その後の三国の様子は、隣で見ていて失笑を禁じ得ないものだった。授業中は黒板と教科書を交互に眺める合間に必ず視線を向けて寄越し、休憩時間には声が掛かるのを待っているような素振りで一度も席を立とうとしない。まるでよく飼い慣らされた犬のようで、この分なら肉体関係に持ち込んでそれなりの調教をすれば、裸で外を散歩させることも可能かもしれない。その時の為に三国用の首輪とリード、模造尻尾付きのアナルバイブでも買っておくか、などと考えながら、俺は時間を問わずなるべく机に伏し、不足した睡眠分だけ身体を休めておくことにした。
 何しろ明後日には三日月との初デートが控えている。どこに行くかは三日月に任せる約束になっているが、未だにその連絡はない。仮に遊園地だのカラオケボックスだのに連れ回されても対応できるよう、なるべく体力は万全にしておきたい。今日はりこ、明日は二人同時に相手をする約束になっているが、昨晩の罰の一環としてそれも断わるつもりだ。多少は勿体ないと思わなくもないが、奴隷となることを誓った二人の身体は先々幾らでも自由に出来る。
 昼休みを告げるチャイムが鳴ると、流石に昼飯を抜く訳にもいかず、俺は戸田と一緒に学食へと向かった。いつもなら天麩羅うどんプラスもう一品というところだが、昨日のこともあってその組み合わせでは食欲が沸いてこない。仕方なく調理パンを幾つか購入し、日替わり定食の列に並ぶ戸田を置いて教室に戻ると、三国が自席で小さな弁当箱を開いていた。以前に本人から聞いたところでは、いつも隣の教室へと出向き、中学時代からの同性の友人と食事をしているとのことだったのだが。
「あれ、今日は隣に行かねえのか?」
 自分の椅子に座りつつ声を掛けると、三国は驚いたようにビクッと全身を跳ねさせ、ほんのりと赤く染まった顔を向けてきた。
「あ、う、うん。今日は、その、一人で食べたかったから……」
 恥ずかしそうにそう言うと、弁当箱の蓋で中身を隠し、熱っぽい眼差しを送ってくる。
「何だ? どうした?」
 内心ほくそ笑みながら尋ねると、三国は一旦俯いてから意を決したように顔を上げ、消え入りそうな声で囁いてきた。
「ちょっと住之江くんと、その、込み入った話がしたいんだけど。あの、出来ればあんまり人のいない所で……」
「なら、飯食い終わったら保健室に付き合ってくれよ。五時限目は自習だってことだし、少し寝不足なんで眠りてえんだ。その前に話を聞くからさ」
「えっ? でも、次の時間は教室か図書室で自習って……」
「判りゃしねえよ。でも、三国が嫌だったら放課後でもいいぞ?」
 そう言って優しく笑い掛けてやると、三国は思案顔になった後、照れ臭そうに微笑んだ。
「……保健室に、一緒に行く」
     ★★★
 世の中はそうそう都合良く回らないようで、保健室には担当医がおり、三つあるベッドも体調不良の生徒たちで塞がっていた。仕方なく場所を変えようとしたものの、他に校内で二人きりになれる場所の心当たりがない。視聴覚室や家庭科室、屋上等の扉は通常施錠されており、かと言って図書室や教室では、出来ればあんまり人のいない所で、という三国の言葉を無視することになってしまう。俺自身としても、場合によっては三国を即座に堕とすつもりでいるので、それなりの場所が必要だ。ここは仕方なく諦めて、学校が終わったらレンタルルームにでも行ってみようか、と考えると同時に、俺はあることを思い出した。
 確か先日、生徒会の一員であるあこは屋上の鍵を、風紀委員であるりこは委員会室の鍵を管理させられており、互いに万が一のことを考えて、こっそりと合い鍵を作っておいたとか言っていた気がする。そのことをわざわざ俺に伝えてきたのは、時には校内で逢い引きしたい、という意味なのだろうが、どちらも鍵を貸せと言えば素直に渡してくるに違いない。仮に文句を言ってきたとしても、後でたっぷり相手をしてやるとでも言えば、蕩けた顔で従うだろう。
三国に風紀委員会室の前で待っているように告げると、俺は早速りこの教室へと出向くことにした。後の展開を考えれば、屋上より委員会室の方が都合がいい。
 教室につくと、りこは机を挟んで別のクラスであるあこと談笑している最中だった。二人とも睡眠不足で居眠りでもしているかと思っていたのだが、その役職のこともあってか、校内ではブラコン以外の弱みや隙は極力見せないつもりでいるらしい。二人は俺の初訪問に目を輝かせ、大袈裟に喜び、過剰なスキンシップを取りながら級友たちに紹介しようとした。が、俺はそれを遮り、放課後に返すと約束して、念の為に鍵を二つとも借り受けた。その使用目的については、自習時間に一人で身体を休める為だと説明し、当然のことながら三国のことは伏せておいた。二人が知ったら、どんな邪魔をしてくるか判らない。
と言っても、片や生徒会書記、片や風紀委員であるにも関わらず、指定された教室以外の場所で休息を取ろうとする俺に対し、注意や説教じみたことを言ってくることはなかった。代わりに揃って切なそうな眼差しを向けてきたのは、同行の許可を無言で求めているのだろう。どうやら俺の言葉や考えに逆らう気など一切なく、自分から何かを言い出すのも極力抑えようとしているようだ。この分ならば、仮に三国を新たな性奴隷としても、身体を使って説得し、その分の見返りを約束してやればどうにかなりそうではある。
「んじゃ、放課後、また来るから」
 姉たちの視線を無視し、渡された鍵をズボンのポケットに入れると、俺はそう言って教室の出口に足を向けた。少しでも傍にいたいという二人の気持ちは判る。残り少ない昼休みの間だけでなく、命令すれば次の授業をサボることも厭わないだろう。しかし、三国が待っている場所に二人を連れて行ける訳もない。いずれは対面させてもいいが、現状ではまだ早過ぎる。
と、そこで初めて俺は、自分が委員会室の場所を知らないことに気が付いた。慌てて身体の向きを変えると、向かうべき先で二人の姉が嬉しそうに笑っていた。
     ★★★
 三国は場所が判っているのだろうかと思いつつ足早に現地に向かい、その姿を視認して安堵の息を吐く。幸いなことに、各種の委員会室が並ぶ北棟の三階には、他の生徒たちの姿はないようだ。
「遅くなって悪い。ちょっと待ってろな、すぐ開けるから」
 そう言って俺はポケットから鍵を取り出し、スライド式の扉へと差し込んだ。息を整えながら鍵を捻り、扉を横に引いて室内へと入ってみる。中は教室の半分ほどの広さで、キャスター付きのホワイトボードの前に長テーブルとパイプ椅子が並べられ、隅にはクリーム色の安っぽいソファが置かれていた。よく見てみると、ベッドにもなるタイプの物らしい。恐らくは仮眠用だろう。変形させるのに何秒ぐらい必要だろうかと考えていると、後から恐る恐る室内に入ってきた三国が不思議そうに尋ねてきた。
「……何で住之江くんが、ここの鍵を持ってるの?」
「姉ちゃんから借りてきた。けど見つかるとマズいんで、一応、鍵掛けさせてもらうな」
 そう説明して俺は入り口へと戻り、扉を閉めて内側から鍵を掛けた。カチャリというその音を聞いて三国は微かに怯えたようだったが、特に文句も言わずに室内を見回している。俺は少し考えてから、三国の手を引いてソファの前へと連れて行き、先に座って隣の場所をポンポンと軽く二、三度叩いた。三国はすぐにその意味を理解したようで、スカートの裾を手で押さえながら、指定された場所へゆっくりと腰を下ろしてきた。
「それで、話って?」
「あ、うん、えっと、その……」
言い淀みながら、三国はソファに腰掛けたまま、俺から少しだけ距離を取った。あまり近過ぎると危険だとでも思ったのだろう。何しろ密室に二人きりという状態だ。
「怖がらなくても、別に変なことしたりしねえよ」
「へっ、変なことっ?」
 安心させるつもりで言ったのだが、現状では逆効果だったらしい。途端に三国は両腕で乳房を隠して小さく身を竦め、怪訝そうな表情を向けてきた。
「だから、しねえって。勝手にこの部屋使うのがバレたら困るから鍵掛けただけだし、三国の話が済んだらすぐに開けるよ。まあ、俺はここで少し寝てから教室に戻るつもりだけどな」
「あ、う、うん、ごめんなさい。ちょっと、びっくりしちゃって……」
「つーか、三国は俺が何か変なことするような奴だと思ってたのかよ? だとしたら傷付くどころの話じゃねえぞ?」
「そっ、そんなことないっ。住之江くんがそんな人だなんて、思ったこと一度もないっ」
「なら、あんまりビクビクしねえでくれよ。んで、話って?」
 この様子だと要件を聞き出すまで長くなりそうだな、と思いつつ、俺は可能な限り穏やかに問い掛けた。
     ★★★
 それから十数分後、やっとのことで三国から今対談の目的を聞き終えた俺は、軽い失望を抱いていた。愛の告白でもしてくるのかと思っていたのだが、三国は単に朝の言葉の真意が知りたいらしい。
「住之江くん、今朝、ま、前からいいなって、その、思ってたって言ってくれたから、あの、ほ、ほんとかなって……」
 この台詞一つを聞き出す為に、どれだけ無駄な労力を費やしたことか。それでも俺は文句も言わず、その質問に即答もせず、真顔で押し黙って考え込んだ。現状を釣りに例えるならば、浮きが水中へ何度も微かに潜っているような状態だろう。餌に反応はしているが、まだ針が掛かっているわけではない。消費したカロリー分を先々身体で返してもらう為にも、ここは慎重に様子を見守るべきところだ。
「あの、住之江くん?」
「……初めてのキスだったんだ」
 重々しく呟いて、自分の台詞に口元が笑ってしまいそうになるのを懸命に堪える。根が真面目で責任感が強い三国に今迄以上の罪悪感を与え、そこからの解放を望ませるには必要な言葉だ。予想通り、三国は驚いた顔をした後、自分の手で両肩を抱いたまま深く顔を伏せた。
「あの、ごめん、なさい。私……」
「でも、相手が三国だったから嬉しかったんだ」
相手の苗字と「嬉しかった」を強調しつつ、歯切れ良く明るく朗らかに。通ったことなどないが、会話教室のテキストならばそんな注釈が入るところか。途端に三国は顔を上げ、涙ぐんだ瞳を俺へと向けてきた。一抹の希望を見出したような、そんな表情をしている。
「……私、で、良かったの?」
 無言で頷き、素の顔で相手を見つめる。その顔から憂いが晴れていくのを確認してから、にっこりと笑って畳みかけるように言葉を紡ぐ。
「当たり前だろ? 前からいいなって、ほんとにそう思ってたんだからさ。例え間違いだったとしても、初めてのキスの相手が三国で、俺は幸せだよ」
 言い終えてから数秒、レンズの向こうの瞳から涙がぽろぽろと零れ始めた。両腕はだらりと自身の腿の上へと落とされ、隠されていた制服の胸が大きく揺れている。
「うっ……ぐひっ……住之江くぅん……すんっ……嬉しい……ううっ……住之江くぅん……」
 流れる涙を拭おうともせず、三国は子供のように泣き続けている。恐らく昨日からずっと、自分の軽率な行動を深く責め続けていたのだろう。俺はズボンのポケットからハンカチを取り出し、水滴の付いた眼鏡を三国の顔から外して、その目元をそっと拭ってやった。
「あんまり泣くなよ、悪いこと言っちまったみてえじゃねえか」
「ぐすっ……ごめっ……うぐっ……なさい……ひぐっ……でも……うえっ……嬉しくて……」
 言いながら三国はゆっくりと俺に身を擦り寄せてきた。その甘えたような仕草からすると、完全に針が掛かったらしい。後は釣り上げて調理するだけだ。
「なあ、三国?」
「ひっぐ……何?」
「もしその、嫌じゃなかったら、もう一度キスしてくんねえか?」
      ★★★
 唇と唇が触れ合うだけの短いキスを交わしてから、三国は照れ臭そうにしながらも告白を始めた。途切れ途切れに伝えてきた言葉を要約すると、気がついたら目で追っていた、中学二年の時から好きだった、ということのようだ。盛り上がりに欠ける内容だが、確かに何か好感度を上げるような事件があった訳でもなく、特に好かれるようなことをした覚えもない。
「だから、あの、私も、その、初めてのキスが、住之江くんで、嬉しい……」
 俺の膝の上に横座りになっていた三国は真っ赤になってそう言うと、静かに顔を上げて目蓋を伏せた。もう一度キスしたいということだろうが、俺はその頬に軽く唇を押し付けた。
「えっ、……何で?」
「あんまりしてたら、変なことしたくなっちまうかもしんねえからさ」
 その言葉に三国は身動ぎし、そこで初めて自分の太腿に硬い物が触れていることに気付いたようだ。きゃっ、という小さな悲鳴と共に腰を浮かせ、少し離れた場所へと座り直した。
「まあ、生理的なもんだから勘弁してくれ。別にレイプしたりしねえから」
「レっ、レイプっ?」
「ああ、言い方が悪かったな。んじゃ、強姦」
「ごっ、ごごごっ、強姦っ……」
 不穏当な単語を復唱する三国の素振りに、俺は眉を顰めた。単に怯えているだけだと思ったのだが、頻りに甘い息を吐き、生唾を呑み込み、内腿を擦り合わせている。どうも先刻の口付けや、陰茎が身体に当たっていたこととは別に、言葉に反応して発情しているように見える。更に言えば、勃起した一物が脚に触れていたりしたら、普通はその傍に座り直したりはせず、立ち上がって遠くへ逃れようとするのではないだろうか。身勝手な解釈をするならば、三国は心だけでなく、身体でも俺を受け入れようとしているのかもしれない。愛の告白をされた異性としては、矢張りその覚悟の程や、言葉に反応しているか否かの実体を確認しなければなるまい。
 俺は肩と腰に手を回して逃げられないように抱き寄せ、再度太腿にズボン越しの一物を押し付けると、突然のことに目を白黒させている三国の耳元で囁いた。
「強姦って言い方より、レイプの方がよかったか?」
「はぅ……ん……くぅ……」
 耳に吹き掛かる息のせいもあるのだろうが、三国はブルっと身体を震わせると、途切れ途切れに悩ましい声を上げてきた。
「安心しろよ。別に裸にして無理矢理犯したりしねえから」
「んはぁ……あふぅ……はぁん……」
 か細く喘ぎながらスカートの裾をきつく握り締める様子を見て、俺は薄く笑った。最早三国が言葉による責めに弱いことは間違いなく、その反応からして被虐的な資質を過分に持っていることは確実だ。となれば、今後の付き合い方をどうするか考える為にも、この場で即押し倒したりせず、もう少しその嗜好性の度合いを確かめてみるべきだろう。
「三国だって嫌だろ? 強引に服を剥ぎ取られて、裸をジロジロ眺められたり、口の中や前や後ろの穴を汚れたチンポで嬲れたりすんの」
「んはぁ……嫌ぁ……くふぅ……そんな言葉ぁ……ふはぁ……嫌ぁ……」
「ああ、悪い。チンポじゃなくてペニスの方がいいんだな? じゃあ三国のはマンコじゃなくてヴァギナか? じゃあ、精液は何て言えばいい? ザーメンか? チンポ汁、じゃなくてペニス汁か?」
「かはふぁ……もう言わないでぇ……んくひぁ……もう許してぇ……」
 三国は内腿を強く押し付け合い、全身を大きく揺らして乳房を弾ませている。まさか淫語の羅列だけで達するとも思えないが、そうすることが可能なら後学のためにも是非拝見したい。その為には具体的なイメージを抱かせることが必要だ。
「でも、ちょっと想像してみろよ? 俺が三国を裸に剥いて、力尽くで脚を開かせてヴァギナ舐めるてるとこ」
「あふうっ……住之江くん酷いっ……ふはあっ……もう嫌なの止めてえっ……」
「そんな風に拒否してもずっとクリトリスとか舐められ続けて、最後にはペニスぶち込まれて一番奥でザーメン出されんだ。妊娠するまで繰り返し繰り返しな。もちろんその間、尻の穴にも指とか突っ込まれて、掻き回され続けんだぞ」
「んくふあっ……酷いいっ……あふはうっ……そんなの嫌あっ……くふはあっ……酷過ぎるうっ……ひふはあっ……嫌嫌嫌ああっ……はふひあっ……もう入れないでえっ……」
 その三国の台詞には噴き出しそうになったが、俺は何とか堪えた。どうやら三国の虚ろな瞳には、俺が当人をレイプしている場面が映し出されているらしい。それでも暴れて逃げようとはせず、言葉とは裏腹に俺の囁きを受け入れているのは、似たような想像で自慰をしたことでもあるのかもしれない。まあ、それを聞き出すのは今後の楽しみにしておこう。
「んで、ぱっくりと開いちまった尻の穴にもペニス入れられて、腸の中にもザーメン出されてさ。もう身体中、汁塗れにされて、最後は汚れたペニスを口の中に入れられて、掃除しろって命令されるんだよ。もう性処理用の奴隷として――」
「ひくはあっ……嫌嫌お尻は嫌あっ……ふくひあっ……お尻になんて出さないでえっ……んかふはっ……そんなの嫌ダメ許してえっ……くふうあっ……嫌嫌あっ……んんあっ……あくひうっ……そんなの嫌ダメえっ……あひっ……くうあっ……くっ……はうくひああああああっ!」
 三国は俺の言葉に応えるようにして甘美な淫声を上げ続けていたが、途中で苦しそうな表情になった後、突然大声を上げながら変則的に何度も腰を跳ね上げた。懸命に我慢したにも関わらず、そのまま果ててしまったということのようだ。予想以上の逸材だが、心臓に悪いことこの上ない。せめて一言でいいから、達する前には予告して欲しい。
「ひうあっ……はあっ……住之江くぅん……んんっ……酷いよぉ……あうっ……嫌ぁ……ぐすっ……ううっ……嫌ぁ……ひぐっ……私ぃ……うぐっ……ううううっ……」
 絶頂を迎えたことで我に返ったのか、三国は両手で自身の真っ赤な顔を覆うと、余韻に浸りながらも悲しそうに泣き始めた。つい調子に乗ってやり過ぎてしまったらしい。結果、五時限目が終わるまで、俺は委員会室でずっと謝り続けることになった。
      ★★★
 放課後、事前の約束通り姉たちの元へと鍵を返しに行き、再び教室に戻ると、俺は三国と連れ立って帰ることにした。仲直りの後で他愛ない会話をし、互いに自宅の場所を教え合ったところ、割と近所のようだったからだ。あこもりこも会議があるとのことで、尾行される心配はない。
 三国は一昨日から授業が終わるとバレー部の見学に行っていたらしいが、特に仮入部している訳でもなく、とにかく今日は早く帰宅して着替えたいとのことだった。口に出しては言わなかったが、濡れた下着が気持ち悪いのだろう。
 帰宅途中、彼氏彼女として付き合うという話は互いに口にしなかった。三国は今後どうするのか聞きたそうだったが、俺としては多少気まずくなろうとも、はっきりさせるのにもう少し時間が欲しい。恋人同士という噂が学校内に広まったら、姉たちがどんな行動に出るか予想がつかない。まずは強引にでも姉二人の許可を得ることが必要で、それは同時に三国を焦らすことにも繋がる。
 その代わりと言っては何だが、近い内にデートをする約束はした。釣り上げた魚とは言え、美味しく戴くまでは多少は餌をやっておいた方がいい。少しずつスキンシップの程度を上げていけば、正式に交際しなくとも犯すことが可能になるかもしれない。その後に奴隷まで堕とすことが出来れば、俺はフリーの立場で、隷属した三人を相手に好き勝手なことが出来る。
 適当に話をしながら俺がそんな将来の性生活に思いを馳せていると、隣を歩いていた三国が急に足を止めた。周囲に目を配り、辺りに人影がないのを確かめてから、身体を密着させてくる。また発情してしまったのかと思い、場所が公道上だけに俺がその対応について苦慮していると、三国は真剣な顔を赤らめながら僅かに首を傾げ、可愛らしく問い掛けてきた。
「えっと、住之江くん、あの、今度から、その、下の名前で呼んでもいい?」
 ちなみに、つい先刻まで二人で話していたのは校内の自販機コーナーにあるジュースの種類についてだ。どうやったらその話からこんな台詞に繋がるのか全く理解できない。だが、好意的に考えれば、言い出す機会をずっと待っていたのかもしれない。もしそうならば何とも健気な性格だ。悪意的に考えると頭がおかしいということになるが、そうでないことを祈ろう。
「いいぞ。じゃあ、俺も三国のこと、名前で呼んでいいか?」
 会ったこともない創造主に願を掛けていることを悟られないよう、俺は明るくそう告げた。
「あっ、うんっ! 私も、その方が嬉しい……」
「じゃあ、名前で呼び合う記念に、一緒に遊んでから帰ろうぜ。奢るからさ」
 現地点から数十メートル歩けば駅前から続く商店街が広がっている。帰宅路からは少し外れてしまうが、それなりに賑やかな場所で、各種の店舗やゲームセンター、カラオケボックス、レンタルルームなどもある。この時間であれば、見回りの教師に出くわすこともないだろう。
「えっ? でも、じゃあ、その、私、一旦家に帰ってから……」
 言い淀む美春の耳元に、俺は小声で囁き掛けた。
「下着ぐらい、俺が買ってやるよ」
 途端に美春は真っ赤になって俯き、俺がその手を取ると、弱々しく握り返してきた。
      ★★★
 商店街に着くと、俺はすぐ傍の大衆向けの衣料品店へ行きたいと言う美春の手を引き、下着も扱っている様子のブティックへと強引に連れ込んだ。明らかに二十代を過ぎていると判る女性店員が驚いた顔をしていたのは、女生徒同士ならともかく、学校帰りの男女が入ってくることなど予想もしていなかった為だろう。すぐ傍の商品の値札を見ても、それなりに敷居の高い店だということは判る。だが、制服を着ていようと客は客だ。こういう時の為に日頃から多めの金を持ち歩いてもいる。冷やかしでない以上、文句を言われる筋合いはない。
「あ、あら、いらっしゃいませ。本日は、どのような物をお求めに?」
 少しばかり上擦った声で女性店員に問い掛けられ、俺は堂々と尋ね返した。
「ここ、下着も扱ってますか?」
「あ、はい。女性向けの商品であれば。それで、どのような下着を?」
「セクシーショーツ」
「は?」
「ちょっ、ちょっと、住之江くんっ。そんなの、その、恥ずかしいよ……」
 どうやら美春は相当焦っているようだ。名前で呼ぶと決めたことさえ忘れている。
「総予算は五万円以内で、彼女に合うサイズのショーツを適当に出してもらえますか? もちろん、選ぶのは彼女ですけど、出来ればアドバイスもお願いします。予算内であれば、何枚だろうと上下組だろうと構いません。彼女、引っ込み思案なんで、なるべく色っぽくて高いのを選んで、予算を使い切るように言ってやって下さい」
 そう言って俺はブレザーの内ポケットから財布を取り出し、一万円札を五枚抜いて呆気に取られている美春の手に握らせた。次いで店員へと向き直り、その目の色が変わっているのを確認してから、もう一度言葉を掛ける。
「いい買い物が出来るなら、また利用させてもらう機会もあると思いますんで、宜しくお願いします」
 そう言って軽く頭を下げると、店員は笑顔で二度、三度と首肯した。
 俺がわざわざブティックを選んだのは、高い下着を買い与えて美春に精神的な負い目を感じさせることが目的だ。しかし、美春自らが値の張る下着を選ぶとは思えず、俺が選んでやったとしても拒むに違いない。ならば第三者である店員の力を借り、ついでに過激な商品をも選ばせるようにすればいい。売り上げが掛かっている以上、店員もそれなりに積極的なアプローチを図るだろう。俺の希望と予算とを把握したプロの売り子相手に、美春が抵抗しきれる筈もない。
「ねえ、ちょっと、住之江くん、そんな、私、こんなの困るよ、ねえ」
「すぐそこの公園のベンチで待ってるから。そうだな、時間は短いに越したことはねえけど、三十分から一時間後ってことでどうだ? そのぐらいで済みそうですか?」
 視線を向けると、店員は首を縦にしっかりと振った。それなりに自信があるといった素振りだ。ならば、後はこの場で美春を説得すれば済む。俺はその耳元に口を寄せると、店員には聞こえないよう、小さな声で囁いた。
「俺のせいで下着濡らしちまったんだから、買ってやるのが当たり前だろ? それに、いつかはその下着付けたとこ見せてもらうから、そのつもりで選んでくれよ」
 その言葉に美春はまたしても真っ赤になり、やがてぎこちなく頷いた。
      ★★★
 美春がやってきたのは、それから約四十分後のことだった。ベンチから立ち上がった俺の前へと走り寄ってくると、美春は荷物と鞄を抱えたまま、息を整える間も惜しむように問い掛けてきた。
「はあっ、ごっ、ごめんなさいっ、はあっ、待ったよねっ?」
「まだ約束の時間内なんだから、走ってくることねえだろ? で、気に入ったのあったか?」
「はあっ、うんっ、はあっ、ありがと、んくっ、はぁ、これ、はぁ、お釣りとレシート」
 少し考えてから、俺は差し出されたそれを受け取った。取り敢えずズボンのホケットに突っ込んでおく。
「で、これからどうする? まだ時間は平気か?」 
「はぁ、ふぅ、うん、時間は多少遅くなっても、家に電話しておけば平気。ふぅ」
「じゃあ、どうする? 腹減ってねえか? それともゲーセンとか行くか?」
「お腹は平気。ゲームセンターとかは、ちょっと怖いかも。行ったことないし。でも、け、けけっ、圭太くんが行きたい所なら、その、どこでも……」
 初めて相手の名を呼ぶのが恥ずかしかったのか、美春は俯きながら俺の制服の袖をちょこんと摘んできた。その姿があまりにも可愛らしくて、俺は少し意地悪をしてやりたくなった。
「じゃあ、二人っきりになれるとこに行こうぜ? 俺、もっと美春とくっ付いてたいし」
「あっ、うっ、えっと、その……」
 名前を呼んでやった瞬間、美春は嬉しそうに顔を上げた。何しろ俺が名を呼んだのもこれが初めてだ。が、その後はまた顔を伏せてしまった。二人っきりになったらまた悪戯されるとでも考えているのだろう。当然、俺もそのつもりだ。
「別に、ラブホテルに連れ込んだりしねえよ」
「ラ、ララっ、ラブホテルっ?」
 昼食後と全く同じ美春の反応に俺は苦笑した。このままではまた発情してしまいかねない。それはそれで面白いが、場所を変えてからの方がいい。
「カラオケとかどうだ? 腹減ったら食事も出来るし」
「えと、私、あんまり歌は……」
「じゃあ、途中でジュースでも買って、レンタルルームで話でもするか?」
「レンタルルーム? どういう所?」
「名前の通りだよ。時間制で部屋貸してくれんだ。俺もまだ行ったことねえけど、この前入ってたチラシだと、テレビなんかもあるみてえだぞ?」
「……へ、変な場所じゃないよね?」
「多分、普通の部屋だよ。色々考えてても時間が勿体ねえし、そこへ行こうぜ」
 そう言って俺は美春の手を取り、目的地へと向かって歩き始めた。臆病で優柔不断な相手に対しては強引に対応するに限る。
「ほっ、ほんとにっ? 変な場所じゃないんだよねっ?」
 美春の問い掛けに答えるように、塀に止まったカラスが一声鳴いた。
      ★★★
 そのレンタルルームをどう考えるかは人によりけりだろう。委員会室の物よりは多少高級そうなソファベッド、テーブルとテレビ、入り口とは別の室内ドアの向こうにはシャワールームも設置されている。万が一のことを考えてそんな設備の部屋を借りたのだが、その気になればラブホテル代わりとして充分に使えそうでもある。これで百六十分三五〇〇円という料金は果たして高いのか安いのか。
 当初、美春は興味深そうに室内を見回していたのだが、部屋にシャワーがあることに気付いた途端、僅かに怯えた顔付きになった。当人にとってはそれだけで充分に変な場所に当たるらしい。が、それは性的なことを意識している証拠でもある。とは言え、あまり虐めるのも可哀想だ。俺は途中のコンビニエンス・ストアで購入したジュースのペットボトルとスナック菓子をテーブルの上に並べると、ソファに座って自分の膝の上をポンポンと軽く叩いた。その意味に気付き、美春はぎこちない動きで俺の前まで来ると、恐る恐るといった感じで膝の上に横座りになった。
「そんなに怖がんなよ」
「だ、だって、圭太くん、また変なこと言いそうだし……」
「じゃあ、もう言わねえから。その代わり、またキスしてもいいか?」
「あ、う、うん、でも……んむっ」
 抱き寄せてキスをし、一旦離して唇を啄んでやる。何度もそうしていると、美春は鼻を小さく鳴らしながら俺の背に両腕を回してきた。薄目を開けて見てみると、陶酔しきった顔をしており、これなら次の段階に進んでも問題ないだろう。唇を舐め上げてやった後に舌を挿し入れても抵抗する素振りはなく、俺は存分にその口腔を味わうことにした。
「んぶっ……あもっ……ろれっ……んくっ……もごっ……むぶっ……んぼっ……れろっ……」
 口内愛撫に応えようと拙く動かしてくる舌を絡め取ると同時に、乳房にそっと片手を当ててみる。美晴は一瞬身体を竦ませたが、それでもその手を払い除けようとはしてこない。ならば躊躇う必要はない。俺はブラウスの前ボタンを数ヶ所外し、内側へと手を入れて下着の上から豊かな乳房を優しく揉み上げた。唇を移して耳たぶを軽く噛み、合間に甘く囁きかけてやる。
「可愛いぞ、美春」
「ふはぁ……圭太くんダメぇ……んくぅ……恥ずかしいぃ……あはぁ……嫌ぁ……」
 言葉とは裏腹に、美春は身体の力を抜いて俺に身を任せたままだ。単に身体に力が入らないのかもしれないが、それでも絶好の機会には違いない。指先をブラジャーの中に滑り込ませ、僅かに硬くなった乳首を探り当てて摘み上げてやると、美春は虚ろな目をして一際大きな喘ぎ声を上げた。
「んはあっ……そこダメえっ……くふうっ……お願い圭太くん許してえっ……」
 喘ぎながら懇願してくるその声色に、俺は背筋をゾクリと震わせた。
      ★★★
 どうも美春の中には、女性が男性に性的な行為をされた際には否定的な発言をしなければならない、という観念があるらしい。当人の肉体は快楽を受け入れているのに、それを認めようとはせず、拒絶の言葉だけを繰り返している。だが、そんな相手を嬲るのは面白い。なので俺は敢えて何も言わず、美春の身体を責め続けた。上半身を裸にし、スカートを取り、フリル付きのハイレグショーツ一枚の姿にして背面座位の体位で抱きかかえる。勿論まだ挿入はせず、俺もまたトランクス一枚になって下着越しに生殖器を押し付けながら、決して果てさせないように注意して愛撫を与えていく。何故なら、達した後に素に戻った場合、また泣き出してしまうかもしれないからだ。それを避ける為には焦らしに焦らし、当人の口からはっきりとした言葉で性的行為を望ませることが必要で、その可能性が見えてきたのは、美春の身体に触れ始めてからおよそ一時間後のことだった。
「はくふあっ……圭太くんもう止めてえっ……あふはあっ……もうそこ弄らないでえっ……んくひいっ……私おかしくなっちゃううっ……うかはあっ……嫌嫌嫌あっ……」
 肌を密着させたまま乳首とショーツ越しの淫核を微かに擦り上げられただけで、美春は買ったばかりの下着を既にしっとりと濡らしている。先刻からずっと全身の力を抜いて為すがままの状態だが、俺が指先の力を今以上に抜けば、四肢に力を取り戻して股間と乳房を押し付けてくる。つまり、愛撫されている間はわざと脱力しているようなのだ。それでも台詞のやり取りだけなら完全なレイプであり、決してこの行為を承認しようとしないのは、ある意味凄い。とは言っても、鼻息荒く、喘ぎは深く、薄紅色の乳首とまだ見ぬ淫核を大きく硬くさせたまま、少しずつ少しずつ声に媚びの色を重ねている。あこやりこが同じ時間、同じ愛撫を受けていたら、我慢しきれずに自分から跨がってくるに違いない。
「ほんとはもっと気持ちよくなりたいんだろ? もっと激しく弄られてイっちゃいたいんだろ?」
「かはふあっ……そんなことないいっ……くはひいっ……止めて欲しいのお願いいっ……んくふうっ……こんなの酷いいっ……はふうあっ……もうこんなこと嫌なのおっ……」
「じゃあ止めるか。残念だな、大好きな美春のこと、イかせてやりたかったのになぁ。オマンコイきたいって一言だけ言えば、責任持ってイかせてやるのに。あ、ヴァギナだっけか?」
 そろそろ止めを刺そうかと思い、そう呟いて愛撫を完全に停止すると、喘ぎ続けていた美春の喉がゴクリと大きく鳴った。ほんの一言だけで今迄以上の快楽が得られることについて、呼吸を整えながら思案している様子だ。もう一押しというところか。
「言っとくけど、俺は美春のことが好きだから触ったんだからな? 大好きで気持ち良くさせてやりてえから触ったんだ。なのに、美春は俺に触られるのが嫌だなんてなぁ……」
 寂しそうに言うと、美春の口から躊躇いがちに待望の言葉が飛び出してきた。
「んくはぁ……さ、触ってぇ……あふはぁ……圭太くん触ってぇ……はうんっ……オマンコイかせてぇ……ふくはあっ……私のオマンコイかせて下さいいいっ!」
      ★★★
 その口調から半分自棄になったのではないかとも思ったが、美春はそれまで同様にゆったりと俺の胸に背中を預け、愛撫による絶頂を素直に迎え入れた。当初はそこまでするつもりがなかったとしても、こうなると次の段階へ進みたくなるというものだ。俺は幸せそうに余韻に浸る美春を隣に座らせると、トランクスを脱いで屹立した陰茎をその手に握らせた。美春は怯えながらも指示に従って一物を扱き始め、次第にその表情や身体からは不安の色が抜けてきた。
「どう? 気持ちいい?」
「ああ、凄く気持ちいい。でも美春はこんなことさせられて嫌じゃねえのか? どうしても嫌なら無理しなくてもいいぞ?」
 俺がそう問い掛けると、美春は照れ臭そうに微笑んだ。
「ううん、もう怖くない。私も恥ずかしいところ見られちゃったし、こうして圭太くんの全部を受け入れるって決めたの。だから平気。それに、よく見ると少し、その、可愛いかも……」
「まだ、一番恥ずかしいところは見せてもらってねえけどな」
「えっ、見たいの? 私ならいいよ? 圭太くんになら、あの、見せちゃっても……」
「今はいいや。見たいけど、そしたらすぐザーメン出ちまいそうだからな」
 そう言って笑うと、美春も穏やかに笑い返してきた。その反応には若干違和感を覚えるものの、いつもの臆病な部分が消え、おどおどした態度がなくなったらこうなるのだろう。その背景にあるのは自信であり、それはこうして肌を見せ合う相手が出来たからと思うのは考え過ぎだろうか。
「でも、もっと何かした方がいいの? 言ってくれれば、が、頑張ってみるけど……」
「じゃあ、早くオチンポからザーメン出して、って言ってみてくれよ? そしたら俺、もっと昂奮するし。あ、別にペニスって言葉でもいいけどさ」 
「ええっ? あ、うっ、うん。は、早くオっ、オチンポから、ザ、ザーメン出して……」
「もっと感情込めて言ってくれるか?」
「早くオチンポからザーメン出して……はぁ……早くオチンポからザーメン出してぇ……」
「もっとだ」
「んはぁ……早くオチンポからザーメン出してえっ……くふあっ……早くオチンポからザーメン出してえっ……あふうっ……圭太くんが出すとこ見たぁい……はふあっ……圭太くんのザーメンが見たぁい……ひはあっ……圭太くんのオチンポザーメン早く見たいのおっ……」
 途中で発情のスイッチが入ったのだろう、美春は指定された言葉を独自に組み替え、蕩けたような笑みを浮かべて乳房を俺の腕に押し付けてきた。再び硬くなりつつある乳首の感触が心地いいが、まだ射精には時間が掛かりそうでもある。俺は美春の手の上に自分の手を重ね、最も効率のいい速度で扱かせながら、空いた手を濡れたショーツの中へと入れ、指先で淫裂をそっとなぞってやった。
「んくふうっ……圭太くんが触ってるうっ……あふはあっ……私の直接触ってるうっ……」
「さっきは下着の上からだったからな。どうだ、美春もオマンコ気持ちいいか?」
「はくひあっ……気持ちいいっ……かふはあっ……オマンコ気持ちいいっ……んふはあっ……オチンポ触りながらオマンコ弄られるの凄いいっ……あひくふうっ……またイくまたイっちゃうよおっ……ひうふはあっ……オチンポザーメン見たいのにまたイかされちゃううっ……」
「くっ、出すぞ美春っ、胸突き出せっ」
 どうにも我慢が出来なくなり、俺はそう言って美春の手を払うと、ショーツからも手を抜いて自分で陰茎を扱き始めた。案の定、すぐに限界が訪れ、昨晩以降一度も射精していなかったせいで数割増しになっていた白濁液を、言葉に従ってくれた美春の両の乳房に塗していく。
「ひふはあっ……掛けられてるうっ……あくふうっ……圭太くんにザーメン掛けられちゃってるううっ……かふはあっ……そんな私これだけでえっ……あひっ……んふはあああああっ!」
      ★★★
 その晩、俺は思い直して、あことりこ二人の相手をすることにした。新たに屋上、及び風紀委員会室の俺専用の合い鍵を作らせることが目的だ。更に明日はどちらの相手もしない旨を告げ、条件を呑ませた上で二人を自室に連れ込んだ。
 日中、窓を開けておいたこともあり、室内のアンモニア臭はかなり薄くなっていたが、尿が布地に染み込んだ椅子とベッドのマットレスは消臭剤を掛けておいてもまだ少し臭う。それでも二人の姉は意に介さず、いそいそと全裸になって俺の服をも脱がせ始めた。
「んはぁ、圭ちゃんのオチンポもう大きくなってるぅ、あふぅ、これ見るだけでオマンコ濡れちゃうよぉ」
「くふぁ、圭太ぁ、はふぅ、今日は私からオマンコ犯してくれるんだよねぇ?」
「まあ、それでもいいけどよ。まずはお前ら奴隷なんだから、足の指でも舐めてもらおうか」
 そう言って俺がベッドに浅く腰を下ろすと、二人は四つん這いになって床に投げ出された脚に擦り寄ってきた。左右に分かれて丁寧に足指を舐め、踵に口付けし、舌をゆっくりと上に這わせながら姿勢を変えて太腿に乳首、足首に秘所を擦り付けてくる。
「くふあっ、圭ちゃあん、んはうっ、もうオチンポ舐めてもい~い?」
「あふうっ、圭太ぁ、ふはあっ、オチンポ汁飲みたいよぉ」
「いいぞ、好きにしゃぶれ。その代わり自分でマンコ弄りながらだ。すぐぶち込めるように、たっぷりと濡らしとけ」
 言い終わるや否や、二人は陰茎に武者振り付いてきた。鈴口、裏筋、茎部、尿道、陰嚢と忙しなく唇や舌を当てながら、自らの股間に片手を伸ばして蜜音を響かせ、弛緩した笑みを浮かべている。その貪欲に肉悦を得ようとする姿を見て、俺は口元を歪めた。
「れおっ……カウパー出たぁ……むちゅ……ずずっ……ごくっ……ぷふぅ……あむっ……」
「おむっ……ぷはぁ……こっちのタマタマもぉ……はぷっ……もごっ……んぶっ……」
「れろっ……んぷっ……ずずっ……こくっ……はふぅ……美味し……はぷっ……んれっ……」
「もがっ……はぷっ……ふはぁ……いい匂い……あもっ……むぼっ……もぐごっ……」
「そろそろいいぞ。ベッドに上がって、並んでケツ突き出せ」
 その言葉に二人は満面の笑みを浮かべ、言われた通りのポーズを取ると、秘所も尻穴も晒け出したまま艶めかしく尻を振ってきた。どこからどう見ても、挿入が待ち遠しいといった素振りだ。俺はベッドに上がって一物に軽く手を添えると、まずは滴り落ちそうなほど淫蜜に濡れたりこの膣口へと亀頭を当てた。
「何か挨拶言ってみろ。うんといやらしくな」
「んふぅ……りこの濡れ濡れ奴隷オマンコにぃ……はふぁ……勃起オチンポ根元まで突っ込んでぇ……ふはぁ……好きなだけ穿り回してくださぁいっ……」
「六〇点」
 評価点を伝え、俺は請われた通り陰茎を付け根まで一気に膣内へと押し込んだ。そのまま子宮を突き壊すかのように容赦なく腰を振ってやる。
「あひくふあっ……深いいっ……んくはひぃ……オチンポ深くて凄い気持ちいいっ……はへひあっ……このオチンポ好き好きいっ………ふかひはっ……圭太のオチンポ大好きいいっ……」
「あふはぁ……圭ちゃん早く私にもぉ……ひくふぅ……早く私のオマンコにもぉ……」
 俺に合わせて腰を動かし始めたりこの隣から、切なそうな声が聞こえてくる。見ると、あこは上半身を崩れさせ、高く突き出した尻を上下に揺らしている。懸命なアピールと言ったところだろう。俺は片手を伸ばしてりこの愛液を掬い上げると、その濡れた小指の先であこの薄く色づいた菊門を擽ってやった。
「はひんあっ……圭ちゃんそこ違ううっ……んくはひっ……そこ汚いよおおっ……」
「なら、後でやり方教えてやるから、今度から言われた時には綺麗にしとけ。その内ここも使うんだからな。りこにも教えてやるから、綺麗にしとけよ?」
 言いながら、同じようにしてりこの尻穴にも触れてやる。
「はくふひあっ……圭太そこダメええっ……あふくひいっ……オチンポ入れながらそこ触っちゃダメええっ……んかひきいっ……オマンコが変になるううっ……」
      ★★★
 それぞれの膣内に二度ずつ精液を放ったところで、俺は小休止することにした。とは言っても、あことりこは指示通りシックスナインの体勢で、お互いの膣奥から漏れ出てくる白濁液を懸命に舐め取り、飲み干している。
「ろれっ……まだ出てくるぅ……んれっ……圭ちゃん、りこの中にばっかり出し過ぎぃ……」
「んごくっ……ぷはっ……あこだってこんなに注いでもらったくせにぃ……はぷっ……」
「二人ともそのままで聞けよ? 俺、クラスの女と付き合うことにしたから」
 さらっと告げたつもりだったのだが、途端に二人はベッドの上で起き上がり、口元に大量の体液を付けたまま俺に挑み掛かってきた。
「どういうことっ? そんなのダメに決まってるじゃないっ!」
「何それっ? 圭太は私とあこ以外とは付き合っちゃダメっ!」
「まあ聞けよ。俺はお前ら二人のことが大好きだ、愛してる。でもな、血の繋がりがなくても一応は姉弟なんだから、学校や街中でベタベタしてたら周りに変な目で見られるだろ?」
「そんなのちゃんと説明すればいいじゃない。私たちと圭ちゃんは義理の姉弟だって」
「私は周りに変な目で見られても別に構わない。圭太がいればそれでいい」
「いちいち相手に説明なんかしてらんねえだろうが。だからって放置しとくと、尾ひれが付いてどんな噂になるか判んねえし。性質の悪い奴がネットでそのことを広めたりしてみろ、下手すりゃ三人一緒にいることすら出来なくなるかもしんねえんだぞ?」
 少しばかり大袈裟に言い過ぎたかとも思ったが、あこもりこも青ざめた顔をしている。この様子なら更なる不安を抱かせなくとも平気だろう。後は安心させてやり、その分の見返りを約束してやれば、二人とも美春のことを認めるに違いない。
「だから一応は世間様が認めてくれるような彼女を作って、俺たちの関係を誤魔化す必要があんだよ。俺だって本当は恋人にすんなら二人のどっちかにしてえよ。でも、ずっと三人一緒にいる為には必要なことなんだ。その代わり約束する。俺は死ぬまでお前ら二人と一緒にいる。結婚するかしないかはともかく、俺の子供も産んでもらう」
 そう言ってやると、二人の表情に笑みが差した。
「……三人一緒にいる為に必要なら、仕方ない、かな。でも、本当は悔しいんだからね? その分いっぱい赤ちゃん産ませてね?」
「……圭太がそこまで言うなら、私も我慢する。だけど、ちゃんと今まで通り可愛がって欲しい。お尻でもどこでも好きに使っていいから、たくさん相手して欲しい。もちろん、赤ちゃんもたくさん」
「ああ、それも約束する。それと、ゴールデンウィークになったら一人ずつ、好きな所に一泊二日で旅行に連れてってやる。二人っきりで二日間、目一杯相手してやるから」
「ほんとっ? 嬉しいっ! 私、圭ちゃんと温泉入りた~い」
「嬉しい圭太ぁ! 近くでいいからラブホに行こうよ? 二日間ずっと裸で過ごした~い」
 抱きついてきた二人の背中を撫でてやりながら、この場に美春を加えた時のことを夢想していると、陰茎が再び活力を取り戻してきた。俺はその場に二人を押し倒し、小休止の終了を告げた。
      ★★★
「なぁ、圭太ぁ。お前、三国と付き合ってんのか?」
 二時限目が終わると、俺の席のすぐ前に立った戸田がそう尋ねてきた。クラスの何人かも俺たちの方を注視している。それもその筈で、美春の様子が変わったのは誰の目から見ても明らかだった。
何しろ今朝から終始ご機嫌で、事ある毎に俺の名を呼んでは身体を擦り寄せてくる。今現在はトイレに行っていて隣席にはいないが、事前に頬を染めてこう囁いてくる始末だ。
「ちょっと私、お手洗いに行ってくるけど、圭太くん、どこにも行かないでね? すぐ戻ってくるから、ずっとここにいてね?」
 少しばかり暑苦しさを感じるものの、まあ、甘えの一種だと思えば悪い気はしない。
 また、昨日のレンタルルームの時ほどの快活さはないが、消極的な性格は陰を潜め、大人しくも朗らかといった態度で周囲に接してもいる。その原因が俺との交際にあると考えるのは自然なことだろう。
 しかし、俺は交際に関しての正式な返事をまだ美春に告げてはいない。と言うか、考えてみれば、そもそも付き合って欲しいと言われてもいない。無論、美春はそのつもりで告白してきたのだろうが。
「圭太くん、お待たせっ」
 俺が戸田の質問に答えようとした時、美春が息を切らしながら教室に戻ってきた。用を足した後、早く戻ってくる為に廊下を走ってきたのだろう。なかなかの忠犬振りだ。
 いい機会だと思い、俺は椅子から立ち上がって美春を出迎えた。その手を取り、目を丸くした性奴隷候補を見つめ、何事かと驚くクラスの面々の前でゆっくりと言葉を放つ。
「美春、好きだ。俺の恋人になってくれ」
室内からざわめきが消え、数秒間の沈黙の後、美春の瞳が潤み始めた。
「……嬉しい。圭太くん、大好き。愛してる」
 途端に教室の中に歓声が沸き起こった。いや、怒号と言った方がいいかもしれない。彼方此方からの応援の言葉や口笛、拍手に混じって、冷やかす声や恨みがましい台詞までもが聞こえてくる。何にしても単純な奴らだ。貰い泣きしている女生徒までいる。
更なる演出として、俺は美春と手を繋いだまま、周囲をざっと見渡して声を張り上げた。
「そういう訳だから、お前ら、人の恋路の邪魔したりすんなよ? 気が向いたら式に呼んでやるから。なんなら、子供の名付け親にしてやってもいいぞ?」
 わざわざ教室で交際を迫ったのも、結婚式や子供のことを口にしたのも、美春を安心させる為だ。クラスメイト公認となり、将来を見据えているのだと思わせることで、今後は心も身体もより一層開いてくれることだろう。だがまあ、調教が上手く進んで好みの性奴隷に仕上がったならば、それなりに大事にするつもりではいる。場合によっては妊娠させてやってもいい。
「ぐすっ、圭太くぅん、すんっ、圭太くぅん」
 俺はそんな思考を隠し、新たな発言によって再び生じた怒号の中、泣き笑いしている美春に優しく笑い掛けた。
      ★★★
 昼休み。昨日と同じく調理パンを買い込み、美春と昼食を取っていると、あことりこが俺の教室にやってきた。先日の発言もあり、室内にざわめきが満ち始めたが、あこは周囲の視線をものともせずに俺の傍まで歩み寄ると、美春に向かって硬い声で問い掛けた。
「あなたが圭ちゃんの彼女?」
 同じ中学出身ということもあって、以前から姉たちのことを知っていたのだろう、俺が二人を紹介するよりも早く、美春は席から立ち上がってぺこりと頭を下げ、悠然と口を開いた。
「はいっ、よろしくお願いしますっ」
「本気で圭太のことが好きなの? 遊びなんじゃないの?」
 今度は不服そうにりこが問い掛ける。緊急の用がある時以外は教室に来ることを禁じていたのだが、どうやら美春の人となりを確かめに来たようだ。勝手な行いは後で叱ってやらなければならないが、何にしてもクラス公認となる一仕事を終えた後で良かった。そうでなければ美春もここまで堂々と対応出来ていなかっただろう。
「遊びなんかじゃありません。私、本気で圭太くんのことが好きです。愛してます」
 真剣な顔で美春がそう言うと、四方から冷やかし声が聞こえてきた。あことりこは微かに顔を歪め、美春の身体をジロジロと眺めている。その視線が胸に行く度に悔しそうな表情になるのは、自らの貧乳を恥じてのことに違いない。俺は大きいのも小さいのも同じくらい好きなのだが。
「くっ、口だけなら何とでも言えるわよ。圭ちゃんのこと幸せにする自信があるの?」
「圭太をずっと大切にできるの? 私たち以上に大切にしてくれる相手じゃなきゃ認めない」
「あのなぁ、あこ姉もりこ姉もいい加減に――」
「私、圭太くんには身も心も全て捧げたいと思ってます。まだ処女ですけど、圭太くんが望むなら、この場で抱かれてもいいです。もしも子供を望むなら、今すぐ妊娠させてもらってもいいです。以上の言葉で質問の答えになりますか?」
 文句を言おうとした俺の言葉を遮り、美春は凛とした声で特大級の爆弾を室内に落とした。流石にここまでの発言は俺の計画には入っていない。クラスメイトたちも呆気に取られているようで、教室内は静まり返っている。
「……そっ、そんなのダメっ。圭ちゃんの赤ちゃんは私が――」
「……ぜっ、絶対に許さないっ。圭太の子なら私が――」
 俺は慌てて立ち上がり、姉たちの危険な口を手のひらで押さえた。
「――むがっ」
「――もぶっ」
「俺の教室をどんだけ被爆地帯にするつもりだ? ちょっと来い」
 そう言って俺は二人の口から手を離すと、それぞれの手首を掴んで廊下へと引き摺り出し、説教する為に屋上へと向かった。
      ★★★
 その日の放課後。俺は再び美春をレンタルルームへと連れ込んだ。一枚一枚服を剥ぎ、少しずつ露出していく肌に唇と舌と指を這わせると、美春は擽ったそうにしながらも、やがて官能の声を上げてそれだけで達してしまった。昨日の時点で判っていたことだが、かなり全身の感度がいいらしい。手間要らずで助かる。
「はぁ……気持ちぃ……はぁ……よかったぁ……はぁ……圭太くぅん……」
 美春はショーツ一枚の姿で余韻に浸りながらソファに凭れ掛かっていたが、俺は更なる悦楽を与えてやるべく再び立たせ、その正面に屈み込んだ。焦らすようにゆっくりとオレンジ色の下着を下げていくと、薄く細い陰毛が次第に露わになり、やがて淫裂が股布との間に細い糸を引いているのが見えてきた。漂ってくる濃厚な淫臭はあこやりこよりも幾分酸味が強いが、決して嫌な匂いではなく、元からの甘い体臭と交じり合って更なる情欲を抱かせてくれる。
「ふはぁ……圭太くんに見られてるぅ……くふぅ……恥ずかしいよぉ……」
そう言いながらも美春は幸せそうに目を細め、足首まで下ろされたショーツを自ら脱いでくれた。お礼として俺は内腿に手を添えて僅かに脚を開かせ、包皮から突き出た淫核にそっと口を付けた。優しく吸い上げ、時に舌先で転がしてやると、美春は脚を徐々に大きく拡げ、俺の頭を両手で抱え込んできた。
「んふあっ……恥ずかしいっ……くふうっ……恥ずかしいのに気持ちいいっ……はうっ……圭太くんの意地悪うっ……あひうっ……私おかしくなっちゃうよおっ……」
 美春の言葉にも態度にも、昨日のような拒絶の色は一切ない。意地悪という否定的な単語を口にする時でさえ、鼻に掛かった声で甘えるように告げてくる。その声色も、震える腰を俺の顔へと強く押し付けてくる素振りも可愛らしく、俺はもっと深い喜びを教え込みたくなり、少し強めに淫核を甘噛みしてやることにした。唇で挟んでゆっくりと押し潰し、解放して何度も舐め上げ、また挟み込む。次第に愛液の量は増え、やがて粘りを増し、秘裂と俺の顎との間に白く太い糸が引く頃には、美春は大股を開いて息も絶え絶えになっていた。
「あへはあっ……圭太くぅんっ……んくひあっ……もう立ってられないよおっ……」
 仕方なく俺は秘所から口を離し、美春をソファへと座らせた。隣に座って抱き寄せ、大きく脚を開かせて肉溝を指先でなぞってやる。美春は喘ぎながら俺のシャツの前ボタンを外し、そこから手を入れて愛おしそうに肌を撫で擦ってきた。お返しに少しずつ指の動きを速めてやると、行為の途中で水分補給もしていないのに、面白いように淫蜜が溢れてくる。
「くふあっ……圭太くん気持ちいいっ……はあんっ……圭太くんの指気持ちいいっ……」
「どこが気持ちいいんだ? ちゃんと言ってくれ」
「ひはあっ……オマンコおっ……んくうっ……オマンコおっ……はひあっ……オマンコ気持ちいいっ……ふうあっ……オマンコが気持ちいいのおっ……かはあっ……オマンコいいっ……」
「その言葉でいいのか? ヴァギナじゃなくって?」
「あふうっ……圭太くんはどっちがいいのおっ……んくあっ……圭太くんの好きな言葉で言ううっ……ひふうっ……オマンコでもオチンポでも何でもおっ……はふあっ……圭太くんの好きな言葉なら何でも言うからあっ……くふあっ……だからもっと私に教えてえっ……」
 何たる忠誠心、何たる従順さ、何たる依存度合だろう。自分自身の計算高さを認識してはいても、こんな台詞を聞かされて愛しさが募らないほど俺は朴念仁ではない。そして当人が淫語調教を望むならばそれに応え、最低でも成年漫画家並みの知識を与えてやるのが愛情というものだ。俺は美春の耳に口を寄せ、睦言を呟くようにして幾つもの言葉を並べ立て始めた。
      ★★★
「ここって時間の延長出来るんでしょ? しなくていいの?」
 美春の言葉に俺は頷いた。レンタルルームの使用制限時間まで残り十五分程になり、行為を中断して服を着るように俺が言った直後のことだ。それまでに美春は八回ほど果て、蕩けた顔で俺の陰茎を撫で擦っていたが、俺の言葉を聞くや否や寂しそうな表情になった。ちなみに俺はここまでの間、美春の手で二度射精に導かれている。
「だって、その、最後までしなくていいの? 私、別に、帰りが遅くなってもいいよ? 今日のお昼にも言ったけど、私の処女でよかったら、圭太くんにもらって欲しいし……」
 元より奪われる覚悟でいたのだろう。美春は残念そうにそう言うと、裸の俺の胸にそっと手を当ててきた。別れの時間が来る前に少しでも肌の温もりを感じたい、といったところか。
「別に急ぐことねえだろ? それとも物足んねえか?」
「別に、物足んなくはないけど。オマンコいっぱい気持ちよくしてもらったし、オチンポもいっぱい触らせてもらえて、昨日みたいにザーメンも掛けてもらったし。それも二回も……」
 素の表情で淡々と話しているところを見ると、淫語調教は半ば完了というところだろう。その結果に満足しながら、俺は昨日から抱いていた疑問を聞いてみることにした。
「なあ美春、ちょっと聞きてえんだけどさ。ザーメン掛けられるのって、そんなに気持ちいいのか? 昨日もそれでイっちまってたよな?」
「え? あ、うん。でも、圭太くんのだからだよ? 自分の身体に圭太くんの匂いが付けられてるんだって思うと、何か勝手にオマンコがビクビクってなっちゃうの。あと単純に、ザーメンの温かいのが気持ちいいっていうのもある、かな?」
「その理屈だったら別に小便でもいいような気がするけどな。まあ、いいや。えっと、ああ、初めての話か。美春は初めてなんだろ? すんならもっと綺麗なとこでしようぜ?」
「……私は初めてって、圭太くんは経験あるの?」 
「あ、いや、俺だって童貞だけどさ。そ、そうだな、今度、泊まりでホテルとかに行こう。昼間はデートして、夜にそこで、な? 二人とも初めてなんだし、思い出に残せるようにさ」
 内心の焦りを隠してそう言うと、美春は真顔でじっと俺の目を見つめ、数秒後、にっこりと笑った。どうやら信じてくれたらしい。
「圭太くんがしたいなら、私は場所なんかどこでもいいのに。でも、一緒にお泊まりには行ってみたい。千鶴子ちゃんの家に泊まるって言えば、親も信じてくれると思うし……」
 千鶴子ちゃんが誰なのかは知らないが、アリバイ作りに協力してくれる人間がいるのなら好都合だ。そうなると問題はその時期か。
「じゃあ今度、都合のいい週末でも教えてくれよ。それと行きたい場所も。んで、その日が来るまでは最後まではしない。それでいいか?」
 当人が破瓜を望んでいる以上、いつでも美春の膣を犯すことは可能だが、現時点の俺にその気はない。もう暫くの間は処女の身体を楽しませてもらうつもりだ。
「うんっ。でも、行き先は圭太くんが決めて。私、一緒にいられればどこでもいいから」
「そんなこと言うと、近くのラブホに籠もりきりで延々と美春のこと犯しちまうぞ?」
 昨晩のりこの発言を思い出してそう言うと、美春は恥ずかしそうに俯き、火照ったのか、空いてた手のひらを自身の頬に当てた。
「……体力、持つかなぁ」
      ★★★
 翌日の土曜日。待ち合わせ場所である駅前で落ち合った途端、三日月は背負った革鞄を大きく揺らし、正面から俺に抱きついてきた。白の長袖ブラウスの上から赤いチェック柄のワンピースを着込み、同じ色と柄のリボンでツインテールの髪を纏めている。華奢で細く凹凸のない小学生のような身体、実姉の桐生以上に整った小悪魔的な顔。相変わらず見た目だけは愛くるしいが、痴女のような性格はそのままのようだ。現に今も抱きついたまま鼻息荒く俺の体臭を吸い込み、人目も気にせず平らな胸と小さな腰を押し付けてきている。
「せんぱーい、あたし寂しかったですぅ、あそこが寂しかったですぅ」
 俺は三日月を力任せに引き剥がし、無言で横に放った。運動神経がいいだけあって三日月は難無く着地し、嬉しそうに笑ってまた擦り寄ってきた。
「今日はそういうプレイなんですね? どうぞ好きなだけ放り投げてください」
「……帰ってもいいか?」
「えっ? けーた先輩のご自宅で? でも、あたし、初めてですし、先輩の部屋のシーツ、血で汚しちゃうかも……」
 中学時代同様の会話に苦笑していると、三日月は横に並んで俺の左手を取り、勝手に腕を組んできた。次いで斜め下から俺の目を覗き込み、少しだけ戸惑ったような表情になった。
「んんっ? 先輩、以前より態度に余裕がありません? 何かあったんですか? 童貞捨てちゃったとか?」
 結構な観察眼だなと思いつつ、俺は誤魔化すために右手で頭を撫でてやり、気持ちよさそうに目を細めている三日月に問い掛けた。
「で? 今日はどうすんだ? 行き先もデートの内容も会ってから話すって、昨日の夜、電話で言ってたろ?」
「あ、行き先はラブホテルです。あたしの処女膜破っちゃってもらえますか?」
「いいぞ」
「へっ?」
「でも、すぐ破っちゃうのも少し勿体ねえ気がすんな。直前までで止めとかねえか? その代わり、たっぷりと舐めてやるからさ。今日はそれで我慢しろよ」
「え、あ、あの、ほんとにしてもらえるんですか?」
「当たり前だろ? それとも三日月ちゃんが俺のを舐めてくれるか? でも、ここに来る途中走ったから、少し汗臭えかもしんねえぞ?」
汗という言葉を強調して言うと、三日月の喉がコクンと鳴った。どうやら予想した通りの性癖を持っているらしい。以前、部活の後に靴下を無くしたのは決まって日差しの強い日ばかりだった。加えて通話の中で汗の染み込んだ体操着云々と言っていたこともある。その二点や先刻の態度から察するに、三日月は匂いに対する性的嗜好を持っている。俗に言う匂いフェチというやつだろう。
「汗臭い先輩のを、あたしが、口で……」
 陶然とした表情で呟く三日月を見て、これで先々5Pも可能だな、と俺は思った。
      ★★★
 俺が向かったのは駅前商店街の裏通り、小規模な歓楽街の外れにあるラブホテルだ。いずれは誰かを連れて行くつもりでいたので、既にインターネットで料金システム等は調べてある。  
 受付の代わりに設置されている大型パネルの写真で空いている部屋を選び、その横にある部屋番号のボタンを押せばルームキーが出てくるというシステムで、従業員と顔を合わせることなく使用することが出来る。
 とは言え、実際に入ってみると、天井の監視カメラでパネル前の様子を確認してはいるらしい。俺も三日月も私服姿とはいえ、どう見ても未成年だ。場合によっては従業員が出てきて文句を言ってくるかとも思ったが、部屋を選んで鍵を手にしても特に注意してこない。社会的には問題のある経営方針かもしれないが、俺としては有り難い。今後は贔屓にさせてもらおう。
 階段で二階に上がり、ドアプレートを頼りに目的の部屋を探す。鍵を開けて中に入ると、それまで僅かに怯えていた様子の三日月の顔に笑みが差した。
「うわあっ、こういう部屋なんだあっ」
 好奇心旺盛な性格もあってか、三日月は組んでいた腕を離してテーブルの上に鞄を置くと、一人で室内を歩き回り始めた。
 ちなみに、俺が選んだのはベッドにソファ、テレビ、通信カラオケという設備の、一般的と思われる部屋だ。事前に下調べはしていても、ラブホテルに入るのはこれが初めてであり、特殊な部屋を選ぶ精神的余裕がなかった。が、いずれは当ホテルの売りの一つであるというSM部屋を使ってみたい。
「んふっ、せんぱ~い。お風呂、一緒に入るんですよねぇ?」
 三日月はそう言って走り寄り、俺の背中に両手を回してしがみ付いてきた。甘く鼻を鳴らしながら胸に頬摺りをし、気持ちよさそうに目蓋を閉じている。その背中をそっと撫でてやりながら、俺は抱いたばかりの疑問を口にした。
「お前、不安とかねえのかよ? ヤられちまうかもしんねえんだぞ?」
 その言葉に三日月は顔を上げ、嬉しそうに瞳を輝かせた。
「やっぱり最後までしてくれるんですか? あたし、相手がけーた先輩ならいいですよ? 最初は冗談のつもりでしたけど、本当にしてくれるなら本望です。膜、破っちゃってください」
「でもよ、さっきまでビクビクしてたじゃねえか」
「ああ、あれはですね、もし最後までしないとしたら、あたしの方が我慢出来るか、ちょっと心配で。あと、あたしパイパンなんで、先輩がどう思うかなって。えへっ」
 屈託なく笑う三日月を見て、俺は思わず息を噴いた。
「……お前、ほんとに処女か? まるで痴女じゃねえか」
「疑うなら先輩が身体で確かめて下さいよぉ。ついでに、あたしを本物の痴女に育て上げちゃってください。そしたらセーラー服で足コキとか、満員電車の中で手コキとか、下着付けずに黒タイツだけで素股とか、中学生の身体を色々と楽しめますよ?」
 俺は暫し考え込んだ。どうも相手は俺より数段上位の変質者のようだ。が、考えようによっては調教の手間が掛からないとも言える。となれば、あれこれ迷わず即座に犯し、主導権を確実に得ておくべきだろう。だが、その前に二人の関係性をはっきりさせておく必要がある。
「なあ、三日月ちゃん。今現在、俺たち別に付き合ったりしてる訳じゃねえよな? なのに、こんな場所でヤられちまってもいいのかよ?」
「えっ? 今日から恋人になってくれるんじゃないんですか? あたしはそのつもりでしたけど……」
「嘘吐いても仕方ねえから言うけどな、俺、昨日から彼女がいんだよ」
「ええっ? 相手はあこ先輩ですかっ? りこ先輩ですかっ?」
      ★★★
 俺の交際相手が姉たちのどちらかだと、三日月は本気で思ったらしい。その理由を聞いて俺は肩を落とした。二人の姉がブラコンだということは、中学時代から一部の生徒たちの間では有名な話だったそうだ。あこもりこも男子生徒から交際を迫られる度に、弟以外に興味はない云々、と告げて断わっていたことが原因らしい。思い返してみれば、見知らぬ男子生徒から理由も判らず睨み付けられることが頻繁にあった気がする。
 その後、俺が誤解を解くために美春のことを話すと、その名前を出したところで三日月は目を丸くした。聞けば、互いに体育祭の実行委員だった時に何度か顔を合わせたことがあり、特別親しくはないものの、会えば挨拶をする程度の間柄とのことだった。
「世間は狭いって本当ですね。でも、三国先輩とは恋人として、まだ一日しか付き合ってないんですよね? だったらあたし、先輩たちが別れるまでセフレでもいいですよ? 恋愛って、ドロドロしてる方が面白そうですし」
 その大胆且つ物騒な物言いに気後れしてしまったことが悪かったのだと思う。返答に窮していると、性的行為の有無等について三日月から矢継ぎ早に問われ、その誘導尋問のような話術の巧みさもあって、気が付いた時には俺は全てを話してしまっていた。美春のことだけではない。あことりこのことも含め、父さんがセックス解禁発言をした時以降の全てをだ。行為の詳細な内容までは伝えなかったが、それでも大失態には違いない。俺は三日月の身体から手を離し、自らの発言に愕然としながらソファへと力なく座り込んだ。
「あはっ。落ち込まなくても大丈夫ですよぉ? あたしぃ、誰にも言いませんからぁ。でもでもぉ、そんなことになってるなんてぇ、道理で先輩の態度に余裕がある訳ですよねぇ。それでぇ、もうそんなハーレム状態なのにぃ、先輩はあたしをどうするつもりだったんですかぁ?」
 他人を虐めることに喜びを感じる性癖もあるのか、三日月は意地の悪い口調でそう言うと、正面から俺を跨ぎ、膝の上に座って腰を押し付けてきた。小さな尻を前後に動かし、ジーンズの中で項垂れていた陰茎が状況も弁えずに反応し始めると、小悪魔的な笑みを浮かべて顔を寄せ、熱い息を吹き掛けてくる。
「ふふっ……ほらぁ、はっきり言って下さいよぉ……はぁ……この堪え性のない汗臭いのでぇ……はぁ……あたしのことも奴隷にしてハーレムに入れるつもりだったんですかぁ?」
 完全に相手のペースだが、ここは従うしかなさそうだ。屈辱を感じながら頷くと、三日月は満足そうな表情で俺の唇をぺろりと舐め上げた。
「なっ? お前っ、何をっ?」
「あはぁ……ご褒美ですよぉ……はぁ……もっとして欲しいですかぁ? はぁ……だったら言葉にして言って下さいよぉ……はぁ……あたしをどうするつもりだったのかぁ……」
「くっ、さ、最後には犯して言うこと聞かせるつもりだったよっ! 三日月ちゃんもハーレムに入れるつもりだったよっ! もうこれでいいだろっ!」
 決してご褒美欲しさではなく、何とかして現状から逃れたい一心でそう喚くと、三日月は俺の唇を一瞬だけ啄み、次いで腰の動きをピタリと止め、一転して真顔になった。
「じゃあ、そうして下さい。拒んだりしませんから。あと、あたしのことは呼び捨てでいいですよ?」
「は? 何を言って――」
「あたしもハーレムに入ってあげるって言ってるんです。その代わり、最初から他の人たちと差別したり、勝手に捨てたりしたら怒りますから。全部周囲にバラします」
「わ、判った。けど、どうして……」
「だって、全員そういう関係になった上で先輩を奪い合うのって、面白そうじゃないですか」
 三日月はそう言うと、再び俺の唇を奪ってきた。
      ★★★
 三日月の思考は理解しかねるが、渡された主導権を二度と手放さないよう、まずは精神を落ち着けることが肝心だ。備え付けの冷蔵庫のコーラを三日月と分けて飲み、更にオレンジ・ジュースを飲み干して何とか気持ちを静めると、俺はソファに座ったまま、この先どう行動すべきか考えた。
 時間は間もなく正午。昼食はルームサービスで寿司でも取るとして、取り敢えずは当初の目論見通り、即座に犯してしまった方がいいのだろうか。それとも矢張り段階的に、相手の反応を見ながら事を進めるべきか。思いを巡らせながら何気なく隣に視線を向けると、未だコーラを飲み続けていた三日月が満足そうな顔で笑い掛けてきた。
「始めます? 服は自分で脱いだ方がいいですか?」
「いや、まだいい。で、ちょっと聞きてえんだけどさ。何か欲しいこととかあるか? 胸を重点的にとか、クリトリスを舐めて欲しいとか」
 俺の問い掛けに三日月は少し呆けた顔になった。
「……先輩でもクリトリスとか言うんですねぇ。ちょっと驚きです。さっき色々お話ししてもらった時には、曖昧な言葉しか使わなかったじゃないですか」
「色々と弁えてるからな。でも、他の三人の前じゃ普通に言うぞ? マンコとかチンポとか」
「じゃあ、あたしの前でも言って下さいよ。あたしも知ってる言葉を使いますから」
「……まあ、いいけどな。で、して欲しいことは?」
 再度問い掛けると、三日月は手にしていたコップをテーブルへと置き、ニヤリと笑った。
「じゃあじゃあ、お風呂に入る前に、フェラチオがしたいです」
「……それは、して欲しいことじゃねえだろ? したいことだろ?」
「でも、あたし、自分から先輩に何かしたいです。こういうの攻めって言うんですよね?」
 何か勘違いしている気がしなくもないが、奉仕向きの性格と考えれば今後の成長が楽しみではある。わざわざ入浴前にと言ってきたのは匂いを楽しみたいということだろうし、そうさせてやるのも一興だ。
「じゃあ、まずはチンポに挨拶でもするか? でもよ――」
 俺は一旦言葉を切って立ち上がり、ジーンズのボタンを外してファスナーを下げた。トランクスごと膝まで下げ、思い直して足首から抜き取り、下半身を丸裸にして元の位置へと座り直す。そのまま半立ち状態の陰茎を片手で何度か扱くと、俺はその手のひらを三日月の鼻の周りに押し付けてやった。
「――ほら、汗臭えだろ? でもまあ、俺の匂いだから覚えてくれよな?」
「ふがっ……ぐふっ……んごっ……ふむっ……」
 途端に三日月は虚ろな目をしながら鼻を大きく鳴らし、一心不乱に俺の手の匂いを嗅ぎ始めた。抵抗する素振りは全くなく、両腕はだらりと下げられたままだ。最初からあまり餌をやり過ぎても拙いと思い、適当なところで手を離すと、三日月は酔い痴れた表情で俺と陰茎とを交互に見つめ、蕩けたような声で呟いた。
「はへぇ……もう覚えちゃいましたぁ……んひぁ……先輩のオチンポの匂いぃ……」
      ★★★
 まさかとは思ったのだが、念の為に当人に確認してみたところ、三日月は手に移った陰茎の匂いだけで軽く達してしまったらしい。弟に欲情する姉たちといい、事前に愛撫が必要とは言え、乳房に精液を掛けられて果ててしまう美春といい、俺の周囲には変態しかいないようだ。
 それでもこれで暫くは優位に立てるだろうと思い、その後は決して一物の匂いを直接嗅がせず、手も触れさせず、鑑賞だけさせながら俺は三日月へ尋問を始めた。内容は勿論、以前に紛失した靴下の件だ。最初は誤魔化そうとしていたものの、三日月は途中で罪を認め、ビニール袋に入れて自慰の時に活用していたことを白状した。匂いに対する執着心があることも認め、自らの性感帯の場所をも語り、おまけに聞いてもいないのに実姉である桐生の性癖まで暴露し始めた。
 三日月の話では、桐生はあれだけ容姿端麗、加えて巨乳であるというのに、今まで異性と交際したことはなく、未だに処女であるという。更に女性でありながらエロゲーと言われる一連の商品のマニアであり、且つ戦国武将オタクでもあるとのことだった。それらの特殊な趣味の収集品が厳格な両親に見つかって半ば勘当された状態となり、故に今春からアパートで一人暮らしを始めたそうだ。一連の話に俺は苦笑したが、時折実家に立ち寄っては三日月の部屋にこっそりと忍び込み、件の靴下を持ち出していると聞いた時には流石に驚いた。
「んふぁ、夕月お姉ちゃんてばぁ、くふぅ、以前使ってた部屋のベッドでぇ、ひはぁ、先輩の靴下嗅いでオナニーしてるんですよぉ、あふぅ、だから少し心配だったんですぅ、ふひぁ、お姉ちゃんが先輩に色目使ってるんじゃないかってぇ、はふぅ、ねぇ、もういいですかぁ、うはぁ、オチンポ嗅いでもいいですかぁ?」
 そろそろ我慢の限界なのか、三日月は切なそうに喘ぎながらそう言うと、自らの胸と秘所を服の上から撫で始めた。取り敢えず聞くべき事は聞いたので、俺としてもそうさせてやりたいのだが、生憎と小腹が空いてきたところだ。
「昼飯喰ってからにしようぜ? お前は何が食べたい?」
 テーブル上のスタンド式のメニューを取って差し出すと、三日月は自慰を続けたまま首を大きく横に振った。
「くふはぁ、けーた先輩のオチンポぉ、んくふぅ、食べたいのはぁ、ふひはぁ、けーた先輩のオチンポぉ、あへひぅ、せめて匂いだけでも嗅がせてくださぁい」
「でもよ、昼飯が頼める時間、限られてるみてえだぞ? 冷めても喰えるようなもん頼んで、それが届いてからにしようぜ?」
「かふはぁ、ダメぇ、んくひぁ、まずはオチンポぉ、あひふぅ、オチンポの匂いぃ」
「……少しだけだからな?」
 仕方なく俺はそう言って立ち上がり、三日月の正面に立って今や完全勃起状態に近い一物を突き出してやった。途端に三日月は直接鼻を擦り付け、貪欲に匂いを嗅ぎながら陰部全体に頬摺りを始めた。無論、その手は自らの身体をまさぐったままだ。
「んかはへぇ……硬くて臭くて幸せぇ……くふはひぁ……病み付きになっちゃうぅ……あへひはぁ……オマンコがもうびしょ濡れですぅ……はくひふぁ……もう我慢出来ませぇん……」
 痴悦に満ちた顔でそう言うと、三日月は裏筋を舌でチロリと舐め上げた。
      ★★★
 途中で強引に行為を中断させ、頼んだ寿司を食べ終えると、俺は場所をベッドへと移すことにした。後々面倒なのでその脇に立って全裸になり、三日月の服も脱がせていく。あまり必要のなさそうなブラジャーを外してやり、露わになった薄い乳房の先端を口に含むと、三日月は大きく身体を震わせた。
「はふあっ……先輩に乳首吸われてるぅ……くふうっ……あたしの乳首吸われてるぅ……」
 本当に小学生かと思うほど小さくて色の薄い乳首だが、舌の上でそれなりに硬く大きくなるのが楽しい。もう片方も吸い上げてやり、濡れて透けたピンクの下着の横紐に手を掛ける。左右の結び目を同時に解くとショーツは糸を引きながら床に落ち、幼子のようなふっくらとした無毛の秘所が露わになった。それでも実年齢相応の反応は見せており、勃起した淫核は包皮の間から可愛らしく顔を覗かせ、覆っていた布地が取り去られた為に、粘りを帯びた愛液が幾筋も内腿を伝い始めている。甘い淫臭を楽しみながらその様子を観察していると、不意に頭上から三日月の声が聞こえてきた。
「ふはぁ、して欲しいことありましたぁ、んふぁ、オマンコの傍に先輩のものだってぇ、くふぅ、印を付けて欲しいですぅ」
油性ペンが手元にあれば言葉通りに落書きしてやるところだが、印というのはキスマークのことだろうと思い、俺は割れ目の少し上の部分にそっと唇を押し付け、痛みを与えないように注意しながら肌を吸い上げた。
「ああっ……んっ……くふうっ……あたし今、少しずつ印を付けられてるんですねぇ……」
 三日月はそう言うと、俺に恥丘を押し付けながらゆっくりと脚を開き始めた。快感は然程でもないのだろうが、サドっ気がありそうなだけに、従者のような俺の行為に充足感を得ているに違いない。その満足の度合を深めてやるべく、俺は更に肌を吸い上げ、時折口を離して充血した様子を確認し、同じ場所に唇を当てた。何度もそうしていると、やがてしっかりとした内出血の跡が残り、三日月は足首まで淫蜜を垂らしたまま、愉悦に満ちた笑みを浮かべた。
「あはっ、先輩のものだって印付けられちゃいましたぁ。んふっ、これ見たらあこりこ先輩や三国先輩はぁ、どんな顔をするんでしょうねぇ?」
「ちょっ、お前、まさか?」
「んふふっ、言ったり見せたりしませんよぉ。想像して楽しんでるだけですからぁ」
 もしかしたら再度失態を犯してしまったのではないか、と思いつつ、俺は溜息を吐いて立ち上がり、ベッドに腰を掛けた。今後は充分に注意をして掛からないと、また主導権を奪われるだけでなく、余計な揉め事を起こされかねない。ここは矢張り速攻で犯して堕とし、絶対に逆らわないようにしておくべきか。
「あれれ? 先輩、難しい顔してますね? 何か落ち込んじゃってます? あたし、先輩との約束はちゃんと守りますよ? 脅したりもしませんから、安心してください」
 そう言って三日月はベッドに上がり、掛け布団の一部を剥ぐと、露出したシーツの上を手のひらで示した。
「さ、ここに横になって下さい。不安にさせちゃったお詫びに、今度はあたしが先輩にサービスしますから」
 本当にこいつは中学生なのだろうか、という疑問を抱きつつ、俺はその指示に従った。相手の意図が今ひとつはっきりしない以上、下手に逆らうのは得策ではない。
「まずは感触を楽しんで下さいね?」
 シーツの上に仰向けに横になると、三日月はそう言って俺の腰の上へと跨がり、濡れた秘所で陰茎を扱き始めた。と言っても、挿入はせずに素股でだ。突然のことに驚きはしたが、女性上位で腰を前後にぎこちなく揺らす様は愛らしく、淫液の溢れた無毛の局部は滑らかで堪らなく心地いい。
「ふはあっ……どうですかぁ……んくふっ……中学生のオマンコサービスぅ……あふうっ……先輩のオチンポにあたしの匂い……はふうっ……たっぷり付けちゃいますからねぇ……」
「すげえ気持ちいいけどよ、チンポの匂い嗅がなくて良かったのかよ? それに俺がこのままザーメン出したら、お前、妊娠しちまうぞ?」
「はふあっ……今日は安全日だから平気ですよぉ……ふんあっ……匂いは確かに少し残念ですけどぉ……くふうっ……その代わり先輩が出した精液はぁ……あふうっ……全部あたしのパンツで拭き取りますからぁ……んくあっ……二人のエッチな匂いをいっぱい染み込ませてぇ……ひはあっ……今日の記念に持って帰りますぅ……はふあっ……硬くて気持ちいいっ……」
      ★★★
 素股で俺を射精に導いた後、三日月は予告通り飛び散った精液を下着で拭き取り、更に自らの股間の愛液をも染み込ませると、鞄から取り出した密封袋の中へと入れた。
「おい、その袋、いつも持ち歩いてんのか?」
「え? そんな訳ないじゃないですか。今日は特別です。けーた先輩と会えるから、また何か手に入るかなって。靴下の匂い、もう大分薄まっちゃいましたし」
「ったく、盗む気満々だったのかよ。で、またそれでオナニーすんのか?」
「はいっ。今度は精液なので、いつも以上に楽しめそうです。直接ゴクゴク飲めるように、味にも慣れておきたいですし。あ、でも、これはお姉ちゃんに見つからない場所に隠さなきゃ」
 その言葉には失笑したが、幸せそうな顔を見ると、これ以上の嫌味を言う気にもなれない。
「んじゃ、一旦風呂にでも入るか? まだ時間は平気なんだよな?」
「はいっ。このまま泊まっちゃってもいいですよ? もしも親に勘当されたら、お姉ちゃんのとこに行きますから。そしたら夜中に抜け出すことも出来ますし、犯し放題ですよ?」
 俺は少し考えてから、今後は三日月にも避妊薬を呑ませることにした。避妊具を嫌う以上は先々必須となる処置だ。今日は少量しか持参してきていないが、幸い父さんからもらった薬はまだ大量に残っている。仮に無くなっても言えば用意してくれるだろうし、美春にもある程度の分量を渡しておこう。
「お前、今度から毎日、薬呑んでくんねえか? 取り敢えず風呂から出たら、少しだけ渡すからさ。次回会う時には多めに用意しとくんで、頼むよ」
「それって、セックスが気持ちよくなるクスリですか?」
「お前にそんなもんいらねえだろ? チンポ嗅げば気持ちよくなんだから。避妊薬だよ。あこにもりこにも呑ませてんだ。美春にも呑ませるつもりだし、三日月もそうしてくれよ」
 その言葉に三日月は嬉しそうに笑い、顔を寄せて俺の頬に唇を短く押し当ててきた。
「ん? どした急に?」
「えへっ、初めて呼び捨てにしてくれたことに対する、感謝の気持ちです」
 言われてみれば確かにそうだ。
「……なぁ、お前、俺のどこが気に入ったんだ? ハーレムに入りてえだなんて、そこまで言わせるようなこと、俺、してやった覚えがねえぞ?」
 甘い雰囲気に流され、思わず以前から疑問に思っていたことを尋ねると、三日月は悪戯が見つかった子供のようにペロっと舌を出した。
「ほんとのこと言うと、最初は興味本位だったんですよね。中学生になって、何の気なしに陸上部のマネージャー始めて。で、あこりこ先輩の噂を聞いて何となく興味が出てきて、部活の度に先輩ばっかり見てたら、いつの間にか性格に惹かれちゃって。えへへっ」
「性格? 三日月から見た俺ってどんなんだよ?」
「……言わなきゃダメですよね?」
「ああ、言ってくれ」
「状況に流され易くて、だらしないダメ男。でもでも、そんなところが最高です。あはっ、あたし、先輩のそういうところを見る度に、背筋がゾクゾクしちゃうんです」
 三日月はそう言って笑うと、文句を言いかけた俺の口を唇で塞ぎ、自分から舌を挿し入れてきた。
      ★★★
 互いに身体を洗い合って一緒に湯船に浸かった後、薬を呑むと言ってくれた三日月の希望通り、俺たちはベッドの上でシックスナインの体勢になった。俺の上に乗った三日月は陰茎や陰嚢に舌を這わせ、時に喉奥まで咥え込もうとし、その合間に淫裂や淫核への愛撫を受けては繰り返し何度も大きく喘いだ。
「んもごっ……ぷはあっ……あくふうっ……先輩それ気持ちいいっ……んくひあっ……クリ吸われるの気持ちいいっ……かはふうっ……あむっ……んろれろっ……おぶっ……もごっ……」
 自慰のし過ぎなのか、淫核は幼い秘所に不釣り合いな程大きく勃起し、完全に包皮から突き出ている。それでいて色素の付着は殆どなく、それは淫唇や膣口も同様なのだが、漏れ出してくる愛液の濃密な粘り具合はあこやりこにも引けを取らない程だ。まだまだ陰茎に対する手や口、舌の愛撫には拙い部分があるものの、指示を与えてやれば短時間で覚え込み、自ら考えて合わせ技を放ってきたりもする。身体の感度も申し分なく、妙な性癖もあり、この分なら一人前の痴女になってくれる日も遠くないに違いない。
「んぶへぇ……もうオマンコ限界ですうっ……あひはあっ……イっくううううううっ! かはあっ……くひぃ……またイっちゃううっ……はへひあっ……イくううううううっ! ふくあへえっ……まだ止まんなひいいっ……おほへあっ……やっぱりもうダメ我慢出来ないいっ……」
 全身を波打たせて悦楽の極みに達したらしき三日月は、勝手に俺の舌先から秘所を取り上げると、姿勢を変えて向き直り、一物を手にして亀頭の先を自分の膣口へと押し当てた。
「おい、ちょっと待てよ。そんな急に――」
「ひぎいいいいいいっ! んかはあっ……あぎぃ……くふっ……ひうっ……」
 俺の言葉を終わりまで聞かず、三日月は膣奥まで陰茎を一気に取り入れた。俺自身、陰茎全体が非常に痛いが、三日月の苦痛はそれ以上だろう。秘裂に大量の愛液が溢れていなかったら失神していたかもしれない。現に今、三日月は鳥肌を立てながら股間から血を流し、辛そうに顔を歪めている。
「何やってんだよっ? 膣痙攣起こしたり裂けてたりしたら病院行きだぞっ? ちょっと待ってろ、今、抜いてやるから」
 俺は上半身を起こし、跨がっている三日月の腰に両手を当てた。
「ダメダメダメええっ……つうっ……絶対に抜いちゃダメですうっ……あぎっ……痛くても平気ですからあっ……くひっ……すぐに慣れますからあっ……かはっ……少し待ってもらえればあっ……んんっ……ちゃんとあたしが動きますからあっ……」
「そんなん無理に決まってんだろ? 何でこんな無茶すんだよ?」
 そう言いながらも真剣な三日月の表情と言葉に圧倒され、俺は腰から手を離して華奢な身体を抱き締めると、まずは背中を撫で擦って落ち着かせてやることにした。
「ひうっ……だってあたし一人だけ学校が違うしぃ……んあっ……次はいつ先輩に会えるのかなって思ったら不安になっちゃってぇ……くうっ……どうしても今日中に最後までして欲しくなっちゃったんですぅ……あうっ……だからこのままちゃんと精液出してくださいぃ……」
 その言葉に俺は罪悪感を覚えた。当人は当人なりに悩んだ上での結果らしいが、そもそも他に性交相手がいるという俺の失言がなければ、こんな行動を取らせることもなかった筈だ。とは言え、そこまで慕ってくれる三日月の気持ちは純粋に嬉しい。想いを汲んでやる為にも、好きにさせてやりたいと思わなくもないのだが。
「……じゃあ、痛みがなくなるまで、何時間でもこうして抱っこしててやるよ。但し、どうしても痛いようならちゃんと言えよ? それと、今後は二度とこんな無茶すんな。ったく、最後までして欲しいってちゃんと言ってくれれば、なるべく痛くないように入れてやったのに」
「んんっ……はいぃ……くうっ……でも先輩優しいからぁ……あっ……途中であたしが辛そうな顔したらぁ……はうっ……また今度にしようとか言いそうだしぃ……」
「……まあな。でもよ、だからって一気に入れることねえだろが。俺だって今も痛いんだからな?」
「くあっ……それでもこうしてぇ……かはっ……ずっと抱っこしててくれるんですよねぇ……うくっ……そういう流され易いとこが好きなんですぅ……んあっ……えへへっ……」
      ★★★
 多少でも気を紛らせてやるべく会話を続けていると、やがて徐々に三日月の表情から苦痛の色が消えてきた。当人も顔を歪ませることなく行為の再開を申し出てきたが、俺はもう少し様子を見ることにし、頬を膨らます三日月を宥める為に、今後は週に一度は必ず会うことを約束してやった。三日月の喜びようはかなりのもので、会う度に好きにしてくれて構わないと言い出し、挙げ句には、もし桐生をハーレムに加えるつもりがあるなら協力しても構わない、という不穏な発言まで飛び出してきた。
 確かに桐生のような年上の女性を言いなりに出来れば、貧乳比率の高い現状以上に多彩な性的行為が楽しめる。とは言え、三日月の提案してきた計画は、桐生を倉庫かどこかに閉じ込めて拘束し、隷属するまで延々と強姦し続けるという、とんでもないものだった。
「血も涙もねえな。お前ら本当に姉妹なのか? そんなもん却下に決まってんだろが」
「でも、あたしの見たところ、お姉ちゃんにはレイプ願望がありそうなんですよ。まず間違いなくマゾだと思いますし、エロゲ脳で妄想力も逞しいですし。取り敢えず一回オチンポ突っ込んじゃえば、後はそんなに手間はかからないと思いますけど?」
「そう言うお前は絶対サドだよな。でもなぁ、マゾは美春で間に合ってるしなぁ」
「あたしも一緒に犯せば姉妹丼が楽しめるじゃないですか。あ、でも、あこりこ先輩の組み合わせでもそうなるのか。じゃあじゃあ、あたしたち姉妹の売りは、サドとマゾの姉妹丼ってことでどうです? あたしが先輩の前でお姉ちゃんを調教してもいいですよ?」
「それは見てみてえけどよ。元々の計画が非現実的過ぎんだろうが。警察沙汰になるのは御免だぞ。って言うか、お前、もしかしたら、単に俺が言葉に流されて、実姉をレイプするところを見てえだけなんじゃねえのか?」
 冗談交じりにそう尋ねると、三日月は照れ臭そうに頭を掻いた。どうやら本当にそれが目的だったらしい。末恐ろしい女だ。
「でも、それだけじゃないですよ? たくさん相手がいた方が修羅場が増えて楽しそうじゃないですか。だからお姉ちゃんもヤっちゃいましょうよ」
 尚もしつこく食い下がる三日月に、俺は計画の杜撰さを指摘してやった。場所、時間、拘束に必要な物、俺の体力限界、等々。三日月は何度も相槌を打ち、暫し思案顔になった後、一転して瞳を輝かせた。
「じゃあ、こういうのどうです? お姉ちゃん一人暮らしですし、金曜日の晩にあたしと先輩で遊びに行って、そのまま日曜日の夜までレイプしちゃうっていうのは。それなら時間もある程度取れますし、場所も探さなくて済みますよね? 後は手錠とか買って持って行けば、どうにかなるような気がしません?」
「……その後で本人が警察に訴えたらどうすんだよ?」
「ハメ撮り写真を撮って脅しましょう。それと、エロゲーの件を学校中にバラすとか。お姉ちゃんの性格からすると、そこまでやれば絶対に泣き寝入りします。保証します。あ、出来ればそんなことせずに、先輩のオチンポで言うこと聞くようにさせちゃって欲しいですけど」
 今度の提言は確かに一考の価値がありそうで、その報酬として俺は行為を再開してやることにした。
      ★★★
 座位のまま殊更小さく腰を動かしていると、時に表情を引き攣らせながらも三日月は懸命に俺を受け入れようとし、漏れてくる呻き声は次第に喘ぎ声へと変わっていった。その声色に深みを与えてやるべく、俺は乳首や淫核に触れながら腰の動きを徐々に速め、充分な時間を掛けてから膣奥へと精液を吐き出し、そのまま二回戦目へと突入した。
「くふあっ……せんぱぁいっ……あふうっ……けーたせんぱぁいっ……ふはあっ……そこ気持ちいいですうっ……ひふあっ……もっとそこおっ……かはあっ……オマンコの奥うっ……」
 流石に俺の射精に合わせて絶頂を迎えることはなかったものの、三日月の身体からは硬さがほぼ抜け落ち、今では乳首と淫核を尖らせたまま、それなりの量の愛液を溢れさせている。股間を俺の腰に押し付けてくるのは、りこ同様に子宮が感じるのか、一物を更に深く取り込もうとしてのことだろう。だが、元から狭苦しい膣内に陰茎が根元まで入る筈もなく、亀頭の先の抵抗感もどんどん強くなってきている。恐らく子宮が降りてきているのだろうが、何せ時間が多少経過したとは言え破瓜の直後だ、りこ相手の時ように容赦なく突き回す訳にもいかない。代わりに俺は接合部に手を伸ばして漏れ出した愛液と精液のブレンド品を掬い、薄っすらと血が混じっている部分を除いて三日月の鼻の周りに塗り込んでやった。
「取り敢えず嗅いでろよ、好きな匂いなんだろ?」
「ひはあっ……生臭いいっ……んふがっ……臭過ぎるうっ……ぶふもっ……幸せえっ……」
 その陶酔しきった言葉以上に驚いたのは、三日月が突然大量の淫蜜を分泌し始めた点だ。潮を噴いたとも思えないが、匂い一つでこうなるならば、遣り様によっては破瓜の痛みなど殆ど与えずに済んだかもしれない。
「おいおい、チンポより匂い優先かよ?」
 失笑しながらそう言うと、三日月は虹彩のない瞳を俺に向け、白痴のように微笑んだ。
「はふあっ……すぐオチンポにも慣れますからあっ……んへあっ……だからもっとオマンコの奥までえっ……かふあっ……あたしのオマンコ全部使いまくって下さぁいいっ……」
 ここまで言われた以上、そうしてやるしかないだろう。幸いというか何というか、股間も潤滑油に満ちている。俺は三日月の腰を両手で抱え込むと、子宮口を押し開けるように一物を繰り返し突き立ててやった。
「あくひいっ……おへその下までオチンポきてるううっ……くふへあっ……気持ちいいオチンポ気持ちいいっ……んはへえっ……オマンコがドロドロに溶けちゃううっ……」
 四肢を引き攣らせながらしがみ付いてきた三日月を見て、俺は口元を歪めた。淫臭がきっかけで、というのは多少不満だが、この様子なら今度は果てさせてやることが出来そうだ。話の通りに桐生も同じ性癖を持ってるのならば、堕とすのは割と簡単かもしれない。三日月と一緒にアパートへ行く前に、一度、学校内で匂いに対する反応でも確認してみるか。
「はへくふあっ……オチンポいいオマンコ気持ちいいっ……んくひはあっ……先輩イくあたしイっちゃいますううっ……あへはひいっ……先輩のオチンポでイっちゃいますううっ……」
 その呼び掛けに俺は三日月へと意識を戻し、抽送を更に加速させた。
     ★★★
 翌日の朝。駅前で三日月と別れて帰宅すると、あことりこが俺の自室のベッドで眠りこけていた。一応は昨晩、戸田の家に泊まると連絡を入れ、戸田本人とも口裏を合わせてある。恐らくは単に寂しさから俺の部屋に来ただけで、新たな性交相手の出現に気付いて待ち受けていた訳ではないだろう。俺はなるべく物音を立てずにパジャマに着替え、二人の間に潜り込んで眠ることにした。何しろ限界近くまで三日月の相手をした為に、精神も肉体も疲れ果てている。
 昨晩、性交による絶頂を覚えてからの三日月は、繰り返し果て続けながら膣奥や顔、全身や鼻孔への射精を望み、行為の後で愛おしそうに陰茎を舐め上げると、再び繋がることを求めてきた。だらしなく微笑みながら小便を漏らし、途中で一旦は意識を失ったのだが、それでも数時間後には起き出して、ソファで寝ていた俺の陰茎を飽きもせずに頬張ってもいた。結果、俺は通算十一回も射精する羽目になってしまい、家に帰ってくるのさえ億劫だった程だ。今後、多くても四、五回の性交で満足するようになってもらわないと、俺の身が持たなくなる。となれば、今以上に身体の感度を上げてやることが必要だろう。その上でなら、ハーレム運営上の参謀的な役割を与えてみても面白いかもしれない。
 そんなことを考えながら布団の中に身体を横たえ、うとうとしていると、不意にズボンの上から一物をそっと握られた。慌てて両隣を確認すると、あこもりこも目を開けており、揃って怪訝そうな表情を浮かべている。
「な、何だよ、起こしちまったか?」
「圭ちゃんのオチンポ、何だか元気ないみたい」
「圭太の身体、いつもと違う匂いがする」
 二人の言葉に俺は全身を硬直させた。陰茎の件はともかく、ホテルを出てくる前に風呂場で念入りに身体を洗ったのだが、誤魔化しきれなかったようだ。が、事前にこんな時の言い訳も考えてある。
「戸田の家で風呂借りたからな。ボディシャンプーの匂いだろ」
 努めて冷静にそう言ったのだが、りこは俺の身体に鼻先を近付けて匂いを嗅ぐと、眉間に深く皺を寄せた。
「……この匂い、どこかで嗅いだ覚えがある」
「どれどれ?」
 同じようにあこも鼻を近付け、やがて思案顔になった。
「そういえば、圭ちゃんが陸上部だった頃、たまにこんな匂いさせてたような……」
 どんな嗅覚してんだよ、と普段なら突っ込みを入れるところだが、以前、三日月に抱き付かれた後に同じ匂いをさせていたのかもしれない。焦りが先に立って身動ぎせずにいると、りこが確信を得たように何度か首肯してから、きつい目で睨み付けてきた。
「……マネージャーの三日月?」
「なっ、何で名前知ってんだよっ?」
「圭太に近付く女は昔から全部チェックしてるから。で? まさか一晩一緒にいたの?」
「圭ちゃん、美春ちゃん以外の相手と浮気したの?」
 左右から強い口調で問い掛けられ、俺は渋々と頷いた。
     ★★★
 その後、両親を交え、急遽リビングで家族会議が開かれることになった。議題はもちろん、俺の浮気についてだ。仕事上の付き合いとやらで、父さんも母さんも週末に家にいることは滅多にないのだが、たまたま今日は暇を持て余していたらしい。俺にとっては最悪の状況で、更に睡眠不足で疲労困憊ときている。なるべく詳細をぼかし、不用意な発言をしないよう注意してはいたものの、結局は虚ろな意識のまま事のあらましを殆ど喋ってしまい、更に姉たちは美春のことをも論題に掲げた。
「まさか圭太が、お姉ちゃんたち以外の女の子に手を出すなんてなぁ」
 一通り話を聞き終えた後、父さんはそう言って溜息を吐いた。怒っているというよりも、呆れている様子だ。それでいて、どこか楽し気にも見える。が、俺としてはその隣に座っている母さんの方が気になる。常時微笑みを絶やさない母さんの澄まし顔は、激怒している証拠だからだ。その口がゆっくりと開くのを見て、思わず俺は身体を竦めた。
「圭太はあことりこよりも、その三日月さんや美春さんの方がいいの?」
「圭ちゃん、そうなの? もう私たちには飽きちゃったの?」
「まだ試してないこといっぱいあるじゃない。それなのに圭太は私たちを捨てるの?」
「あ、いや、その……」
「まあ、圭太の気持ちも判らなくはないがな。要するに取っ替え引っ替えして、酒池肉林を楽しみたいんだろ? 父さんだって機会があれば――へぶっ! ぶごっ! ごふっ!」
 言葉の途中で母さんに顔面を殴打され、ソブァの上に崩れ落ちた父さんを見て、俺は頬を引き攣らせた。返答次第では二の舞になりかねない。
「圭太、どうなの? あことりこより、その二人の方がいいの?」
「圭ちゃん、ちゃんと答えて」
「圭太、はっきり言って」
 女性陣に畳み掛けられ、俺は必死に打開策を考えた。が、頭が回らずに何も良案が浮かんでこない。となれば、ここはもう開き直って勢いに任せるしかないだろう。後々多少面倒なことになったとしても、とにかくこの場から逃れてベッドで眠りたい。俺は深くを吸い込み、視線を正面の女性三人へと向けた。
「仕方ねえだろ? 一番好きなのはあことりこだけと、他に慕ってくれる子がいたら、そっちもどうにかしてえって思っちまうんだよっ! 俺はそんな人間で、自分の欲望が抑えられない最低の浮気野郎なんだよっ! それが許せねえってんだったら、嫌ってくれて構わねえから。家出てけって言われんのは困るけど、バイトでもして、なるべく早くアパートとかに住むようにすっから。だからもう、それ以外のことは好きにしてくれっ!」
 途中から感情的になって喚くと、戸惑った様子の姉たちとは対照的に、黙って聞いていた母さんが薄く笑った。今まで一度も見たことのない、身の毛がよだつような冷酷な笑みだ。対応を誤ったかとも思ったが、今更発言を取り消せる訳もない。
「あことりこが一番、それは本当ね? 本心からそう言えるのね?」
 事務的な口調の母さんの問い掛けに、俺は無言で頷いた。
「ならいいわ。あこ、りこ、あなたたち、すぐにでも圭太に妊娠させてもらいなさい」
     ★★★
 子供が出来れば愛情が更に深まる、家族は年が近いほど関係が良好になる、と言うのが母さんの言い分だったが、二人を即座に妊娠させるつもりなどない、と俺は声を大にして告げた。全員がまだ学生であること、俺自身に生活基盤がないことなどを理由として上げたのだが、母さんは一旦席を立って寝室へ行くと、持ってきた二冊の通帳を俺の前へと差し出してきた。
「いや、金さえあれば解決するっことじゃねえんだけど……」
 そう言いながら通帳を受け取ってみると、名義人は二人の姉になっており、中には億単位の同じ金額が記されていた。
「なっ、何だよっ、この金額っ?」
「二人のお父さん、本当のお父さんの遺産よ」
 その母さんの言葉には、記帳されていた金額以上に驚いた。姉二人の実父が既に他界しているという話は何度か聞いたことがあったものの、相続するような財産を残していたなどとは初耳だったからだ。あことりこも同様らしく、揃って呆けた顔をしている。
「本当は、二人が結婚する時にでも渡そうと考えていたんだけど。でも、それだけあれば余程贅沢な暮らしをしない限り、家族が増えても一生遊んで暮らせるでしょ? この際、三人とも学校辞めて子作りに励みなさい。母さんや父さんが生きている間は、それなりの援助もしてあげるから」
「いや、母さん、それはいかん。圭太、お前は学校に通い続けなさい。お姉ちゃんたちも、お腹が目立つようになるまではそうしなさい。いくらこの先遊び呆けて暮らすと言っても、可能な限り勉強はしておいた方がいい。知識というものは、人間にとって大切なものだ」
 横から口を挟んできた父さんの尤もらしい言葉に、俺は無意識に頷きそうになった。だが、よくよく考えれば何かがおかしい。と言うか、このままでは本当に子作りさせられかねない。
「いや、ちょっと待て。何か話がズレてねえか? 今は美春と三日月の話だろ?」
「母さんは、あことりこが一番ならそれでいいわ。後のことは当事者同士で決めなさい」
「うむ、父さんも同意見だ。全員が納得した上でなら、マンションで同居しようが、その二人も妊娠させようが、お前の好きにすればいい。後のことは父さんに任せなさい」
「無茶言うなっ! そんなの美春たちの親が許すわけねえだろうがっ!」
「そうとも言い切れないわよ? 確かに父さんは見た目こそ頼りないけど、総務でずっと総会屋対策の指揮を執ってたんだから。相手方のご両親の弱みを見つけ出して脅すのなんて、簡単にやってくれるわよ。法務関係の知り合いも多いし、それ以外の人脈も豊富だし」
「おいおい母さん、脅すなんて物騒な言葉は使わんでくれ。あれらは単なる交渉だよ。だがまあ、そういうことでな。幸い、今の時期にすべきことは済んでいるし、まずは部下たちに、二人のご両親や親族などの調査をさせておこう。探せば必ずどこかに弱みを抱えている筈だ。もちろん、なるべく合法的にやるから心配は無用だぞ?」
     ★★★
 家族会議を終えると、俺はすぐに自室のベッドの中へと潜り込んだ。だが、父さんと母さんの発言に何度も驚かされ、多くの懸念事項を抱え込んでしまった為に、先行きの不安感から眠れない。俺は仕方なく目蓋を閉じたまま、先刻言い渡された内容を思い返し、その対処法を考えてみることにした。
・ 今後、あことりこには避妊させないこと。
・ 可能な限り全員が学校に通い続けること。
・ 浮気については当事者間で話し合うこと。
・ 父さんが美春たちの親と交渉する場合、その遣り方に口を挟まないこと。
半ば強引に決められたのは上記四点で、最早あことりこを妊娠させるのは避けられそうにない。当人たちもその点については嬉しそうに頷いており、俺の子供を産めるのならばいつ学校を辞めても構わないといった素振りだった。その気持ちと覚悟は喜ぶべき事なのだろうが、先日童貞を捨てたばかりの俺には荷が重過ぎる。加えて、仮に父さんが美春たちの親を手懐けたとしても、その後に俺を信頼してくれることはまず有り得ない。言わば実質上の義父母に当たる人間たちに恨まれ続けながら、その娘たちを犯していくのは少しばかり気が引ける。
 とは言え、全てを受け入れてしまえばこれほど好都合な状況はない。妊娠を餌にすれば姉たちから浮気の了承を得ることは難しくないだろうし、元より三日月は全て承知の上で関係を結んでいる。好奇心旺盛なあの小悪魔なら、先々同居も受け入れてくれる筈だ。美春に関しては若干難易度が高い気がするが、犯した上で調教を進めれば、いずれはどうにかなるだろう。更にそこに桐生を加えることになったとしても、当人さえ確実に堕としておけば、わざわざ新たな対象を脅す必要はない。時期によっては三日月とセットで手に入れることが出来る。
 そうなると次は金銭の問題だ。あことりこの希望により、件の二冊の通帳は今後も母さんが管理することになったのだが、言えばいつでも必要なだけの額を渡してくれることになっている。尚、当座に要すると思われる金額以外は投資に回しておくとのことで、父さんの仕事内容と同様に今まで聞いたことはなかったが、母さんは会社でそういう仕事をしているらしい。父さんの話では、母さんはその道のエキスパートであり、任せておけば容易く数倍にしてくれるから楽しみにしていろとのことだった。道理でマンションを買ったりする余裕がある訳だ、と思いはしたものの、それならそれで今までの月々の小遣い額が不当に低かった気がしてならない。だがまあ、頼もしい両親であることは間違いない。非常識な部分も含めてその恩恵に与っている以上、多少の不満は胸の内に仕舞い込んでおくべきだろう。
 目を開けて天井を見つめ、もう一度頭から考え直してみる。極力現状維持を続けた場合と、開き直ってしまった場合、どう考えても後者の方が利点が多い。後は心の底からそのことを肯定さえすれば、恐らく不安や焦燥感は霧散し、安らかな眠りに就けるだろう。だがそれと引き替えに、俺はまた道徳心を捨て去ることになる。
「……状況に流され易くて、だらしないダメ男か。確かにな」
 一頻り自問自答を繰り返した後、俺はそう呟いて安眠を選ぶことにした。
     ★★★
 余程疲れていたのだろう、目が覚めた時には辺りは薄暗く、当初は夕方だと思ったのだが、枕元の時計は翌日の早朝であることを示していた。驚いたことに、あこもりこも裸のまま、当たり前のように両隣で安らかな寝息を立てている。妊娠の件は別として、家族会議の終了時には、まだ多少なりともむくれていたのだが。
 何気なく視線を彷徨わせている内に、俺は自分も裸であることに気が付いた。寝過ぎで節々が痛む身体を起こしてみると、身に付けていたパジャマとトランクスが掛け布団の上に散らばっている。どうやら単に添い寝に来たのではなく、寝ている間に悪戯しようとしたらしい。その証拠に、夢精した覚えもないのに陰茎が根元までヌルヌルと濡れている。恐らく性交するまでには至らなかったのだろうが、一物を舌で舐め上げてはいたようだ。
 身勝手な行為は後できつく叱ってやらねばならないが、昨晩から肉欲を持て余していたのであれば、付け入る隙も大いにあるに違いない。俺は再度身体を横たえ、両手を伸ばして二人の秘裂をそっと撫で上げた。頃合いを見て包皮の上から肉芽を擽り、膣口に浅く指を挿し入れて柔肉を擦り上げると、二人は悩ましい声を上げながら左右から抱き付いてきた。
「んはぁ……圭ちゃあん……くふぅ……もっと指ぃ……はふぁ……オマンコの奥までぇ……」
「ふひぁ……圭太ぁ……はぁん……摘んでぇ……んくぅ……クリトリスも摘み上げてぇ……」
「そうしてやってもいいぞ? 但し今後、俺の浮気を認めるならな」
 そう言って指先の動きを速めてやると、二人は一旦俺から距離を取ろうとしたものの、すぐにまたしがみ付いてきた。俺の脚に脚を絡め、共に秘所を指先に擦り付けている。
「ひはぁ……そんなのダメぇ……くはぁ……りこ以外に圭ちゃんは渡さないぃ……」
「あふぅ……どんなことでもしていいからぁ……んくぅ……私たちだけ見ててぇ……」
「認めないならそれでもいいぞ? その代わり、お前らとセックスする時はいつも外出しだ。その分、美春と三日月にはたっぷりと中に出す。妊娠すんのはどっちが先だろうな?」
「かはぁ……そんなぁ……んふぁ……避妊はもうしないって約束したのにぃ……」
「んひぁ……ダメダメぇ……ひはぁ……圭太の赤ちゃんは私たちが産むのぉ……」
「別に外出しは避妊じゃねえだろ? 単なる俺の趣味ってだけだ。けどまあ、認めるつもりがねえのはよく判った。さて、少し早いけど起きるとすっか」
 俺は愛撫を止めて二人の身体を押し退けると、ベッドの上で胡座を掻いた。あことりこも上半身を起こし、物欲しそうな視線を屹立した陰茎へと向けてくる。その細い喉が絶え間なく動き、何度も生唾を呑み込んでいることを確認してから、俺は二人の肩を抱き寄せ、甘い口調で囁いた。
「昨日も言ったろ? 俺が一番好きなのはお前ら二人だ。だから浮気を認めてくれるなら、お前らだけは一生別格に扱ってやる。他の奴の三倍は相手してやるし、定期的に三人だけで旅行に行ったりしてもいい。もちろん、子供も何人でも産ませてやる」
「でも、圭ちゃんが他の子とするのは……」
「……判った。私は認めることにする」
 そのりこの言葉に、あこは俺以上に驚いたらしい。慌ててりこの傍に寄ると、両肩を掴んで身体を揺さぶり始めた。
「ちょっ、りこっ? 何でよっ? 何でそんなことサラっと言えちゃうのよっ?」
「なっ、あこっ、落ち着いてっ。ほんとは私だって嫌だけどっ、圭太がどうしても浮気をするって言うなら仕方ないでしょっ。それに相手が限定されてる方がいいじゃないっ。見も知らない女相手に浮気されてっ、そのこと自体を内緒にされてもいいのっ?」
「あ……」
 りこの発言に黙り込むあこを見ながら、この場で桐生のことも予め告げておくべきか、俺は真剣に悩んだ。
     ★★★
 その日の放課後、俺は思いがけず桐生から呼び出しを受けた。いつも通りに美春をレンタルルームへ連れ込むつもりでいたのだが、こういう機会は大切にすべきだろう。先に帰るなりバレー部の見学に行くなり好きにしていいと美春に告げ、俺は鞄を手に進路指導室へと足を向けた。
「ごめんなさいね、急に呼び出したりして。色々と予定もあったわよね?」
 部屋の中央に置かれた丸テーブルの前、クリーム色のデザインチェアに俺が腰を下ろした途端、桐生は正面の椅子に座ったまま、そう言って深々と頭を下げてきた。胸元の開いたスーツを着ている為、少しだけ胸の谷間が覗く。それだけで多少は報われた気がしてしまうのは、美春は別として、あこやりこや三日月からは得られない眼福だからだろう。
「まあ、別にいいですけど。で、何です? 俺、何か呼び出されるようなことしました?」
 努めて素っ気無くそう言うと、桐生はテーブルに身を乗り出してきた。
「そうじゃないんだけど、ちょっと聞きたいことがあって。住之江くん、一昨日の土曜日は何してた? 誰かと一緒だったりした?」
 質問内容から察するに、どうやら用件は三日月のことらしい。日曜日の朝に別れてから、メールも通話もしていないが、何かあったと見るべきか。ならばここはまず、素知らぬ振りで通しておくべきだろう。 
「……何の話です? もっと具体的に言ってもらえませんか?」
「う、うん、そうね。私の妹、住之江くんも中学の部活で知ってると思うんだけど――」
「三日月ちゃんに何かあったんですか?」
 余り深刻にならないよう注意して問い掛けると、桐生は頬に触れていた髪を払いながら、言い難そうな顔付きになった。
「今から話すこと、内緒にしてもらえる? その、三日月本人にも……」
 俺が黙って頷くと、桐生は安心したように深く息を吐いた。本人は意識していないのだろうが、吐息に合わせて胸元が大きく揺れ、なんとも悩ましい。早くこの豊満な乳房をどうにかしたいものだ。
「三日月ったら、土曜日の朝に出掛けたまま、日曜日の朝まで帰ってこなかったらしいのよ。らしいっていうのは、私、実家を出て暮らしてて、直接関わってないからなんだけど。でね、どこに行ってたのか親にも話さないらしいの。ウチの両親、変に厳しいところがあるから、このままだと家を追い出されるかもしれなくって……」
 趣味がバレた先生みたいにですか? と言いたいのを堪え、頭の中で桐生の言葉を整理してみる。わざわざ親に反抗的な態度を取っているということは、恐らく三日月はホテルで言っていた通り、桐生のアパートに転がり込むつもりでいるのだろう。そうしてもらった方が俺としても後々助かるのだが、まずは目先の疑問を片付けてしまうべきか。
「何で俺に聞くんです? 一緒にいたとでも?」
「……もしかしたらって、そう思って。あの子、住之江くんのこと、好きみたいだから」
 俺は黙ったまま腕を組んだ。まだ確証を得ていないのであれば、発言次第で桐生の精神を揺さぶることが可能だろう。さて、何と答えるべきか。
「住之江くん? どうしたの? もしかして本当に一緒にいたの?」
「……はい。実は一晩中、ずっと一緒にいました。でも、変なことはしていません。相談に乗っていただけです。三日月ちゃん、前から悩んでいたそうなんです。桐生先生のことで」 
 俺はそう言って真顔になり、明らかに動揺している桐生の両目を見据えた。
「わっ、私のことっ?」
「はい。詳しいことは話してくれませんでしたけど、先生はご両親と喧嘩して家を出ることになったそうですね? 三日月ちゃん、本当は先生と一緒に暮らしたいって泣いてました」
「そんな、あの子が……」
「だからきっと、三日月ちゃんもご両親と喧嘩して、先生の所に行きたいんだと思います。その理由を作る為でしょうけど、一晩一緒にいて欲しいって言われて、駅前のコンビニやファミレスなんかで、話を聞きながら時間を潰してました。その間、ずっと寂しそうでした」
 重苦しい口調でそう言ってやると、桐生は両手で顔を覆い、嗚咽を漏らし始めた。
     ★★★
 それから十数分間、桐生は延々と泣き続けていた。時折、そんなに寂しい思いを、だとか呟いているところを見ると、胸の内で三日月に謝罪し続けているらしい。その妹が自分のレイプ計画を立てていると知ったら、どんな顔をするのだろう。
 しかしながら、ただ相手が泣いているのを鑑賞するのにもそろそろ飽きてきた。時期尚早とも思えるが、取り敢えずは何か行動を起こすべきだろう。俺は自分の鞄からビニール袋を取り出し、中に入っていたハンカチを手に取った。本来は対三日月用として、ひたすら俺の汗を吸わせておいた物だ。まさかその実姉相手に使用することになるとは思わなかったが、ラブホテルで使う機会が訪れなかったのは、天の導きによるものだったのかもしれない。
「先生、元気出して下さいよ」
 俺はそう言って椅子から立ち上がり、桐生の隣へと移動した。中腰になって震える肩にそっと手を置き、ハンカチを頬に当ててやる。
「ぐひっ……ううっ……住之江くぅん……ひっぐ……優しいんだぁ……うえっ……」
 桐生は顔を覆っていた手を外し、泣き顔を俺へと向けてきた。まるで涙を拭いてもらうのを待っている子供のようだが、おかげで間近で反応が確認できる。俺は頬や目元を拭ってやりながら、ハンカチを何度も鼻の下に擦り付けてやった。
「ハンカチ、少し汗臭いかもしれないですけど、勘弁して下さいね?」
「うぐっ……ひぐっ……ふえっ? 汗? それって……ふぐっ……住之江くんの?」
「他の人の汗な訳ないじゃないですか」
 俺がそう言うと、桐生は鼻を小さく鳴らし始めた。
「ひぐっ……うっ……すんっ……んんっ……くっ……すんっ……はぁ……ふぅん……」
 途端に嗚咽に微かに喘ぎが混じり、赤い目が蕩けだした。溢れるに任せていた涙も止まりつつある。これで三日月の言葉が実証された訳だが、弱みを握るにはもう一押し必要だろう。
「あっ、そう言えば、今日はちょっと外せない用があるんでした。済いません、もう、帰ってもいいですか? 何かあるようなら、明日また聞きますから」
「すんっ……ふはぁ……んっ……えっ? そ、そうなの? でも、その、ハンカチ……」
「こんな汗臭いハンカチで良かったら、先生に差し上げますよ。涙拭いてからじゃないと、職員室へ戻れないでしょ?」
「すんっ、そっ、そうなのっ。私も生徒の所持品を使うのは、ちょっとあれなんだけど、このままじゃ職員室に戻れないしっ。その、もらっちゃっていいのっ? ほんとにっ?」
 顔付きを一変させ、桐生は嬉しそうに微笑み掛けてきた。どうやらもの凄く単純な性格をしているらしいが、この様子なら計画通りに事が進むに違いない。とは言え、少しばかり虐めてやりたくもなる。
「あっ、鞄の中に新しいハンカチが入ってるかも。そっちの方がいいですよね?」
「ダメえっ! あ、ごっ、ごめんなさい。そんな、気を遣わなくていいから。私、このハンカチでいいから、ねっ?」
 桐生は慌てた様子で俺の手からハンカチを奪い取ると、両手でそれを握り締めた。
     ★★★
 進路指導室のある南棟三階は、他に進路面談室、進路資料室など、普段はあまり人気のなさそうな場所だ。現に今も物音ひとつ響いてはこない。加えて生徒会室や風紀委員会室のある北棟からは遠く、姉二人に見つかる恐れもない。その廊下の陰に隠れて、俺は腕時計を睨んでいた。十分、十五分、二十分と経っても桐生は部屋から出てこない。
 二十五分が経過すると、俺は再び進路指導室へと向かった。足音を立てないように注意深く進み、入り口のドアに耳を当ててみる。微かに漏れ聞こえてくるのは、荒々しい鼻息と淫靡な喘ぎ声だ。もしやと思ったが、予想が的中したらしい。
 俺はドアノブに手を掛けたままタイミングを図り、室内の声が一際大きくなったところで、素早く扉を開けて中へと入った。
「済みません、鞄を忘れちゃって」
 そう言った俺の目に映ったのは、椅子に腰掛けたまま顔にハンカチを押し当て、M字開脚してショーツの中に手を入れている桐生の姿だった。かなり驚いたのだろう、目を見開いたまま固まっている。
「ああ、オナニー中でした? ほんと済みませんでした。すぐ帰りますから」
 わざと置いていった鞄を掴み、そう言って部屋を出て行こうとすると、背後から絶叫が追ってきた。
「待ってえっ! 住之江くんっ! 行かないでえっ! お願いいっ!」
 その声に大きさに慌てて俺は室内へと戻り、後ろ手にドアを閉めた。ついでに内側から鍵も掛けておく。
「何やってんですかっ。大声出したら人が来ちゃいますよっ」
 少しきつめに叱ってやると、桐生は項垂れ、思い出したかのように下着から手を抜いて姿勢を正した。まだ達してはいなかったのか、その表情は怯えているものの、少しばかり切なそうに身体をくねらせている。
「ごっ、ごめんなさい。だって、その……」
「まあ、気持ちも判らなくはないですけどね。けど、言い触らしたりしませんよ」
 苦笑いしながら俺がそう言うと、桐生は思案顔になった後、椅子に座ったまま再び大きく脚を開き、濡れたショーツを晒してきた。それでいて恥ずかしそうに顔を背けている。端から見たら、俺が桐生に無理矢理開脚させているように見えるに違いない。
「……先生?」
「こ、こういう場合、その、口止め料として、私、さ、されちゃうのよね? 毎日呼び出されて、はぁ、色々覚えさせられて、はぁ、自分からおねだりするようになるまで、んはぁ、兼続様お許し下さいぃ、んはぁ、私、教え子に犯されちゃいますぅ、あふぅ、前も後ろも奪われちゃいますぅ、くふぁ、嫌なのにぃ、はふぁ、私ほんとは嫌なのにぃ」
 桐生は自分の言葉に陶酔しきっている様子で、小さく腰を揺らしながら悩ましく息を吐き始めた。流石は実妹にレイプ願望有り、マゾ、エロゲ脳、逞しい妄想力、と評価されるだけのことはある。だが、俺はこの場でそこまでするつもりはない。と言うか、あまりの発情振りに、逆に萎えてきそうだ。
「先生、落ち着いて下さい。そんなことしませんから」
「んふぁ、初めてなのに中出しされちゃうっ、はぁん、住之江くんの赤ちゃん出来ちゃうっ、くふぁ、まだ赴任早々なのにぃ、ふはぁ、産休を取らされちゃうっ」
「どこまで妄想を飛躍させてんだよっ! 落ち着けって言ってんだろうがっ!」
 我慢しきれずに俺がそう叫ぶと、桐生は我に返ったらしく、ほんの僅かに肩を竦めた。
     ★★★
 今回のことは秘密にしておく、と何度も告げたのだが、桐生は納得した素振りを見せず、俺は次第に苛立ってきた。内緒にしておくという証さえ与えればいいのだろうと思い、ノートの切れ端にその旨を書いてやろうとしても、寂しそうな顔で首を横に振ってくる。
「じゃあ、どうしろってんだよ?」
 わざと横柄な口調で問い掛けると、桐生はブルっと身体を震わせ、微かに甘い息を吐いて歩み寄ってきた。
「だからその、住之江くんぐらいの年の男の子だったら、い、色々とあるんでしょ?」
「色々って何だよ? はっきり言え」
「えっと、その、モヤモヤしたりとか……」
「さっきのアンタみてえにか?」
 意地悪く言ってやると、桐生は恥ずかしそうに顔を伏せ、小さな声で呟いた。
「……月って……ださい……様」
「あ? 聞こえねえよ。文句があんなら聞くから、ちゃんと言え」
「……ゆ、夕月って呼んで下さい、御主人様」
 俺は左手を自分の眉間に、右の手のひらを桐生の額に当ててみた。熱はないらしい。
「……ったく、こんな場所でオナニーしてるわ、変なこと言い出すわ。アンタさあ、三日月ちゃんのこと心配じゃねえのか? それが用件だったんだろ?」
「そっ、それは心配ですっ。でも、その、御主人様のハンカチの匂い嗅いでたら、私……」
「何で言葉遣いが変わってんだよ? って言うか、御主人様って何だ?」
「それはその、今後はお仕えする訳ですから、色々と改めないと……」
 桐生の言葉に呆れながら、俺はその場で腕を組んだ。自慰を目撃されただけで隷属しようとする、その思考が理解できない。妹以上の難物だ。
「別に俺、アンタに仕えろなんて言ってねえぞ?」
「ですがっ、あんなところを見られた以上、もう私には御主人様しか……」
「なら、この先ずっと俺に従うのかよ? 何でも言うこと聞くのかよ?」
「はいっ。あっ、でも、その、可能な範囲で、ですけど……」
 桐生はそう言うと、俺のブレザーの裾を右手できゅっと握り締めてきた。元々気が強そうに見えるだけあって、そんな縋るような素振りは新鮮且つ愛らしく、たとえ相手が真性の変態であっても、全てを受け入れてやりたくなってくる。今日のところは弱みを掴んでおくだけのつもりだったが、更なる覚悟を促す為にも、少しぐらいは餌をやっておくべきか。
 俺は桐生の手をそっと外し、その場でズボンとトランクスを脱ぐと、二つを手早く選り分けた。悲鳴を上げてくるかとも思ったが、桐生は目を見開いたまま、手のひらで顔を覆い隠そうともしない。ズボンだけを穿き直してから、俺はそんな担任教師の目の前へ、まだ暖かい下着を差し出してやった。
「えっ? ご、御主人様? 何を?」
「ハンカチよりこっちの方がいいだろ? 俺はもう帰るから、お前はこれでオナニーでもしてろ。但し、ここですんな。家に帰ってからだ。約束が守れるか?」
 俺の問い掛けに、桐生は口元を綻ばせて何度も頷いた。
     ★★★
 帰宅途中、携帯で桐生の件を伝えると、三日月は咳き込むほどの大笑いをした後、軽やかな声で尋ねてきた。
『その場でオチンポ突っ込んじゃえば良かったのに。何か問題でもあったんですか?』
「いや、別にねえけどよ。そこまで考えてなかったし、何か気が削がれちまって」
『つまんないの。でも見たかったなぁ。次回は携帯で動画撮っといて下さいよ。ハメ動画も』
「気が向いたらな。で、どうすんだ? この分なら別にアパートに泊まり行かなくっても、どうにかなんぞ?」
『う~ん、でもでも、先輩と泊まりには行きたいし。あっ、そうだっ! その晩、先輩とお姉ちゃんがセックスしてるとこ、あたしが目撃して泣くっていうのどうです? あたしだって先輩のこと好きだったのにぃ、とか言って、許す代わりに言うこと聞かせちゃいましょうよ?』
「何させるつもりだよ?」
『そうですねぇ、お尻の穴に筆ペン入れて、反省文書かせてもいいですし。日中、先輩たちの高校の近所のコンビニに、裸で買い物に行かせるのも面白そうですし。ああ、縛り上げた上でオマンコに山芋擦り付けて、どれぐらい痒みに耐えられるか試してみるのもいいですね。場合によっては身体中に塗り付けて、気が狂う直前まで放置しておきましょう』
 三日月の言葉に俺は絶句した。このサド娘の方が俺より遙かに加虐性が強く、調教のバリエーションも広いらしい。
『先輩も何か希望あります? なるべく惨くて酷くて、物扱いするようなのがいいと思うんですけど』
「……俺、そこまでやる気ねえぞ? って言うか、お前にもそこまでさせねえぞ?」
『でも、少しぐらい壊しておいた方が、後々きっと楽ですよ? 四六時中オマンコ濡らしてるようになれば、先輩の好きな時にオチンポ突っ込めるじゃないですか』
「駄目だ。言うこと聞けねえなら、先々三日月は同居させねえぞ?」
「え? 同居ってなんです? 先輩とですか?」
 俺は三日月に昨日の家族会議の詳細を告げた。無論、両親を脅すことになるかもしれない点も含めてだ。相手が三日月ならそこまで話しても大丈夫だろうと思ったからだが、帰ってきた反応は想定以上のものだった。
『じゃあ、先輩のお父さんに伝えておいて下さい。ウチの両親、それぞれ浮気してますんで。それと、父は市会議員とかやってますけど、海外視察の名目で売春ツアーに参加してたこともあったみたいなんで、それも』
「……いいのかよ? 家の中、ボロボロになるぞ?」
『別に構いませんよ? 元から両親のことは大嫌いですし。それに、自分の家の中がおかしくなっていくのも、見てて楽しそうですから。その上で先輩と一緒に暮らせるなら万々歳です』
 そう言って三日月は楽しそうに笑い出し、俺は再び言葉を失った。
     ★★★
 その日の夜、夕食と入浴を終えると、俺は姉二人を自室に呼んだ。取り決めでは零時までの相手はあこ一人だが、何しろ色々と試してみたいことがある。と言うのも、待ちに待ったアダルトグッズがまとめて届いたからだ。
 まずは二人を裸にし、ベビードールやオープンテディを着せてみる。デザインはまちまちだが、あこは赤、りこは黒が似合うようだ。ついでに美春は青、三日月はピンク、桐生は白と、勝手にイメージカラーを決めておく。下着類だけでなく拘束具や首輪など、今後はその色で統一し、いずれ並べて楽しむのも悪くない。
「圭ちゃんに下着をプレゼントしてもらえるなんて、すっごく嬉しい」
「圭太、私これ、ずっと大切にするね。着れなくなってもどこかに飾っておく」
「いや、そこまですんな。何度でも買ってやるから。って言うか、先々はお前らの通帳の金、こういうもんに使うことになるかもしんねえんだぞ? ほんとにいいのか?」
「うん。毎月決まった金額を渡してくれれば、食費や光熱費なんかの遣り繰りは全部私がするから。他は圭ちゃんの好きに使って」
「私もそれでいい。それと、妊娠して学校辞めたら、その後はお母さんに投資のこと教えてもらおうと思ってる。だから圭太は何も心配しないで。でも、浮気相手は三人までにして」
 三人というのは美春と三日月の他に、桐生も含めてと言うことだ。今朝了承を得たばかりだが、その点ついてはもう文句を言う気もないらしい。
「浮気の相手はもう増やさねえ、約束する。それに、二人がそこまで尽くしてくれるって言うんなら、俺もそれなりの礼をしねえとな。妊娠以外に何か希望があるか?」
「だったら私、学校に通ってられる内に、校舎の中で圭ちゃんとセックスしたい」
「私も。風紀委員の腕章付けたまま、圭太に滅茶苦茶に犯して欲しい」
 そう言って二人は顔を見合わせて笑うと、俺のパジャマを脱がせ始めた。瞬く間に俺を全裸し、あこは前から陰茎に、りこは背後から陰嚢に舌を這わせてくる。
「少し待てよ。まだ準備が終わってねえんだよ」
 届いた淫具の殆どは、まだ箱や外装の中だ。バイブやローターに電池を入れ、拘束具を点検し、ローションの包装を剥がしておかなければ、以前から脳裏に思い描いていた行為がスムーズに出来なくなる。
「れおっ、だってもう、あむっ、オマンコトロトロになっちゃってるんだもん、んれっ」
「ぺおっ、このままだと、あもっ、折角の下着がビショビショになっちゃう、ろれっ」
「だから何度でも買ってやるって言ってんだろうが。十分、いや、五分でいいから我慢しろ」
「はぷっ、ふぅ、いっぱい気持ち良くしてくれる?」
「んむっ、ぷはぁ、たくさんオチンポ汁注いでくれる?」
「どっちも頑張るから、ベッドで待ってろ」
 俺はそう言って二人から逃れ、ダンボール箱の中の淫具を手に取った。
     ★★★
「んぐはひいっ……もうダメえっ……あへひぐあっ……許ひてえっ……おほひぎあっ……もう許ひでえっ……はがひふうっ……死んぢゃううっ……かはぐひいっ……死んぢゃううっ……」
 淫具による初調教を開始してから約四時間後、あこは正常位で膣を犯されながら、苦しそうにそう喘いだ。恐らく本当に体力と精神力の限界を迎えているのだろうが、右手首と右足首、左手首と左足首をそれぞれ手錠で繋がれた状態であり、逃れられる筈がない。加えて、両乳首と淫核にはクリップ式のローターを付け、尻穴には極細のアナルステックを奥深くまで挿し込んである。未知の快楽に苦悶の表情を浮かべる様は、見ていて飽きることがない。
「つまんねえこと言ってねえで、もっと腰使え。ザーメンが欲しいんだろうが」 
 冷たく言ってやりながら、俺は反復運動を加速させた。既にあこの膣内には二回、りこの胎内には三回射精しているが、加虐による昂ぶりの為だろう、陰茎は一向に萎える気配がない。しかし、これ以上はあまり無茶なことが出来ないのも事実だ。既にりこは淫具を付けたまま隣で気を失っており、あこにまで気絶されたら性欲の捌け口がなくなってしまう。
「ふぐはひあっ……もう嫌もうイぎたくなひいっ……かはくひいっ……イぎたくないのにオマンコがああっ……あひはがあっ……まら出るオヒッコまら出ひゃううっ……」
 あこの言葉に俺は口元を歪ませた。事前にシーツの下には防水シートが入れてある。前回は困惑して観察し損ねていたが、放尿の様子をじっくりと楽しませてもらうことにしよう。
「おらおら出せ出せっ、この小便漏らしがっ」
 挿入深度を調整し、亀頭で膣前壁を突いてやった途端、あこは全身を痙攣させながら不規則に腰を跳ね上げ、接合部から黄色い尿を溢れさせてきた。
「ひぐはへええっ……まら私オヒッコ出ひちゃってるうっ……ふくへひあっ……セックスしながらオヒッコおっ……んぎかはふうっ……圭ひゃんのオヒンポでオヒッコおほおっ……」
 無論、相手が尿を垂れ流していても、腰の動きを止める俺ではない。生暖かさとアンモニア臭を感じながら、俺は更に容赦なくGスポットを責め続けてやった。
「ふへひぐあっ……そこばっかりダメダメええっ……あひくはあっ……まらイってるのオマンコイってるのほおっ……おほひぎいっ……壊れるオマンコ壊れひゃうよおおっ……」
「そろそろ出すから我慢しろ。終わったら休憩入れてやるから」
「んがひふあっ……ダメ今出しちゃダメへえっ……ふひはぐあっ……お願い許ひて圭ちゃああんっ……くふはぎいっ……今出されたらおかひくなっちゃうよほおっ……」
「なれよ。ほら、受け取れっ」
 そう言って俺は再び腰の角度を合わせ、陰茎を根元まで突き立ててやった。子宮口を亀頭で押し開きながら、その奥の空間へ白濁液をぶち撒けていく。
「ふぎはへひあああっ! イぐイぐイっでるイぎまぐっでるううっ……ぐひかふあっ……止まんないイぐのが止まんないいっ……あぶへぎあっ……助げで圭ひゃん助げでええっ……」
 余程刺激が強かったのか、あこは鳥肌を立てながら拘束された四肢を大きく引き攣らせ始めた。手錠にはフェイクファーと呼ばれる模造毛皮が付いており、金属部で肌を傷めることはないが、こんな絶頂の素振りは見たことがない。流石にやり過ぎたかと思い、俺は慌てて呼び掛けた。
「おいっ、大丈夫か? あこっ? おいっ?」
「んぐあひいっ……圭ひゃあんっ……はがっ……あへえっ……わらしもうダメぇ……」
 掠れた声でそう呟いた後、あこは涎を垂らしたまま何の反応もしなくなった。
     ★★★
 あこの部屋のベッドへと気を失った二人を運んで濡れタオルで身体を拭いてやり、自室で尿やシーツの後片付けをし、一息吐いた時にはもう日が昇り始めていた。俺自身それなりに疲労していたこともあって、今日は姉二人と共に学校を休むことに決め、その旨の連絡可能時間まで起きていることにする。桐生の携帯番号でも知っていれば、今日は休むから学校に取り次いでおけ、と伝え、即座に横になれるのだが。
 取り敢えず午前八時を回るまで、俺は引っ越し準備をして時間を潰すことにした。と言っても、自宅から持って行く荷物は然程多くない。精々衣類と書籍類、それにパソコンと昨日届いた淫具ぐらいなものだ。新たにネットで注文しておいたテレビやソファ、ベッドなどの調度品については、引っ越し当日にマンションに直接届く手筈になっている。後は食材などを近所の商店街で買い求めれば、特に問題もなく初日から過ごせる筈だ。
 だが、当面はそれでいいとしても、先々同居人数が増えた時のことも考慮しておくべきだろう。何しろ部屋数は限られている。リビングを除いた全六室の内、俺と姉たちで三部屋、加えて性交専用の場所として一室は確保しておきたい。が、そうなると美春、三日月、桐生の三人に残りの二部屋しか宛がってやれなくなる。場合によっては近所にアパートを借りてやってもいいのだが、可能なら五人を常時傍に置いておきたい。
 何か名案はないだろうか、と考えつつ、黙々とダンボールに夏服を詰め込んでいく。タンスの引き出しを二つ空にし、三つ目に手を掛けたところで、俺は天からの啓示を受けた。部屋数が足らないのならば、同じマンション内、それも隣の部屋を買い上げてしまうというのはどうだろう。可能なら間の壁をぶち抜くなり、そこにドアを取り付けるなりすれば、行き来もスムーズに出来る筈だ。買い取りに必要な金の用意、現在の居住者乃至所有者の調査、買い取りの交渉などは父さんと母さんに全て任せてしまえばいい。
 しかし、それには前提条件がある。あこ、りこ、三日月の三人は既に俺の浮気を了承しているが、美春と桐生にはまだそのことを言い出せていない。恐らく桐生は簡単に、美春も関係を深めれば認めてはくれるだろうが、従わせる為には事前に二人の処女を奪っておいた方がより確実だ。とは言え、今後は浮気相手を増やさないと姉たちに約束した以上、破瓜を楽しめる相手はもうその二人しか残っていない。故に即座に散らしてしまうのは勿体ないが、そうしないと依存の度合を高めることも出来ず、今後の対処については少しばかり迷うところだ。
 そこまで考えて不意に疑問が湧いた。残った二人はどちらも被虐嗜好の持ち主と思われる。ならば、わざと奪ってやらないことで依存度を高めることが出来ないだろうか。それなりの快楽を与えて身体を開発しておき、処女喪失を餌に浮気を了承させる。その前に尻穴での性交を楽しんでもいい。あの二人相手ならそういった方法も取れるような気がする。
そうなると浣腸器やアナルバイブなど、三日月をも含めた三人の為の淫具を早急に入手しておいた方がいい。俺は手を止めて立ち上がり、机の前の椅子へと座った。待機状態のパソコンに触れてウェブブラウザを立ち上げ、以前に利用したアダルトグッズのサイトへとアクセスする。表示された画面を順次クリックして商品を選び、姉たち用の淫具も追加し、注文を確定させた時にはカート内の代金は百万円を優に越えていた。
     ★★★
 両親が出社するのを見送り、学校に連絡を入れ、姉たちが安らかに寝息を立てているのを確認してから自室のベッドで眠る。目が覚めたのは夕方で、それなりに体力も回復しており、俺は欠伸を噛み殺しながらベッドから下りると、再び姉二人の様子を見に行くことにした。
 あこの部屋に入ってみると、裸で寝ていた二人は共に意識を取り戻しており、俺へと笑い掛けてきた。だが、まだ疲労からは抜け出せていないらしく、掛け布団を剥いで起き上がろうとする素振りはない。
「おい、大丈夫か? 具合が悪いんじゃねえだろな?」
「どこも悪くないから平気。まだちょっとオマンコとお尻がヒリヒリするけど、このまま休んでれば、すぐオチンポ入れられるようになるから」
「私も少し疲れてるだけ。すぐ元気になるから、今夜もいっぱい相手してね?」
 俺は笑いながら二人の頭を撫でてやった。揃って肉欲に目覚めてからは、以前より扱いが楽で助かる。 
「喉渇いたり、腹減ってたりしてねえか? 食いモンとか飲みモンとか、言ってくれれば持ってくんぞ?」
「じゃあ、私、オレンジジュースが飲みたい」
「私、オチンポ汁」
「りこ、ズルい。なら、私もオチンポ汁がいい」
「今は上の口から、夜は下の口から飲ませて欲しい」
 いつもなら叱責するところだが、消耗し切った二人にタンパク質を分け与えてやるのも一つの愛情だろう。俺はその場でズボンとトランクスを脱ぐと、陰茎を扱きながら目の前の布団を捲り上げた。
「あはっ、圭ちゃんが私たちの裸を見てオナニーしてくれてるぅ」
「こういうのってオカズになってるって言うんだよね? 私たち、圭太のオナペットってことだよね?」
「……気が散るから黙ってろ」
「はぁい」
「じゃあ、お詫びにサービス」
 そう言うと、りこはシーツの上に寝そべったまま大きく脚を開いた。それを見てあこも慌てて同じポーズを取り、揃って秘所を見せつけてきた。
「圭ちゃん見てぇ、ふはぁ、圭ちゃん専用のオマンコだよぉ、はふぅ、どうしても我慢出来なくなっちゃったらぁ、ひはぁ、オチンポ入れちゃってもいいからねぇ」
「あこってばズルい。んふっ、圭太ぁ、はぁ、こっちも見てぇ、んはぁ、オチンポ汁飲みたい飲みたいってぇ、はふぁ、奴隷オマンコが涎垂らしてるのぉ」
 見れば、りこだけでなくあこも秘裂から白い愛液を漏らしている。次第にその量が増えていくのを眺めている内に、俺は堪え切れなくなって二人へ覆い被さっていった。
     ★★★
 その晩、風呂から出て自室に戻った途端、机の上の携帯から着信音が鳴り始めた。液晶画面で確認すると、掛けてきた相手は非通知だ。少しばかり迷ったが、俺は着信ボタンを押した。
「もしもし」
『あ、御主人様ですか? 夕月です』
 思わず俺は携帯を顔の前へと移動させ、繁繁と眺めてしまった。今朝、姉弟三人風邪で休むと学校に連絡を入れた際にも桐生とは会話している。その時は平素と変わりない口調だったのだが、何故にこんな時間に突然電話をかけて寄越し、何故に隷属口調なのだろうか。
『もしもし? 御主人様?』
 小さく聞こえてくる桐生の呼び掛けに、俺は改めて携帯を耳に当てた。
「ああ、悪い。で、何だよ?」
『お加減如何かと思いまして。お風邪、治りそうですか?』
「それ嘘だから。ほんとは只の寝不足で、昼間寝たからもう平気だ」
『……』
「んだよ? ズル休みしたから怒ってんのか?」
『……いいえ、その、今朝からずっと心配だったもので、安心したら気が抜けちゃいまして。もしかして今も休まれてました? 私が起こしてしまったんじゃ?』
「いや。それより何で俺の携帯番号知ってんだよ? 三日月ちゃんにでも聞いたのか?」
『いいえ。昼間、緊急に連絡を取りたいと言って、戸田くんに教えてもらいました。本当はもっと早い時間にお掛けするつもりだったんですが、仕事がやっと今終わったものでして……』
 あの軽口野郎が、と愚痴を言い掛けて思い直す。まあ、担任教師にそう言われたら仕方ないだろう。特に不都合もないことだし、今回は不問にしてやるべきか。
「で、用件そんだけか?」
『はい。ですが、もしも、お疲れが取れているようでしたら、その……』
「その?」
『えっと、その、お時間作って頂けないでしょうか? 重要なお話がありまして……』
「今からか?」
 そう言って壁時計を見ると、針は二十一時七分を示していた。普段から夜遅くまで性交に耽ってる為、俺としては特に問題もないが、教師が生徒を呼び出す時間としては不適切だろう。
『ご無理なようでしたら、諦めますけど……』
 気落ちした声でそう言われ、俺は自身の後頭部を指先で掻いた。入浴直前まで姉たちの相手をしていたせいで消耗し切っていたが、依存し始めている性奴隷候補を放置しておくのも勿体ない。完全に従わせるまでは多少は我儘を聞いてやるべきだろう。
「……判った。で、今からすぐか? 俺はどうすりゃいいんだ?」
『いいんですかっ? それでしたら私、今から車でお迎えにあがりますっ! 場所を指定して頂けますかっ?』
 その喜びに満ち溢れた声を聞きながら、俺はもう一度頭を掻いた。
     ★★★
 近所のクリーニング店の前で待ち合わせ、軽自動車の助手席へと乗り込み、俺が連れて行かれたのは桐生が一人暮らしをしているというアパートだった。どうやら引っ越し予定のマンションからは然程遠くないらしい。
「で、何だよ? 重要な話って。いい加減に教えろよ」
 招かれて部屋に入り、リビングのソファに腰を下ろすと、俺は桐生へとそう問い掛けた。道すがら何度尋ねても、桐生はその具体的な内容を教えてくれなかったからだ。
「あの、まずは着替えてきてもいいですか?」
「要件が先に決まってんだろ? 明日も学校あんだぞ? 長居はしてらんねえんだからな?」
「……判りました。では、お隣に座っても宜しいですか?」
「好きにしろよ。アンタの家だろうが」
 桐生は首肯して隣へと座り、視線を俺へと向けながら、躊躇いがちに口を開いた。
「実は、昨晩、実家で久し振りに両親と話し合いまして、近々ここに三日月が越してくる予定なんです。最初の数日間は荷物の運び入れだけで、すぐ一緒に住むと言う訳ではないのですが……」
「……親御さんたちは納得したのか?」
「はい。と言いますか、両親の方から私に頼んできたんです。父は議員をしておりまして、次の選挙にも出馬するつもりのようですから、同居の家族に何か問題を起こされたら困る、さっさと家を追い出した方がいい、と考えたんだと思います。そういう人なんです。母も自分本位な人ですから、その方が食事の支度など楽だと思ったみたいで。一応、あの子の学費や生活費などについては、私の口座に月々振り込んでくれるとは言ってましたけど……」
 父親の話になった途端、桐生は俺から顔を背けて僅かに項垂れた。三日月から電話で聞いた内容といい、かなり身勝手な両親のようだ。交渉の際は徹底的に追い詰めるよう、後で父さんに言っておこう。
「……続けてくれ」
「はい。それでも、当の三日月は随分と嬉しそうな様子で、一日でも早く一緒に住みたい、と言ってくれました。私としてもそれは喜ばしいことなんですが、その、あの子もここに住むとなると、こうして御主人様を家にお招きして二人だけ過ごすことは難しくなりますので、今の内に私の初めてを捧げさせて頂こうかと思いまして……」
「は?」
「いえ、ですから、今日この場で、私の処女を御主人様に捧げさせて頂こうかと……」
 しんみりとした話から一転、頬を染めながら真顔で申し出を繰り返す桐生を前に、俺は開いた口が塞がらなかった。自慰を見られた生娘がその場で隷属し、翌晩、自宅に誘い込んで処女幕を捧げたいと言ってくる。生娘という表現には若干疑問が残るものの、桐生の行動を端的に記せばこういうことだ。その発想の奇抜さに、まずは心療内科に行け、と言いたくもなってくる。が、他の四人も含めて、変態性を持った人間の相手をするのにはもう慣れた。相手の希望さえ叶えてやれば、その満足度に応じて慕ってくることも間違いない。
「……重要な話ってのは、そのことか?」
 念の為に聞いてみると、桐生は深く頷いた。
     ★★★
 日中、美春と桐生の処女は当面奪わない、と決めていたこともあって、俺は一頻り考え込んだ。希望を叶えてやることは簡単だ。体力的には多少辛いものがあるが、一応は持ってきたデイバッグの中に淫具一式を入れてある。恐らく膜を陰茎で破りさえすれば、途中からバイブと交代したとしても、この変態女教師は文句も言わずに見事に果ててくれるだろう。レイプ願望がありそう、と三日月が言っていたことでもあるし、予め手錠で拘束してやってもいい。しかし、やはり最後までしてしまうのは勿体ない気がする。時間も遅いことだし、今回は断わっておくべきか。
「……話は判った。けど、やっぱ今日は止めとこう」
 俺がそう言うと、桐生は悲しそうに目を伏せた。
「……私が年上だからですか? それとも単に気に入らないからですか?」
「いや、そうじゃなくて――」
「こんな年で処女だから気持ち悪いですか? 遊びでも抱く気になりませんか?」
 俺の言葉を遮るように、桐生はか細い声で淡々と尋ねてきた。徐々に落ち込んでいる様子からすると、自分で自分を追い込む悪癖も持っているらしい。仕方なく俺はその顎に手を掛け、唇を奪って黙らせた。
「んむっ……んっ……あむっ……んんっ……んはぁ」
 口を離してから瞳を見つめ、二、三度、頭を撫でてやる。
「気に入らなくて気持ち悪いと思っている相手に、俺がキスすると思うか?」
 その問い掛けに桐生は目を見開き、次いで恥ずかしそうに頬を赤く染め、首を小さく横に振った。
「いずれ、そうだな、お前が完全に俺の奴隷になった時、その時にお前の処女はもらう。それじゃ嫌か? 他のことじゃ我慢できねえか? まだ知り合ってからそんなに日も経ってねえんだし、もうちょっとのんびりやろうぜ」 
「でも私、御主人様のことは、以前から、担任にならせて頂く前から知ってました」
「あ? 何でだよ?」
 三日月から靴下での自慰の件は聞いていたが、いい機会なので問い詰めてみる。妹を庇って俺に嘘を吐くようなら、その忠誠心も知れるというものだ。
「三日月に部活動の写真を何度か見せてもらったことがありまして。それと、あの子、御主人様の靴下を持ってまして、その、それでオナニーとかしてるみたいだったので、私も、それを黙って借りて、あの、自分の部屋でこっそりと一人で……」
「三日月ちゃんが俺の靴下を? プレゼントしてやった覚えはねえぞ?」
「あ、あの、多分、その、盗んだんだと思います。ごめんなさいっ、あの子の罪の分まで私が誠心誠意尽くしますからっ、怒らないでやって下さいっ!」
 途中から喚き出した桐生を手のひらで制し、俺は更に意地悪く問い掛けた。
「別に怒らねえから安心しろ。でもよ、それって俺のこと知ってたってことになんのかよ?」
「……確かに違うかもしれません。ですが、私、その靴下でオナニーする時は、いつも御主人様に無理矢理犯されるのを想像してました。その、だから、もう覚悟は出来てます。クラスの担任になったのは偶然でしたけど、いつか本当に犯してもらえたらなあって、そう思ってました。本当は昨日も御主人様が鞄をお忘れになったの知ってて、戻って来てくれたらと思ってオナニーしてたんですっ。御主人様に弱みを握られて、犯して頂きたかったんですっ!」
     ★★★
 今回の件で学んだことがあるとすれば、問題のある両親の元では往々にして問題のある子供が育つ、ということだろうか。それは決して桐生家だけの話ではなく、恥ずかしながら我が家もそうなのだが、ついでに三国家もそうであってくれると有り難い。
 それはさて置き、予想外だった進路指導室の一件、そして三日月が靴下を盗んでいたとの申告を聞き、俺は事前の考えを改めた。ここまで従順さを示してくるならば、状況に流され易くてだらしないダメ男としては、当人の希望通りに処女を散らしてやりたくもなる。
 と言っても、問題は時間だ。時刻は二十三時を回っており、今から始めるとなると帰宅は真夜中になってしまう。そのことを問い掛けると、抱いてくれるのならば明日は学校を休んでもいい、と桐生は言い出した。教育者としては欠陥だらけだが、なかなか見上げた心意気ではある。俺は携帯で自宅に電話をし、今晩は桐生の所に泊まり、明日は学校を休む、とあこに伝えた。多少は文句を言ってきたものの、比較的素直に了解してくれた点については、昨晩から何度も犯しておいたことが功を奏したと言えるだろう。
「で、何か希望あんのかよ? 正常位で優しくだとか、後ろから突いて欲しいだとか」
 通話を終えて向き直り、俺がそう尋ねると、桐生は瞳を輝かせて自らの願望を言い放ってきた。
「その、出来るだけ酷く、奴隷のように扱って頂きたいです。頬を叩かれたり、服を破かれたりしても構いません。強引に奥まで犯して、お好きなだけ中に注ぎ込んで下さい。それと、お許し頂けるなら記念にビデオ撮影もしておきたいです」
「はあ? 録画してどうすんだよ? オナニーにでも使うのか?」
「それもありますけど、その、機会があったら三日月にも見せてあげたいと思いまして。御主人様が卒業なされてから、あの子もオナニーする時に色々と困ってるでしょうし……」
 仮にそんな機会が訪れたとして、事に至った経緯をどのように説明するつもりなのか。そんな疑問を抱きつつ、俺は声色から桐生が実妹に対して罪の意識を抱いているらしいことに気付いた。それでいて艶めかしい息を吐き続けているのは、その恋慕の相手を寝取るような状況に昂奮しているからだろう。三日月の方が家庭内ではより優位に立っており、こうして優越感を得られる機会が皆無だったということは想像に難くない。愛情、罪悪感、劣等感、勝利感、そういった諸々の心情が複雑に混じり合い、意識が濁っている故の発言とも思える。更に混乱を深めてやれば、三日月を含めた他の女達の存在を認めさせることも可能かもしれない。
 俺はソファに座ったままベルトを外してジッパーを下げ、少しだけ腰を浮かせてジーンズとトランクスを足首まで下げた。布地から足首を抜きつつ傍らの桐生を抱き寄せ、唇を重ねてスーツの上から荒々しく乳房を揉みしだいてやる。突然のことに驚いたのか、桐生は小さな悲鳴を上げたが、すぐに俺の背中に両腕を回して身を任せてきた。口腔に差し入れた俺の舌に自らのそれを絡め、甘く鼻を鳴らしてくる。そうして暫く発情度合を高めてやった後、俺は頃合いを見計らってキスを止め、スカートの中へと手を入れた。ストッキングの上から優しく内腿を撫で回し、そっと耳たぶを噛みながらも厳しい口調で指示を与えてやる。
「おら、何やってんだ。お前もチンポ掴んで扱け」
「んはぁ……はいぃ……くふぅ……」
 恐る恐る伸ばされた桐生の手は俺の腹部や腿に触れた後、程なくして半勃起している陰茎に辿り着き、ゆっくりとした動きで上下に擦り始めた。
「あふぅ……これが男の人のぉ……ひはぁ……御主人様のぉ……」
「んだよ? チンポ触んの初めてか?」
 今まで異性と交際したことがないという三日月の言葉を思い出し、うっとりと目を細めている桐生に向かって意地の悪い口調で聞いてみる。桐生は即座に大きく頷き、俺の背中と陰茎に触れながら喘ぎ混じりの言葉を掛けてきた。
「ふはぁ……今日が初めてでぇ……くふぅ……この先もずっと御主人様のだけですぅ……」
 その宣言に俺はニヤリと笑い、スカートの中の手を相手の足の付け根へと移動させた。
     ★★★
 恥丘に手の平を当てて局部全体を充分に揉み解してやってから、俺はストッキングを破ってショーツの中へと指先を潜り込ませた。トロリとした蜜に塗れた淫唇を軽く撫で上げつつ淫核の位置を探り、発見と同時に摘み上げてやる。それだけで桐生は愉悦に満ちた声を上げ、身体を大きく震わせた。甘噛みしていた耳から口を離して確認すると、どうやら軽い絶頂を迎えたらしく、その表情は蕩けきっている。
「はふうっ……御主人様あっ……んっ……はあっ……御主人様あっ……」
「もっと触って欲しいか?」
 そう尋ねると桐生は間を置かずして首肯し、後に恥ずかしそうに少しだけ肩を竦め、誤魔化すかのように陰茎を扱く手の動きを速めた。そんな反応は好ましく、俺としても存分に可愛がってやりたいところだ。が、上手く事が運べばそんなことは好きな時に好きなだけ出来る。
「そうしてやってもいいけどよ、その前に色々と準備があんだろ? ビデオカメラとか」
「え? あの、録画してもいいんですか?」
「記念に残しておきてえんだろ? 別に構わねえぞ」
 俺がそう告げると桐生は上気した顔に満面の笑みを浮かべ、それまで以上に身体を密着させてきた。どさくさ紛れなのか、未だ下着の中に差し入れたままの俺の手に濡れた秘所を押し付けてもきている。
「嬉しいですっ、御主人様あっ」
「判ったから、そんなに勢い良くチンポ扱くな。それより場所はどうすんだ? この部屋ですんのか? カメラはどっかに据え置きか?」
「宜しければこのリビングでお願いします。隣の部屋に一応ベッドはあるんですけど、散らかったままなので……。三脚の準備とか、全部私がやりますから」
「んなの当たり前だろうが。けどまあ、その前に褒美ぐれえはくれといてやっか」
 そう言葉を返してから改めて淫核に触れ、人差し指の腹を軽く押し付けて小刻みに揺らしてやる。同時に中指の先で膣口の周囲をなぞり上げると、桐生は甘く息を弾ませながら俺の顔に頬を擦り付けてきた。
「あふひうっ……そんな御主人様あっ……んひくあっ……そんなにされたらまた私いっ……」
「んだよ、またイっちまうってか? さっきの程度じゃ物足んねえだろ? 好きなだけイっていいんだぞ? つうか、チンポ突っ込み易いように処女マンコたっぷり濡らしとけ」
「はひへあっ……判りました御主人様あっ……んくはうっ……気持ち良くって出てきちゃううっ……くふひあっ……奥からどんどん溢れちゃううっ……」
 当人の申告通り、分泌された愛液は俺の指に絡み付き、その動きに合わせて淫靡な水音を立てている。その粘り気が増すに連れて桐生は全身を波打たせ、やがて感極まった叫びと共に背中を大きく反らした。
「んくふひあああっ! あふうっ……くぅ……んっ……御主人様ぁ……はぅ……」
     ★★★
 一時幸せそうな顔で余韻に浸った後、桐生は撮影機材を取ってくると告げてリビングから隣室へと向かった。決して後を追ってこないで欲しいとのことで、三日月から得た知識を含めて考えるに、単に室内が乱雑と言うだけではなく、エロゲーや戦国武将のグッズ等が所狭しと置かれているに違いない。乱入してからかってやるのも面白そうだが、特に必要な事柄でもない以上、今回は見逃してやることにする。それよりもこうして一人の時間が出来たのならば、撮影準備が済んだ後の対応策を考えておくべきだろう。と言うのも、元々は先刻までの行為の際に桐生を程よく昂ぶらせ、執拗に焦らし、他の女達との性交について認めさせるつもりでいたからだ。雰囲気に流されて恍惚の頂点へと導いてしまったが、簡単に餌を与えてしまっては駆け引きなど出来よう筈もない。
 取り敢えずトランクスを穿き直して腕を組んでいると、予想よりも幾分早く桐生がリビングへと戻ってきた。どことなく慌てた様子で、額に薄っすらと汗を掻いている。
「申し訳ありません。もう少しお待ち頂いても宜しいですか? カメラの用意は出来たんですけど、その、考えてみたら私、まだシャワーも浴びてないので……」
「なら、俺も一緒に入らせて貰うかな。少し汗掻いたしよ」
「いえ、どうかそのままでっ。御主人様の汗なら私は全然気にしませんからっ」
 桐生の強い口調に、姉妹揃って匂いフェチだったことを思い出す。初の性交時くらいは要望を叶えてやるべきか。
「ったく、判ったよ。んじゃ一人で入ってこい。但しゆっくりでいいぞ。俺は戸谷にでもメール打って時間潰してっからよ」
「あの、何かお飲みになりますか? ジュースとかビールとか」
 生徒にアルコール飲料を勧める事について俺が窘めようとした瞬間、玄関へと続くリビングのドアが勢い良く開いた。
「もう我慢出来ないっ! 今日からここに住むからねっ!」
その聞き慣れた声の方へと顔を向けると、セーラー服姿の三日月が大きなバッグを下げ、入り口の脇に立っている。
「あれ? 何でここに先輩が?」
「どっ、どうしたの三日月っ? そんな荷物持ってっ?」
「あれあれ? お姉ちゃん、けーた先輩を連れ込んでた? あたしに内緒で?」
「ちっ、違うのっ、これはそのっ、そっ、相談よっ、進路相談っ」
 三日月は取り乱した様子の桐生から顔を背けながら俺に向かってウインクをし、次いで手にしていたバッグをその場に落として両手で自らの顔を覆った。
「ううっ……お姉ちゃん……ぐすっ……酷い……ひぐっ……あたしが先輩のこと好きなの知ってて……うええっ……」
「だから進路相談してたのっ、ねっ? そうよね住之江くんっ」
「ひっぐ……だったら何で先輩はズボン穿いてないの? ぐひっ……お姉ちゃんの嘘吐きいっ……ふええええええええええ~ん!」
 泣き真似を続ける三日月と宥めようとする桐生とを交互に眺め、俺は心中で妹の方へと軍配を上げた。
     ★★★
 三日月の嘘泣きは賞賛に値すべきもので、どうにか泣き止んだ時にはしっかりと目の周りを腫らしていた。恐らくは指で繰り返し擦ったのだろうが、適度に瞳を充血させてもいる。その計算高さと特異な性格を把握していなかったならば、間違いなく俺も騙されていただろう。
 だが、本当に驚いたのはその後のことだった。進路相談という言い訳に渋々と納得した振りをして桐生に安堵の息を吐かせ、その背後に回り込んでスカートのポケットから銀色の手錠を取り出し、両腕を後ろに拘束した時には見ていた俺自身呆気に取られたものだ。そのままソファの近くまで身体を押し遣ってから脚を払い、間髪入れずに自身のショーツを脱ぎ、クッションの上に仰向けに寝転がった実姉の口中へと下着を無理矢理押し込んでいく。
「むぐおっ……ぶもごっ……」
「お前、何やってんだよっ?」
 我に返った俺がそう問い掛けると、三日月はにっこりと笑った。罪の意識など皆無といった様子の晴れやかな笑みだ。
「暴れられたり大声出されたりしたら面倒じゃないですか。さ、先輩、こっちに来て裸になって下さい。あたしも全部脱いじゃいますから」
「おい、まさかここでするつもりか?」
「ダメですか? それが問題解決への近道だと思いますけど?」
 確かに目の前で三日月と性交すれば改めて関係を説明する必要もないだろう。だが、桐生が納得するとは思えず、拘束を解いた後にどんな行動を取ってくるのか予測がつかない。かと言ってここまでのことをしている以上、手錠を外して仲良く歓談というのも楽観的過ぎる。
「もう先輩ってば、ちょっと来て下さい」
 対応に苦慮している間に三日月は既に全裸になっており、要所を隠すこともなく俺の手を取って部屋の隅へと引っ張って行った。桐生には聞こえない場所で会話をしたいということだろう。案の定、俺の肩に手を掛けて耳元に囁き掛けてくる。
「あたしに任せて下さい。あこりこ先輩のことも三国先輩のことも認めさせた上で、お姉ちゃんをオチンポ奴隷にさせますから」
「けどよ、もう一時回ってんだぞ? こんな時間からどうするつもりだよ?」
「だって先輩もお姉ちゃんも明日は学校休むんでしょ? あたしもそうしようと思って」
「それならまあ、つうか、何でお前がそのこと知ってんだ?」
 俺がそう質問すると、三日月は何でもないことのように淡々とした口調で答えた。
「この部屋には何台か、ネットワーク用のカメラを仕掛けてありますから。音声もバッチリです」
 俺は半ば呆れつつ口元を歪めた。実の姉を拘束するだけでなく、以前から監視していたという事を告げても尚平然としている点が恐ろしくもあり、頼もしくもある。敵には絶対に回したくはないが、存分に相手をしてやっていれば矛先が俺に向くことはないだろう。
「……判った。で、俺はどうすりゃいいんだ?」
 俺の言葉に三日月は穏やかに微笑み、トランクスの上から陰茎に手を当ててきた。
     ★★★
「むがっ……もごっ……ぶむっ……」
 三日月が薄く笑いながら服を脱がせ始めると、桐生はソファの上で両脚をバタバタと暴れさせた。それまでは突然の仕打ちに放心していたらしく大人しかったのだが、多少は状況が飲み込めてきたということだろう。言葉にならない声を上げ、目を白黒させながら首を何度も横に振って拒絶の意を示している。
「何で嫌がるの? 服は先輩に破いて欲しかった?」
「おぼっ……んぶっ……もがっ……」
「もしかして恥ずかしい? 大丈夫、先輩優しいから。パイパンでも気にすることないよ?」
 その言葉を傍らで聞いていた俺は思わず苦笑した。桐生の秘所を愛撫していた際、指先に陰毛の感触がなかったことを思い出したからだ。元より下の毛の有無で相手を差別するような考えはないが、成熟した身体でありながらあるべき物がないというのは興味深い。二人を並べて遺伝と発育について考察するのも面白そうではある。
「こことここは切っちゃえ。ついでにここも」
 すぐ傍に置いていた自分のバッグからハサミを取り出し、三日月は手際良く実姉を裸に剥いていく。露わになった豊満な乳房の先では尖った薄紅梅色の乳首が妖しく揺れ、切り裂かれたショーツの股布の部分には大きな染みが出来ている。どうやら抗おうとする態度とは裏腹に、桐生はかなり昂奮しているらしい。既に全裸となっている俺が立ち位置を変えると、勃起した陰茎に釣られるように視線を移動させてくる。
「はい、これで終わりっと。それじゃ今度はお楽しみタ~イム」
 三日月が戯けた口調でそう言って俺のトランクスを頭に被せると、桐生は一切の抵抗を止めて全身を小さく震わせた。口を塞がれている以上、鼻から息と共に淫臭を吸い込むほかなく、その度に唸り声に艶めかしい響きが加わっていく。
「ふがっ……んはっ……むうっ……」
「先輩のパンツ、いい匂いでしょ? しばらく嗅いでていいからね」
「むふうっ……んふうっ……ふごおっ……」
恐らく身体から力が抜けてきているのだろう、一糸纏わぬ姿にされてからピタリと閉じられていた桐生の両脚は微かに拡がりつつある。三日月はその様子を見て満足気に頷くと、頭部に被せた布地の位置を調整し始めた。視界を確保する為らしい。
「ん、これでよしっと。ちゃんと見える? もっともっと楽しませてあげるね?」
 そう言いながら三日月が相手の眼前に晒したのは、俺が事前に渡しておいた三つのクリップローターだ。呼吸を荒げながらも再び首を横に振り始めた桐生を無視して、その勃起した両乳首と淫核に躊躇なく取り付けていく。
「ちょっと痛いかもしんないけど我慢ね。で、どこからスイッチ入れて欲しい? ここはクリトリスからいっちゃう?」
「ぶもがっ……んぼもっ……むぶごっ……」
「あはっ、何言ってるか判んな~い」
 あどけなく笑った三日月が手元のスライダースイッチを操作した途端、桐生は淫核を震わせながら裸身を大きく跳ね上げた。
     ★★★
 昇り詰める直前にローターのスイッチを弱め、素の意識を取り戻しそうになると元の位置に戻す。そんな三日月の責めはその後も延々と続き、桐生は切なげに身をくねらせながらソファに大量の愛液を染み込ませていった。傍から見ていても判る程に肌は赤く火照り、淫具に押し潰されている乳首と淫核は限界と思える程に膨れ上がっている。
 俺はと言えばそんな光景を間近で見ながら自身の一物を扱いていた。いつでも射精出来るように準備を整えておいて欲しい、と三日月に頼まれたからだ。目の前に裸の女が二人もいるのに何をしているんだと思わなくもないが、久方振りの自慰は自分本位であるが故に性交に負けず劣らず心地良い。
「さてさて、そろそろいいかな?」
 頃合いを見計らったかのように三日月はそう呟くと、被せたトランクスはそのままに桐生の口中から詰め物を取り出した。鼻呼吸だけでは息苦しかったのだろう、桐生は何度か大きく息を吐いた後、再び身悶えしながら許しの言葉を述べ始めた。
「んくはあっ……もう止めてえっ……あくひうっ……このままじゃ私いっ……かひはあっ……おかしくなっちゃううっ……」
「でも気持ちいいんでしょ? こんな粘っこいオマンコ汁出しちゃって」
 確かに現時点の桐生の愛蜜は粘液と呼ぶに相応しいもので、その証拠に股間とソファの間には太く長い糸が何本も引いている。
「んくふうっ……でも嫌あっ……ひふはあっ……こんなの嫌あっ……」
「大丈夫。お姉ちゃんの希望通り、ちゃんと酷い初体験にしてあげるから」
 そう告げると三日月は俺の方へと視線を向けた。準備が出来ているか確認する為だろう。俺が一物を擦る手の動きを速めつつ首肯すると、俗に言う社会の窓から桐生の鼻を露出させ、楽しげに声を掛けてくる。
「じゃあ、ここにお願いします。奥の方までドロドロにしちゃって下さい」
「ふくはあっ……ちょっと何いっ……あふひうっ……何言ってるのおっ……」
 状況判断力が鈍っているのか、それとも元来乏しいのか、それまでの遣り取りを見ていたにも関わらず桐生はこれからされることを理解していないようだ。それはそれで面白い反応が見られるかと思い、俺はその頭部を跨ぐと向かって右側の鼻孔に亀頭の先を押し当てた。
「んふがっ……御主人様何をっ……」
「悪いな」
 謝罪の言葉を告げ終えると同時に俺が精液を放つと、桐生は目を見開きながら後ろへ逃れようとし始めた。だが、傍らにいる悪意の塊のような実妹がそんな事を許す筈もなく、頭を押さえ込まれて結局は為すがままだ。隙間から漏れ出た白濁液がトランクスを汚しているのが気に掛かるが、事が済んだ後に三日月に渡せば喜んで貰ってくれるに違いない。
「がひはあっ……んふごへっ……おぼひはっ……」
「先輩、反対側も」
「判ってる。ちょっと待ってろな」
 陰茎を強く握ることで精管を圧迫して放出を中断し、改めて左の鼻の穴に男根の先端を押し当てる。そうして再び体液を放ちながら桐生の目尻に浮かんだ涙を見て、俺は自身の加虐性が以前よりも高まっていることを確信した。
     ★★★
 鼻の周りを精液塗れにしてやってから数分後、桐生は次第に官能的な声を上げ始めた。ローターの振動は射精直前から最弱に設定したままであり、どう考えても新たに得た体液の匂いを楽しんでいるとしか思えない反応だ。試しに頭から汚れたトランクスを取り去ってみると、予想通り粘液塗れになった顔でうっとりと微笑んでいる。
「ふはぁ……御主人様ぁ……くふぅ……御主人様の匂いぃ……」
「ね? 簡単でしょ?」
 それまで舌で陰茎の汚れを掃除してくれていた三日月が傍らに立ち、誇らしげに言葉を掛けてくる。確かに結果から言えば、鼻孔への射精というのは匂いフェチ且つ被虐的な脂質の持ち主にとって喜ばしい出来事であったらしい。放出時に見せていた涙目は何だったのかと思いつつ、俺は深く溜息を吐いた。
「で、どうなのお姉ちゃん? そろそろ先輩のオチンポ、オマンコに入れて欲しい?」
「はぁん……して下さい御主人様ぁ……ひはぁ……私を女にして下さいぃ……」
 そう言って桐生はソファの上で大きく脚を開いた。情欲をそそる行為だが、どことなく様子がおかしい。口の端から垂らしている涎や虹彩の失せた瞳を見るに、まるで理性の欠片もない白痴のようだ。
「おい、大丈夫なのか、これ? 何か変だぞ?」
「オチンポ汁の匂いに酔ってるだけですよ。このまま今後のことについて色々と約束させちゃいますから、先輩はシャワーでも浴びてきて下さい」
「何するつもりだよ? つうか、シャワー浴びていいのか? 匂い好きなら汗臭い方がいいんだろ?」
「汗臭いオチンポはあたし専用です。そうですね、少なくとも三十分くらいはお風呂場に行ってて下さい。その間にもっと言いなりにさせときます」
 三日月はそう言って自分のバッグからステック状の機器を取り出した。どうやらボイスレコーダーのようだ。会話の内容を言質として録音すると言うことだろう。
「そういや、初めてのセックスは録画しておきたいって言ってたぞ。カメラの用意は出来てるらしいけどよ」
 ふと思い出して俺が告げると、三日月は軽く頷いた。
「確かにそんなこと言ってましたね。判りました、そっちの準備もしておきます。流出しても恥ずかしくない立派な作品に仕上げましょう」
 その発言に何となく嫌な予感を覚えながら、俺は周囲を見回した。リビングと繋がっているキッチンの片隅に小スペース、その奥にガラス戸があるところを見ると、そこが脱衣所と浴室に違いない。給湯については室内を見ればどうにかなるだろう。必要なら後から三日月を呼べばいい。
「んじゃ、入ってくんな」
「はい、ごゆっくり」
 そんな言葉の遣り取りをした後、どことなく甘い気分に浸りながらキッチンに向かって歩み始めた俺の背後で、三日月の諭すような声が聞こえた。
「先輩のオチンポが欲しかったら、まずは、私は肉便器になる為に生まれてきたドスケベ女です、って言ってみて。感情込めて十回ね」
     ★★★
 給湯器は浴室内に取り付けられたパネルで操作するタイプの物で、幸いにして使用方法はすぐに理解することが出来た。髪と身体を洗ってシャワーを浴び、脱衣所の棚に置かれていたバスタオルを借りることにする。そうして特に股間を隠すこともなく俺がリビングに戻ると、三日月は既に主演女優の痴態を撮影し始めていた。
「んふうっ……オチンポ奴隷になりたいですうっ……ふはあっ……オチンポ奴隷になりたいですうっ……」
 桐生はカメラを手にした妹に向かってソファの上でM字開脚し、自慰の真っ最中だ。左手に持った俺のトランクスを顔に押し付けて鼻息荒く匂いを嗅ぎ、右手の人差し指で円を描くようにして淫核を擦り上げている。
「あ、先輩、お帰りなさい。ほら、お姉ちゃん、御挨拶は? さっき教えたでしょ?」
 実妹の叱責の言葉に桐生は名残惜しそうにしつつもトランクスをソファの上へと大切そうに置き、俺に向かって蕩けた笑みを向けてきた。同時に精液が付着しているであろう左手の指をも股間に添え、両手で淫唇を開いて柔らかそうな膣肉を見せてくる
「はへぇ……御主人様ぁ……くふぅ……私もオチンポ奴隷になりたいですうっ……んはぁ……どうかハーレムの末席に加えて下さぁいっ……はふぅ……肉便器として使って下さぁいっ……」
「どうです? 様になってるでしょ? 元々がエロゲ脳ですから色々とやり易かったです」
 三日月の言い草に俺は苦笑いしつつ頷いた。
「で、どこまで話した?」
「あたしの知っていることは全部。その上で納得させました。他に相手が何人いようが好きな時にオマンコでもどこでも使って構わないそうです。でも――」
 三日月は一旦言葉を切って俺に身体を寄せると、小さな声で語り掛けてきた。
「――後から文句を言ってくるかもしれませんので、先輩の匂いに酔ってる内にもっともっと壊しちゃいましょう。中出しついでにオマンコにオシッコ注いじゃうとか、お尻も犯した上でオチンポを口で掃除させるとか。その後の事はあたしに任せて下さい」
 入浴前の言葉を思い返してみると、三日月が桐生に対して行ったのは説得ではなく洗脳だろう。しかし、隷属度を高める方法として効果的であることは間違いない。精神を崩壊させた分だけ付け込む隙が出来るならば、この場は指示に従っておくべきか。
「けどよ、初体験だぞ? 多少は優しくしてやりたかったんだけどな」
「だって、お姉ちゃんも言ってたじゃないですか。出来るだけ酷く扱って欲しいって。望みを叶えてあげるのが優しさってもんですよ」
「いや、ちょっと待て。お前、俺たちの会話、どこまで聞いてたんだよ?」
「お姉ちゃんが先輩のオチンポ掴むとこまでです。それから慌てて準備してタクシー呼びました。一応、親にも言ってきましたから何も心配ないですよ?」
「そっか。でもまあ、今日はケツは勘弁な。今から準備させるのも手間だしよ」
 俺の返答に三日月は屈託なく笑った。
「判りました、内容については先輩にお任せします。それじゃ始めましょうか」
     ★★★
 発情し切った状態の桐生に避妊薬を呑ませ、再び自ら淫唇を開かせて処女膜の状態を三日月に録画させた後、俺はソファの上に仰向けに寝て新たな性奴隷候補に奉仕を命じた。言うなれば騎乗位での素股だ。こちらに顔を向けた状態で腰を跨がせ、膣内に挿入させることなく女性器で陰茎を扱かせる。エロゲーを嗜んでいるだけあって細かい説明をしなくとも桐生は指示した内容を理解し、痴悦に満ちた声を上げながら亀頭や茎部を愛液で濡らしていく。勿論、初めてと言うこともあって幾分ぎこちなくはあるが、同じ行為を自ら進んで行った三日月と比べても遜色のない腰使いだ。前後の動きに合わせて豊満な乳房が歪に形を変えていく様は見ていて楽しく、粘液に塗れた淫唇は卑猥な音と共に滑りを増し、肥大した淫核の硬い感触と共に官能的な喜びを与えてくれる。
「はふあっ……御主人様どうですかあっ……くはうっ……私ちゃんと出来てますかあっ……」
「ああ、いい感じだ。もっとお前の好きに動いても構わねえぞ? 但し前戯なんかしてやらねえからな。このまま自分で充分にマンコ濡らしとけ」
「あふうっ……でしたらもう準備出来てますからあっ……んふあっ……今すぐ私のオマンコ使って下さぁいっ……はひうっ……早くオチンポ奴隷になりたいですうっ……ふはあっ……ご主人様専用の肉便器になりたいですうっ……」
「ならいいぞ。とっととチンポ掴んで入れろ」
 俺がそう言うと桐生は破顔し、僅かに腰を浮かせて一物を握り締めた。
「ちょっと待って下さいっ! ほら、お姉ちゃんこっち見て。カメラに顔を向けて状況を説明しながらにして」
 突然割って入ってきた三日月の言葉に従い、桐生は膣口に陰茎の先端を押し当てながらレンズに向かって微笑んだ。
「んはあっ……私は今から女になりますうっ……はふうっ……御主人様のオチンポでえっ……かはあっ……処女膜破らせて頂きますうっ……あひうっ……入って来るうっ……くひあっ……オマンコにオチンポ入って来るうっ……」
 桐生はゆっくりと腰を下ろし始めたが、すぐに動きを止めた。亀頭の先には強い抵抗感がある。秘所に淫蜜を溢れさせていても矢張り痛いのだろう。それでも何度か深呼吸を繰り返した後、眉間に深い皺を寄せながら改めて下半身を沈ませていく。
「んぐひいっ……御主人様あっ……あがっ……くうっ……御主人様あっ……」
 苦悶の声が漏れる度に膣は少しずつ異物を受け入れ、ある時を境に排他的な反応を弱めた。見れば、接合部を濡らす体液に少量の血液が混じり始めている。
「あぐっ……これでもう私は御主人様のものですうっ……かはっ……もっともっと奥まで入れますからあっ……ひぎっ……処女オマンコをお楽しみ下さぁいっ……」
 痛々しいながらも満足気な表情でそう告げると、桐生は更に股間を密着させて一物を膣奥へと取り込んでいく。その健気さに応えてやるべく、俺は手を伸ばして淫核を擦り上げてやることにした。
     ★★★
 陰茎を膣内に完全に挿入し終えると、そのまま桐生は腰を振り始めた。俺の胸板に両の手の平を当てて身体を支えつつ、反応を探るように時折抽送の動きを変えてくる。痛覚に歪んだ顔で懸命に笑い掛けて来る姿に罪悪感を覚え、俺は半身を起こして優しく抱き締めてやりそうになった。しかし、先刻の三日月の言葉にも一理ある。酷い初体験が当人の希望であるならば、それを叶えてやるのが今の俺の役目だ。勿論、淫核への愛撫も既に止めている。
「そんなんじゃ全然気持ち良くねえぞ、もっと早く動け。マンコも緩んできてんぞ。初物なら初物らしく、ケツ穴に力入れてでもチンポ締め上げろ」
 当然のことながらその指摘は嘘で、腰使いは拙くも心地良く、膣肉は痛い程に一物を圧迫していたのだが、桐生は微かに目を伏せながらも素直に指示に従った。
「んくあっ……すみませんっ……あひうっ……すぐ締めますからっ……くはあっ……動きもこのぐらいでっ……ひぐうっ……宜しいですかっ……」
「くっ……ま、まあな」
 激しさを増した反覆運動と侵入物を押し潰そうとするかのような膣圧とに、俺は耐えきれず呻き声を上げた。このままでは射精以前に痛みで陰茎が使い物にならなくなりそうだ。かと言って今更中止させるのは主人としての沽券に関わる。俺は歯を食い縛りながら必死で対応策を考え、後に三日月に向かって声を掛けた。
「俺のバッグ取ってくれ」
「あ、はい。ちょっと待って下さいね」
 渡されたデイバッグの中から急いでバイブレーターを取り出し、今度は桐生に呼び掛ける。
「おい、もう動かなくていいぞ。俺の上から下りろ」
「うぐっ……えっ? んあっ……でも……」
「いいからチンポ抜いてそこを退け。今からお前の相手はこれだ」
 そう告げて俺が手の中の物を差し出すと、桐生は目を丸くして下半身の動きを止め、悲し気に首を横に振った。
「そんな、嫌です。私もっと頑張りますから」
「お前は奴隷だろうが。言われたことには従え」
「でも、それじゃあんまりです。せめてもう少しこのまま御奉仕させて下さい」
「お姉ちゃん、そんな我儘言って先輩に捨てられてもいいの? オチンポで処女膜破って貰えただけでも感謝するべきでしょ?」
 状況の変化を楽しんでいるのだろう、真剣な顔付きでありながらも口元を綻ばせた三日月が適確な合いの手を入れてくる。
「……判りました。言われた通りにします」
 桐生は独り言のように小声でそう呟き、目の前の淫具を恐る恐る掴んだ。
     ★★★
「先輩ってば、結構鬼ですね。ちょっと見直しちゃいました」
 浴室にて陰茎に付着した血と愛液をシャワーで洗い流していると、後から三日月が入って来てそう言った。先刻までは淫具による桐生の自慰を笑いながら撮影していたのだが、心なしか今は複雑な表情をしている。
「お前がやれって言ったんじゃねえか。それよりカメラはどした?」
「三脚にセットしてきました。お姉ちゃんにはその前で脚開かせてますから」
「そっか。つうか、お前も鬼だよな。もしかして憎んでんのか?」
「お姉ちゃんのことをですか? そんなことある訳ないじゃないですか。大好きですよ、先輩のことと同じくらい」
 その言い回しに、実は俺に対しても憎悪の念を抱いているんじゃないか、と深読みしそうになった。が、三日月の瞳に陰りは見えない。ただ先に述べたように、その穏やかな微笑みからは微かに困惑が感じられる。
「んだよ、何か気になることでもあんのか? 妙な顔つきになってんぞ?」
「別に心配とかじゃないんですけど、お姉ちゃん、ほんとに変態だったんだなぁって。先輩にバイブ渡された時も喜んでたし……」
「何言ってんだ、お前? あれは完全に嫌がってたろうが」
「あれ? 気付かなかったんですか? 一瞬嬉しそうな顔してましたよ?」
 そう言われて桐生の姿を思い返してみるが、矢張りそんな反応を示していた記憶はない。
「お前の思い過ごしだろ。さっきだって辛そうにオナニーしてたじゃねえか」
 俺がそう告げると三日月は心底楽しそうに笑った。
「それはそうですよ、きっとまだオマンコ痛いと思いますし。でも、先輩が席を外してすぐにイっちゃってましたよ? 一応、そのまま続けるように言っておきましたけど。本気で嫌がってたらそんなことあると思います?」
 三日月の返答に俺は考え込んだ。体感時間からすると自慰を始めさせてから現時点で二十分前後だろう。確かに行為に対する拒否感が強かったならば、そんな短時間で痛覚を堪えつつ達してしまう筈がない。
「その顔は信用してませんね? でも後でビデオ見れば判りますから。それにしても処女だけ奪っておいてバイブ渡すなんて、先輩にしてはよく考え付きましたね。普通はそのまま中出しでしょ?」
「締まり過ぎてチンポに激痛が走ってたのに、中出しなんて出来る訳ねえだろ? だから少し拡げさせてんだよ。ありゃ、お前よりキツキツだぞ」
「ちょっ、人のことガバマンみたいに言わないで下さいよっ。だったら、今度はあたしもう~んと締めちゃいますからね? 覚悟してくださいよ?」
「いや、待て待て。お前のマンコもまだ滅茶苦茶キツいだろうが。近い内に専用のバイブ渡してやっから、それで少し拡げとけ」
 その言葉に三日月は拗ねた顔をしながらも俺の身体にそっと寄り添ってきた。膨らみ掛けの薄い乳房を肌に擦り付けつつ、棘のある口調でありながら甘えるように囁き掛けてくる。
「命令なら従いますけど、先に御褒美くれますよね?」
「褒美って何だよ?」
「えへっ、見てる内にあたしもオマンコ濡れちゃって。ここで全部舐め取って欲しいんですけど、いいですよね?」
     ★★★
 三日月の秘裂は舌を這わせる度に新たな愛液を垂れ流し、結果として俺は浴室の床に座り込んだまま幼い股間を見上げ、一方的な奉仕を数十分間続けさせられる事になった。これではどちらが隷属状態にあるのか判らない、立場が逆だろう、と何度も思いはしたが、舌先を動かす度に内腿を引き攣らせる姿は愛らしく、それなりに充実した時間ではあった。何とか解放されたのは舐め取り作業が完了したからではなく、少なく見積もっても四、五回は達した三日月がその場にへたり込んでしまったからだ。止むなくお姫様抱っこをしてやって濡れた身体のままリビングに戻ると、先の説明通りに桐生の様子は一変していた。
「くはあっ……お帰りなさいませ御主人様あっ……んふうっ……ちゃんとずっとしてましたあっ……ひはあっ……一人でオナニーしてましたあっ……あひうっ……でもやっぱり御主人様のがいいですうっ……はひあっ……オチンポで気持ち良くなりたいですうっ……」
 桐生は俺の股間に露骨な視線を送ってきながら、激しくうねるバイブレーターを先端まで引き抜いては再び膣奥へ深々と突き入れ、周囲に大量の淫液を飛び散らせている。蕩けた顔を時に歪ませてはいるものの、既に痛みよりも快感の方が勝っている様子だ。
 俺は甘く息を吐いている三日月の身体を桐生の対面にある一人掛けのソファへと下ろし、勃起した陰茎を右手で軽く扱いてみた。休憩を挟んだことで痛みは引いており、硬度も申し分ない。
「そんなにこのチンポが欲しいか? お前の使えねえマンコに、もう一度突っ込んで欲しいのかよ?」
「んひあっ……はいいっ……くはうっ……どうかお願いしますうっ……ひふあっ……今度はもっとオマンコ締めますからあっ……はふうっ……もっと激しく腰動かしますからあっ……」
 その言葉に正直俺は狼狽えた。このままでは再び膣圧による拷問を受けることになりかねない。主人としての面目を崩さずに回避する為には、応対の方法を変えるしかないだろう。
「よく言った、偉いぞ」
 一物から手を離してそう告げると、俺はソファの前に屈み込んで桐生の身体を優しく抱き締めた。そっと背中を撫で上げながら一瞬だけ唇を奪い、努めて温和に語り掛ける。
「悪かったな、さっきの言葉は嘘だ。お前の覚悟を確かめたくてな。それだけ言えるなら合格だ」
「ふはあっ……え? それって、奴隷として認めて貰えたってことですか?」
「まあな。但し、まだ見習いってとこだ。まずはこのままイってみせろ。お前のマンコ締まり過ぎっから少し拡げるようにしてな。それが済んだらシャワー浴びてこい。その後でもう一度具合を確かめてやる。いいな?」
 そう言うと桐生は破顔しつつ即座に首肯し、淫具を持つ手の動きを一気に加速させた。宙に舞った飛沫が俺の胸までもを濡らしてくる程の荒々しさで、貫通して間もない自らの肉穴を強引に拡張していく。乾いた涙と精液の付着した頬や髪、手錠の跡が薄っすらと残る両の手首、そういった個々の場所からは悲痛さが感じられるものの、当人の顔は痴悦に満ちている。
「かふはあっ……私嬉しい嬉しいですうっ……あひはうっ……御主人様に使って貰えるうっ……くはひうっ……オマンコにオチンポハメて貰えるうっ……んふはあっ……もう嬉しくてイっちゃうイっちゃいますうっ……おほふひいっ……オマンコが溶ける溶けちゃううっ……」
 酔い痴れた表情のまま桐生は更に淫具の抽送を速め、程なくして歓喜の声と共にカメラの前で大きく背中を反らした。後に引き抜かれたバイブレーターの表面には、白く濁った粘液が幾つもの気泡を作っていた。
     ★★★
 桐生がシャワーを浴びて戻ってきた頃には時刻は朝の七時半を回っており、俺はまず先に必要な措置を済ませておくことにした。つまり、学校への休む旨の連絡だ。俺の分についてはあことりこが上手く取り計らってくれるだろうが、桐生は一応社会人なのだし、大病でもない以上は自らの報告が義務だろう。またその立場からしても、三日月の保護者として中学に連絡を入れさせることに何ら問題はない。
 当の三日月は桐生が浴室に向かった直後から、ソファに凭れたまま深い寝息を立てている。窓越しに聞こえてくる鳥の囀りの中、凹凸の殆どない胸をゆっくりと動かしている姿は幻想的で、三脚に据え付けられたカメラをそちらに向けるべきか迷うところだ。
「――はい、では宜しくお願い致します」
 そう言って二度目の通話を終えると、桐生は携帯電話を持ったまま俺に抱き付いてきた。淫臭を洗い流したことで素の状態を取り戻しているようだが、それまでの仕打ちを詰るような雰囲気はない。ただ甘く息を吐き、全裸のまま身体を密着させてくる。
「はぁ、御主人様ぁ。連絡し終わりましたから早くぅ。んふぁ、早く私のオマンコ試して下さぁい」
「判ったから下っ腹をチンポに押し当ててくんな。ここで立ったままするつもりかよ?」
「使って貰えるならそれでもいいですからぁ、んはぁ、今すぐ一つになりたいですぅ」
「いきなり入れたらお前も俺も痛えだろうが。つうか、ちゃんと洗ってきたのか? まだマン汁臭えぞ?」
 柔らかな身体から立ち上る甘い体臭は予想以上の濃度を保っている。決して嫌な匂いではないが、不審に思った俺がそう問い掛けると、桐生は少しだけ恥ずかしそうに俯いた。
「それは、その、お湯を当てたら染みちゃって……」
「はあ?」
「ですから、その、染みて痛いのが気持ち良くて、気が付いたら自分で触っちゃってて……。ですから、もう準備は出来てます。早く私の身体を好きにして下さい」
 どうやら丹念に肌を磨いていたが故に戻りが遅くなったのではなく、性交直前であるにも関わらず風呂場で自慰をしていたらしい。その堪え性の無さと痛覚をも疼きに変える柔軟性の高さには呆れたが、それなら身体に気を使うことなく相手をしてやるだけのことだ。
「ったく、んじゃ、ソファに両手を突いてケツをこっちに向けろ。後ろから突っ込んでやっからよ」
「はいっ! お願いしますっ!」
 体育会系的な返答と共に桐生はいそいそと指示に従い、前屈みの体勢のまま臀部を高く突き出してきた。開かれた脚の付け根から溢れ出した少量の液体が、内腿を伝って緩やかに下へと流れていく。肌の上に残った軌跡が若干粘り気を帯びていることからして、それが膣内に残っていたお湯でないことは一目瞭然だ。俺は幾分うんざりとしながらも陰茎に片手を添え、濡れた膣口に亀頭を押し当てた。
     ★★★
[2010年09月24日] カテゴリ:【SS】conception×sis | TB(-) | CM(-)
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