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俺の妹がこんなにエロ可愛いわけがない

俺の妹がこんなにエロ可愛いわけがない
   ★★★
 突然だが、俺、高坂京介には妹がいる。無論、義理ではなく実の妹のことだ。名前は桐乃、現在は十四歳。背がすらっと高く華奢でありながら、出るところは年相応にきっちりと出ている。腰まで伸ばした髪をライトブラウンに染め、両耳にピアスを付け、爪にはマニキュアを塗り、端正な顔を入念なメイクで常時磨き上げてもいる。そんな派手な外見であっても、学校で特に注意や指導を受けたことはないらしい。大方、男性教師たちの支持を得てでもいるのだろう。容姿端麗である以上、穏やかに微笑んでさえいればその程度のことは容易い筈だ。
 と言っても、自慢の妹だと誇るつもりは全くない。何しろ見た目はいいが性格が最悪で、俺に対して敬意が足らないどころか、兄として扱おうとさえしない。仮に弟だったならば殴り飛ばしてやっているところだ。女だからそうせずにいるが、いずれ一度は痛い目に合わせてやろうと思っている。
 そんなある日、俺が学校から帰宅すると、桐乃がリビングで携帯を手に誰かと通話しているところだった。一応の礼儀として「ただいま」と声を掛けてはみたものの、予想通りに返事はなく、俺の方を見ようともしない。セーラー服姿のままソファに深く腰掛け、短いスカートで足を組み、手の中の機器に向かって楽しそうに語り掛けているだけだ。
「ええっ? 何それぇ。きゃははっ、バッカみた~い。うん、判った。じゃあ着替えて、これから行くね~」
 こんな夕刻からどこに遊びに行くんだよ、と思いはしたが、今更怒る気にもなれず、俺は桐乃の前を擦り抜けて自分の部屋へと向かった。週明けからの試験期間に向けて、そろそろ勉強をしておかないと先々都合の悪いことになる。
 我が家は二階建ての一軒家、俺と桐乃の部屋は二階にある。自室で部屋着である上下組みのジャージに着替えた俺は、十分程寛いでから階段を下りた。勉強を始める前に小便を済ませておこうと思ったからだ。ちなみに階段を下りるとすぐ玄関で、向かって左手にリビングへの扉がある。
「っと!」
 階段を下りてすぐ、玄関付近で私服姿の桐乃とぶつかり、俺は思わず声を上げた。肩と肩が軽く当たっただけで衝撃自体は大したことなかったのだが、その拍子に桐乃のバッグが手から離れ、床に中身をぶち撒けた。
「あっ……」
「おっ、済まねえな」
 俺は素直に詫びてその場に屈み込み、化粧品等を拾ってやろうと手を伸ばした。だが、桐乃は同じように屈むと、そんな俺の手を平手で払った。汚い物でも追いやるような素振りでだ。これには俺も腹が立った。
「何すんだ、てめえ」
「あたしの物に触んないで」
 硬い口調でそう言うと、桐乃は散らばった品々を黙々と拾い始めた。
   ★★★
 用を足してトイレから廊下に出たところで、俺は妙な物を見つけた。靴箱と壁の隙間から白くて薄いケースのような物が半分はみ出している。試しに手に取ってみると、ジャケットには扇情的な衣装に身を包んだ幼女の絵が印刷されていた。どうやら『星くず☆うぃっちメルル』というアニメのDVDケースらしい。
 自然な発想として、先刻出掛けていった桐乃のバッグから落ちた物かとも思ったが、あいつがアニメを見ていたのなんて小学生の頃までだ。話に無理があり過ぎる。かと言って他に思い当たる節もなく、取り敢えずは中身も確認しておこうとケースを開くと、中の盤面には『妹と恋しよっ♪』という文字と共に半裸の少女の線画がプリントされていた。このタイトルには聞き覚えがある。俺自身やったことはないが、それなりに有名なエロゲーだ。
 俺はケースを手に一頻り考えてみた。単に入れ間違えたという可能性もあるが、エロゲーを持ち運ぶ為に移し替えたという方が納得できる話だ。しかし、そんなことをする人物に心当たりがない。現在この家に住んでいるのは俺と桐乃の二人だけで、海外赴任中の両親は三月に一度の頻度でしか戻ってこない。最近帰ってきたのは一週間程前で、その間ずっとここにケースが放置されていたとは考え難い。と言うか、それ以前に親父やお袋がアニメやエロゲーに興味を示すとは思えない。となると、残りは矢張り桐乃だが。
 いや、そもそもこれが本当にエロゲーなのかどうかも怪しい。もしかしたらコンシューマー移植された物で、十八禁画像など皆無かもしれない。だが、仮にそうであったとしても、桐乃の所持理由には成り得ない。
 堂々巡りの思考に疲れ、俺はまずDVDの中身を確認してみることにした。階段を上がって自室のドアを開け、パソコンデスク前の椅子へと座って専用トレイにセットする。自動再生を切ってあるが故にエクスプローラで内部ファイルを見てみると、案の定と言うか何と言うか、それは間違いなくパソコン用のゲームディスクだった。それでもまだエロゲーだと決まった訳ではない。元はそうだとしても、シナリオを変えた上で全年齢用として発売された無害な物かもしれない。持ち主を弁護するかのような自分の考えに苦笑いしつつアイコンをダブルクリックし、モニター上に現われた専用インストール画面を見て溜息を吐く。何故ならば小さな画面の左半分には、六人の全裸少女が精液塗れになっているイラストが表示されていたからだ。白濁液の方は零した牛乳と解釈してもいいが、全年齢版で股間にモザイク処理は有り得ないだろう。
「こりゃ、エロゲ確定だな」
 そのまま進めてハードディスクの空き容量を減らす気にもなれず、キャンセルボタンを押して表示された画面を消すと、俺は自分の額に左手を当てた。その冷たい感触が心地良いのは頭の中が熱くなってきているからだろう。
 もしこれが本当に桐乃の所有物、もしくは知人から借り受けた物であった場合、恐らく俺は弱みを掴んだことになる。もしそうならば、今までの生意気な態度を反省させ、服従させることが可能かもしれない。いや、単に従わせるだけでは駄目だ。先々開き直ったりしないよう、可能ならばその膣や尻穴を犯し、快楽によって性奴隷にまで堕としておいた方が良い。全ては自業自得、因果応報、当然の報いであり、相手が実の妹だろうと性行為の際に胸が痛むことはない筈だ。
「まあ、そういう運命だったと諦めてもらうか」
 そう呟いて、俺は液晶モニターに視線を向けたまま薄く笑った。
   ★★★
 その日の夜、と言っても十九時少し前だが、再びトイレに行こうと自室を出た俺は、階段を下りる途中で足を止めた。玄関に桐乃の姿を発見したからだ。ちなみに制服を着替えてからの桐乃は、白地に黒ストライプのTシャツに、同じく黒い短パンを穿いている。上下共にブランド物らしく袖口やポケットの縁取り等が洒落ており、元来のスタイルの良さと相まってファッションモデルのようだ。
「おっかしいなぁ。んと、こっちかなぁ?」
 俺の予想は当たっていたらしく、玄関付近で何かを探しているようだ。恐らく出先でバッグを開き、DVDケースが入っていないことに気が付いたのだろう。俺は一旦自室へと戻り、件のケースを懐へ、携帯電話をズボンのポケットへと入れた。次いで改めて階段を下り、穏やかに声を掛けてみる。
「お前、何か探してんのか?」
「はあ?」
 桐乃は眉間に皺を寄せて不機嫌そうに睨んできたが、その瞳は微かに揺れている。突然の問い掛けに嫌な予感がしていると言ったところだろう。ならば敢えて素っ気なく、確信を抱ける言葉を与えてやろう。
「そういや最近、俺の友達が変なアニメにハマってんだ。星くずなんとかってタイトルなんだけどよ、お前、知ってっか?」
 俺がそう言うと桐乃は下唇を噛みしめながら全身を小刻みに震わせた。怒りの為ではなく、発覚を恐れてのことだろう。態度は尊大だが、意外と小心者のようだ。まあ、その方が俺としても今後のことがやり易い。さて、そろそろ罠に嵌めるとするか。
「返事も無しか? まあ、別に大した話でもないからいいけどよ。それよか、ちょっとコンビニ行ってくっからよ、少し留守番頼むな」
 そう言い残して、俺は玄関に立ち尽くす桐乃を横目に家を出た。少しだけ外で時間を潰した後、裏手の勝手口から家の中に入り、足音を忍ばせて階段を上っていく。
 自分の部屋の前に辿り着いて耳をそばだててみると、閉じたドアから室内の音が漏れ聞こえてくる。目的の物を探し続けているに違いないゴソゴソといった響きを聞きながら、俺は口元を歪めつつ静かにドアノブに手を掛け、物音が大きくなった頃合いを見て扉を思い切り開け放った。
「おいこらっ! 人の部屋で何やってんだっ!」
 四つん這いになってベッドの下を覗き込んでいた桐乃は、俺の叫びに慌てた様子で振り向いた。とは言え、明らかに怯えた表情でありながらも威圧的な眼差しを向けてくる。
「べっ、別にっ、何だっていいじゃん」
「判ってんだよ。お前が探してるのはこれだろ? この中のエロゲだろが」
 俺が懐からDVDケースを取り出すと、桐乃はもの凄い勢いで立ち上がり、必死に両手を伸ばしてきた。だが、容易く渡してやるつもりはない。手を払った後に身体を軽く突き飛ばし、その間にケースを背後に隠すと、桐乃は噛みつくように言い放ってきた。
「どういうつもりよっ! 返せっ!」
「返せってことは、やっぱこれ、お前のか」
「あっ、あたしのじゃないっ! 絶対に違うっ!」
「だったら何でここにいんだ? 俺の部屋で何やってたんだよ?」
「それは、そのっ、英語の辞書を借りようと思っただけよっ」
 不機嫌な声でそう言って、桐乃は悔しそうに顔を背けた。断じて認める気はないらしいが、狼狽えていることは一目瞭然だ。
「んなもん、お前も自分の持ってんだろうが。とにかく、これはお前の物じゃねえんだな?」
「あ、当たり前じゃん」
「んじゃ、警察に電話しねえとな」
「えっ? ちょっ、何でよっ?」
「誰のだか判んねえもんが家ん中にあったなんて問題じゃねえか。泥棒が忘れてったのかもしんねえし、詳しく調べて貰わねえとな。その前に親父たちに連絡しとくか」
 ポケットから携帯電話を取り出し、不安を煽るべく殊更ゆっくりと登録番号を呼び出していく。桐乃の顔は真っ青だ。目尻に涙まで浮かべている。他愛ない誤魔化しからここまでの大事になるとは思っていなかったに違いない。
「ちょっと待ってっ、勘違いしてたっ、その、それっ」
「お前のなんだろ?」
 努めて低い声で尋ねると、桐乃は左右に視線を彷徨わせた後、首を小さく縦に振った。しかし、まだ不満そうに唇を尖らせている。
「適当な態度で済む話じゃねえぞ。はっきり言え」
「だ、だから、その、あたしのだってば……」
 渋々といった口調で桐乃はそう告げ、少しだけ俯いて上目遣いに俺を見つめてきた。その弱気で媚びた視線に勝利を確信していると、幾分躊躇いがちに言葉を掛けてくる。
「ね、ねえ。やっぱ、おかしいと思う?」
「あ?」
「だからその、そういうの。あたしが持ってたら、おかしいかって聞いてんの……」
「どっちのこと言ってんだよ? アニメのケースか? エロゲか?」
「……両方」
「俺は別に構わねえけどな。それより、このことを親父たちに黙ってて欲しいか?」
 意地の悪い口調で尋ねると、桐乃は再度頷いた。
   ★★★
 エロゲーの件を内緒にする条件として、今すぐこの場で下着姿になるように告げると、桐乃は真っ赤になりながらも素直に服を脱ぎ始めた。即座に拒絶されると思っていたのだが、恥ずかしそうにしてはいても逆らおうとする素振りはない。若干十四歳にしてエロゲーを嗜んでいるだけあって、性に対する好奇心が旺盛であるが故に抵抗感が少ないのだろう。勿論、これは最初の一歩に過ぎない。いずれは自ら全裸になることを望み、尻を左右に振りながら口での奉仕を願い出てくるような女に仕上げてやるつもりだ。
「ねえ、その、下も脱がなきゃダメ?」
 Tシャツを脱いでオレンジ色のブラジャー姿になった桐乃が、恐る恐るといった口調で聞いてくる。もう少しボリュームがあるかと思っていたのだが、胸のサイズは八十二前後といったところか。
「当たり前だろが、早くしろ」
「わ、判ったから、あんまり偉そうに言わないでよ」
 桐乃は拗ねた顔をしながらも短パンを脱ぎ捨て、オレンジ色のショーツの前を両手で隠して俯いた。デザインからすると、どうやら上下組の下着らしい。
「これでいいんでしょ? もう服着てもいい?」
「阿呆か。これからがいいところじゃねえか」
 嘲るようにそう言ってから、俺はジャージのズボンとトランクスとを膝下まで下げた。
「きゃあああっ! ちょっとヤダっ! 何でアンタまで脱いでんのよっ! 変態っ! どういうつもりよっ!」
 桐乃は慌てて顔を手で覆ったが、指の間からしっかりと覗き見ているのが丸判りだ。布地から両の足首を抜き、半勃起している陰茎を更に眼の前へと晒してやる。
「お前をオカズにしてオナニーするに決まってんだろが」
「ええっ? オ、オカズって何っ? あたしに何かさせる気なのっ?」
「何だ? チンポ触りてえのか?」
「そっ、そんなある訳ないでしょ! この露出狂っ!」
「なら自分でやっから、お前はそこに立ってろ。そのくらいならいいだろ?」
 淡々とした口調で問い掛ながら、俺は一物に右手を添えてゆっくりと扱き始めた。桐乃は返事もせずに従順に立ち尽くし、相変わらず指の隙間からじっと様子を伺っている。
「ちょっ、ちょっとっ、あんま近付かないでよっ」
「いいじゃねえか。お前のマンコに突っ込むつもりはねえんだし。それよか、そのままちゃんと立ってろよ?」
 言い聞かせるように告げてから桐乃の正面に屈み込み、ショーツの股布に鼻先を近付けてみる。微かに酸味を帯びた汗の臭いと甘い体臭とが混じり合い、その芳しさが心地良い。
「なっ、何やってんのよっ! きゃっ!」
 突然の俺の行為に驚いたらしく、桐乃は即座に両手でショーツを隠そうとしたが、肉茎を直視して小さく悲鳴を上げ、再びその手で顔を覆った。
「あんま騒ぐな。マンコの匂い嗅いでるだけだろが。触ったりしねえからよ」
「ヤダっ、そんな近付かないでっ。息が当たってるってばっ」
「今すぐ親父に電話してもいいんだぞ? それが嫌なら黙って立ってろ。ついでにもっと股拡げてみろ」
「くっ……」
 悔しそうに呻いたものの桐乃は指示に従い、両脚を震わせながら少しずつ開いていった。露わになったショーツの股布の部分は柔らかそうにふっくらと盛り上がっており、布地に触れることのないように注意深く顔を寄せると濃密な淫臭が漂ってくる。まさかこの状況で秘所を濡らしているとも思えないが、匂いの強さは相当なものだ。決して嫌な香りではないものの、からかってやるにはいい材料だろう。
「おいおい、染みが出来てんぞ? お前、俺のオナニー見てマンコ濡らしてんのか?」
 当然のことながら視認できる範囲に愛液の跡などは見当たらないが、俺がそう言うと桐乃は文句を述べてくることもなく、両手で顔を隠したまま掠れた声で呟いた。
「ご、ごめん、なさい……」
 その言葉に俺は耳を疑った。謝ってきたということは、本当に淫蜜を分泌していて、且つその自覚があると言うことだ。その光景を見たいと思うのは男として当たり前の話だが、急いては事を仕損じるということもある。ここは放置して焦らしてやるべきかもしれない。自ら刺激を求めてくるようになれば、濡れた秘所など後々好きなだけ鑑賞することが出来る。
「もういい。服着て自分の部屋に帰れ」
 僅かに間を置いてから俺がそう言うと、桐乃は手を除けて呆然とした顔を向けてきた。
「えっ? ど、どうして?」
「別に理由なんかどうでもいいだろが。それより勘違いすんなよ? 今後も俺の命令には絶対服従だぞ? いいな?」
「う、うん、判った。けど、ほんとに今はいいの?」
「いいから早く部屋から出てけ。取り敢えずエロゲは返してやっからよ」
 そう言って俺がトランクスとズボンを穿き直すと、漸く桐乃も床に脱ぎ捨てていた衣服を身に着け始めた。
   ★★★
 その後、桐乃がDVDケースを持って俺の部屋を出て行ってからは特に何事もなく過ぎた。と言っても、廊下やリビングで顔を合わせる度に桐乃は恥ずかしそうに俯き、何度も甘い息を吐いていた。今までの態度からすると不自然な素振りではあったが、その都度何か命令されるとでも思っていたか、もしくは俺の生殖器の形状でも脳裏に浮かべていたに違いない。欲求不満の募り具合を確認する術などないが、上手く対応すればトップレス姿くらいは見せてくれたことだろう。それでも俺は時折向けてくる熱い眼差しを無視して平常通りに振る舞い、食事と入浴を済ませると、自室のベッドで早々と眠りに就くことにした。我慢した分だけ後の収穫が増えるのであれば、可能な限り肉欲を抑制し、来るべき時に備えておくに限る。
 そして、その夜。
 身体に伸し掛かる重みで俺は眠りから覚めた。瞬きを繰り返しながら確認すると、いつの間にか掛け布団が剥がされている。代わりに覆い被さってきているのはパジャマ姿の桐乃だ。故意に焦らしていたとは言え、まさか初日の晩からこんな行動に出てくるとはまでは予想しておらず、俺は大いに狼狽えた。
「おっ、お前っ、何やってんだよっ? どういうつもりだっ?」
「あっ、起きた? えっと、あの、アンタ、あたしで、その、だ、出したかったんでしょ?」
 桐乃は照れ臭そうに小声でそう囁くと、身体をより強く密着させてきた。柔らかな感触と甘い匂いに思わず抱き締めてしまいそうになったが、俺は何とかそれを堪えた。まずは真意を質しておかねばならない。
「んだよ、夜這いのつもりか? ほんとに犯しちまうぞ?」
「ちっ、違うってばっ。あたしはただ、アンタが辛いんじゃないかと思って。男の人って出さないと満足できないんでしょ? だからその、どうしてもって言うなら、その為にもう一回ぐらいは下着見せてあげてもいいかなって」
「わざわざオカズになりに来たのかよ? つまり、俺のチンポがまた見てえってことだな?」
「べっ、別にそんなの見たくなんかないわよっ。でもゲームのこと内緒にしてもらう為に仕方なく、そう、仕方なくなんだからね? アンタだってちゃんと出せば、今後はあたしに何も言えなくなるっしょ?」
 桐乃の言葉に俺は緊張を解きつつ含み笑いを浮かべた。それなりに筋の通った理屈ではあるが、実妹をオカズに自慰をしたことで俺が後ろめたさを覚えるという前提からして間違っている。大体、自ら協力的な態度を取ることで逆に弱味を握ろうと考えた人間が、荒々しく鼻を鳴らしながら相手の体臭を嗅ぐものだろうか。どう考えてもそれは自身の為であり、情欲の高まりを示しているのは明らかだ。尤も単に発情しているだけであろうとも、そんな素振りを演じながら何かを企んでいようとも、俺にとっては大した問題ではない。もしもこの状態で演技するだけの余裕があるならば、より本能的な欲望を昂ぶらせてやるべく、訪れた好機を最大限に利用させて貰うだけだ。
「んじゃ、とっとと脱いで俺の横に寝ろ。この体勢じゃ何だしよ」
「あ、うん、判った。ちょっと待ってて」
 そう言うと桐乃は素直に首肯し、俺の上から退いてベッドの縁へと座った。然程の間も置かずに上着の前ボタンを外して袖から腕を抜き取り、もどかしそうにズボンを下ろしていく。その動きに躊躇いは感じらず、寧ろ嬉々とした様子に見える。もしかしたら露出狂の気があるのかもしれない。
「ほら、これでいい?」
 桐乃はそう言いながら俺の隣に仰向けになり、驚くべき事に穏やかに笑い掛けてきた。ここ数年見ることのなかった本心からの笑顔だ。返すべき言葉が見当たらず、俺は黙って頷いた。
「でも、あんまジロジロ見ないでよね」
 いつも通りの口調に少しばかり安堵しながら半身を起こし、薄闇の中に晒け出された下着へと目を向けてみる。ブラジャーもショーツも赤地でレースがふんだんに使われており、透けて中身が見えると言うことはないが、中学生が身に付けるには相応しくないものだ。それでも常に派手な服装をしている桐乃には充分に似合っている様に思えた。
「そのままでいろよ?」
 俺は半裸の妹を見つめながらパジャマのズボンとトランクスを下げて足を抜き、元の位置へと身体を横たえた。そのまま自身の右手で陰茎を上下に扱き、徐々に硬度を上げていく。桐乃は幾分困り顔だが、時々俺の股間に目を向けては悩ましい吐息を漏らしている。倒錯的な状況に性欲が刺激されているのだろう。頻りに内腿を擦り合わせている様子からすると、更に昂奮させてやれば今晩中に和姦に持ち込むことが可能かもしれない。
「なあ、お前の方から言ってきたんだし、少しは触ってもいいんだろ? このままじゃ刺激が足りねえんだよ」
 一物は既に限界まで勃起しているのだが、俺は敢えてそう言った。肌の温もりを楽しむと同時に桐乃にも少しばかり快楽を与えてやりたい。加えて、その許容範囲を確認する意味合いもある。
「ええっ? そ、そんなのダメに決まってるじゃん」
「下着の上からだったらいいだろが。どうしても駄目ならお前が俺に触れ。チンポ掴んで扱いてくれよ」
 桐乃はすぐに返答せず、横になったまま恐る恐るといった風に俯き、俺の手の動きをじっと見つめてゴクリと喉を鳴らした。
「あ、あたしが、兄貴のを?」
「おっ? やってくれんのか? 何だったら間近で見てもいいぞ?」
「だ、だから別に、見たくなんかないんだってばっ」
 不機嫌そうに言いながらも桐乃は男根に視線を据えたままだ。嫌悪感よりも好奇心の方が勝っているらしい。だが、その表情には徐々に不安の色が見え始めた。
「……やっぱダメ。出来ない」
「あれも駄目これも駄目じゃ話になんねえだろうが。お前をオカズにしてザーメン出さねえと安心できねえんだろ? だったらせめてブラ外せ。乳首ぐらい見せろ」
「そっ、そんな……」
「早くしろ、止めて寝ちまうぞ?」
 厳しい口調でそう言うと、桐乃は下唇を噛み締めて悲しげに目を伏せた。最早平素の高慢な振る舞いの影もなく、それはそれで面白い反応だったが、あまり強引に事を進めると性的行為に対して恐怖感を抱いてしまうかもしれない。僅かに焦らしてやっただけで、こうして夜這いの真似事までしてくるようになったのだ。臨戦態勢にある我が愚息には申し訳ないが、より心と身体を開かせる為にも、ここは改めて突き放しておくべきだろう。
「嫌ならとっとと出てけ。俺はもう寝る」
 そう言って一物から手を離し、やる気を失った事を示す為に意図的に大きく息を吐くと、思惑通りに桐乃が困惑した顔を向けてきた。要求を拒みながらも行為の終わりを残念に思っているのか、庇護を求める子供のように潤んだ瞳を揺らしている。こうして精神的に優位な状態で観察してみると、その性格の扱い易さがよく判るものだ。
「えっ? だって、その、あたしを……」
「嫌なら結構だって言ってんだよ。お前も自分の部屋に帰って寝ちまえ」
 吐き捨てるように告げながら、俺は脱ぎ捨てたトランクスに手を伸ばした。
   ★★★
「話があるから、ちょっと来て」
 ベッドの上で互いに元のパジャマ姿になると、桐乃は懇願するように小声でそう言い、俺の手をそっと握ってきた。自慰を中断させてしまったことに責任を感じているのだろう、かなり意気消沈した様子であり、仕方なく付き合ってやることにしたのだが、連れて行かれた場所はすぐ隣にある当人の部屋だった。昨春、桐乃が中学に上がったのを機会に、碌に使っていなかったボロ和室をリフォームした洋室だ。改装してから一度も入室する機会はなかったが、元々俺の部屋より格段に広く、現状ではベッド、クローゼット、勉強机、本棚、姿見、CDラックなどが所狭しと置かれている。その妙に甘ったるい匂いのする空間の中央、床に敷かれた猫の座布団の上に胡坐を掻くと、俺は桐乃に問い掛けた。
「で? 何か用があんだろ? 早く言えよ」
 既に眠気は覚めていたが、こんな場所に長居するつもりはない。室内に充満している桐乃の体臭に、興奮から冷めつつあった陰茎が再び勃起し始めているからだ。相手の肉欲を高める為に自慰を半ばで取り止めたのに、このままでは俺自身が暴走してしまいかねない。
「その、相談があるの。でも、バカにしないって約束して……」
「んなことしねえから、とっとと用件を言え」
「ほんと? 絶対? 嘘だったら許さないかんね?」
「しねえって言ってんだろうが。お前がそう感じたなら、その時は俺を好きにしろ」
「好きにって、その、何でもっ?」
 桐乃はそう言うと、俺の顔と股間とを交互に見つめて顔を赤らめた。一物に興味があることは判然としているが、ならば手による奉仕を何故に拒んだのか理解に苦しむところだ。もしもそのことを今になって後悔しているのであれば、慈悲の心で直接触れる機会をもう一度用意してやってもいい。
「殴ろうが蹴ろうが裸にして触ろうが匂いを嗅ごうが、お前の好きにしろ」
「は、裸で匂いって……んくっ……う、うん、判った」
 発言の途中で明らかに生唾を飲み込んだのには苦笑を禁じ得なかったが、桐乃は意気揚々とした足取りで部屋の隅へと歩いて行き、キャスター付きの本棚を両手で横にスライドさせた。そうして現れたのは洋室には不似合いな和風の襖だ。貼り紙の山水柄には見覚えがある。
「おい、それって前にこの部屋で使ってた奴か?」
「うん。よく判んないけど、押し入れだけそのまんま残ってたんだよね。前は別の棚が置いてあったから、業者さんがリフォームし忘れちゃったのかも。多分、お父さんたちもこのことは知らないと思う。んで、今はあたしの隠し収納スペース」
「欠陥工事じゃねえか。今からでも言えば多少は代金返してくれんだろ」
「止めてよ。これはこれで便利なんだからいいの。それより、約束したんだからバカにしないでよね?」
 念を押すように告げてから、桐乃はゆっくりと襖を開けた。内側は普通の押し入れだが、中にはアニメのDVDボックスやエロゲーの箱、その他関連グッズと思われる品々が山のように積まれている。桐乃はその一部を大切そうに手に取ると、俺の正面に歩み寄って屈み込み、床の上へと並べ始めた。全てエロゲーの箱らしく、『妹☆らぶみー!』『しゅ~てぃんぐ妹スター』『妹ぱらだいす!』『妹調教日記』『妹ペット』『妹孕ませっくす』『妹たちは俺のモノ』『俺と妹の校内プレイ』『妹いじくり学習にっき』『オレの妹のエロさが有頂天でとどまる事を知らない』『ボクは妹専用ザーメンタンク』『ごっくん! おにーちゃんみるく♪』『俺の妹は、ツンデレで変態でした』『ツンデレ妹はおしゃぶり中毒』『ツンデレ妹は孕ませ希望の発情期?』『ツンデレ妹と無人島子作り』等々、タイトルからして嗜好性がはっきりと判るラインナップになっている。より扇情的なサブタイトルが付いている物も多く、眺めているだけで目眩がしてきそうだ。
「おい、まずは基本的なことから聞くぞ? 金はどうした? 月々お前に渡してる小遣いだけじゃこんなに買えねえだろうが。万引きとかしてんじゃねえだろうな?」
「あれ? お母さんから聞いてない? あたし、雑誌の専属モデルやってんだけど……」
 取り澄ました顔でそう言うと、桐乃は立ち上がって本棚から数冊の本を抜き出し、俺の前に差し出してきた。ティーンズ誌と呼ばれる類のファッション雑誌で、受け取ってパラパラと開いてみると、確かにページの彼方此方でポーズを決めているのは桐乃だ。
「んなことやってたのかよ。ああ、この服なんかいいな。可愛さ三割増しってとこか?」
「ほんとっ? ほんとに可愛いって思うっ?」
「まあな。つうか、元から見てくれはいいじゃねえか。だからモデルとかやれてんだろ? それよりこれ、結構名の知られた雑誌だろうが。お前、有名人なんじゃねえのか?」
「別に大したことないよ、こんなの。アルバイトみたいなもんだし」
 桐乃はそう言いながらも満面の笑みを浮かべている。褒められたことが余程に嬉しいのだろう。
「けどよ、アルバイトにしたってギャラはきっちり貰ってんだろ? 幾らだ?」
「んー、撮影日数にもよるけど、今んとこ月に最低で二十万ぐらいかなぁ。多い時は四十万とか五十万とか。それに年間契約料とかもあるし」
 その答えに俺は唖然とした。例えモデルの給与として分相応であろうとも、中学生に与えていい金額ではない。
「おいおい、まさかその金、全部エロゲに注ぎ込んでんじゃねえだろうな?」
「んな訳ないじゃん。ちゃんと貯金もしてるってば。ゲームは月に二本までって決めてるし」
「なら、いいけどよ。で、何でお前、妹もんのエロゲばっか持ってんだよ?」
 そう尋ねると、桐乃は再び俺の眼前に座り込んだ。そのまま床に手を着いて四つん這いになり、うっとりとした表情でにじり寄ってくる。何となく身の危険を感じて俺が後退ると、更に近付いて手を伸ばし、勝手に頬を撫で擦ってくる始末だ。
「妹ものじゃないもん」
「ちょっ、お前っ、何言ってんだっ?」
 俺は尚も後ろに下がったのだが、程なく背中が壁に当たり、それ以上は逃げられない状態になった。そんな俺を見て桐乃は妖しく微笑み、身体を強く密着させて耳元に口を寄せてくる。
「待てっ、落ち着けっ」
「あたしにとっては、お兄ちゃんものだもん」
 甘えた口調でそう言うと、桐乃は俺の頬に唇を押し当ててきた。
「なっ? お、おいっ」
「んっ……はぁ……ほっぺたにキスしちゃったぁ……」
 唇を離してそう呟いた後、桐乃は覚悟を決めたかのような顔付きで立ち上がり、自身のパジャマの前ボタンへと指を掛けた。
「ちょっ、お前っ、何する気だよっ?」
 そんな俺の問い掛けに答えることもなく、桐乃はボタンを外していく。そのまま上着とズボンを脱ぎ捨て、今度は躊躇いなくブラのホックを外して床へ落とし、両手で素早く乳首を隠してショーツ一枚のセミヌード姿となった。
「さっきはごめん。でも、これが今のあたしの限界……」
「今のって、お前……」
「その代わり、もう嫌がったりしないから。今度はその、してあげるから……」
「あ?」
「だから、その、兄貴のを、あたしがしてあげるから……」
 桐乃はそう言って、真っ赤な顔と真剣な眼差しを向けてきた。
   ★★★
「じゃ、じゃあ、触るね」
「ああ、頼む」
 ベッドの縁に腰掛けた俺が頷くと、桐乃はその正面に跪き、陰茎をそっと握り締めて上下にゆっくりと扱き始めた。初めての奉仕に緊張した様子ではあるが、表情は弛んでおり、口元には薄っすらと笑みさえ浮かべている。相変わらずショーツ一枚の姿で、乳房の先を片腕で隠してはいるものの、隙間から撫子色の乳輪が見えていることには気付いていないようだ。ちなみに俺はズボンとトランクスを脱いで下半身だけを露出させている。
「ど、どっかな? 気持ちいい?」
 事前に指示しておいた通りに手の動きを少しずつ速めながら、上擦った声で桐乃が聞いてくる。動作は稚拙だがそれなりに心地良く、まずは合格点を与えてやってもいい。何よりあの小生意気な妹に一物を愛撫させているのだと思うと、それだけで気分が高揚してくる。
「ああ、上手く出来てんぞ。お前はどうなんだ?」
「えっ? どうって?」
「こうして手コキすんの初めてなんだろ? それとも経験済か? 実はヤリまくってるとか」
「んな訳ないじゃんっ! まだ処女だもんっ! オチンチン触るのなんか初めてに決まってるっしょっ!」
 桐乃は険しい顔付きで怒鳴った後、頬を大きく膨らませた。それでも肉茎から手を離すことなく、命令通りに擦り続けている。
「んな怒んなよ。悪かったって。で、初めて触った感想は?」
「あ、えと、思ってたよりも熱くて、その、大っきくて硬いなぁって……」
「んじゃ、もう少し早く動かしてみろ。もっとデカくて硬くなったとこ見せてやっからよ」
「う、うん、判った」
 桐乃は即座に言葉に従い、段階的に動作を加速させていった。献身に没頭しているが故に隙だらけであり、左乳首が殆ど丸見えになっている。
「あはっ、先っぽ濡れてきたよ? これって我慢汁っていうやつだよね?」
「よく知ってんな」
「だってゲームによく出てくるもん。何かこうして見てるとオチンチンって可愛い」
 体液を漏らし始めた亀頭の先をじっと見つめ、桐乃は嬉しそうに微笑んだ。試しにその頬に触れてみると、擽ったそうに首を竦めただけで嫌がる素振りはない。この分ならもう少し言いなりに出来そうだ。
「なあ、やっぱ乳首、見せてくんねえか?」
「そ、それはダメ。恥ずかしいもん」
 僅かに目を伏せながら、困ったように桐乃が言う。だが、その視線は左右に揺れ、迷っているように見える。モデルの件で褒め言葉に弱いことが判っている以上、ここはもう一押ししておきたい。
「お前の可愛い乳首見ながら出してえんだよ。頼むから見せてくれ、な?」
「か、可愛いって、見たことなんかないくせに……」
「お前がこんだけ可愛いんだからよ、乳首だって可愛いに決まってんじゃねえか」
 頬を撫でてやりながら優しくそう囁き掛けると、桐乃は照れ臭そうに笑い、小さな声で問い掛けてきた。
「そ、そんなに見たいの? じゃあ、あたしのお願いも聞いてくれる?」
「んだよ? 言ってみろ」
「唇に、その、キスしてもいい? それなら見せてもいいけど……」
 桐乃は真顔になってそう言うと、縋るような眼差しを向けてきた。先刻の言葉通り、エロゲを買い漁っていたのは俺との関係を疑似体験する為だったようだ。それならそれで話が早い。こうして素直にねだってくるのなら、御褒美にキスぐらいは与えてやってもいい。
「いいぞ。その代わし俺にも条件がある。後は自分でやっから胸にザーメン掛けさせろ。その後で俺の方からキスしてやる」
 桐乃は俺の言葉に頷くと、躊躇することなく胸から腕を除けた。余すところなく晒け出された乳房は丸みを帯びながらも少女らしく上に張り、その先の可憐な乳首は小さく愛らしく、肌の色をほんの少しだけ濃くしたかのように色付いている。想像以上の眺めの素晴らしさに、俺は堪らず自慰を始めようとした。しかし、桐乃は手を離さずに男根を愛撫し続けている。
「おい、後は俺がやるって言ったろうが」
「お願いだから、あたしにさせて。兄貴のこと、気持ち良くしてあげたいの。このままオッパイ見てていいから。好きなだけ掛けちゃっていいから。ね?」
 嘆願するように桐乃は言い、乳房を露出させたまま身を乗り出してきた。いつの間にか手の動きからぎこちなさが抜けており、俺の陰茎は限界が近い。
「んなこと言われてもよ、もう出ちまいそうだ」
「でっ、出ちゃうのっ? あたしはどうすればいい?」
「チンポの先に乳首押し当てろ、どっちのでもいいから。そのまま出す」
「わ、判った」
 言われた通りに桐乃は身を屈め、左の乳房の先を亀頭に強く押し当てた。俺は微かに勃起した乳頭の感触を楽しみながら精液を放ち、次いで桐乃の顎に手を添えて、その柔らかな唇を奪った。
   ★★★
「ほら、じっとしてろよ」
「だってぇ……んっ……恥ずかしいしぃ……あんっ……くすぐったいんだもぉん」
 胸に付着した精液を俺にティッシュで拭かれながら、桐乃はそう言って気持ち良さそうに目を細めた。触れる度に艶めかしく揺れる柔らかな乳房と、硬く尖っていく愛らしい乳首を前にして、露出したままの俺の陰茎はまた勃起し始めている。行為の後処理の最中ではあるが、この心地良い時間を終わらせるのが惜しくなり、俺は桐乃に呼び掛けた。
「なあ、桐乃」
「兄貴に名前で呼ばれるの久し振りぃ……んはぁ……嬉しい……」
 幸せそうに笑いながら、桐乃は媚びた視線を向けてきた。これなら事前に許可を得る必要もないだろう。俺は桐乃の身体を正面から抱き寄せ、もう一度唇にキスをした。同時に手の中のティッシュをシーツの上に落とし、左の乳房を下から押し上げて優しく揉み解してやる。
「んむっ……んっ……はぁ……ちょっと待って……あむっ……むうっ……」
 突然のことに驚いたのだろう、桐乃は目を見開いて俺の身体を押し退けようとしてきたが、その態度も力も弱々しく、本心から拒んでいる訳ではないようだ。足らない覚悟を後押ししてやるべく、俺は桐乃の口の中に強引に舌を挿し入れた。口腔を荒々しく舐め回し、舌を絡め取って唾液を味わい、ついでに乳房を揉む手に力を込め、指先で乳首も擦ってやる。途端に桐乃は蕩けた表情になって目蓋を閉じ、身体から力を抜いて一切の抵抗をしなくなった。
「んぶっ……もごっ……おぼっ……ぷはぁ、兄貴ぃ……はむっ……んぼっ……もごっ……」
 一頻りそんな状態を楽しんだ後、俺は手早く上着を脱いで全裸になり、桐乃の耳元に口を寄せ、努めて優しく囁き掛けた。
「怖がんなくていい。俺もお前のこと、気持ち良くさせてえだけだから」
 桐乃はその言葉に虚ろな目で頷き、そっとしがみ付いてきた。その細い身体をベッドの上へと押し倒し、首筋に舌を這わせていく。併せて乳房への愛撫を再開すると桐乃の口から切ない吐息が漏れ始め、右乳首を口に含んでやった瞬間、それは確かな喘ぎ声となった。
「んはあっ……そんなあっ……くふうっ……ペロペロしちゃダメえっ……」
 身体を小さく震わせながら、桐乃は俺の背中に手を回し、そこにいるのを確認するかのように何度も何度も撫で擦ってくる。俺は尖りきった乳首の仄かな甘さを味わいながら、乳房に当てていた手を少しずつ下げていった。腹部、腰、太腿を経て下着の上から恥丘を撫で、股布の部分から指を潜り込ませて薄い陰毛の感触を確かめる。更に指先で淫裂を何度かなぞり、淫核を軽く摘み上げてやると、桐乃は叫び声を上げながら総身を大きく跳ね上げた。
「うくはああああっ……ふひあっ……あふうっ……ふはぁ……んふぅ……」
 両の内腿を小刻みに引き攣らせているところを見ると、どうやら軽い絶頂を迎えたらしい。余韻に浸り始めた姿を見ている内に俺は我慢が出来なくなり、桐乃のショーツを剥ぎ取って両脚を強引に開かせると、その間に座り込んで淫裂を舌で舐め上げた。
「んふはあっ……そこ舐めるのはダメえっ……はくひあっ……ヤダヤダヤダあっ……くふひあっ……これ以上はダメだってばあっ……あくふうっ……止めてお願いいっ……」
 今度は心底嫌がっているようだが、達したことで身体に力が入らないらしく、桐乃は僅かに四肢を揺り動かしているだけだ。それでも一応は蹴られたりしないように太腿を抱え込んでから、俺は肉溝の中へと舌を侵入させた。淫唇を押し広げて膣口を直接舐め、舌を挿し込んで膣肉を味わい始めると、桐乃は諦めたように手足から力を抜き、俺にされるがままとなった。
「かひはあっ……ダメなのにいっ……ひくふあっ……こんなのダメなのにいっ……」
 言葉ではそう言いながらも、全く肉悦を感じていない訳ではないようだ。その証拠に舌先を濡らしてくる愛液は少しずつ量を増しており、時に震える腰を自ら押し付けてもきている。最早ここで中断するなど有り得ない話だ。俺は改めて桐乃の身体の上に覆い被さり、その艶やかな髪を撫でてやりながら小さな声で語り掛けた。
「今からお前を女にしてやる。俺の女にな」
「ええっ? ちょっ、ちょっと待ってっ! それだけはダメえっ!」
 元々性交までは許す気がなかったらしく、桐乃は俺の言葉に青ざめ、怯えた顔で何度も首を横に振った。が、未だに脱力し続けているようで、碌な抵抗も出来ずにいる。俺は無視して一物の先を濡れた膣口へと押し当てると、桐乃の両手をベッドに押さえつけ、ゆっくりと挿入を開始した。
「ダメだってばあっ……くふあっ……お願いだから止めてえっ……んひうっ……他のことなら何でもするからあっ……」
 目に涙を浮かべる桐乃を尻目に肉茎を押し込み始めた途端、先端に強い抵抗感を感じた。どうやら処女膜のようだ。尻と下腹部に力を込めて男根の硬度を上げ、それを少しずつ押し拡げていく。
「んくひっ……痛っ……ひぎいっ……痛いよおっ……かはあっ……痛いってばあっ……うくあっ……ヤダあっ……あひうっ……嫌あっ……ふぐうっ……こんなの嫌あっ……」
 あまり喚かれても興が削がれるかと思い、俺は桐乃の口を唇で塞ぎ、強引に舌を絡め取りながら腰を前に突き出していった。桐乃は痛みに顔を歪め、今や本気で泣いていたが、その膣内の抵抗感は刻々と減っていき、やがて肉棒を根元まで呑み込んだ。初物の生殖器内は背筋が震える程に心地良く、亀頭の先端に当たる硬い子宮口の感触も堪らない。これが初の性交であるが故に加減など出来る筈もなく、俺はそのまま容赦なく腰を振り始めた。
「むぶぐっ……もごぶっ……んむぐっ……おぶもっ……むぶごっ……んぼおっ……」
 暫く抽送を続けていると、多少は痛みに慣れたのか、桐乃は微かに穏やかな顔付きになってきた。未だに涙腺を緩ませ苦し気に呻いてはいるが、ここまで来れば暴れて逃げ出すようなことはないだろう。射精限界が近付いてきたこともあり、俺は頃合を見て唇を離すと、その耳元で素っ気なく告げた。
「このままマンコの中に出すからな」
「んくっ……ちょっ……あうっ……ちょっと待ってっ……ひあっ……待ってってばあっ……」
「おら、受け取れっ!」
 そう言い終わると同時に膣奥に精液を放出し始めると、桐乃は信じられないものでも見たかのように大きく目を見開き、横に首を振り続けながら大きな叫び声を上げた。
「んくひいいいっ……嫌嫌ああっ……あぐうっ……今すぐ抜いてええっ……ひはあっ……こんなの嫌ああああああっ!」
   ★★★
「うぐっ……ひっぐ……ふぐっ……ひぐっ……」
 膣内射精の後も桐乃は延々と涙を流し続けた。文句を言ってくることはないが、解放してやった両手で顔を覆い、一向に泣き止む気配がない。時々嗚咽に合わせたように膣内の柔肉が蠢き、未だ挿入し続けている陰茎をきつく締め上げてくる。その痛みを伴った快感に既に一物は再戦可能となっているが、この状態で腰を振るのは流石に気不味い。
 だが、エロゲーのラインナップやその後の行動から、桐乃が俺を慕っていることは間違いない。扱い易い性格であるという利点も判明していることだし、ここは優しく宥めて完全に堕としておいた方がいいだろう。
「悪かった、桐乃。でもな、お前のことが好きだから我慢できなかったんだ」
 諭すようにそう言ってやると、桐乃はゆっくり手を下ろして俺を見つめてきた。言葉の真意を探ろうとしているのか、腫れた目を少しだけ細めている。
「ぐすっ……あたしのことが……ひくっ……好き?」
「ああ、好きだ」
「すんっ……ほんとに?」
「ほんとだ。だから、もう泣くな」
 そう言って顔を近付け、目尻の水滴を舐め取ってやると、桐乃は徐々に微笑み始めた。好きだと告げられたことで許す気になったのか、先刻と同じように俺の身体に両腕を回し、背中をそっと撫でてくる。陥落寸前と言ったところだが、関係を曖昧なままにしておくと今後も何かと揉めそうだ。言質を取っておく為の手段として、俺は敢えて自嘲気味に笑い、掠れた声で呟いた。
「好きだからこそ、途中で止められなかったんだ。けど、そんなの勝手な言い草だよな。お前にしてみれば、好きでもない俺とこんなことになって、辛くて嫌だったろうに。本当に悪かった。ごめんな、桐乃」
 その言葉に桐乃は一瞬呆けた表情を浮かべた後、真顔になって首を小さく横に振った。
「あ、あのね、あたしも、ずっと前から兄貴のこと、その、好きだったから……」
「ありがとな。けど、気を使ってくれなくてもいいんだぞ? 悪いのは俺なんだし」
「ううんっ、ほんとに好きなのっ、大好きなのっ。だけど兄妹だし、こうして抱き合うなんて無理だって思う気持ちもあって、その、辛く当たったり無視しちゃったりしてたけど。でもやっぱり大好きで、だから初めての相手が兄貴でほんとは嬉しいの」
 躊躇いがちにそう言うと、桐乃は顔を上げて目を閉じ、唇を差し出してきた。キスして欲しいということだろう。これで和姦も成立したことだし、止めを刺しておくべきか。
「俺も初めての相手がお前で嬉しかった、大好きだぞ、桐乃」
 そう言って顎に手を添え、短いキスを与えてやる。次いで額や腫れた目蓋、鼻先や頬に唇を押し当てていくと、桐乃もうっとりとした表情で俺の顔中に口付けを浴びせ返し、やがて甘えた声で囁き掛けてきた。
「ねえ、このままもう一回して。嫌がったりしないから」
「でもよ、まだマンコ痛えんだろ?」
「頑張って我慢するから。あたしね、兄貴に抱いて貰えてほんとに嬉しいの。さっきは無理矢理だったし、その、心の準備も出来てなかったから怖かったけど……」
「けどなぁ」
「お願い。好きなようにしてくれて構わないから。あたし、ちゃんと兄貴のものになりたい」
   ★★★
「どうだ? まだ痛むか?」
「かはっ……何とか……ひうっ……大丈夫そう……んあっ……もう平気かも……」
「ならいいけどよ、無理はすんな。痛い時はちゃんと言えよ?」
「くうっ……ありがと……はうっ……でもほんとに平気……んあっ……もっと速くしてもいいよ……」
 ベッドの上で胡坐をかいた俺に座位の状態で秘所を貫かれながら、桐乃はそう言って健気に笑い掛けてきた。事前の発言通りに嫌がる素振りは全くなく、時に顔を歪めながらも俺の首に両腕を絡め、嬉しそうに身を任せてくれている。まだ然程快感を得ている様子はないが、現在この家に住んでいるのは俺たち二人だけであり、こうして性交を受け入れてくれた以上、十四歳の未成熟な身体に肉悦を叩き込む時間は幾らでもある。現に挿入前に桐乃に確認してみたところ、今後は学校やモデルの仕事よりも俺を優先させてくれるそうで、予め休むように言えば可能な限り指示に従うとのことだった。
「ふはぁ……それ擽ったいってばぁ……くふぅ……それに手付きもエッチ臭いよぉ……」
乳房を撫でながら半勃起した乳首を指の腹で擦ってやると、桐乃はそう言って俺の背を強く抱き、蕩けた顔付きで首と肩とを竦ませた。
「違う場所のがいいか? ちゃんと教えてくれよ。お前のこと、もっと色々知りてえんだからよ」
「あふぅ……ほんとは気持ちいい……くはぁ……恥ずかしいけどオッパイ気持ちいいのぉ……んふぅ……兄貴に触られてると思うとぉ……はぁん……それだけですっごく気持ちいいのぉ……」
 そう言って桐乃は目を細め、俺の手に自ら乳肉を押し付けてきた。どうやらもっと強く触れて欲しいということのようだ。身悶えしながら積極的に甘えてくる痴態に笑顔を返しつつ、俺は指先で胸の先端を軽く押し潰してやり、その反応を確認しながら少しずつ腰の動きを速めていった。更に腰に手を回して尻肉をも荒々しく揉んでやる。
「こうすっと、どっちが気持ちいいんだ? 乳首か? ケツか?」
「くはあっ……乳首いっ……んふうっ……乳首がいいのおっ……ひはあっ……ちょっと痛くてピリピリしてえっ……あひうっ……乳首の方が気持ちいいいっ……」
 切なそうに大きく喘ぎながら桐乃は宙を仰いだ。その艶めかしい響きや尖った乳頭の形状、甘酸っぱい体臭や手の中の滑らかな感触等々、一つ一つを確認する度に俺もまた昂奮の度合を高めていく。しかし、今は自分のことよりも桐乃により多くの快感を与えてやりたい。その為の前提条件として弱点を探し出すべく、俺は胸部を弄んでいた手を余所へと移し、首筋、項、背中、脇腹と裸身の彼方此方に触れていった。
「んひあっ……そこダメえっ……くはうっ……身体全部がゾクゾクってえっ……」
 指が肉芽を軽く擦り上げた途端、桐乃は力一杯に俺にしがみ付き、接合部から大量の体液を溢れさせた。一度放った精液や破瓜の血も混じってはいるだろうが、その大半は粘度の高い淫蜜だ。
「はんあっ……そんなに強く触られたらあっ……ひふあっ……あたしおかしくなっちゃうよおっ……」
 その反応からすると、現時点で最も敏感な性感帯は淫核で間違いないだろう。それが判ればこっちのものだ。後は肉欲を餌に指示に従うことが愛情の証だと思い込ませてやれば、いつでも好きなように調教が出来る。俺は押し当てた指の動きを加速させながら、桐乃に甘く囁き掛けた。
「気持ちいいならちゃんと言ってくれ。クリトリスがいいんだろ? そう言ってくれよ。クリトリスが気持ちいいって。エロゲにも出てくる言葉だろ? 恥ずかしがんなくてもいいんだぞ?」
「くひあっ……言っても嫌わないいっ? あひうっ……あたしのこと嫌わないいっ?」
「当たり前だろ。むしろ好きになんな。大好きなお前の声で、大好きなお前の本当の気持ちを聞かせてくれたらよ」
 大好き、という言葉に殊更力を込めてそう言うと、桐乃は裸身をくねらせながら虚ろな目になり、やがて大きく口を開いた。
「くふはあっ……クリトリス気持ちいいいっ……んくふうっ……クリトリスが気持ちいいのおっ……このままじゃあたし好きになっちゃううっ……あふひうっ……兄貴にクリトリス触ってもらうのがあっ……ひくふあっ……あたし大好きになっちゃうよおっ……」
「可愛いぞ、桐乃。マンコはどうだ? この速さでも痛くねえか?」
「ふくはあっ……まだちょっとは痛いけどおっ……はふひうっ……何だか全部溶けちゃいそおっ……かひはあっ……熱くなってジュンてしてえっ……んひはあっ……このままイっちゃいそうだよおっ……」
 酔い痴れた表情で絶頂間近であることを申告してくる実妹を前に、俺の陰茎は爆発寸前だ。その恍惚状態から察するに、精液を放つことが快楽の極みを迎える為の切っ掛けになるかもしれない。
「イく時はちゃんとオマンコイくって言うんだぞ? 俺の方もそろそろ出ちまいそうだけどよ」
「はくひあっ……だったら一緒にいっ……かはひうっ……一緒にイきたいいっ……ひふはあっ……何でも言うからあっ……くひふうっ……だから早くうっ……んひくあっ……もうイっちゃうイっちゃうよおっ……」
「ありがとな、桐乃。大好きだぞ」
 俺はそう言って桐乃にキスをし、唇を離すと同時に膣内に精液を吐き出した。加えて感謝の気持ちを表す為に肉豆を強めに擦ってやると、桐乃は身体を震わせながら不規則に腰を跳ね上げた。
「んくはふあああっ……身体の中に熱いのがあっ……かはふへあっ……染みて痛いのに何で気持ちいいのおっ……はへあふうっ……イっちゃうほんとにイっちゃううっ……うひくはあっ……オっ、オマンっ、オマンコおっ……あくふひいっ………オマンコイっくうううううう!」
   ★★★
 その後、少しだけ休息を取った後に俺と桐乃は裸のまま階下へと行き、一緒にシャワーを浴びることにした。浴槽に湯を張らなかったのは桐乃の身体を気遣ってのことだ。と言うのも、当人が以前女性誌で得たという知識によると、破瓜の直後は湯が染みてかなり痛いらしい。そんな相手を前にして一人で湯船に浸かるのも気が引けるということもあるが、何より細かい気配りをしてやることで一層慕わせることが出来れば後々の対応が楽になる。釣った魚にも一応は餌を与えておくのが俺の主義だ。 
 その甲斐あってか、桐乃は互いに身体を洗い合うことを快諾し、泡塗れの俺の手によって一頻り喘いだ後、陰茎の血や汚れを丁寧に洗い流してくれた。その手付きもさることながら、目の前には惜しげもなく晒された裸身があり、揺れ動く乳房や濡れて肌に張り付いた薄い陰毛を見ているだけでも一物が昂ぶってくる。
「んふっ、兄貴のここ、すっごい元気。ねえ、ここで出しちゃう? それとも部屋に戻ってまたする? まだちょっとヒリヒリするけど、もう一回ぐらいなら平気だよ?」
 興味深そうに俺の身体に触れていた桐乃は、そう言って洗い立ての肉茎を手で扱き始めた。先刻の行為で要領を得たらしく、しなやかな動きで擦り上げてくる。
「これからもお前のマンコ使うんだし、あんま無理させたくねえからな。そのまま手コキで頼む。それと、下手に言葉濁してねえで、はっきりチンポとかオチンポとかって言えよ」
「うん。じゃあ、オチンポ。あはっ、言っちゃった」
「あんま抵抗ねえみてえだな? エロゲ効果か?」
「まあね。必ず出てくる言葉だし。勃起オチンポとか、カリ太オチンポとか」
「俺より言葉知ってそうだな。んじゃ、その類はなるべくエロいの選んで言うようにしろよ。この先もお前のこと、ずっと可愛がってやっからよ」
 そう告げながら頭を撫でてやると、桐乃は嬉しそうに頷いた。
「じゃあ、頑張ってたくさん言うね。でもそしたらあたし、兄貴の彼女ってことでいいんだよね? 時々はデートとかしてくれる?」
「デートすんのはいいけどよ、彼女扱いするかどうかは今後のお前次第だな」
「あたし次第って、どうすればいいの?」
「その前に、お前は俺とどうしてえんだよ?」
「えっ? あたし? えっと、一緒にご飯食べて、こうしてお風呂入って、隣で寝て、デートして、あっ、あと学校とか仕事に行く前にチュウして欲しい。それと、その、エッチとかも……」
 桐乃はそう言って照れ臭そうに微笑んだ。恋人と言うよりも新妻として扱って欲しいかのような発言内容には少し呆れたが、そこまで想ってくれているのであれば全て叶えてやりたいところだ。そんな俺の気持ちを伝えて喜ばせてやることは簡単だが、まずは注意しておかねばならない。
「エッチじゃねえだろ? はっきり言い直せ」
「あ、うん。その、オマンコセックスして欲しい」
「まあ、いいだろ。今のお前の望みは全部聞き入れてやる。けどな、当面は彼女候補だ。そのことを忘れずに俺に尽くせ。そうすればいつでも甘えさせてやるし、デートだって好きなだけしてやるぞ? 先々は彼女として扱ってやってもいい。それでいいな?」
「うん、あたし頑張る。一日でも早く彼女として認めて貰えるように一生懸命尽くすから。だから兄貴、もう一度言って。あたしのこと好きだって、もう一度ここで言って。お願い」
 桐乃は真顔で切々と訴えながら、一途な眼差しを向けてきた。無論、ここで突き放すような真似などする気はない。俺は腕を伸ばして桐乃の濡れた髪を撫で、努めて誠実そうに求められた言葉を告げた。
「桐乃、好きだ。大好きだ」
「すっごく嬉しい。私も兄貴のこと、大大大好き。もうこの気持ちを隠さなくてもいいんだよね? 大好きなままでいいんだよね?」
「当たり前だ。無理なんかすんな。ずっと傍にいていいんだぞ? お前がずっと俺のことを好きでいてくれるならな」
「うんっ、それは自身あるから任せて。ありがと兄貴。お礼に勃起オチンポいっぱい気持ち良くしてあげる。でも下手だったらちゃんと言ってよね? 兄貴の気持ちいいこと、たくさん覚えたいんだから」
 桐乃は満面の笑みを浮かべてそう言い、手の動きを加速させ始めた。
   ★★★
 翌日、俺は桐乃と共に学校を休むことにした。無論、兄妹二人きりの時間を堪能する為だ。現時点で成すべきは学業ではなく実妹の調教であり、その一定の基準を満たす為ならば連日休むことになろうとも厭わない覚悟でいる。迫り来る試験の為の勉強も、前日の一夜漬け程度でいいだろう。
 更に言えば、昨日は勢いに任せて避妊し忘れていたが、当人に確認してみたところ、幸いなことにここ何日かは安全日らしいとのことだった。と言っても、特に基礎体温表等を付けている訳ではないようで、場合によっては妊娠してしまう可能性もあるのだが、膣内射精の心地良さを教え込むのに適した期間であることは間違いない。まずは事ある毎にキスと愛撫と性交とを繰り返して更に性感を向上させ、肉欲を高めてやる必要がある。
 朝になるのを待って互いの学校に欠席の連絡を入れ、裸のまま俺の自室のベッドに並んで眠り、昼過ぎに起きて乳房を愛撫してやると、桐乃は躊躇うことなく俺の陰茎に触れてきた。横になったまま柔らかな身体を自由にして喘がせ、且つ奉仕を受ける気分は格別だ。
「んはぁ……兄貴好きぃ……はぁん……オッパイ気持ちいいよぉ……」
 桐乃は撫子色の乳首を大きく勃起させ、そのことを恥じ入ることもなく、慣れた手付きで一物を扱き続けている。茎部の擦り上げに加えて親指の腹で尿道口をも刺激され、既に亀頭はカウパー液塗れだ。そんな俺の反応に昂奮しているのだろう、桐乃は自身の内腿を忙しなく擦り合わせながら媚びた視線を送ってきた。その焦れた顔付きを見れば言いたいことは判る。
「んだよ? マンコ触って欲しいのか?」
「う、うん」
「はっきり言え」
「んふぅ……触って欲しい……くはぁ……あたしのオマンコ触って欲しいのぉ……」
「なら、もっとちゃんとおねだりしてみろ」
 そう言うと桐乃は弛緩した笑みを浮かべ、俺の頬に唇を押し当ててから甘えた声を放ってきた。
「ふはぁ……あたしのいやらしいオマンコ触って下さぁい……くふぅ……クリトリスもいっぱい触って気持ち良くして下さぁい……んふぁ……もう濡れ濡れで我慢出来ないのぉ……あふぅ……お願い早く弄ってぇ……」
 陰茎を扱く手の動きを速めながら、桐乃はそう言って空いた手で俺の手首を掴み、自身の股間へと導いた。試しに肉溝を軽くなぞってみると、トロリとした液体が指の第二関節までもを濡らしてくる。
「ったく、ビチョビチョじゃねえか。はしたねぇな」
「くはぁ……だって兄貴のことが好きだからぁ……んふぅ……傍にいるだけでオマンコ汁溢れて来ちゃうんだもぉん……はふぅ……それにオチンポだって我慢汁でもうヌルヌルだよぉ……」
「仕方ねえだろが。お前の手、気持ちいいんだからよ。それよりもう一度言ってみろ。何が溢れてくんだ?」
「くぅん……オマンコ汁ぅ……はぁん……オマンコ汁が溢れちゃうのぉ……くひぁ……兄貴にいっぱい触って欲しくってぇ……ひはぁ……オマンコがダラダラ涎垂らしてるのぉ……」
 桐乃はそう告げながら俺の手をより強く秘所へと押し付けた。淫唇を擽る程度では物足りないと言うことだろう。その貪欲さに苦笑しながらも、俺は淫核を重点的に責めることにした。愛液の付着した指先で擦り、ゆっくりと押し潰し、優しく摘み上げてやる。程なく限界と思われる大きさにまで勃起し、その時点で桐乃は俺の手を解放してはくれたものの、腰を浮かせて自ら肉芽を指先に擦り付け始めた。
「おいこら、勝手にケツ振ってんじゃねえ。これじゃ俺の手を使ったオナニーだろが」
「かはあっ……だったらもっと激しく触ってえっ……はひうっ……もうそこ全部あげるからあっ……んひあっ……クリトリスもオマンコも全部兄貴にあげるからあっ……くひうっ……だからお願いあたしをイかせてえっ……」
 生殖器を献上するとまで言われては仕方がない。当人の腰使いに負けないよう、俺は手の動きを加速させた。尖り切った肉豆を人差し指で強く弾き、中指で膣口に触れ、ついでに薬指で蟻の戸渡りを刺激してやる。更には左手で乳房を掴んで先端に舌を這わせてやると、桐乃は獣じみた喘ぎ声を上げて全身を大きく波打たせた。
「うくはへあっ……それ気持ちいい凄いよおっ……あひはへうっ……オマンコも乳首も全部溶けちゃううっ……おほはひいっ……イくイっちゃうオマンコイっくううううううっ! んくはへえっ……イってるのにまた来る何これ凄いいっ……はひくほおっ……オマンコ溶けてるもう溶けてるうっ……かはくひあっ……凄い幸せオマンコイくイくううううううっ!」
   ★★★
「はふひあっ……気持ちいい気持ちいいよおっ……んふはあっ……オチンポ凄い凄過ぎるうっ……」
 愛撫によって続け様に五回ほど果てさせてやり、濁った淫蜜が股間だけでなく内腿や尻穴の辺りまで濡らしていることを確認すると、俺は桐乃をベッドの上で四つん這いにさせ、そのまま後ろから陰茎にて膣を貫いた。達した直後ということもあって桐乃は痛みに身体を強張らせることもなく、時間の経過と共に少しずつ肉体を開花させ、今では快楽に溺れて顔も身体も弛緩し切っている。既に一物の抽送によって追加で七回、計十二回も達しているのだから無理もない。後背位で性交を始めてから既に約三時間が経過しており、その間に膣奥に四度精液を放った俺はそろそろ体力の限界が近い。ある程度相手の資質が理解出来たならば、事前にもっと効率を重視した調教方法を模索しておくべきだろう。
 だが今回に限っては、その場の流れに身を任せてしまったことは決して間違いではなかったように思う。現に今、桐乃は目の前で大きく喘ぎながら白く肉付きのいい尻をくねらせており、ヒクヒクと蠢く尻穴や愛液が糸を引きながら垂れていく様子などの淫靡な眺めは、心地良い昂奮と深い満足感をもたらしてくれる。本音を言えば何度か尻たぶを叩いて赤い手形を残したいところだが、そんな行為は現時点ではまだ早い。被虐性を高めてやるのは常時発情するようになってからの話だ。尤も桐乃は最早その域に達していると言っても過言ではない。相手の体臭を嗅ぐだけで大量の愛液を垂れ流し、前戯の段階で連続絶頂を迎えるなど、以前の素振りからは想像も出来なかった事だ。
「なあ、桐乃。今、どんな気分だ? ヒィヒィ喘いでばっかいねえで、何をされててどんな気持ちなのか、ちゃんと言ってみろ」
「ふひはあっ……兄貴の勃起オチンポでえっ……くはふうっ……濡れ濡れオマンコズボズボされてえっ……はくひあっ……すっごく幸せで気持ちいいのおっ……あくひうっ……兄貴のオチンポ最高なのおっ……かふひあっ……オマンコセックス最高なのおっ……」
「ったく、簡単に順応しやがって。この淫乱女が。最初からこうして素直にマンコ使わせてりゃ、無理矢理チンポ突っ込むこともなかったのによ。大体覚悟って何だ? 俺のことが本気で好きだったら、んなもんいらねえだろうが」
「んくはあっ……だって兄貴に抱かれたらあっ……あひはうっ……こうしてメロメロになっちゃうの判ってたからあっ……かふひあっ……そしたら本性がバレちゃうじゃあんっ……ひはくうっ……あたしほんとに淫乱だからあっ……はふひあっ……そのことで嫌われちゃうのが怖かったんだもぉんっ……」
 まあ、その理屈は判らなくもない。何度も身体を重ねれば互いの本質をある程度は把握することになる。この広い世の中には性的行為中の反応は全て演技だと言い切れる人間も存在するかもしれないが、十四歳の少女にそこまでの余裕があろう筈もない。加えて自身が過剰な性的嗜好の持ち主であると認識しているならば、その発覚を恐れるのは当たり前の話だ。
「でもよ、嫌われたくねえなら、今迄の俺に対する態度は何だったんだ? 抱き合うのが無理だからなんて言ってたけどよ、心底馬鹿にしてるような感じだったじゃねえか」
「かふはあっ……だっていつも仲良くしてたらあっ……あひはうっ……気持ちが抑えられなくなっちゃうよおっ……くひへあっ……それにツンデレって可愛いじゃあんっ……」
「阿呆か。そんなんお前の好みだろうが。それにあの態度はツンデレじゃねえ、ツンだ。デレの要素なんかどこにもなかったじゃねえか」
「んふはあっ……その分まとめて今デレてるじゃあんっ……くはひうっ……あたしもう兄貴にデレデレだよおっ……ふかへあっ……何でも言うこと聞いちゃうもぉんっ……」
 桐乃の言葉に俺は口元を歪めた。快楽も性交も淫語も隷属も一旦受け入れさせてしまえば後はどうにでもなる。重要なのは俺との性行為を愛情の証と思い込ませておくことだ。何でも言うことを聞いてくれるのなら、機会を見て尻穴も存分に開発してやろう。
「なら、俺がチンポ汁出してえ時にはちゃんと身体を差し出せよ? そしたらお前が淫乱だろうと何だろうと受け入れてやっからよ」
「はひへあっ……すっごく嬉しいいっ……んくはうっ……いつでもどこでも好きにしてえっ……くふひあっ……いっぱい淫乱オマンコ使ってえっ……もうあたしの全部は兄貴のものだからあっ……かひふうっ……心も身体も兄貴だけのものだからあっ……ひくふあっ……オチンポいいオチンポ気持ちいいっ……」
「いい返事だ。褒美に好きなとこにチンポ汁ぶち撒けてやるぞ。どこがいい?」
「うひへあっ……オマンコの奥うっ……ふはひうっ……淫乱オマンコの一番奥うっ……はひくあっ……また熱いの出されるって思っただけでえっ……あひふうっ……あたしもうイっちゃいそうだよおっ……」
「折角だから一緒にイこうぜ。但し、ちゃんとチンポ汁でイくって言え。おら、受け取れっ」
 そう言って俺が精液を放つと、桐乃は自ら尻を押し付けて射精中の肉茎をより根元まで膣内に咥え込み、全身を小刻みに震わせながら高らかに歓喜の雄叫びを上げた。
「んくはへあああっ……熱いの来た来たあっ……はひくほあっ……この染みて痛いの大好きいっ……うくはへあっ……イっちゃうあたしオチンポ汁でイっちゃううっ……おほふひあっ……イくイくイくイくうっ……あひへはえっ……オチンポ汁でオマンコイっくううううううっ!」
   ★★★
 俺が五度目の膣内射精を終えた直後、桐乃は四つん這いになったまま上半身をベッドへと倒れ込ませた。余韻を満喫しているのだろう、高く突きだした尻を小さく揺らし、満足そうな顔をして深く息を吐いている。
「ふはぁ……幸せぇ……くふぅ……オチンポ汁中出しぃ……はぁん……もう癖になっちゃってるよぉ……」
「言っとくけどよ、今日はもう打ち止めだぞ?」
「はふぅ……いいよぉ……はぁ……いっぱいイかせて貰えたしぃ……ふぅ……でも明日もしてねぇ……」
「気が向いたらな」
 俺はそう言って膣から陰茎を引き抜くと、膝立ちで桐乃の顔の傍へと歩み寄り、まずは髪を優しく撫でてやることにした。心地良さそうに甘く鼻を鳴らしているのを確認した後、互いの粘液に塗れた一物を目の前へと差し出して、素っ気ない口調で声を掛ける。
「んじゃ、綺麗にしてくれ」
「はぁ……あ、うん……ふぅ……ちょっと待ってぇ……」
 桐乃は肉茎を見て苦笑いしながら身体を起こし、枕元のティッシュの箱へと手を伸ばした。姿勢の変化に伴って膣から漏れた体液がシーツの上に跡を残していくのは面白い見世物だったが、俺は別に拭き取り作業を依頼した訳ではない。
「違うだろ? お前が口で掃除すんだよ」
「ふえっ? くっ、口でっ?」
「チンポに付いてんの、半分はお前のマンコ汁だろうが。責任とって綺麗に舐め上げろ」
 そう言って男根を更に近付けてやると、桐乃は大きく喉を鳴らして蕩けた笑みを浮かべた。まるでその言葉を待っていたかのような反応に、俺が疑念を抱いたのは当然のことだ。何しろ肉棒は根元まで精液と愛液で汚れており、普通ならばこの状態で初の口内奉仕が出来る筈がない。しかし、最初のハードルが高ければ高い程、後々面倒な手間が不要となる。どんなに嫌がろうと絶対に譲らず、場合によっては上手く誘導してやる必要があるかと思っていたのだが、桐乃に拒絶するような素振りはない。
「ほんとにいいの? あたし、夢中になって舐めちゃうよ? 夢だったんだもん、兄貴のオチンポおしゃぶりするの」
「いや、ちょっと待て。風呂に入った後ならともかく、今はこんな状態なんだぞ?」
 俺は困惑しつつ、自らの股間を指差しながらそう言った。
「そんなの気にする訳ないじゃん。兄貴が言ったように半分はあたしのなんだし」
「で、でもよ、普通自分のは嫌がんじゃねえか? それにチンポ汁は苦いとか不味いとかって話だぞ?」
「あたし普通じゃなくて淫乱だし、兄貴のなら苦くても我慢出来るもん。それよりどうすればいいか、ちゃんと教えてよね?」
 桐乃はそう言って徐ろに茎部を掴み、屈み込んで亀頭をペロリと舐め上げた。
   ★★★
 当初は身勝手な振る舞いを注意しようと思っていたものの、すぐに俺は口での奉仕による快楽に酔い、仰向けに横たわって桐乃に身を任せることにした。亀頭、カリ首、茎部、陰嚢と指示を与える度に桐乃は拒むことなく舌を這わせ、合間に心底嬉しそうに感想を述べてくる。当人の資質にも依るだろうが、性的行為を受け入れるようになってからの一連の態度がエロゲーによる刷り込みの成果だとすれば、少子化を打開する為にも第二次性徴期以降の学習教材として活用すべきではないだろうか。そんな下らないことを考えていても恙無く陰茎が膨張する程の心地良さだ。これなら何とかもう一回ぐらいは射精出来るだろう。
「んれっ……ろれっ……んふっ、まだ凄い匂いがするぅ……ふはぁ……オチンポのこの匂い好きぃ……」
「大丈夫か? その、味とか」
「うん、平気。確かに苦くて生臭いけど美味しいよ? 兄貴も舐めてみる?」
「断わるに決まってんだろが。んなことより、そろそろ咥えろ。上手く出来たらお前の口ん中にチンポ汁ぶち撒けてやっからよ」
「うんっ。あ、でもちょっと待って。その前に溢れてきたのチューチューしてあげる。んちゅっ……ぢゅるっ……ずぢゅっ……んくっ……れろっ……」
 桐乃は亀頭に唇を押し当ててカウパー液を吸い上げた後、量的に物足らないのか舌先で尿道口を強く擦り上げてきた。そのままゆっくりと頭を沈め、一物を中程まで呑み込んでいく。口腔の熱く柔らかな感触に加え、鈴口へと絡めてくる舌の動きに思わず喘いでしまいそうになり、俺は慌てて口を閉じた。声を上げれば桐乃は喜ぶだろうが、現段階では可能な限り弱みを見せない方がいい。、
「あむっ……おぼっ……はぷっ……もごっ……むぶっ……」
「いいぞ。次は口全体で前後に扱いてみろ」
「んっ……ぐぽおっ……ぶもれっ……むぶぼっ……もごおっ……おぶぼっ……」
 手による愛撫と変わらぬ締め付けと速度で桐乃は肉茎を扱き上げていく。鼻の下を極端に伸ばした吸茎時特有の醜い顔を見ていると、肉悦と同時に征服感を覚えずにはいられない。
「舌動かすのも忘れんな。少し強めでもいいからよ」
「ぐぷぽっ……んもがっ……おぼもっ……ぶむおっ……もがぼっ……」
「んで、根元まで咥え込め。喉の奥まで使う感じでな」
「んぶもがっ……あぼもごっ……もごぶぼっ……ごぶもばっ……むぐぶぼっ……」
 最早献身の内容は単なるフェラチオではなくディープ・スロートになっているが、桐乃は苦し気に眉間に皺を寄せながらも適確に要求に応えてくれている。俺はその見返りとして完全勃起している陰茎へと意識を向けた。既に射精の準備は整っており、後は意図的に気を緩めるだけだ。
「出すぞっ、飲めるだけ飲んでみろっ」
「ぶぼごもおおおっ……もごぼっ……んぐうっ……むぼもっ……ごぷうっ……おぶぼっ……んごくっ……あぶもっ……んくうっ……」
 事前の通告に一瞬身体を強張らせた後、桐乃は精液の排出と共に大きく喉を鳴らし始めた。裸身を微かに震わせながら吐き出されたものを口中で受け止め、表情を歪めながらも懸命に嚥下し、唇の端から一滴たりとも漏らすようなことはない。やがて驚くべき事にその全てを腹の中に納めると、桐乃は男根を咥えたまま顔を上げて俺を見つめ、満ち足りたかのようにあどけなく笑った。
   ★★★
 翌日の木曜日、俺は再び兄妹揃って学校を休むことにした。ついでに明日も登校しない事に決め、土日を含めた四日間で何をすべきかぼんやりと考えてみる。勿論、調教は続けるつもりだが、自ら淫乱と口にするだけあって桐乃の性行為に対する受容性は事前の予想よりも遥かに高く、後は成り行きに任せても何ら問題はない筈だ。性感についても同様で、あまり向上させ過ぎると際限なく精力を奪われかねない。
 とは言え、元々俺は何でも言うことを聞く奴隷のような女が好みだ。現時点の桐乃は充分に素直で従順だが、体力の問題さえなければより効果的に躾を施し、陰茎の匂いを嗅がせただけで嬉しさのあまり放尿を始めるようにさせてやりたいところではある。
 そんな希望と現実の妥協点探しはともかく、何にしてもそろそろ性交以外の事柄について話し合っておくべきだろう。関係が変わった以上は生活上の取り決めも若干の変更が必要だ。故に俺は桐乃と共に食事と入浴を済ませると、リビングに行って互いに裸のままソファーに並んで座り、家庭内の役割分担について相談することにした。
 今までは自分のことは自らが行うという前提で、食事は各々が勝手に用意し、洗濯物も持ち主が洗い、共に使う部屋は汚れに我慢出来なくなった方が掃除するということになっていた。だが、それでは親密度を増した意味がない。俺がそのことを話すと桐乃は素直に首肯し、炊事も洗濯も掃除も、家のことは全て自分がやると言ってくれた。その申し出は嬉しかったが、俺は敢えて食事だけは全面的に任せて欲しいと告げた。何故なら以前にお袋から聞いた話によると、桐乃の料理は非常に危険とのことだったからだ。当人はそのことに気付いていないらしいが、帰国時に手料理を食した健康自慢の親父は翌日、赴任先へと戻る飛行機の中で意識が怪しくなり、空港に着くと同時に最寄りの病院へ緊急搬送されたそうだ。幸いにして大事には至らなかったものの、正に致命的なレベルの料理下手と言っていいだろう。思い返してみれば桐乃が調理をしている姿など俺は一度も見たことがない。朝夕の食事は常にコンビニの弁当やインスタント食品で済ませていたようで、もしかしたら料理が上手くはないという自覚ぐらいはあるのかもしれない。ちなみに昨日と今日の食事は桐乃の分も含めて全て俺が作っている。ノロウイルスやボツリヌス菌と比べても遜色のない我が妹に任せたのは、食器洗浄機に掛けることを前提とした食後の簡単な皿洗いだけだ。
「兄貴がそこまで言うんだったら、食事の用意はお願いしよっかな。でも買い物はどうすんの?」
 そう問い掛けられて俺は腕を組んだ。食材や生活必需品、その他諸々の買い出しについては両親からの仕送りを管理している俺に元々優先権がある。月々の小遣いや給食費、衣類や雑貨の代金などを定期的に桐乃に渡し、特別な支出があればその分も用意してやってはいたが、家の中で必要な物を外で買い求めてくるのは俺の役目だ。当然、その一部を横領してもいる。何しろ主に海外で暮らしている両親は日本の物価に非常に疎く、毎月結構な額の仕送りがある上に、言えば言っただけの金額を別途送金してもくれる。俺が内緒で貯め込んだ金額は優に三百万円を超えており、アルバイトなどせずに好きな物を自由に買える環境が整っている。今更その利権を手放す気など毛頭無い。
「まあ、今まで通りで特に問題ねえだろ」
 俺がそう言うと、桐乃は思案顔になった後、媚びた口調で囁いてきた。
「ねえ、たまには学校が終わってから外で待ち合わせて、手を繋いで買い物に行こうよ? そのぐらいはいいっしょ?」
「別に構わねえぞ。けど、外じゃあんまりベタベタすんなよ? 一応、俺たちは兄妹なんだかんな?」
「うん、判った。あ、でもやっぱりあたしも時々は料理したいかも。じゃないと裸エプロンになる機会とかないし」
「見せてえのかよ?」
「だって、そういうのって新婚みたいでいいじゃん。結婚は血が繋がってるから無理だとしても、真似事ぐらいは兄貴としてみたいもん」
「なら、その内にそういう機会も作ってやっから。で、他になんかあっか? 決めといた方がいいようなこと」
「んー、あたしの方からは特にないかな。後は兄貴の好きでいい」
「んじゃ、取り敢えず掃除と洗濯はお前な。他は思い付き次第ってとこか」
「掃除で思い出したけど、もうティッシュの買い置き残ってないよ? 今日は一緒に買い物に行かない?」
 その切実極まりない提案に俺は深く頷いた。
   ★★★
 いつもなら近くの商店街で買い物を済ませてしまうのだが、桐乃の強い要望により、俺たちはバスに乗って郊外のショッピングセンターへ向かうことにした。食品や日用品だけでなく衣類や家電までも扱っている大型の店舗で、三階から上にはその他の専門店街が拡がっており、飲食や映画鑑賞等も可能な場所だ。
「ねえ、ちょっと別々に行動しよ? あたし、一人で買いたいもんがあんの」
 店に到着した時点で桐乃がそう言ってきたことに、俺は若干驚いた。手を繋ぐなり腕を組むなりして、彼方此方連れ回されるのだとばかり思っていたからだ。俺はすぐに返答せず、入り口の脇にあった案内板に目を向けた。一通り見渡してみたところ、取り敢えずセンター内にエロゲーを扱っているような店はない。ならば目的はアニメのDVD、もしくはその他の関連商品だろう。それらを兄妹で吟味している姿を頭の中で想像してみると、確かに幾分気恥ずかしい。
「まあ、別にいいけどよ。どのぐれえ掛かんだ?」
「んっと、一時間じゃ足んなそうだし、一時間半ぐらいかな」
「んじゃ、今から一時間半後に、そうだな、一階の食料品売り場で待ち合わせってことでいいか?」
「うんっ。じゃあ、あたし行くね」
 淡泊な返事と共に足早に去って行く桐乃を見送ってから、俺は再び案内板を見つめ、まずはキャッシュコーナーで自分の口座から金を引き出すことにした。財布の中の現金を多めに補充し、次いで向かったのは三階の小さなドラッグストアだ。現在は比較的安全な期間とのことだったが、先々避妊具は絶対に必需品となる。コンドームをまとめ買いするのはネット通販で済ませるとしても、取り敢えず何箱分かは常時手元に置いておきたい。
 そんな考えから店に入って品定めを始めると、すぐに白衣を着た親父が砕けた調子で話し掛けてきた。どうやら店の主人らしく、潤滑剤や精液溜まりの有無について事細やかに説明してくる。俺としては放っておいて欲しかったのだが、止むを得ず暫く応答を繰り返していると、気苦労に見合う分以上の収穫を得ることが出来た。と言うのも、市販されたばかりだと言う新型の経口避妊薬なる物を薦めてくれたからだ。
 好色そうな顔で笑い掛けてくる親父の説明によれば、その『ネオピル』という避妊用の錠剤は呑んで十数分後から丸一日効果が持続するらしい。つまり、毎日定時に呑ませておけば常に生挿入で膣内射精し放題と言う訳だ。都合の良過ぎる点が逆に疑わしいが、よくよく聞けばそれなりに短所もあり、生理周期の内一週間は服用することなく月経の期間に当てなければならないと言う。それでも毎回ゴムを着けたり外したりといった面倒な手間が不要となるのならば有り難い。たとえ生理や薬効の仕組みが理解出来なくとも、大手製薬メーカーが正式に販売している物である以上、粗悪品ということもないだろう。俺はコンドーム二箱に加え、その避妊薬を大量に仕入れておくことにした。仮に桐乃が妊娠した場合には中絶させようと考えていたが、これでそんな心配も不要になる。
 高額な代金を払って親父の深々とした礼に会釈を返した後、俺は大きな紙袋とサービス品として渡されたドリンク剤一箱を抱え込んで薬局を出た。一階に戻ってそれらをコインロッカーの中に仕舞い込み、今度は二階の家電売り場へと足を向ける。パソコンの最新機種や幾多の周辺機器に目を奪われつつも、俺がその場で買い込んだのはハンディマッサージャーと低周波治療器、加えて大中小の結束バンドといった桐乃の身体を弄ぶ為の品々ばかりだ。近日中には各種の淫具や露出系の衣装も揃えておくつもりでいる。俺がどんな行為を始めようとも、今の桐乃ならば決して嫌とは言わない筈だ。
 更には四階の書店で性交指南書も何冊か買い求めておく。日々アダルトサイト等で研鑽を積んではいても、まだまだ俺には知識が足りない。努力や根性といった言葉は嫌いだが、こうして自己啓発に努めなければ、エロゲー内の淫語を自在に召喚し始めている実妹に打ち負かされてしまう。最早以前に抱いていた反感は霧散しており、その一途な素振りに愛情を感じてもいるが、主導権を常に得ておきたいと思うのは当然のことだ。深い性欲と敏感な肉体、そして高い順応性。恐らく桐乃は近い内に俺との性交無しでは生きられないような女になってくれることだろう。常に肉欲を昂ぶらせている相手を前にしても慌てることのないよう、必要と思われる事柄は事前に学んでおき、精神的な優位性を保っておかねばならない。
 レジで会計を済ませ、ふと気付いて腕時計を覗くと、待ち合わせの刻限まで残り約十分というところだった。約束の時間に遅れて不満を持たせるのは拙い。俺は両手に荷物をぶら下げたまま急いでエスカレーターに乗り、帰宅後のことを考えて一物を僅かに勃起させた。
   ★★★
 当初の予定よりも荷物が多くなってしまった為にタクシーを使って自宅に戻り、購入した品々を所定の場所へと片付け終わった頃には十五時を回っていた。これで暫くは各日用品の在庫に気を使わなくて済む。俺は疲労感に肩を落としつつリビングのソファへと深く腰掛け、そこで初めて桐乃がドア越しに顔を覗かせていることに気付いた。
「んだよ? 自分の部屋に戻ったんじゃねえのか?」
「見・た・い?」
「あ?」
「じゃ~ん。どっかな、これ?」
 そう言って桐乃は扉に隠していた身体を晒し、その着衣を見せつけるように歩み寄ってきた。纏っているのはベビードールで、その下に側面が紐状のショーツを穿いている。俗に言う紐パンという奴だ。どうやら個別の買い物の目的はそれらの品だったようだが、どちらもピンクの布地が透けていて乳首も陰毛も丸見えになっている。
「昂奮する? もっと凄いのも何着か買ってきたよ?」
 桐乃はそう言いながら俺の横へと座り、身体を強く密着させてきた。恐らくは誘惑しているつもりなのだろう。甘い体臭が鼻孔を擽ってくるのは心地良かったが、俺は頭を掻きながら素っ気ない口調で言葉を返した。
「まあ、昂奮はするけどよ。閉めとかなくていいのかよ?」
「へ? 何を? パンツの紐なら結んであるよ?」
「この部屋のカーテン」
「あ、きゃああああああっ!」
 桐乃は慌てて乳房を両手で隠して立ち上がり、ガラス戸に素早く厚手のカーテンを引いた。そこそこ肉付きのいい尻が揺れるのを背後から見ているのは気分がいい。
「もおっ! 早く言ってよっ! 誰かに見られたらどうすんのっ!」
「お前が間抜けなだけだろが。それより部屋の電気付けろ」
「あ、うん」
 薄暗くなった室内に明かりが灯ると、桐乃はふて腐れた顔で再び俺の隣に腰を下ろしてきた。流石に他人に見られたりするのは嫌なのか、その頬は未だに赤く染まったままだ。相手を選ばぬ露出狂という訳ではないらしい。
「まったくもう、罰として兄貴にも恥ずかしい思いして貰うかんね?」
「何でだよ? お前が勝手にやったことだろ?」
「そりゃそうだけど、気配りが足んない。あたしが部屋に入る前にカーテン閉めておいてくれたっていいじゃん」
「お前の服装とか行動とか、一々予測出来っかよ」
「屁理屈ばっか。やっぱダメ、兄貴にも恥ずかしい思いして貰う。これ決定だかんね?」
 桐乃はそう断言して頬を大きく膨らませた。屁理屈ばかりなのはどっちだ、と言い返してやりたくもなるが、時には機嫌を取っておいてやるべきか。だが、何をさせるつもりなのか判らない以上は容易く首肯など出来る筈もない。
「どうしろってんだ?」
「んとね、あたしが兄貴の為に買ってきた服、着て欲しいの」
 その返答に俺は安堵の息を吐いた。恥ずかしいと言っても精々がペアルック程度のものだろう。それなら言うことを聞いてやってもいい。
「仕方ねえな。いいぞ」
「ほんと? 絶対? お願いした時には必ず着てくれる?」
「ああ。約束してやっから。で、どんな服なんだよ?」
「フリフリのエプロン。食事の用意してくれる兄貴の為にと思って、似合いそうなの買ってきたの。後で部屋から取ってくるから、今日の夕飯は裸エプロンで作ってね?」
 桐乃の嬉しそうな顔を見つめ、俺は力なく笑うしかなかった。
   ★★★
 夕食の献立は白飯に加えて、豚バラ肉の生姜焼き、帆立の貝柱とアスパラガスのバターソテー、そら豆と玉葱のポタージュスープ、さやえんどうと春キャベツのグリーンサラダにすることにした。俺の場合、料理は平行して作るので、多く見積もっても時間は三十分前後あれば事足りる。鍋やフライパン、ミキサー等の器具も使い慣れており、調理自体に何ら問題はない。が、困ったのは自らの格好と桐乃の態度だ。
 俺は現在、裸エプロンの状態でキッチンに立っている。エプロンはフリル満載の白地の物で、胸の辺りにはピンクのハートマークと英文がプリントされており、インターネット上の翻訳サイトで念の為に確認してみたところ、「すぐに食事にしますか? それともこのまま私を食べますか?」と書かれているらしい。誰のデザインかは知らないが、こんな物をショッピングセンターで販売するのは如何なものか。それを嬉々として買い込んできた実妹にも呆れるばかりだ。
 無論、俺は当初、着用を拒んだ。誰が好んで自らこんな格好をするものか。だが、桐乃は決して譲ろうとはせず、見返りに自分も指示された通りの服をいつでも着るから、と言い出してきた。この言葉には俺も悩んだ。ほんの一時だけ我儘を聞いてやれば、俺以上に恥ずかしい姿、例えば露出系のボンテージ服やリモコン式のローターが埋め込まれた下着等を身に纏わせることが可能になる。尤も、自分から透けたベビードールを披露してくるくらいだ。全裸で首輪を付けられようが、当人は一向に構わないのかもしれない。
 暫く考え込んだ後、俺は要望を叶えてやることにした。桐乃は心底嬉しそうに何度も頷き、この場で着替えて欲しいと述べ、真剣な顔で俺の脱衣を眺めていたのだが、やがて眉間に深い皺を寄せて不満そうに問い掛けてきた。
「はあ? パンツは? なんで穿いてんの?」
「下着ぐらいはいいだろが。裸エプロンつったって、何も全裸とは決まってねえだろ?」
「裸エプロンって言うんだから、全裸に決まってんじゃん。早く脱いでよ」
 余程気に障ったのか、桐乃は横柄な口調でそう言うと、片頬を引き攣らせながら睨み付けてきた。処女を散らしてやってからは従順な素振りが続いていたのだが、それ以前の態度そのものであり、長年の小生意気で反抗的な言動は俺への好意を隠す為だけではなく、どうやら本来の気性に基づいていたものであったようだ。それでも数日前と決定的に違うのは、その視線に媚びと肉欲が露骨に混じり合っていた点だろう。
 そうして仕方なく俺が完全な裸エプロン状態となり、調理を始めてから既に十数分、桐乃はベビードール姿のままキッチンの床の上にクッションを置き、その上で横座りになって鼻息を荒くさせている。そこが一番の特等席らしく、眼差しが俺の尻に注がれているのが振り返らずとも判る。あまり考えたくはないが、動作に合わせて揺れる陰嚢でも記憶に刻んでいるのだろう。まあ、触れてきたりしない分だけ良しとするべきか。
 ラップに包んで凍らせておいた白飯を電子レンジで解凍している間に、ポタージュをスープカップに注ぎ、その上に刻んだパセリを少量散らす。更に個別のランチプレートに肉とサラダとバターソテーを盛り付けていると、不意に桐乃が甘えた声を掛けてきた。
「ねえ、兄貴?」
「んだよ? もうちっとで出来上がっから待ってろ」
「んじゃなくて、携帯で写真撮ってもいい?」
「撮影お断りだ。大体、んな写真どうするつもりだ?」
「待ち受けにしよっかなって。ダメ?」
 その返答に俺は嘲笑せずにはいられなかった。実兄の裸エプロン姿を待ち受け画像にしようとする女子中学生が何処にいるというのか。いや、確実に一人ここにいるのだが、そんな発想をする人間と血が繋がっていることが恐ろしい。
「駄目に決まってんだろが。んなもん、知り合いとかに見られたらどうすんだよ?」
「あ、そっか。じゃあ、待ち受けにはしないから、ね? サービスもするからぁ」
 その艶っぽい声色に不吉なものを感じて背後を振り向くと、桐乃がうっとりとした顔付きで近付き、俺の左の尻たぶに唇を押し付けてくるところだった。
   ★★★
 一方的に始めた行為を奉仕と呼んで良いものか迷うところだが、桐乃の振る舞いは予想以上のものだった。命じた訳でもないのに尻肉を舐めながら脚の間に手を入れて陰嚢をそっと揉み上げ、もう片方の手を前に回して茎部を優しく扱き上げてくる。最早淫語だけでなく献身に関する助言も必要ないようだ。合間に俺の足首に自らの秘所を擦り付けて甘く鼻を鳴らしてもいる。
「れろっ……兄貴のお尻ぃ……んちゅっ……すっごく可愛くて甘ぁい……ろれっ……オチンポもガチガチぃ……」
「飯喰ってからにしろ。ちゃんと相手してやっから」
 そう告げるのと同時に電子レンジから任務完了の音が響いた。だが、桐乃は俺の言葉にも機械音にも動じることなく一心不乱に行為を続けている。本音を言えばこのまま尻穴までも存分に舐めさせてやりたいところなのだが、食事の前にそんなことをさせたら衛生的に問題がありそうだ。桐乃にもその気はないのだろう、菊門に舌を這わせることだけはせずにいる。下命すればしゃぶり付きはするだろうが、入浴を終えた直後でもなければ些か不満を抱くに違いない。
「んふぁ……だって切ないよぉ……くふぅ……今は御飯よりオチンポが食べたいよぉ……ふはぁ……ねえ、しよぉ? はぁん……オマンコセックスしようよぉ……」
 哀願を無視し、サラダ油に各種の調味料を加えて自家製のドレッシングを作っていく。こうして焦らしてやるのも調教の内だ。恋人など作らせず、結婚もさせず、残りの人生を俺の性玩具として過ごさせてやる為には必要な措置と言える。
「よし、こんなもんだな。んじゃ、飯にすっか」
「んはぁ……セックスぅ……はふぅ……御飯の前にオマンコセックスぅ……ひはぁ……お願い兄貴ぃ……あふぅ……淫乱オマンコにハメハメしてぇ……」
「どんだけ発情してんだよ。お前は飲みもんの用意して、リビングのテーブル片付けてこい」
「くはぁ……そしたらオマンコに入れてくれるぅ? かふぅ……御飯食べながらでもいいからぁ……ひはぁ……勃起オチンポ突っ込んどいてくれるぅ?」
「ったく、判ったよ。根元までぶち込んでやっから。だから早く準備してこい」
 振り返って仕方なくそう言ってやると桐乃は俺の横顔に向かって大きく頷き、すぐに立ち上がって指示に従い始めた。食器棚からグラスを二つ取り出してトレイの上に載せ、冷蔵庫の扉を開いて烏龍茶のペットボトルを掴み、軽やかな足取りで隣の部屋へと向かっていく。その後ろ姿を見て俺は薄く笑った。ショーツに全体を覆う程の大きな染みが出来ていたからだ。脚に股間を押し付けていた時から判ってはいたが、既に淫裂は充分過ぎる程に濡れているらしい。これなら事前に愛撫を与えてやる必要はないだろう。
「おい、テーブル拭かねえつもりか? 台拭きも持ってけ」
「こっちにウェットティッシュがあるから平気ぃ。だから兄貴も早くぅ」
 隣室からの朗らかな声を聞きながら、俺は溜息を吐きつつランチプレートの所定の場所にスープカップを載せた。
   ★★★
「ふはあっ……兄貴もっとおっ……んくうっ……もっとオマンコの奥までえっ……」
 リビングのソファの上、互いに裸となって座位で交じり合った直後から、桐乃は性交のみに没頭し続けている。俺が咀嚼した料理を口移しで受け取りはするが、問い掛けても何を食べたいとは答えず、代わりに更に激しい行為を求めてくる始末だ。一昨日から酷使し続けている膣が痛むのか、時折顔を歪めてはいるが、痛覚までもを快感として受け止めている様子であり、溢れさせた愛液は既に接合部だけでなく俺の尻までもを濡らしている。乳首や淫核の尖り具合、膣肉の不規則な蠢き、そして悦びに満ちた表情や動作等々、性交相手として一段レベルが上がったかのようだ。勿論それは喜ぶべきことなのだが、折角作った料理に関心を示してくれない点には少しばかり不満を覚える。今日のバターソテーは会心の出来なのだが。
「なあ、ちゃんと飯も喰えよ。じゃねえと止めちまうぞ?」
 俺がそう言うと、桐乃は首を激しく横に振った。
「あふうっ……ダメダメ止めちゃダメえっ……はんあっ……ちゃんと食べるからあっ……くふあっ……御飯もオカズも後でちゃんと食べるからあっ……んはうっ……でも今はオチンポおっ……ふはあっ……オチンポいっぱい食べさせてえっ……」
「昨日も言ったけどよ、順応し過ぎだろうが。処女膜破ってからまだ二日だぞ?」
「んふあっ……だって気持ちいいんだもぉんっ……あふうっ……それだけ相性バッチリってことじゃあんっ……はんあっ……だから思いっ切り突いてえっ……ふはうっ……あたしのオマンコ奥まで味わってえっ……」
 桐乃はそう言って自らも腰を前後に動かし始めた。どうやら一度は絶頂を迎えさせてやらないと夕飯に向き合う気がないようだ。その身体は何処も敏感だが、今では淫核だけでなく左乳首と子宮口も性感帯として別格であることが判っている。止むを得ず俺は抽送を速め、亀頭の先をコリコリとした感触の奥壁に打ち付けながら片手で肉芽を摘み上げた。同時に左の乳房の先を口に含んで軽く噛んでやると、痴猥な動作を繰り返している桐乃の口から激し喘ぎが漏れてくる。
「かふはあっ……ゴツゴツってオチンポがオチンポがあっ……んくひうっ……子宮の入り口突っつき回してるうっ……ふひはあっ……クリも乳首も気持ちいい気持ちいいよおっ……くはひうっ……好き好き全部大好きいっ……うくはあっ……兄貴とのオマンコセックス大好きいっ……」
 発言を裏付けるかのように桐乃の腰使いは一層淫らになりつつあるが、どうも意識しての行動ではなく、俺の動きに勝手に身体が反応しているといった感じだ。しかし、それまで同様にそんな自分を恥じ入ることもなく、その動きを止めようともせず、蕩けた表情で快楽に身を委ねている。瞳の虹彩は鈍く、鼻孔は大きく開き、普段の凛とした雰囲気は微塵もない。端麗な顔が肉欲に負けて弛緩しているのを横目で眺めるのは気分が良く、膣肉の未だ初々しい締め付けもあって、そろそろ俺も射精臨界点が近くなってきた。
「そろそろ出すぞ? ちゃんとマンコで受け取れよ?」
 硬く勃起した乳首から口を離してそう告げると、桐乃は俺の首に両腕を回したまま強くしがみ付き、何度も深く頷いた。
「はひへあっ……いっぱい出してえっ……んふひうっ……兄貴の熱いオチンポ汁大好きなのおっ……くふひあっ……全部オマンコで飲むからあっ……あくふうっ……一番奥でゴクゴク飲むからあっ……ふひはあっ……あたしの淫乱オマンコはその為にあるんだからあっ……」
 その従順さに俺は感じ入り、希望通り一番奥に精を放ってやることにした。桐乃の尻を両手で押さえ付けて陰茎を深く突き入れ、子宮口に鈴口を強く押し付けて僅かに開かせ、その状態で予告もせずに新鮮な体液を射ち出してやる。膣奥を無理矢理開かせているが故に痛むのか、桐乃は何度も辛そうに呻いたが、精液を子宮で受け止め始めた途端に一転して歓喜の雄叫びを上げ、背中を反らして宙を見上げたまま全身を大きく痙攣させた。
「んがはひあああっ……おへその下にオチンポ汁来てるううっ……おほがへあああっ……熱くて染みて超気持ちいひいいっ……あぎはへえええっ……イくイくオマンコイっくううううううっ!」
「おい、人の上でそんな暴れんな」
「はぐふひいいっ……これ凄い凄過ぎるううっ……んぐあふおおっ……またイくオマンコイっくううううううっ! ぐひはへあああっ……オマンコイくイく止まんないいっ……うがはひいいっ……またイくイってるのにイぐのおおおおおおっ!」
   ★★★
 子宮への直接射精は時期尚早だったのだろう、桐乃は俺が放出を終えてからも繰り返し果て続け、やがて一際大きく身体を震わせた後に力なく凭れ掛かってきた。漸く余韻に浸り始めたようだが、子宮口と膣肉は未だ不規則に脈動しており、萎え始めた陰茎をきつく締め上げてくる。それはまるで力の加減を知らない幼児に甘えられているようであり、俺はどことなく擽ったい気分になりながら、痛みに耐えられなくなるまで一物を挿入し続けておくことにした。たまには共に心地良い疲労感を楽しむのも悪くない。
「あひへぇ……兄貴ぃ……んへはぁ……凄かったよぉ……」
「お前のイきっぷりも凄かったけどな。そんなに違うもんか?」
「ふへはぁ……だってビュルビュルって入って来るだけでぇ……くふぅ……すっごく気持ちいいんだもぉん……んはぁ……まだオマンコ軽くイっちゃってるしぃ……はふぅ……身体が全部溶けちゃう感じぃ……ひはぁ……これからは毎回子宮に出してぇ……あふぅ……直接オチンポ汁注いで欲しいよぉ……」
 桐乃の求めに応じてやることは容易いが、強い刺激に慣れさせるとそれ以上のことを求めて来た時に応じ切れなくなってしまう可能性がある。それ程までに気に入ったのなら、子宮内への射精は特別な褒美だと言い渡しておいた方がいいだろう。
「毎回は駄目だ。何度も出し入れしてたら子宮がガバガバになっちまうだろうが」
「はぁん……そんなの構わないからぁ……ふはぁ……子宮にオチンポ汁ぅ……んふぅ……子宮に直接オチンポ汁ぅ……」
「まあ、お前の態度によっては時々してやってもいいけどな」
「んはぁ……じゃあ少し落ち着いたらぁ……はぁ……お口でオチンポ綺麗にするからぁ……はぁ……ちょっと待っててぇ……ふぅ……」
「まずは飯を喰え」
 俺はそう言って、テーブルの上の箸へと手を伸ばした。だが桐乃はそれを受け取らず、代わりに雛鳥のように俺に向かって大きく口を開いてくる。
「あ~ん」
「ったく、何が喰いてえんだよ?」
「兄貴のオチンポぉ」
「今マンコで喰ってんだろうが。ちゃんと料理を選べ」
「だってイきまくったら何か食欲なくなっちゃってぇ。んとぉ、じゃあ烏龍茶ぁ。口移しで飲ませてぇ」
 俺はグラスの中身を口に含み、そのまま桐乃の唇を奪った。口中の液体を相手の口腔に少しずつ流し込んでから、ついでに舌を絡ませてやる。桐乃は俺に抱き付いたまま鼻息を荒くさせ、口を離すと同時に嬉しそうに呟いた。
「ぷはぁ……あはっ、オチンポまた硬くなってきてるぅ……えいしょっと……んくっ……はふうっ……」
「勝手に腰使い始めんじゃねえ。今すぐ抜いちまうぞ?」
「ええっ? このままもう一回しないのぉ? あたしの子宮もオマンコもぉ、お代わり食べた~いって言ってるよぉ?」
「態度次第だって言ったろうが。とにかく飯喰え。じっとしてんなら入れっ放しにしといてやっからよ」
   ★★★
 再三に渡る性交の願い出を悉く退けつつ夕食を済ませ、食器等の片付けを終えた後、俺は桐乃を連れて風呂場へと向かった。当然のことながら既に陰茎は膣から引き抜いてある。舌による掃除も完了してはいるが、桐乃の股間は未だ体液に塗れており、一旦この辺で綺麗にさせておきたい。
「椅子に座って脚拡げろ。洗ってやっから」
 浴室に入って俺がそう言うと、桐乃は即座に洗い場の風呂椅子に座り、脚だけでなく両手で淫唇まで開いて見せてきた。まだ膣奥に残っていたらしきドロリとした粘液が、太い糸を引きながら床に垂れ落ちていく。
「もっとよく見てぇ。ほらほらぁ、専用オマンコだよぉ」
「誰がそこ拡げろって言ったんだよ? つうか、お前には恥ずかしいって感情はねえのか?」
「だって兄貴にはオマンコいっぱい見て欲しいんだもん。じっと見られてるだけで気持ち良くってぇ……んはぁ……だから見てぇ……くふぅ……もっと近くでガン見してぇ……」
 どうやらまた昂奮してきたらしく、桐乃は悩ましい吐息を漏らし始めた。酔い痴れた表情で淫裂を更に大きく開花させ、膣肉を奥まで晒してくる。こいつの発情切替スイッチは壊れてるんじゃないだろうか、と思いながら俺は正面の床に座り込み、言われた通りに顔を近付けてやることにした。
「こうして間近で見ると、お前のマンコ綺麗な色してるよな。結構頻繁にオナニーしてたんだろ? その割には黒ずんでたりしねえしよ」
「ふはぁ……頻繁になんかしてないよぉ……あふぅ……一日五回までって決めてたしぃ……」
 中学二年生の平均自慰回数など知らないが、男ならともかく、女で一日五回というのは性欲過多なのではないだろうか。これだけの順応性だ。どうせ毎日限界回数までしていたに決まっている。となれば一ヶ月で約百五十回。これから毎月それだけの肉欲を満たしてやることが出来るのかと、俺は少々不安になった。
 とは言え、現在の桐乃を月々同じ回数だけ果てさせてやることなら簡単だ。現に先刻の子宮内射精時には、軽く見積もっても十数回は達していたように思う。別に百五十回の射精が必要という訳ではないだろうし、元々淫乱であった点については感謝すべきなのかもしれない。
「ひはぁ……またオマンコ切なくなってきちゃったぁ……んくぅ……兄貴入れてぇ……ふひぁ……カリ太オチンポ入れてぇ……」
「今はこれで我慢しとけ」
 俺はそう言って、右手の中指と人差し指を一気に膣内へと挿し入れた。付け根まで呑み込ませてから指を曲げ、Gスポットを強めに擦り上げてやる。
「かふはあああっ……指オチンポ来た来たあっ……はうあっ……そこ指でされるのも好きいっ……あひうっ……兄貴の指も大好きいっ……」
「あんま好き勝手に求めてくんじゃねえぞ? これからは多少我慢しろ。今回は特別にこのままイかせてやっからよ。いいな?」
 その言葉に桐乃は下半身を揺らめかせながら何度も首肯した。
   ★★★
「ところでお前、何本もエロゲ持ってっけど、実際にやってみてえプレイとかってねえのかよ?」
 俺がそう問い掛けると、桐乃は考え込むように少しだけ首を傾げた。入浴を終えて俺の部屋へと場所を移し、互いに裸のままベッドに腰を下ろしてからのことだ。
「んー、たくさんあるけど、これって言うのはすぐに思い浮かばないかな。後で考えとくから楽しみに待ってて。あ、でも汚いのは嫌。たとえ兄貴でもトイレで大っきいのしてるとことかは見せたくないし」
「安心しろ。俺だって見たくねえ。スカ系で許せるのはションベンまでだ」
「あ、うん、オシッコならいいよ。て言うか、むしろ見せたいかも。今から一緒にトイレ行く?」
「今はいいから、言われた時にはちゃんと出せ。それと生理中はセックスしねえかんな。チンポに血が付いたりすんのは嫌だしよ」
「ええっ? 途中までは安全日だよ? オマンコに出し放題なのに」
 桐乃はそう言って不服そうな目を向けてきたが、俺としては糞便と経血だけでなく生理中の秘所を見るのさえも勘弁願いたいところであり、発言を覆すつもりは一切ない。
「その間は口と手で奉仕しろ。それ以外の時は存分に中出ししてやっから。ついでにこの薬を渡しとく。晩飯ん時は忘れてたけどよ、これからは毎日呑んどけ」
 俺は予めベッドの傍に用意しておいた避妊薬の箱を手に取ると、桐乃の前へと差し出した。薬局の親父の話では一箱に三十日分の錠剤が入っているとのことだ。残りの十数箱は取り敢えずクローゼットの中に仕舞い込んである。
「なにこれ? ピル?」
「ああ。説明書よく読んどけよな。生理期間は好きに設定出来るらしいから、自分で決めて、その予定もちゃんと報告しろ」
「うん、判った。あはっ、嬉しい」
「何がだよ?」
「だって、こうやって薬まで用意してくれたってことは、兄貴とのセックスって、もう当たり前のことって感じじゃん。気の迷いとか、今だけのこととかじゃないんだよね?」
 桐乃は避妊薬の箱を両手で大事そうに持ちながら、俺の肩にそっと頭を乗せてきた。恋人気取りと言ってしまえばそれまでだが、気負いのない自然な仕草であり、そんな風に甘えてくる桐乃は可愛い。
「妙な心配すんな。お前はこの先もずっと俺のもんだ。だから生理の時以外はいつでもマンコ使えるようにしとけ」
「うん。いつも綺麗にしとくから、いっぱい使ってよね?」
   ★★★
 その後も少しばかり会話を続けてから、俺は桐乃の細い肩を抱き寄せて唇を重ねた。そのままシーツの上に押し倒し、舌を絡めながら乳肉を優しく揉んでやる。桐乃は両目を閉じたまま探るように手を動かし、やがて陰茎を握り締めてゆっくりと扱き始めた。お返しに指先で淫唇の縁をなぞってやれば陰嚢に手を伸ばし、肉芽を擽ってやれば亀頭の先を親指の腹で刺激してくる。そうして折り重なったまま暫く互いの性器に触れ合った後、俺は口を離して桐乃の耳元に囁き掛けた。
「もっと気持ち良くなりてえか?」
「ふはぁ……そんなの決まってるじゃあん……んふぅ……早くしてしてぇ……」
「だったらチンポ以外でもいいか? 多少は我慢するって風呂場で約束したよな?」
「くはぁ……指でも何でもいいから早くぅ……あふぅ……オマンコもう切ないよぉ……」
「んじゃ、ちょっと待ってろな」
 俺はそう言って桐乃の身体から手を退け、枕の陰に隠しておいた布製の靴袋を掴んだ。中に入っているのは本日ショッピングセンターで買い求めた品々だ。家電売り場で購入した物以外に、待ち合わせ場所へと向かう途中で慌てて購入した赤いソフトロープも納めてある。使用する為に必要な事柄は既に殆ど終えており、あとはヘッドボードのコンセントにハンディマッサージャーのコードを繋ぐだけだ。
「ええっ? そんなの使うの?」
 俺が袋の中から低周波治療器を取り出すと、桐乃は喘ぎをピタリと止めて驚きの声を上げた。まあ、当然の反応だろう。
「嫌か?」
「んー、兄貴がどうしても使いたいなら、あたしはいいけど……」
「なら動くなよ?」
「んひゃっ、冷たっ」
 手にした機器のパットを右乳房の先に貼り付けた途端、桐乃は大きく身を捩った。吸着性が高いのか、パットが剥がれることはなかったが、本体と繋がっている細いコードはピンと張り詰めている。
「おいこら、取れちまうだろ。動くなって言ったろうが」
「無理っ、これ冷た過ぎっ」
「あんまジタバタしてっと、身動き出来ないようにしちまうぞ?」
 そう言って治療器をシーツの上に置き、代わりに袋からロープを引き出すと、桐乃は一瞬目を見開いたものの、すぐに微笑み掛けてきた。
「うん、いいよ」
「あ?」
「SMって面白そうじゃん。前から興味あったし、相手が兄貴なら虐められても構わないし。だからしてして」
「あんまやる気出されても萎えちまうんだけどな」
「んなこと言って、オチンポガチガチじゃん」
 確かに一物は完全勃起状態を維持しているが、その原因は拘束の許可を得たことではなく、悲鳴を上げても尚手放そうとしない桐乃が未だに擦り上げている為だ。
「いい加減チンポから手を離せ。これじゃ準備出来ねえだろうが。気持ち良くなりたくねえのかよ?」
 強い口調でそう言うと桐乃は渋々と指示に従い、肉茎を掴んでいた手を自らの顔に押し当て、鼻息荒く残り香を吸い込み始めた。
   ★★★
「おごはあっ……もうダメほんとにもう限界いいっ……んぐふうっ……せめて少し休ませてええっ……うぐひいっ……イきっ放しでおかしくなるううっ……」
 そんな喘ぎ混じりの涙声に俺は薄笑いを浮かべ、ハンディマッサージャーの先を更に強く秘所へと押し当てた。桐乃は大の字になったまま腰を忙しなく四方に揺り動かし、強制的に与えられる快楽から逃れようとし続けているが、両手足首をベッドの支柱にロープで繋がれている状態ではその範囲にも限界がある。大きく開かせた脚の間に陣取っている俺にしてみれば、目的の箇所を責め続けることは容易い。
「虐められても構わねえんだろうが。もっと気持ち良くしてやっからよ。ありったけのマン汁垂れ流せ」
 そう言ってマッサージャーの位置を調整しつつ、低周波治療器のダイヤルを回して振動を強めてやると、桐乃は淫裂から大量の愛液を溢れさせた。残念なことに潮吹きではないようだが、それなりに満足のいく反応だ。
「はぐひいっ……乳首そんなに強くしちゃダメええっ……あがふうっ……オッパイまでおかしくなっちゃうううっ……ひぎはあっ……痛いのも大好きになっちゃうよおおっ……んぐへえっ……またイく大っきいのが来るううっ……おぎふへああああああっ!」
 二十数回目の本絶頂と共に桐乃は腰を何度も跳ね上げ、再び周囲に体液を撒き散らし始めた。こうして嬲り始めてから既に一時間以上が経過しており、当初シーツの上に点在していた淫蜜の染みは今では布地全体を覆い尽くそうとしている。次回からは下に防水シートを敷いたおいた方がいいだろう。そうでなければ数週間は匂いが籠もってしまいそうな程の総分泌量だ。
「垂れ流せって言ったろうが。あんま飛び散らせんな」
 顔に振り掛かってきた雫を左手の甲で拭いながら俺がそう言うと、息も絶え絶えな言葉が返ってくる。
「あぐひいっ……お願いだから休ませてええっ……んぐふうっ……このままじゃ漏れちゃうううっ……はがふあっ……オシッコまで漏れちゃうううっ……」
「見せてえんだろ? ちょうどいいじゃねえか。ションベンしながらイってみせろ」
 俺はマッサージャーの振動部を尖り切った淫核へと移動させた。焦らすつもりで意図的にそこだけは見逃してやっていたのだが、初の放尿姿がこんな状況下で見られるのならば話は別だ。
「んぐへひあっ……クリはダメまた大っきいのが来ちゃうううっ……はぐひふうっ……あたしほんとにイっちゃうよおおっ……あぐふぎいっ……オシッコしながらイっちゃうよおおっ……」
「だからそうしろって言ってんだろうが。それとも本音じゃ見せたくねえのか?」
「うぐほへあっ……違うのほんとに見せたいのおおっ……かぐふひいっ……だからオマンコよく見ててええっ……ふぐほへあっ……オシッコ出すとこよく見ててええっ……あがくひいっ……イくイくオシッコでイっくううううううっ!」
 痴猥な申告と共にマッサージャーを股間から離してやると、桐乃は総身を痙攣させながら尿を放ち始めた。どうやら言葉とは裏腹にオルガスムスを迎えたことが放出の切っ掛けとなったらしい。不規則に震える腰を絶えず浮かせているのは観察し易いようにと考えてのことだろうが、高位置から排出された黄色い放物線はその分だけ飛距離を伸ばし、俺の太腿を直接濡らしてくる。今の桐乃の姿勢ではそこまで見えていないだろうが、仮に故意ではないとしても文句の一つくらいは言っておくべきだろう。
「おいこら、俺は電柱じゃねえぞ」
「んくあっ……あうっ……ふはぁ……もしかしてぇ……はふぅ……掛かっちゃったぁ?」
「勝手に過去形にすんな。今も浴びてる最中だ。つうか、いつ終わんだよ」
「んぁ……もうちょっとぉ……ふぁ……兄貴にマーキングさせてぇ……」
 その発言と嬉しそうな声の響きに意図的であることを確信し、俺は呆れて深く肩を落とした。
   ★★★
 拘束を解いて共にシャワーを浴び直し、部屋の掃除を済ませた頃には日が昇り始めていた。替えたばかりのシーツの上に横になり、薄っすらと漂うアンモニア臭に顔を顰めていると、桐乃がそっと寄り添ってくる。未だに二人とも全裸であり、そろそろ長らくお預け状態だった陰茎を慰めてやりたい。まずは愛撫が必要だろうと思い、さり気なく秘所へと片手を伸ばして、俺はすぐに不審を抱いた。何故ならそれまで一切触れていなかったにも関わらず、既に充分過ぎる程に濡れていたからだ。
「んだよ、このマン汁の量は? あんだけ垂れ流したのにまだ出んのかよ?」
「だってぇ、こうして兄貴の匂い嗅いでるだけで勝手に溢れてきちゃうんだもぉん」
「お前のションベンの匂いの方が数段強えだろうが。ったく、だったら前戯は必要ねえよな? 身体起こしてチンポ跨げ。マンコ使ってやっからよ」
 そう言って騎乗位の体勢にさせ、肉茎の先を秘所へと宛がい、膣を下から一気に貫いてやった瞬間、桐乃は背中を大きく反らして腰を何度も跳ね上げた。
「うくはへあああっ! はひいっ……あふうっ……くふあっ……」
「おいっ、どしたっ?」
「はへぇ……オチンポ入れられただけでぇ……んひぁ……本気でイっちゃったぁ……あふぅ……気持ちいいのが止まんないよぉ……ひはぁ……オマンコおかしくなっちゃってるぅ……」
確かに今のは絶頂時の見慣れた動作であり、膣内の柔肉は早くも不規則に引き攣り始めている。時間の経過から考えると、マッサージャーで責め続けたが故に過敏な状態が続いているのではなく、基本的な感度が著しく向上したと見るべきだろう。
「まあ、別にいいんじゃねえか? そんだけ俺のチンポに慣れたってことだろ?」
「くふぅ……だけどこれでズボズボされたらぁ……かはぁ……オマンコ簡単にイきまくっちゃうよぉ……はふぅ……もうあたしヘトヘトなのにぃ……」
「んじゃ、お前が一人で腰触れよ。それなら多少は調節出来んだろ?」
「ふはぁ……じゃあそうするぅ……んんっ……くはあっ……ヤダっ……あひうっ……今までと違うっ……ふひはあっ……全然違ううっ……」
 桐乃は少しずつ腰の動きを速めながら、まるで失禁しているかのように愛液を排出し始めた。体液は接合部だけでなく俺の腹までもを濡らし、更に領土を拡げ続けている。見れば乳首も乳輪も既に膨れ上がっており、一物の付け根に当たる感触からすると淫核も限界まで勃起しているようだ。
「んくひあっ……オマンコ超敏感になってるうっ……あふひうっ……オチンポの形がよく判るよおっ……かひへあっ……イっちゃうあたしまたイっちゃううっ……」
「だから自分で調節しろって言ってんだろうが」
「うくひあっ……だって腰が勝手にいっ……ひくふうっ……勝手に動いて止まんないよおっ……あくひいっ……またイくオマンコまたイっくううううううっ! んふほおっ……ダメダメもう動いちゃダメえっ……ふはひいっ……ヤダまだイってるんだからあっ……おひへえっ……お願い止まって止まってよおおおおおおっ!」
 先刻と同じ動きを何度も繰り返し、加えて総身を波打たせながら、桐乃の腰使いはより激しく淫らになっていく。男根を可能な限り取り入れては抜き出し、辺りに艶めかしい水音を響かせ、女性器の内部では子宮口で亀頭を強く擦り上げてくる。言葉とは相反して当人の表情も蕩け切っており、それでいて煩悶し続ける姿は一人芝居を見ているようで面白い。
「気持ちいいんだろ? 普通に受け入れたらいいじゃねえか」
「ふくはひあっ……だってこのままじゃあたしいっ……かはひふうっ……オチンポ中毒になっちゃうよおっ……んふひはあっ……学校でもスタジオでもどこでもおっ……くあはふうっ……兄貴のオチンポ思い出すだけでえっ……はひくふあっ……オマンコ汁ダダ漏れになっちゃうよおっ……」
「んなの、今と大差ねえだろが。いいから中毒になっちまえ。ちゃんと受け入れてやっからよ。その代わし、他の奴のチンポ欲しがったりすんじゃねえぞ?」
「うくふはあっ……そんなの欲しくなんかならないよおっ……あひはふうっ……あたしのオマンコはこのオチンポだけえっ……んくふほあっ……この極太オチンポ専用なのおっ……おくふひいっ……一生兄貴専用なのおっ……あひはへえっ……イくまたオマンコ本イキ来るううううううっ!」
   ★★★
 連絡可能な時間になるのを待って休む旨を学校に連絡し終えると、俺は携帯電話を机の上に置き、再びベッドの上へと戻った。湿ったシーツの上では桐乃が裸のまま仰向けに横たわり、脚の間から計二回分の精液を漏らしたまま、気持ち良さそうに息を吐いている。先刻まで汚れた肉茎を掃除させていた為に、口の端に少量の粘液が付着しているが、全く気付いてはいないようだ。
「おい、何か付いてんぞ」
 体液を指先で拭い取り、証拠として顔の前に示してやると、桐乃はそれを舌でペロリと舐め上げた。
「んふっ、美味し。オチンポ汁七にオマンコ汁三てとこかな?」
「お前はエロ汁鑑定士か?」
「だってもう兄貴の味覚えちゃったし、薄まり具合でわかるもん」
「まあ、お前のは大して味がしねえし、理屈は判っけどよ」
「でもやっぱり百パーセントがいいなぁ。兄貴のオチンポもオチンポ汁も大好き」
「なら、もう一回するか? 今度は口ん中に全部出してやってもいいぞ?」
 俺がそう言うと、桐乃は少し考える素振りをしてから首を小さく横に振った。
「んー、オマンコ痺れちゃってて感覚ないし、今すぐセックスすんのはちょっと無理みたい。フェラだけでもいい? パイズリでもいいよ?」
「だったら少し寝ようぜ。ここんとこ碌に睡眠取ってなかったろ?」
 隣に横になりながら俺はそう言い、桐乃の頭を優しく抱き寄せた。精力については幾分余裕があるものの、ここ数日の行為で肉体は疲れ切っており、それは目の下に隈が出来ている桐乃も恐らく同様だろう。一旦この辺で本格的に身体を休ませておかないと、明日からの週末、兄妹揃って寝込むことになり兼ねない。
「だったらこのまま腕枕してて。そしたらすぐ眠れそう。あと、オッパイも触ってて欲しいな」
「両手が塞がっちまうじゃねえか。腕枕だけで我慢しろ」
「じゃあ、寝てる間ずっとオチンポ握っててもいい?」
「んなことされたら俺が眠れなくなっちまうだろうが。いいから早く寝ろ。気が向いたら乳首摘んでやっからよ」
「あ、うん。いっぱい触っていいからね。じゃあ、おやすみ」
 桐乃はそう言って俺の頬にキスをし、少しだけ顔を離して目蓋を閉じた。鼻をヒクヒクと動かしているところを見ると俺の体臭を嗅いでいるようだが、特に喘ぐこともなく穏やかな表情を浮かべており、早くも微睡み始めているといった様子だ。その満足そうな横顔に視線を向けながら、俺は睡魔が訪れるまで思案を巡らすことにした。成り行き任せの調教を続けるとしても今後の方向性ぐらいは設定しておきたい。その為には随時現状を把握しておく必要がある。
 まず考察しておくべきは昨日から今日に掛けての成果だ。避妊薬の入手、マッサージャーやロープの使用許可、衣装の選択権等色々とあるが、何と言っても一番の収穫は桐乃の性感の向上だろう。最早性交時に苦痛の影は全く見られず、陰茎挿入時から達し続けるという状態にまでなっている。淫語、手と口による奉仕、膣性交についての調教は大方完了したと言っていい。ならば別種の献身方法を教え込みつつ、そろそろ尻穴の開発に着手したいところだ。無論、汚い行為は勘弁願いたいが、予め浣腸器を与えておき、一人で準備するように命じれば済むことではある。浴室でシャワーを浴び直した際、菊門に軽く触れても嫌がらず、逆に心地良さそうな反応を示していたことからすると、感度も申し分ないに違いない。後は一物の挿入が可能となる程度まで拡張し、実際に腸内を犯してやれば、すぐに新たな快感に目覚めてくれることだろう。
 更には、その資質や嗜好性を今以上に理解する為にも、早急に他の女をも抱き、反応の違いを確かめておきたい。桐乃の身体に飽きた訳ではないが、特性を見出すには比較対象の存在が不可欠だ。正直に言えば浮気もしたいというだけの話だが、相手は既に決めてある。
 一人は田村麻奈実という名前の幼馴染みで、現在は俺と同じ高校の同じクラスに所属している。外見的にはそこそこ可愛い顔付きなのだが、洒落た要素は皆無であり、常時掛けている眼鏡を外したら特別美人ということもない。教室内では誰とでも仲良さそうにしているが、放課後も行動を共にするような親しい相手は俺以外には存在せず、学業成績が優秀ということもあって時には家庭教師の真似事などをしてくれたりもする。趣味は料理と縫い物で、謂わば桐乃の対極に位置するような地味な眼鏡娘と言ったところだが、一緒にいる時の素振りや眼差しから麻奈実が俺に対して恋愛感情を抱いていることは確実であり、和姦に持ち込むことはそれ程難しくはない。相手が温和な性格をしている為にこれまで犯すことには躊躇いがあったが、実妹との性交を繰り返して肉欲の基本値を上げた今ならば、罪悪感に苛まれることなく男根を突き入れてやれるだろう。
 もう一人は来栖加奈子という名前の桐乃の友人で、家に遊びに来ていた時に何度か俺と顔を合わせたことがある。小学校の低学年生と間違えそうな程に小柄な体格で、ツインテールの髪型も似合っており、容姿そのものはとても可愛らしいのだが、以前の桐乃以上に生意気な女であり、いつかは仕返しをしたいと思っていた相手だ。具体的に言えば、挨拶を交わそうとしても無視したり、わざと俺に聞こえるように悪態を吐いたりと、たいして見知った仲でもないのに常に驕慢な態度を取ってくる。故に加奈子に対しては一切優しくしてやるつもりはない。強姦し、いたぶり、嬲り、恐怖によって隷属させてやりたい。
 しかし、仮に相手を増やし、後々乱交を行うのであれば、桐乃から浮気の了承を得ておかねばならない。麻奈実はともかく、加奈子を罠に嵌めるにはそれが必須条件だ。性交を餌にすれば恐らく容易いだろうが、念には念を入れ、より深く依存させてから切り出した方がいいだろう。その為の調教と麻奈実への対処を平行して行い、後に加奈子対策という順番だ。上手く立ち回りさえすれば三人の少女を並べて楽しむことが可能となる。
 寝息を立て始めた桐乃の裸身を軽く引き寄せながら、俺は目を閉じてその日の光景を脳裏に思い描いた。
   ★★★
 違和感に目を覚ますと、桐乃に両の乳首を摘まれていた。裸で寄り添ったまま人差し指と親指で軽く挟み、金庫のダイヤルを回すかのように左右に小さく捻っている。痛みは全くなかったが、単に擽ったいだけで快感は皆無だ。
「おいこら、何してやがる」
「あ、やっと起きた。もう夕方だよ?」
 桐乃の返答に俺は自室の窓へと視線を向けた。カーテン越しの陽の光は弱く、室内には薄闇が差している。壁時計の針十七時三十七を示しており、眠っていたのは約九時間前後と言ったところだ。俺にとっては充分な睡眠量であり、疲れもかなり取れている。
「まだ少し眠いな。お前は何時から起きてたんだ?」
「んー、二十分ぐらい前かな? それより早く起きて。一緒にシャワー浴びようと思って待ってたんだから。寝てる間にオマンコの周りカバカバになっちゃって、このままじゃ気持ち悪いよ」
「そのスケベ親父みてえな手の動きは止めろ。それにまずは飯にしようぜ。腹が減ってきたしよ」
「じゃあ、なるべく軽めの物にして? 何かまだ身体の調子が戻んなくて、あんま食欲ないから」
 そう言って桐乃は意に添わない奉仕を中止し、両腕を俺の首に巻き付けてゆっくりと覆い被さってきた。その滑らかな肌の感触と温もりを楽しみながら、献立について考えてみる。冷凍庫に保存してある大和芋の摺り下ろしを解凍して丼に盛り、上から熱々のフカヒレスープを掛ければ精のつく一品が出来上がる。それを主食代わりにするとして、副食は鰹の叩きを加えたサラダと、新ごぼうとホワイトアスパラのマスタードソース和え、加えてグレープフルーツの生ジュース。この品目なら食も進むだろうし、体力も更に回復する筈だ。
「んじゃ、そろそろ起きっか」
 そう言って俺が上半身を起こそうとすると、桐乃が慌てたように上から身体を押さえてきた。より強く全身を密着させ、乳房と腰を擦り付けてくる。
「ちょっ、何なんだよっ? 飯喰ってシャワー浴びんだろ?」
「だって、もう少し兄貴とこうしてたいんだもん。薄暗い中で抱き合ってると大人の関係って気がしない?」
「気がしないも何も、実際にそういう関係だろうが。大体、お前が一人で抱き付いてるだけじゃねえか。俺はてっきり襲われんのかと思ったぞ」
「あはっ、じゃあ、そうしよっかな」
「まだ調子が戻ってねえんだろ?」
 そう尋ねると桐乃はにっこりと笑い、俺の頬に唇を押し当ててから、耳元で甘く囁き掛けてきた。
「それでも好きに使ってくれていいんだよ? あたし、兄貴にならオマンコ壊されちゃってもいいもん」
「もう半分壊れてんだろが。マン汁ダダ漏れだしよ」
「もうっ、そんなこと言うからほんとに濡れてきちゃったじゃん。ねえ、このまましちゃお? いっぱいオマンコ汁出せばカバカバも取れると思うし」
「飯だ」
 短くそう告げると、俺は桐乃の裸身を引き剥がしに掛かった。
   ★★★
 食事を終えて浴室に入り、共にシャワーを浴びた後、俺は桐乃を風呂椅子に座らせて大きく脚を開くようにと命じた。昨日と同じ状態であり、桐乃は当たり前のように淫唇を指で開き、洗い立ての膣肉を晒して嬉しそうに微笑んだ。
「はぁ……またしてくれんのぉ? はぁ……また指オチンポ入れてくれんのぉ?」
「綺麗になってっか確認するだけだ」
「ふはぁ……だったらよく見てぇ……はふぅ……全部兄貴のなんだからぁ……くはぁ……一番奥までのぞき込んでぇ……」
 苦笑いしながらも正面に跪いて観察してみると、既に膣奥から多量の愛液が溢れてきており、花弁の周囲だけでなく秘所全体を濡らしている。
「お前、よく脱水症状とかになんねえよな。普段から水分取り過ぎなんじゃねえのか?」
「かはぁ……見てるぅ……くふぅ……兄貴がオマンコ見てくれてるぅ……」
「おい、人の話聞いてんのかよ?」
 そう問い掛けてから、完全勃起している淫核に半ば悪戯気分で軽く息を吹き掛けてやると、桐乃は天井を見上げて悩ましい息を吐いた。
「んくはあっ……今のもっとぉ……はふぅ……もっとフーフーしてぇ……」
「そんだけでいいのか? ほんとはこうされてえんだろ?」
 俺はそう言いながら肉芽を摘み上げ、指の腹で少し強めに押し潰してやった。加えて別の指を膣内に挿し入れ、Gスポットを容赦なく嬲ってやる。途端に桐乃は下半身を小刻みに震わせ、悦びに満ちた声色で激しく喘ぎ出した。
「かはあっ……指オチンポ好き好きいっ……ふひうっ……もっとクリも強くしてえっ……くはあっ……気持ちいいオマンコ気持ちいいよおっ……」
「ちゃんとマンコ拡げてろよ? 手ぇ離したら俺も止めちまうかんな?」
「はひあっ……拡げてるからもっと見てえっ……ふくうっ……奥がビクビクしてるとこおっ……んひあっ……ビクビクオマンコちゃんと見ててえっ……」
「無茶言うな。指突っ込んでんのに奥まで見れる訳ねえだろが」
 そう言葉を返しながら、俺は少しばかり物足りなさを感じた。大量に漏れ出た淫蜜は白く濁って糸を引き、当人の薄い陰毛や俺の手首に纏わり付いて濃厚な匂いを放っている。その粘り具合からすると早くも絶頂間近となっているようだが、このままでは昨日の行為の繰り返しであり、趣に欠けるような気がしなくもない。ここは一つ、当人の意見を尊重することにしよう。
「マンコの奥は見てやれねえけどよ、他にして欲しいことねえか? それともこのままイきてえか?」
 その設問に桐乃は俺の方へと顔を向けて淫欲に満ちた笑みを浮かべ、更に大きく脚を開いて腰を前へと突き出してきた。
「くはあっ……舐めてえっ……んくうっ……オマンコ舐めてイかせてえっ……」
「……まあ、それでもいっか」
 俺は秘所から手を離し、希望通りに淫裂に口を付けてやった。甘酸っぱく、微かに塩気のある粘液を舐め上げて嚥下しながら、引き抜いた指の代わりに舌を肉壺の奥へと進めていく。それまで荒々しく愛撫してやっていたこともあって、これだけでは刺激不足かと思ったが、桐乃は両手で俺の頭を抱えて自らの股間に押し付けながら、それまで以上に艶のある声を上げ始めた。
「あひはあっ………兄貴が飲んでるうっ……くはふうっ……あたしの飲んでくれてるうっ……ふひはあっ……幸せ過ぎて止まんなくなっちゃうっ……かひはうっ……全部兄貴の為のオマンコ汁だよおっ……はくひあっ……ゴクゴク飲まれてイくイっちゃううっ……おほひはあっ……オマンコ汁飲まれてイっくううううううっ!」
 果てると同時に桐乃は腰を上下に激しく動かし、俺の顔全体に幾重にも体液を塗り付けてきた。逃れようにも頭部を押さえ付けている腕力は予想以上に強く、俺は解放の時を待ちながら延々と眉根を顰め続けた。
   ★★★
「まだ怒ってる? ごめんね?」
 俺は問い掛けに答えず、桐乃に背を向けてソファに座り直した。浴室からリビングへと場所を移してから桐乃は延々と詫び続けているが、簡単に許してやるつもりはない。何しろあの後も股間を強く押し当てられ続け、結果的に肌と粘液とで鼻と口を塞がれて呼吸困難に陥り、最後の気力を振り絞って強引に脱出しなかったら他界するところだったのだ。妹の股座で窒息死など俺の希望する死に方ではない。
「ねえ、何でもするから許してよぉ」
 桐乃はそう言いながら背後から凭れ掛かり、乳房を強く押し付けてきた。同時に手を俺の股間へと回し、ズボンの上から陰茎をそっと撫で上げてくる。俺は拒絶の意味を込めて下着とパジャマを纏っているが、桐乃は未だに全裸のままだ。
「そうだ、今度はあたしの顔に兄貴がオチンポ汁掛けて? 好きなだけ顔面シャワーしちゃっていいから。そのままオシッコ掛けちゃってもいいよ?」
「……お前、ほんとに反省してんのか?」
「してるってばぁ。ねえ、だからお願い。どんなことでも受け入れるから。ね?」
「もうちょっとで死ぬとこだったんだぞっ! 判ってんのかよっ!」
 感情に任せて背中越しにそう怒鳴りつけると、一瞬の沈黙の後、桐乃は掠れた声で呟いた。
「ほんとにごめんなさい。これからは気をつけるから……」
 泣き出す寸前なのだろう、鼻を何度も啜り上げている。堰が切れれば号泣し始めてしまいそうだ。俺としてもそこまで追い込むのは本意ではない。不満は残るがそろそろ免罪の条件を提示してやるべきか。
「いいか? 俺はお前のもんじゃねえ。お前が俺のもんなんだ。そこんとこ勘違いすんなよ?」
「うん……うん……」
「これからは今まで以上に俺に服従しろ。やることに一々口出すな。いいな? 誓えるか?」
「誓う……誓うから……」
「なら、今回のことは特別に許してやる。ほれ来い、抱っこしてやっから」
 身体の向きを変えてそう告げると、桐乃はいそいそと膝の上へと乗ってきた。俺の顔を正面から見上げ、目尻に涙滴を溜めたまま嬉しそうに微笑み掛けてくる。
「ったく、人の顔をマン汁塗れにしやがって」
「だって超気持ち良かったし、兄貴に舐められてると思ったら、嬉しくて夢中になっちゃったんだもん。オマンコもおかしくなっちゃってるし」
「んじゃ、暫くセックス止めとくか? お前のマンコが治るまでよ」
「そんなのヤダっ! いっぱい使ってくんなきゃダメっ。毎日オチンポミルク飲ませてくんないと、オマンコが病気になっちゃうよっ」
「どっから栄養摂取してんだよ? つうか、だったらマンコのせいにすんな。結局はお前が気持ち良さに負けただけのことじゃねえか」
 俺がそう言うと桐乃は渋々と首肯した。少しばかり不遜な態度だが、快楽に抗えない点については充分に承知している。事ある毎に身勝手な行為を禁じようとも、肉欲に溺れた状態ではその都度暴走してしまうことだろう。
「ごめんなさい。でも昨日からほんとに凄いんだよ? オチンポでも指でも形がはっきり判るぐらい超敏感になってるんだから。今だってこうして抱っこされてるだけで、ちょっと溢れて来ちゃってるし」
 その言葉に俺は目線を下へ向け、桐乃の腰に手を当てて位置を左へと移動させてみた。そうして現われた布地の部分には、確かに直径三センチ程の染みが拡がっている。
「お前の身体どうなってんだよ? どんだけマン汁溜め込んでんだ?」
「あたしもよく判んない。でも、ここんとこ頻繁に喉渇くし、ジュースとか飲んだ分が全部オマンコ汁になっちゃってるのかも」
 人間の体重の六十パーセント前後は水分だという話を聞いたことがあるが、桐乃の場合はその殆どが愛液なのではないだろうか。そんなことを思いつつ、俺はズボンの中で陰茎が勃起し始めていることに気付いた。頻繁に性交を行っていた為に裸体に慣れてしまい、それまでは大人しくしてくれていたのだが、淫蜜の名残を視認したことで戦闘間近だと判断したらしい。
「まあ、別にいっか。これならいつでもすぐにチンポ突っ込めそうだしよ」
「うん、いつでも好きな時に入れていいよ。面倒だったら前戯とかしてくんなくてもいいから。でもオチンポ入れた後でちゃんとオッパイ触ってね?」
「んじゃ、今からすっか? 飯の後で薬は飲んだんだろ?」
「うんっ! してしてっ! 敏感オマンコ使いまくってっ!」
 桐乃は俺にしがみ付きながら、繰り返し大きく頷いた。
   ★★★
「あひうっ……太くて硬くて気持ちいいいっ……ふはあっ……兄貴のオチンポ大好きいいっ……くふうっ……もっともっとズボズボしてえっ……かはあっ……あたしのオマンコ壊しまくってえっ……」
 手早く服を脱ぎ捨ててソファに押し倒し、適度に愛撫を与えた後に正常位で貫いてやると、桐乃は再び挿入と同時に絶頂を迎え、そのまま俺の腰に両脚を絡めてきた。情欲に火照った顔で笑い掛けてくる姿は淫らでありながらも愛らしく、端麗な顔と身体を反復運動によって弛緩させていく度に慕情が自然と募っていく。
 だが、俺が欲しいのは恋人ではなく性交相手であり、恋愛感情を抱いたり抱かせたりするのは自らが快楽を得る為の手段でしかない。麻奈実や加奈子を手に入れても捨てたり放置したりする気はないが、恋人面をされるのは真っ平御免だ。先刻の誓約はその為のものであり、謂わば浮気の了承を得る為の下準備と言ったところだ。相手の肉体と精神を隷属させても俺だけは常に自由でありたい。そんな願いが叶うのならば、策謀や脅迫など何でもない。後ろめたさや謝罪の気持ちは全て精液に替えて身体の奥へと注ぎ込んでやる。
 そんな思いから、俺は腰の動きを加速させていった。デートやショッピングよりも性交を望むように、他に女が出来て嫉妬心を抱いても俺から離れることなど不可能なように、自ら友人を贄として差し出してくるように。その為には身も心も存分に満足させてやることが必要だ。
「くふはあっ……そんな激しくうっ……んはふうっ……オマンコからグポグポって音しちゃってるうっ……うくはあっ……こんなのあたしすぐイっちゃうよおっ……」
「遠慮なんかしねえで好きなだけイっちまえ。だらしない顔見ててやっからよ」
「ひくはあっ……そんな嬉しいこと言われたらあっ………あひふうっ……あたし本気で見せちゃうよおっ……かふはあっ……本気のアヘ顔見せちゃうよおっ……んくふうっ……イくイくもうイくまたイくうっ……うくひいっ……見て見てあたしのイキ顔見ててええええええっ!」
 いつもと同じように桐乃は下半身を大きく跳ねさせ、回した脚で俺の腰をきつく締め上げてきた。本気と言うだけあってその顔は醜く、鼻の穴を拡げたまま白目を剥き、口からは犬のように舌を出している。しかし、達したからと言って動きを弱め、余韻に浸らせてやるつもりはない。その顔を更に歪ませるべく、俺はそれまで以上に荒々しく陰茎を突き入れ続けた。
「んくへはあっ……オチンポ凄いオチンポ凄いいいっ……おひあへえっ……頭も身体もバカになるううっ………ふあはひいっ……オマンコまたイくまたイくううううううっ!」
「おらおらイけイけっ、何度でもイけっ」
「はへくひあっ……どんどんオマンコ幸せになるううっ……おほくひいっ……どんどんオチンポ好きになるううっ……あへはひいっ……またイくイくイくイっくううううううっ! ふくはへあっ……オマンコセックス超大好きいいっ……んくふひいっ……イくイくオチンポオチンポでええええええっ!」
 股間から大きな水音を立てつつ、桐乃は全身に鳥肌を立て始めた。このまま延々と果てさせてやりたいところだが、膣肉の過剰な蠢動を受け、一物は程なく臨界点を突破してしまいそうだ。ならば矢張りここは子宮への射精で止めを刺してやるべきだろう。性感が向上してから未だ試してはいないが、恐らく極度の快感を与えてやれるに違いない。
「そろそろ出すぞ? 特別にまた一番奥で出してやっからな?」
 そう言って俺が亀頭で子宮口を開いていくと、桐乃は喘ぎながらも怯えた視線を向けてきた。当人としても自分がどうなってしまうか判らず不安なのだろう。そんな憂慮については言葉を交わさずとも理解出来たが、既に俺の尿道には白濁液が充填されており、端的に言えば手遅れだ。
「おらよっ」
 桐乃は嫌々をするように首を小さく横に振り続けていたが、俺が精液を射出し始めると即座に総身を痙攣させ、子袋内を汚されながら獣のような雄叫びを上げた。
「おぐふひいいいっ……おへその下にミルク来たああっ……ふぎほごおおおっ……子宮の中に溜まってくううっ……くひがはあああっ……熱くて溶けちゃう蕩けちゃうううっ……ふぐひへあああっ……またイく子宮でイっちゃううううううっ!」
「まだ俺は一発目だしよ、このまま続けて二回戦な?」
「くがふひあああっ……出しながらズボズボしちゃダメええっ……おがふひいいいっ……オマンコ壊れるオミャンコがああっ……うぶほへあああっ……イぐイぐイっでるイぎまぐっでるううううううっ! ひぐはひいいいっ……出る出るオヒッコ出る出ひゃうううっ……はがふへあああっ……オヒッコ出ひてオミャンゴイぐふひはへええええええっ!」
 宣言通りに桐乃は愛液だけでなく黄色い尿をも排出し始め、肉悦から逃れようとするかのように暫く四肢を暴れさせた後、急に何の反応も示さなくなった。
   ★★★
 ソファに身体を横たえ、力の抜けた身体を濡れタオルで拭いてやっても、桐乃が意識を取り戻す様子はなかった。呼吸はしているので単なる失神だとは思うが、少し無理をさせ過ぎたらしい。以前にネットか何かで見た、アンモニア臭が気付け薬の代わりになるという情報を思い出し、小便を鼻か口に注いでやろうかとも思ったが、反応のない時にそんなことをしても詰まらない。代わりに俺は股間をも拭ったタオルを鼻先に近付けてやることにした。自身の尿の匂いなら後から文句を言われることもないだろう。
「ふがっ……あ……ん……臭っ……」
 匂いに耐えきれなかったのか、桐乃は眉間に皺を寄せながら何度か瞬きを繰り返し、正面の俺の姿を確認すると、小さな声で問い掛けてきた。
「あれ? あたし、どうしちゃったの?」
「ションベン漏らして気ぃ失ってたんだ。覚えてねえのか?」
「あ、そっか。うん、覚えてる」
「悪かったな。つい勢いでよ」
「んー、すっごく気持ち良かったし、慣れれば平気だよ、きっと」
「慣れるまで毎回ションベンとか失神とかされたら困んだよ。つう訳で、さっきみてえなのは当分禁止な。で、俺はここの掃除すっけど、お前はどうする? 自分の部屋のベッドで休むか? 何なら連れてってやんぞ?」
「手伝うよ?」
「いや、しばらく寝てろ。そのまま眠っちまってもいいぞ。俺も掃除が終わったら試験勉強するつもりだしな」
 俺の言葉に桐乃は嬉しそうに微笑んだ。
「何でそこで笑うんだよ?」
「だって、あたしの身体のこと心配してくれてんでしょ? 寝ちゃっても構わないように試験勉強とか言っちゃって」
 その返答に俺は苦笑した。確かにそういうつもりで言ったからだ。しかし、見透かされたままでいるのは何となく決まりが悪い。
「残念だったな。ほんとに試験があんだよ。週明けの月曜っからな」
「んじゃ、そういうことにしといてあげる。それと、兄貴がここを掃除してくれてる間はここにいる。終わったらお姫様抱っこで部屋まで連れてって欲しいな」
「別にいいけどよ、掃除なんか見てても面白くねえだろが」
「いいの。掃除してくれてるとこ、見てたいの」
「んじゃ、まずは脱衣所からバケツ持って来ねえとな」
 そう言って俺がリビングを出て行こうとすると、背後から桐乃が朗らかな声を掛けてきた。
「ねえ兄貴、あたし今、すっごい幸せだよ?」
   ★★★
 深夜まで自室の勉強机の上に教科書や参考書を広げ、月曜日の試験範囲を一通り見直した後に俺は眠りに就いた。シーツは再び新しい物に替え、換気も幾度となくしたのだが、まだベッドの上には少しばかり小便の臭いが籠っていた。だが、久し振りの独り寝だ。マットレスの上を占有し、相手がベッドから落ちる心配などせずに済んだが故か、思い掛けず深く寝入ってしまい、目が覚めたのは翌日の昼過ぎだった。
 欠伸をしつつ隣を見れば、白いネグリジェ姿の桐乃が寝息を立てている。恐らく朝になって起こしに来たものの、俺が起きないので添い寝を始めたのだろう。ネグリジェは先日のベビードールと一緒に買ってきた物なのか、同様に布地が透けており、乳房が丸見えになっている。仕方ない奴だと苦笑しつつ、そこで初めて俺は自分が全裸になっている事に気が付いた。就寝時には間違いなくパジャマを身に纏っていたのだが、どうも寝ている間に剥ぎ取られたらしい。試しに布団の中に手を入れて探ってみると、口での奉仕でも受けたのか、陰茎の彼方此方がヌラリとした粘液で濡れている。更に手を当てて確かめてみると、桐乃はショーツを穿いていないようだ。もしかしたら犯されたのかもしれない。
「おい、桐乃。起きろ、おい」
 何度かそう声を掛けると、桐乃は指先で目蓋を擦りながら寝惚けた顔を向けてきた。
「ん……あふ……あ、おはよ」
「おはよじゃねえよ、お前、俺に何をした?」
「んっと、起こしに来て、お目覚めのフェラして、そんだけ」
「お前、パンツ穿いてねえじゃねえか。マンコに突っ込まなかったのかよ?」
 俺の問い掛けに桐乃は頬を膨らませた。
「そこまでしちゃったら、また勝手なことしたって怒るっしょ? それに、一生懸命ペロペロ舐めてガチガチにしてあげたのに、起きる気配なかったし。だから一回だけオチンポ汁飲ませて貰って、その後お口で綺麗にしながらオナニー一回して、そんだけ」
 思わず俺は息を噴いた。射精したことに気付かなかった自分も何だが、自らの行為を当然のことのように言ってのける桐乃には呆れるばかりだ。
「何がお目覚めのフェラだ。それだけでも充分勝手だろうが」
「だって舐める前から朝勃ちしてたよ? それに男の人ってそういうの好きなんじゃないの?」
「まあ、嫌いじゃねえけどよ。だからって勝手に人の体力削んな」
「逆の立場だったら、あたし、嬉しいけどなぁ。眠ってる間に兄貴がクリとか舐めてくれて、オマンコいっぱいイかせてくれんの。いい夢が見られると思うんだけど……」
 何となく不毛なやり取りを続けている気がして、俺は力なく笑った。どうも教育を間違えたようだが、当人が望んでいることでもあるし、朝の献身ぐらいは大目に見てやるべきなのかもしれない。とは言え、先日から何度も妥協し、結果的に主導権を奪われている気がしなくもない。
「ったく。で、お前がパンツ穿いてねえのは何でだよ?」
「そんなの兄貴の為に決まってんじゃん。いつでもオマンコ使えるようにしてあんの。その気になった? 今すぐ使う? オナニーした後で綺麗に拭いたけど、またちょっと濡れてきちゃったし」
 桐乃はにこやかに笑いながらそう言うと、布団の中の俺の手を取って淫裂へと導いた。
   ★★★
「んむっ……もごっ……ぷはぁ……これ好きぃ……あふぅ……この匂い好きぃ……はぷっ……むぼっ……おぶっ……」
 誘導されるままに恥丘に手を当て、指先で淫核を擦り上げて何度か軽く程果てさせてやると、桐乃は掛け布団を払い除けて腰を二つに折り、肉棒に武者振り付いてきた。茎部を喉奥まで咥えて鈴口を執拗に舐め回し、時折口から出しては頬摺りしつつ匂いを確かめている。どこからどう見ても痴女としか思えない素振りだが、俺は敢えて好きにさせておくことにした。陰茎に対する執着心を強めておけば、加奈子の件も切り出し易い。
「おい、そのままケツこっちに向けてみろ。マンコ舐めてやっからよ」
 俺がそう言うと桐乃は陰茎を頬張ったまま身体の向きを変え、即座にシックスナインの体勢になった。指示も待たずに自らネグリジェの裾を捲り上げ、白い尻を剥き出しにして濃密な淫臭を漂わせてくる。花弁から溢れた淫蜜は既に股間全体を塗らしており、尖り切った淫核と陰毛の間には何本もの糸が引いている。思わずその光景に見とれていると、桐乃は堪り兼ねたように一物から口を離し、前後左右に小さく尻を振りながら言葉を放ってきた。
「くふあっ……早くうっ……はふうっ……早く兄貴もしてえっ……んはあっ……あたしのクリちゃんペロペロって舐めてえっ……」
 その言葉に止むなく淫唇へと舌を伸ばすと、桐乃は自ら腰の位置を調整して勃起した肉芽を押し当ててきた。苦笑いしながらもそこを唇で挟み、痛覚を与えない程度に軽く吸い上げてやる。
「んくあっ……幸せえっ……はひうっ……オマンコ幸せえっ……あんむっ……もぶおっ……むぶむっ……おぶもっ……」
 桐乃は快楽の度合に合わせるかのように肉茎を激しく口腔で扱き上げ始めたが、一応は自重しているらしく、俺の顔に局部を押し付けてくるようなことはない。それでも鼻先に垂れ落ちてくる愛液は次第に量を増しており、このままではいずれ呼吸が困難になってしまいそうだ。仕方なく俺は肉芽を解放し、膣口に唇を押し当てて思い切り体液を啜り上げてやった。仄かな塩気と酸味のある粘液は止むことなく漏れ出し、胃袋を徐々に満たしていく。
「ぷはあっ……んはひあっ……飲まれてるオマンコ汁ゴクゴク飲まれてるうっ……くひふうっ……そんなにされたらオマンコ空になっちゃうよおっ……」
 そう言いながらも桐乃は逃れようとはせず、内腿を引き攣らせながら延々と痴液を分泌し続けている。繰り返し嚥下していても忽ち口中が一杯になる程の量だ。流石にその全てを飲み干すという訳にもいかず、俺は適当なところで切り上げると、今度は膣奥へと舌を挿し入れた。中の柔肉を舐め回しながら指先で肉豆を適度に押し潰してやると、男根への奉仕を中断したままの桐乃の口から切羽詰まったかのような声が零れてくる。
「うくはあっ……そんなにオマンコ掻き回されたらあっ……んくひうっ……あたしすぐにイっちゃうよおっ……かひはあっ……もうダメイっちゃうイくイくうっ……おふひいっ……ベロでオマンコイカされちゃううううううっ!」
   ★★★
「んふはぁ……この入ってくる時も大好きぃ……あくふぅ……オチンポ硬くて気持ちいいよぉ……」
 絶頂の余韻に浸らせてやった後に騎乗位での挿入を命じると、桐乃は手にした陰茎を自身の膣奥へと呑み込んでいきながら、そう言って甘く息を吐いた。根元まで取り込んでからゆっくりと腰を前後に揺らし、膣肉で一物を扱いてくる。その満足そうな顔に笑い掛けてやりながらも、俺は両手を伸ばして桐乃の下半身を押さえ付けた。
「えっ? ちょっ、何?」
「勝手に動いたりすんな。たまにはお前のマンコの感触、じっくりと確かめてえんだからよ」
 そう言いながら乳房を左右共に下からそっと揉み上げてやると、不満そうな表情を浮かべていた桐乃はすぐに破顔し、俺の手に掌を重ね合わせてきた。愛撫の仕方を教え込むかのようにそのまま指先に力を込め、乳首を徐々に尖らせていく。
「はぁん……だったらオッパイいっぱい揉んでぇ……んふぅ……滅茶苦茶にしちゃっていいからぁ……くはぁ……オマンコもキュキュってしてあげるぅ……」
 言葉通りに桐乃は膣内を収縮させ、肉茎をきつく締め上げてきた。元より狭苦しいこともあって快感よりも痛覚の方が強く、俺が顔を顰めると即座に緩ませて悪戯っぽい笑みを向けてくる。
「あはっ、締め過ぎちゃったぁ?」
「判っててやってんだろうが。ったく、器用なことしやがって。どこで覚えたんだよ」
「かはぁ……昨日の夜ぅ……あふぅ……オマンコの締まりを良くする方法をぉ……んふぁ……ネットで検索してみたのぉ……くふぅ……兄貴だってその方が嬉しいよねぇ?」
「今のお前には必要ねえだろ。未だにキツキツなんだからよ。逆に緩める方法を覚えとけ」
「くぅん……力抜けば多少は緩まると思うけどぉ……んはぁ……後は兄貴の役目じゃあん? ふはぁ……毎日いっぱいオマンコ使ってぇ……はふぅ……早くオチンポの形に変えてぇ……」
 その言い草に呆れつつも、俺は穏やかに腰を使い始めた。肉棒の中程までを繰り返し膣内へと送り込みながら、亀頭でGスポットを擦り上げてやる。合わせて乳肉を強めに揉みしだいてやると、桐乃は喘ぎ声を上げながら再び下半身を揺らめかせ始めた。
「くはあっ……もっとオチンポ奥まで入れてえっ……はふうっ……もっとずっとオマンコの奥うっ……」
「んだよ、Gスポ擦られんのも好きなんじゃねえのか?」
「かはあっ……それは指オチンポの時いっ……ふくうっ……セックスの時は奥までえっ……んはあっ……子宮の入り口グリグリってしてえっ……」
 切な気に身悶えしている桐乃を見ながら、俺は少しずつ腰を速めた。それでも当人の希望には従わず、膣内の浅い部分だけを刺激し続けてやる。そうして充分に焦らしてから半身を起こして座位の姿勢へと移行し、両手を解いて優しく抱き締めてやりながら耳元に囁き掛ける。
「なあ、桐乃。お前の友達で生意気なチビガキがいたよな?」
「ふはあっ……加奈子のことおっ? んくあっ……それがどうしたのおっ?」
「今度また、家に連れて来て泊まってもらえよ。その時は事前に俺に言え」
「かふあっ……何で今そんなこと言うのおっ? くひうっ……加奈子に何かするつもりいっ?」
「犯す」
 その言葉には桐乃も驚いたらしく、途端に喘ぎを止めて大きく目を見開き、次いで我に返ったかのような顔付きで拒絶の言葉を述べてきた。
「そんなのダメっ! 加奈子はあたしの親友だもんっ! 絶対ダメっ!」
 発言は尤もだが、そんな反応は予想済だ。だからこそ告げる前に挿入させたとも知らず、桐乃は何度も思い直すように頼み込んでくる。俺は反復運動を加速させつつ男根を根元まで挿し入れ、子宮口を軽く突いてやりながら説得を試みることにした。
「黙って俺に協力しろ。そうすればお前のことも今まで以上に可愛がってやっから。な?」
「かひはあっ……ダメダメえっ……んくひうっ……あたしがするからあっ……はひくあっ……あたしが何でもしてあげるからあっ……あくひうっ……加奈子はダメえっ……」
「親友だからか? だったら尚更協力しろ。この先、変な男に騙されるより、俺が大切に扱う方が安心だろうが。それ以上にお前のことは大事にすっからよ」
 詭弁にもなっていない身勝手な台詞だが、短期間とは言えども身体を散々に弄り回してきた俺には確信がある。今の桐乃ならば性欲に抗い切れず、そんな言葉でも自身を納得させようとするに違いない。現に桐乃は肉悦を浴びながらも視線を四方に彷徨わせており、陰りのある表情からは迷いが見て取れる。
「くふはあっ……だってそんなのおっ……んくひうっ……そんなのおかしいよおっ……」
「お前は俺とこうしていて不幸か? もしも幸せなら、親友も幸せにしてやりてえとは思わねえか? お前が幸せに思うものを親友にも分け与えてやりてえとは思わねえのか?」
「はくひあっ……だってだってえっ……くふひあっ……その動かし方ダメえっ……」
 悩ましく悶え続けている桐乃の様子からすると、あと数分もすれば言いなりになってくれそうだ。その時が訪れるのを早めるべく、俺は片手を股間に当てて指先で淫核を摘み上げた。
   ★★★
 抱き竦めたまま子宮口を磨り潰すかのように陰茎を動かし、五回程果てさせてやったところで桐乃の心は折れた。それからは両腕で俺にしがみ付き、躊躇うことなく自らも腰を振り立てている。接合部から高らかに水音を響かせつつ俺の左肩や首筋を舐め回し、時に焦点の合わない目を向けて微笑んでくる様は白痴のようであり、その表情に不満の陰は見当たらない。
「んじゃ、もう一度聞くけどよ。本当にいいんだな?」
「んくはあっ……何でもするうっ……かはふうっ……それが加奈子の為だもぉんっ……ふはひあっ……その代わりあたしにもいっぱいしてえっ……あふひうっ……毎日オチンポで可愛がってえっ……」
「別に構わねえぞ、元々そのつもりだしな。マンコ使いまくって俺専用のチンポ奴隷一号にしてやっからよ」
「かひふあっ……そんなのもうなってるよおっ……はふひうっ……あたしもう兄貴のオチンポ奴隷だよおっ……んはひあっ……このオチンポいっぱいハメてくれるならあっ……うくひあっ……友達もお金も全部あげるううっ……」
 彼女候補でなければ嫌だという反論を予想していたのだが、桐乃は奴隷という言葉を容易く受け止め、更に激しく腰を使い出した。従属を明確に示す行動の一環とでも考えているのか、淫核を一物の根元に擦り付けてくる自分本位の動かし方ではなく、適度に膣内を締め上げながら茎部全体を上下に扱き上げてくる。それでいて自身も喘ぎを深めており、最早どんな振る舞いからも一定量の快楽を得ているといった様子だ。
「金は別にいいから、その内ここにも突っ込ませろよ」
 そう言って片手を臀部へと下ろし、小指で尻穴を軽く擽ってやると、桐乃は抱き上げられたまま僅かに肩を竦めた。だが、すぐに荒く息を吐きながら上半身を密着させ、硬くなった乳頭を胸に強く押し付けてくる。愛液の量が増してきている点からしても、菊門の感度が良いという俺の見立てに間違いはなかったようだ。
「はふくひあっ……全部好きにしてえっ……んひはへうっ……そこも兄貴のだからあっ……ふひはうあっ……何されてもいいのおっ……あくふひうっ……お尻の処女も貰ってえっ……」
「まあ、こっちは徐々に慣らしてっからだな。マンコ以上にきつそうだしよ」
「かひはふあっ……兄貴とお尻でセックスうっ……あひはへうっ……大好きな兄貴とアナルセックスうっ……くはふへあっ……想像しただけでオマンコまたイっちゃいそおっ……」
「エロゲマスターのお前には尻とかアナルとか似合わねえな。他に何か言い方ねえのかよ? 一番えげつない言葉で言ってみろ。ちゃんと言えたら中出ししてやっから」
「おくひはあっ……だったら処女ケツオマンコおっ……ひはかふうっ……指でコチョコチョ気持ちいいのおっ……んほひはあっ……ケツオマンコ気持ちいいっ……ふはあひいっ……ケツオマンコ超気持ちいいのおっ……あひはへえっ……もうイくオマンコもうイっちゃううっ……」
 身悶えし続ける桐乃の台詞に背筋がぞくりとし、俺は堪らず抽送運動を加速させた。ついでに指先を少しだけ腸内に挿し入れ、優しく肉壁を撫でてやる。桐乃は犬のように舌を出しながら半目になり、程なくして俺が膣内に射精すると同時に媚声を辺りに響かせた。
「んくほひいっ……熱々オチンポ汁でイっくううううううっ! おほあへえっ……どっちのオマンコも気持ちいいいっ……かはへふあっ……癖になるこれ癖になるうっ……あはふひいっ……オチンポミルクとダブルオマンコおおおおおおっ!」
   ★★★
 二度目の射精を済ませた後に膣から陰茎を引き抜くと、即座に桐乃は胡座を掻いた俺の股間に頭を埋め、当然の如く掃除を始めた。シーツの上に屈み込んで体液塗れの一物を舐め回しつつ匂いを嗅ぎ、同時に自らの秘所にも片腕を伸ばし、時折その手を顔の前に移動させては指先を口に含んでいる。恐らく膣内の精液を取り出して味わっているのだろう。見た目は単なる全裸の女子中学生だが、その内面と素振りは風俗嬢にも劣るまい。
「あむっ……れろっ……んぷっ……ぷはぁ……幸へぇ……はぷっ……むぼっ……ぢゅるっ……」
「もうそのくらいにしとけ。飯とシャワーの後でまた相手してやっからよ」
 軽く頭を撫でながらそう言ってやったのだが、顔を上げて期待に満ちた視線を送って来たものの、桐乃は名残惜しそうにカリ首にチロチロと舌先を這わせ続けている。
「れおっ……ぺおっ……はふっ……もうちょっとだけ綺麗にさせてぇ……ぴちゃ……んれっ……臭くて苦くて美味ひぃのぉ……」
「んじゃ、あと三分だけな」
 壁時計の分針と秒針の位置を確認しながらそう告げると、桐乃は慌てた様子で萎え掛かった肉棒を咥え込み、滑った舌を亀頭に繰り返し絡めてきた。可能な内に充分楽しんでおくつもりなのだろうが、執拗且つ丁寧な奉仕を受け、俺の意に反して肉茎が少しずつ昂ぶってくる。
「むれぼっ……ぶおれっ……んぐぽっ……あむぼっ……ぷへあっ……あはっ、また元気になってきたぁ……はふぅ……もっとガチガチにしてあげるぅ……がぽおっ……むおろっ……えろれっ……」
「別にいいけどよ。チンポがどんな状態になろうが、マンコに突っ込むのは後でだかんな?」
「ぐぷぼっ……あぶもっ……んぶむっ……うぷはっ……あふぅ……ケチぃ……はぐっ……れろおっ……ぬっちゅっ……ぶぢゅるっ……」
 異議を申し立ててきながらも、桐乃は口中のものを適確に勃起させていく。やがて三分経過間際となった頃には、俺の生殖器は再戦準備を八割方整え終えていた。
「そろそろ時間だぞ。三、二、一、ほれ終わりだ。いい加減にそこを退け」
 両手を側頭部に当てて力任せに引き剥がすと、桐乃はそのまま仰向けに横になってM字開脚し、淫唇を大きく開いて見せてきた。剥き出しになった膣肉の奥からは未だに粘液が漏れ出しており、尻穴や内腿までも濡らしている。
「はぁん……ちょっとでいいからオマンコに入れてぇ……くふぅん……先っぽだけでもいいからぁ……」
「後でな。どうしても我慢し切れなかったら、俺が飯作ってる間オナニーでもしてろ」
 そう言い捨てながらベッドから下りて振り向くと、既に桐乃は右手の指二本を深々と蜜壺に挿し込み、恥ずかし気もなく前後に腰を揺らし始めていた。
   ★★★
 食事時には膝の上に乗りたがり、入浴の際には浴室内での交尾を求めてくる。そんないつも通りの桐乃の要求を撥ね付け続けた後、俺は近所のコンビニエンスストアへと出掛けることにした。特に購入したい物があった訳ではなく、裸族のような格好で家の中に籠もっているのに些か飽きが来ていたからだ。このままズルズルと同じ生活を続けていれば、いずれは性行為そのものに対する興味を失い兼ねない。ならば時には普段と違う行動を意図的に取り、気分を一新させておくべきだろう。
 当然の如く桐乃は自分も一緒に行くと言い出した。互いの部屋で衣服を身に纏ってからと答えると、慌てた様子で俺の手を掴み、足早に階段を上っていく。そのまま俺は桐乃の部屋へと連れ込まれ、取っ手の付いた紙袋を渡された。中に入っていたのは幾つかの小箱で、どうやら新品の男性用下着らしい。
「んだよ、これ?」
「一昨日、兄貴の為に買っといたの。折角だから穿いてみてよ」
 桐乃は裸身を擦り寄せながら甘えた口調でそう言ってきたが、俺は頷く気にはなれなかった。何故ならば箱の中身は全てTバックインナーだったからだ。つまりはペニスケースと大差のない形状であり、カルバンクラインやアンドリュークリスチャン等のブランド品ではあっても、トランクス派の俺にとって容易く受け入れられるものではない。
「いや、これはちょっとなぁ……」
「ええっ? 何でぇ? 別にいいじゃん。兄貴が穿いてくれたら、あたしいつでもパンツの上からペロペロするよ?」
 その言葉に惹かれ、俺は試しに一箱開けてみることにした。実際に手に取ってみると手触りは良いものの、予想していた以上に生地が少ない。穿いた状態で陰茎が完全勃起したならば、上部から亀頭が飛び出してしまいそうだ。
「ほら、貸して。あたしが穿かせてあげる」
 俺が迷っていると桐乃はそう告げて手の中の下着を奪い、ニヤリと笑ってその場に屈み込んだ。乳房を揺らしつつ両手で俺の片脚を持ち上げ、素早く足首を通していく。その甲斐甲斐しい姿に俺は逆らうことも忘れ、子供が出来たら面倒見の良い母親になりそうだなどと場違いな感想を抱き、気が付いた時には肌着を完全に装着させられていた。尻に食い込む布紐の違和感もさることながら、性器を包み込む生地の圧迫感が煩わしい。
「駄目だ、どうも落ちつかねえ。やっぱチンポはパンツの中でブラブラしてねえとな」
 そんな俺の呟きに桐乃は首を横に振り、洗濯もしていない下着の上から一物をペロリと舐め上げてきた。自らの行為を見せつけるように伸ばした舌をゆっくりと茎部に這わせ、片手で陰嚢を優しく揉んでくる。延々と半勃起していた肉茎は瞬く間に硬度を上げ、布地から鈴口が露出した途端に桐乃は声を上げて笑った。
「きゃはははははっ! ピョコンて顔出してるーっ。可愛いーっ。カンガルーの親子みたーいっ」
 勿論、俺は即座に桐乃の頭を軽く小突き、有無を言わさず下着を脱ぎ捨てた。
   ★★★
 その後、俺は柄物のトランクスに黒のスウエットパンツ、グレーのTシャツを着込み、桐乃を連れて家を出た。当たり前のことながら、誠心誠意仕えるべき主人を有袋類扱いしたことには厳しい罰を与えねばならない。故に桐乃は俺の指示通り上下の肌着を身に纏うことなく黒地のワンピース一枚の姿で隣を歩き、腕を組んで乳房を強く押し付けたまま次第に息を荒くさせ、目当ての店の前へと辿り着いた時には傍目にも判る程に乳首を勃起させていた。仕置きとしての意味は皆無だったらしく、街灯の明かりの下でよくよく見れば愛液も脹ら脛の辺りにまで垂れ落ちてきており、淫臭狂に加えて露出症の気も少なからずあるようだ。幸いにして辺りは既に宵闇に包まれているが、このまま共に店内に入って他人に眼福を与えてやる気にはなれない。
 俺は少し考え込んでから、素直に家に戻ることにした。欲情が収まるまで公衆便所内で犯してやろうにも最寄りの公園は来た道とは反対方向である上に遠く、他に性交可能な場所については今のところ自宅以外に心当たりがない。溜息を吐きながら踵を返そうとすると、桐乃が横から不思議そうに見上げてきた。
「どしたの? 中に入んないの?」
「入れる訳ねえだろが。んなに乳首ビンビンにさせやがって。マン汁もダラダラなのが一目瞭然じゃねえか」
「だって、兄貴の傍にいると勃っちゃうし濡れちゃうんだもん」
「あんま大きな声で言うな。周りに聞こえちまうだろうが。とにかく帰んぞ」
「だったら一人で買い物してきていいよ? あたし、ここで待ってるから」
 その申し出に俺は黙り込んだ。僅かとは言えカロリーを消費してここまで来た以上、欲しい商品などなくとも何かしら買って帰りたいところではある。もしかしたら性行為に使えそうな物が一つぐらいはあるかもしれない。見渡したところ駐車場は疎らであり、付近を歩く人影もなく、桐乃を店舗の脇に立たせておいても絡んでくるような人間はいないだろう。
「んじゃ、人目に付かねえ隅の方で十分前後待ってろ。何か欲しいもんあっか?」
「じゃあ、えっと、焼きプリンとナプキン買ってきて」
「どんな組み合わせだよ。プリンだけにしとけ」
「むうっ、兄貴がどんな顔してナプキン買うのか、ここから見てたかったのにぃ」
「んなとこで羞恥プレイなんかやる気ねえぞ。その代わり他にも何か買ってきてやっからよ」
 そう言い残して俺は店の自動ドアを開き、中へと入って買い物カゴを手に取った。まずはデザート棚に並べられている商品を一瞥し、約束の品を三個得ておく。次いで各種のパン類、飲料、菓子と足早に見て回り、適当にカゴへと放り込む。程なくして雑貨の棚へと目を向けた俺は、そこで初めて口元を静かに歪ませた。
   ★★★
 買い物を終えて帰宅すると俺はそのままリビングへと足を向けた。桐乃と隣り合ってソファに座り、二つの大きなレジ袋の中から購入したばかりの品々を取り出していく。三個の焼きプリン、五百ミリリットルの缶ビール六本パック、複数のスナック菓子とチーズをテーブルの上に並べ、最後に手にしたのはペットフードの傍に陳列されていた犬用の赤い首輪だ。合皮製ではあるが売られていた中では一番大きなサイズの物であり、その使途を瞬時に理解したらしき桐乃は穏やかに笑い、俺に背中を向けて両手で髪を掻き上げた。
「慌てんな、ちっと待ってろ」
 俺はそう言ってテーブル上のペン立てからハサミを取って首輪の値札を外し、ひんやりとした表面を掌で少しだけ暖めてから桐乃の首へと通した。剥き出しになった項を眺めつつ、ある程度緩めた状態で平ベルトの金具を止めてやる。
「いいぞ、位置とかは自分で調整しろ」
 そう告げて手を離すと桐乃は俺の方へと向き直り、留め具が正面に来るように両手で首輪を回転させた。
「あはっ、兄貴のペットにされちゃった」
「ペットっつうか、奴隷だしな。その内に本革製のしっかりした奴を買ってやっから、それまではその安モンで我慢しとけ」
「うんっ。オチンポ奴隷って名札付けてくれてもいいよ?」
「んじゃ、後で注文しとくか。ネットで探せば好きな文字をプレートに彫ってくれるような所もあるだろうからよ。それよかグラス持ってこい。お前にも酒飲ませてやっから」
 その言葉に桐乃は破顔して素早く立ち上がり、軽やかな足取りで隣のキッチンへと向かった。俺に関して言えばアルコール類を摂取するのはこれが初めてではなく、高校に入ってからは親父が帰国して晩酌する際に随時付き合わされている。以前はコップで二、三杯程度だった酒量も今では大瓶数本は空けられるようになっており、月に何度かは一人で飲んでもいる。晩酌時に桐乃が同席することは今迄一度もなかったが、お袋から聞いた話では俺の不在時に矢張り親父に飲まされたことがあるそうで、取り敢えず下戸ではないらしい。喜び勇んでグラスを取りに行った様子からすると、飲酒が嫌いということもないだろう。果たしてどれ程の量を飲むことが出来るのか、どんな酔い方をするのか、興味の湧くところではある。
 ちなみに先刻のコンビニエンスストアは私服姿であれば誰にでも酒類を売ることで有名な店であり、噂ではお使いを頼まれた小学生相手であっても対応は一貫しているとのことだ。元々は酒屋だったらしいので以前の販売方針がそのまま残っているのだろう。大手チェーン店ではないという点も少なからず影響していると思われる。出来れば法令の罰則など受けず、今後もそのまま営業を続けて欲しいものだ。
「グラスこれでいっかな? お皿も何枚か持ってきたよ。スナック開けちゃっていいっしょ?」
 トレイを手にして戻ってきた桐乃の問い掛けに首肯を返し、俺はビールのパックを手前へと引き寄せた。
   ★★★
「ねえ、オチンポ出してぇ。オチンポ見ながら飲みたいよぉ」
 酒盛りを始めて暫くすると、桐乃は脈絡もなくそう言い出した。そろそろ本格的に酔いが回ってきたらしく、呂律が少々怪しい。ビールはついさっき五本目の缶を開けたばかりで、当初から俺と変わらぬペースで飲み続けていた桐乃の腹には約一リットルが収まっている計算になる。女子中学生としては剛の者と言えるだろう。
「あたしも見せるからぁ。オマンコくぱぁってしてあげるからぁ」
「お前はもう飲むな。目も据わってきてんじゃねえか」
「だったらビールの代わりにオチンポミルクぅ。あたしがシコシコしてあげるからぁ、グラスの中にドピュドピュって出してぇ。残さず綺麗に飲むからぁ」
 桐乃はそう言って横から凭れ掛かり、首筋に舌を這わせてきた。突然のことに怯んだ隙に両手を俺の着衣に掛け、スウエットパンツとトランクスを強引に膝まで下ろしていく。
「んふっ、すぐに大っきくしてあげるぅ」
 手で奉仕すると言っていたにも関わらず桐乃は俺の膝上へと乗り、ワンピースの裾を捲り上げた。下半身を剥き出しにしたまま秘所を萎えた一物に押し当て、腰を前後に揺らしてくる。
「おいこら、勝手に始めんな」
「ふはぁ……素股ぐらい別にいいじゃあん……あふぅ……入れる前にはちゃんと許可取るからぁ……くふぁ……どんどん硬くなってきて気持ちいいよぉ……」
 位置合わせが終わった時点でワンピースの縁は元のように下げられていたが、股間を視認などせずとも愛液を溢れさせていることは判る。勃起中の男根が既に大量の滑りに覆われているからだ。粘液に塗れた肉溝の感触は堪らなく心地良く、俺はそのまま奉仕をさせておくことにした。加奈子の件について後々口を挟ませない為にも、随時褒美は与えておきたい。
「んじゃ、好きなようにしてろ。俺がマンコに突っ込みたくなるまでな」
「はぁん……嬉しいぃ……かはあっ……オチンポいいっ……んふうっ……オチンポ気持ちいいっ……くふあっ……このまま吸ってえっ……あくうっ……オッパイ吸ってえっ……」
 許可を得たことで安心したのだろう、桐乃は腰の動きを速めつつ着衣の前ボタンを外してはだけ、露出した左乳房を下から持ち上げて俺の眼前へと寄せてきた。腰を僅かに屈めて希望通り乳首を口に含んでやると、俺の頭に両腕で強くしがみ付き、艶やかな声を上げてくる。
「んひあっ……もっと強くうっ……ふはうっ……思い切り吸ってえっ……ひうあっ……跡が残っちゃってもいいからあっ……」
 腰の動きに回転を加えながら、桐乃は更に強く乳肉を押し付けてきた。息苦しさを覚えた俺は拒絶の意を示す為に乳頭を少し強めに噛んでやったのだが、頭部を開放してくれそうな気配はなく、むしろその痛みさえも喜んで受け入れているようだ。止むなく頭を振って腕の拘束を幾分弱めさせ、肌から口を離して直接文句を言ってやる。
「ぶはあっ……そんな抱き付いてくんな。また呼吸困難になっちまうだろが」
「くふぅん……だってえっ……はひうっ……超気持ち良かったしぃ……ふひあっ……もうオチンポ欲しいよおっ……あふうっ……オマンコに入れてえっ……」
「俺が突っ込みたくなるまでは駄目だ。それまで延々とおねだりしてろ」
「くふあっ……オチンポ欲しいよおっ……かひうっ……生オチンポが欲しいのおっ……んへあっ……お願いだから早くハメてえっ……ひへうっ……もう子宮が下りてきちゃってるんだからあっ……はひあっ……オチンポ頂戴オチンポオチンポおっ……」
 桐乃は切な気な表情で淫語混じりの嘆願を繰り返し、俺はその痴猥な響きに耳を傾けながら自分のグラスを手に取った。
   ★★★
 素股によって散々焦らしてやった後、ワンピースを捲り上げて予告もせずに陰茎を膣奥へと挿し入れてやると、桐乃はそれだけで呆気なく高みに昇り詰めた。蕩けた顔で目尻に嬉し涙を浮かべ、俺以上に激しく腰を揺らして首輪の金具をカチャカチャと鳴り響かせ、以後も繰り返し果てながら尿まで漏らしてくる。そんな知性の感じられない表情と反応を肴に俺は暫しの間ビールを飲み続けていたのだが、不意にあることを思い付いて桐乃の耳元へと口を寄せた。
「お前、今度から首輪してる時は俺のことを御主人様って呼べ。んで、敬語な。ついでにチンポやマンコの頭にオを付けんな。いいな?」
「んはひあっ……判りました御主人様あっ……かふひうっ……そこいいチンポ凄くいいですうっ……うひへあっ……マンコ溶けてる溶けちゃってますうっ……」
 要点を押さえた応答に俺は満足感を抱き、見返りとしてビールを口移しで飲ませてやった。これで平素以上に露骨な言葉使いも気分次第で楽しめる。それなりに乗りの良い桐乃の性格から察するに、奴隷モードを発動させる度に態度も少しずつ控え目になっていくだろう。
 更に言えば、桐乃には被虐性だけでなく加虐的な資質も見受けられる。ボンテージスーツか何かを購入して着用の際には女王様然とさせ、サドとマゾと素の状態を完全に切り分けさせるのも面白そうだ。
「くはひうっ……御主人様のチンポ好き好きいっ……おほひあっ……太くて硬くて大好きいっ……あへひうっ……幸せ過ぎてまたイっちゃううっ……んくふあっ……奴隷マンコイっちゃいますうっ……」
「勝手にイくな。俺が許可するまで耐えてろ」
「ふひはあっ……そんなもう来てる来ちゃってますうっ……はへひうっ……お願いですからイかせて下さいいっ……うくへあっ……溶けちゃう身体全部が溶けちゃううっ……んくひいっ……ダメイくマンコが勝手にイっちゃううううううっ!」
「ったく、使えねえ奴隷だな。だったら延々とイってろよ」
 吐き捨てるように俺はそう言うと、手の中のグラスをテーブルの上へと置いた。一物の抽送を速めながら右手を接合部に伸ばして指の腹で淫核を押し潰し、左手では小指の先を尻穴に押し込んで腸壁を容赦なく撫で上げてやる。
「おほひぐはあああっ……それダメほんとにイきっ放しになるううううううっ! ふぎほはひいいいっ……狂っちゃうあたし狂っちゃううううううっ! んはぎふほおおおっ……オマンコも頭も馬鹿になるううううううっ! あがふはへえええっ……兄貴お願い許してええええええっ!」
「言葉遣いが元に戻ってんぞ。罰として十分間はこのまんまだな」
 そう言って俺は肉芽を捻り上げながら腸内深くへと指を進め、大きく跳ねる下半身を前後から牽制しつつ桐乃に朗らかに笑い掛けた。
   ★★★
 膣内射精後にシャワーを浴び、俺の部屋へと場所を移して再び交じり合い、桐乃と共に眠りに就いたのは夜明け近くのことだった。十四時過ぎに目覚めてからの行動もここ数日の内容と大差なく、入浴と食事と後片付けの合間に互いの性感帯を愛撫し、時に身体を重ね合う。夜も更けた頃には性欲もある程度満たされ、就寝前に俺が浴室で汗を洗い流していると、先に済ませて湯船に浸かっていた桐乃が甘えた声を掛けてきた。
「ねえ、明日も学校休んじゃお? 一日中セックスしてようよぉ」
「俺の方は明日から試験なんだよ。暫くは我慢しろ」
「むうっ、あたしよりテストの方が大事なんだ?」
「仕方ねえだろが。お前は俺が留年とかしてもいいのかよ?」
「いいじゃん別に。あたしも同じ高校に行くから待っててよ。そしたら毎日二十四時間、オマンコ好きに使えるよ?」
 俺はノズルを捻ってシャワーの湯を止め、振り返って桐乃へと目を向けた。顔付きからすると冗談らしいが、幾らかは本心からの発言であるようにも見える。ここは完全に拒絶しておいた方が良いだろう。
「ふざけんな。高校で二年も留年してたら進学や就職に響くだろうが。仕送りも止められちまうかも知んねえし、どうやって俺に生きてけってんだよ」
「んー、あたしのヒモになるとか? あたし兄貴の為だったら、スナックとかクラブとかで働いてもいいよ?」
「それこそ却下だ。んなことより少し脚退けろ。俺も入んだからよ」
 そう言って俺は浴槽に片脚を入れ、次いで桐乃の正面に腰を下ろした。湯は適温且つ入浴剤によって芳しい香りを立ち上らせており、若草色に染まってはいるものの濁りが皆無である為に、M字開脚している妹の秘所は丸見えになっている。
「んふっ、もっと奥まで見たい?」
 桐乃は俺の視線に気付いて更に大きく脚を開き、返事も待たずに片手を局部に添え、指先で淫唇を左右に拡げつつ微笑み掛けてきた。肌の火照りに合わせたかのように膣肉は平素よりも赤味を浴びており、湯の動きに合わせて艶めかしく揺らめく度に陰茎が硬度を増していく。
「あはっ、オチンポまた大っきくなってきてる。寝る前にもう一回しちゃう?」
「もう腹一杯じゃねえのかよ? さっきリビングでそう言ってたろ?」
「場所が変われば別腹だもん。オマンコの中のお湯掻き出して、代わりにミルク飲ませて欲しいな」
「今日は打ち止めだ。明日は少し早めに起きて、試験範囲見直すつもりなんだからよ。その代わし、あと一回ぐれえはイかせてやっから」
 俺はそう告げてから前屈みになって右手を伸ばし、桐乃の体内へ中指を挿し入れた。
   ★★★
 授業の終了を告げる鐘が鳴って教室内がざわめき始めると、俺は着席したまま伸びをして凝り固まった筋を解した。流石に試験期間初日から休む訳にはいかず、予定通り本日は登校している。然程勉強していなかった為に答案用紙には空欄もあるが、今のところ赤点及び追試は何とか免れそうな案配だ。それでも一応は自己採点しておくべきかと考えていると、不意に眼鏡をかけた女生徒が近付いてきて俺の席のすぐ前に立った。
「きょうちゃん、何だか疲れてるみたい。まだ体調悪いの?」
そう声をかけてきたのは性奴隷候補である麻奈実だ。俺が長らく病欠していたこともあり、登校直後から事ある毎に心配そうに話し掛けてくる。
「何度も言ったろ、もう身体は平気だ。けどまあ、色々とあってな」
「ふうん。でもやっぱりいつもよりお疲れ気味って感じだよ?」
 確かに疲労はしている。と言うのも、登校前に桐乃に自慰を強要されたからだ。離れている間寂しくないよう下着に匂い付けをして欲しいとしつこくせがまれ、してくれなければ学校に行かないと言われては仕方がない。よって俺は朝から下半身を露出させて立ったまま陰茎を扱き、スカートを大きく捲り上げた桐乃のショーツの中へと精液を放ってきたという訳だ。御陰で近い内に加奈子を家に連泊させることを改めて約束してくれたが、粘液塗れの下着を穿いたまま嬉しそうに学校へと向かう姿を見て俺は心底呆れずにはいられなかった。
 ちなみに麻奈実も性交相手に加えたいということについては、未だ桐乃に打ち明けてはいない。何故ならば以前から傍目にも判る程に麻奈実のことを嫌っているからだ。決して反目し合っている訳ではなく、麻奈実の方は仲良くなりたいと思っている様子なのだが、偶然顔を合わせた際には一方的に無視し続けている。長らく不明だったその理由も、今となっては嫉妬だと理解することが出来る。幼少時から俺の傍にいることが多かった分、桐乃の麻奈実に対する負の感情は相当蓄積されている筈で、隷属させた現状況下であっても切り出すタイミングが難しい。3Pへの道は険しいと言ったところか。
「ところで残りの科目の勉強は進んでる? もし良かったらまた見てあげよっか? 判んないとこ教えてあげるよ?」
 そう言って麻奈実は優しく包み込むような眼差しで俺の顔を覗き込んできた。その肉付きのいい身体には未だ一切手を出していないが、幼馴染の味を楽しむのにはいい機会と言える。以前から俺の指示には従順であり、加えてさり気なく好意を示してくるだけに、愛の言葉の一つも囁いてやれば簡単に股を開いてくれることだろう。問題は俺の体力だが、桐乃は夕方からモデルの仕事が入っていて今日の帰りは少し遅くなるとのことだ。ならば一、二回程度の余力を残しておいてやり、それ以外は全て麻奈実の為に使ってやろう。
「そうだな、頼む」
「ん、判った。じゃあ、わたしの家でやる? 新味の最中もあるんだ」
 麻奈実の家は代々和菓子屋を営んでおり、行けば無料で好きな商品を喰わせてくれる。和菓子は特に好物ではないが、正直言って麻奈実の両親が作る甘味は悪くない。だが、これから食すつもりなのはその家の長女だ。店舗と繋がっている自宅には他にも祖父母等の家族がいて不都合極まりない。
「いや、俺が金を出すから、レンタルルームでも借りてやろうぜ」
「れんたるるーむ? お金掛かるとこ? だったらわたしも半分出すよ?」
「いや、勉強見て貰うんだし俺に払わせろ。その代わし二人っきりな」
「ふ、二人っきり?」
「んだよ、今までだってお互いの家で二人で勉強してたじゃねえか。嫌なのか?」
 俺の問い掛けに麻奈実は慌てて首を横に振った。掛けている眼鏡が吹っ飛んでいきそうな程の勢いだ。
「ち、違うのっ、強調するからびっくりしただけっ。そのっ、全部きょうちゃんにお任せするからっ」
「なら決まりだな」
 その言葉に麻奈実は二度、三度と頷き、貞操の危機が迫っていることも知らず嬉しそうに微笑んだ。
   ★★★
「この問題もさっぱりだな。ちっと見てくれ」
「ん? あ、これはね、この数式を、こんな感じで応用するの」
 自宅近くにあるレンタルルームの中、俺はソファーベッドに腰掛け、左隣に座った麻奈実に勉強を見て貰っている。数ヶ月前に新しく出来たばかりの場所で、互いにこれが初めての利用だ。数種類あるタイプの中から俺が選んだのは一番設備が整った部屋で、ソファーベッドの他に今現在教科書やノートを広げているテーブル、エアコン、電子レンジ、液晶テレビ、有線放送機器、ドアの向こうにはシャワールームまで備え付けられている。受付の脇には自販機コーナーが設置されているが、食べ物の持ち込みも自由であり、廊下から室内を覗き見ることは出来ず、防音処理も施されているとのことだ。百六十分三千五百円という料金が相場に見合ったものなのかどうかは判らないが、その気になればラブホテル代わりとして充分に使える作りであり、取り敢えず不満はない。ついでに言えば、別料金を払えば毛布や枕を貸してもくれるらしい。
「ちゃんと聞いてる? こういう勉強は毎日続けないと意味ないんだよ?」
 ノートの上に愛用のシャープペンを走らせながら麻奈実は頬を膨らませた。制服の上着であるブレザーを脱ぎ、ブラウスの上から薄手の袖なしセーターを着ている為に、ニット地の盛り上がりで大凡の胸の大きさが把握出来る。自己申告によると桐乃の胸囲は八十二とのことなので、見た目の差異からして恐らく八十五はあるに違いない。当然ながら衣類の厚みを考慮してのことだが、そろそろ部屋の残り使用時間からして実測に入る頃合いだろう。
「なあ、麻奈実。もう俺たち十七歳なんだしよ、今日を機会に付き合い方も年相応に変えようぜ?」
「変えるって、どんな風に?」
「そんなの決まってんじゃねえか、俺がお前のこと犯すんだよ。構わねえよな?」
「え、ええっ?」
 麻奈実は目を丸くして、手にしていたシャープペンをテーブルの上に落とした。
「なっ、何言ってるのっ?」
「だから、お前のマンコに俺のチンポを突っ込んでいいかって聞いてんだよ」
「ばっ、馬鹿っ。きょうちゃんの馬鹿っ」
 顔を真っ赤に染めて俺から離れようとする麻奈実を強引に抱き寄せ、着衣の上から胸を揉んでみる。確かに桐乃より肉厚だが、八十四に訂正しておいた方が良さそうだ。
「わっ、わわっ……」
 目と口を大きく開けて妙な声を上げてはいるが、乳房に触れ続けていても麻奈実は暴れたりせず、されるが侭となっている。多分状況が理解出来ていないのだろう。俺にとってはその方が都合が良い。混乱している内に会話を誘導して納得させてしまえば、後は好きなように出来る。
「俺はこの先もお前と一緒にいてえんだよ。お前はどうなんだ? 俺と一緒じゃ嫌か?」
「そ、それは、その、もちろん一緒にいたいけど……」
狼狽えてはいるものの、麻奈実は相変わらず愛撫を拒まずにいる。微かに表情を緩ませているのは、欲情に基づく俺の発言を愛の告白として受け止めているからだろう。
「なら、こういうことすんのも当たり前だろ? もうお互い子供じゃねえんだぞ」
「で、でもっ……」
「お前のことが好きだから犯してえんだよ。いいよな?」
 誠実振った態度でそう言い、胸部に当てていた手を頬へと移動させて唇を奪ってやると、幾分硬直気味だった麻奈実の半身から徐々に力が抜けていく。行為を受け入れようとするかのように目蓋を伏せ、下げていた両腕を俺の背中へと回し、口を離すと同時に潤んだ瞳を向けてくる。半ば蕩けた表情で喘ぐように息を吐いているところを見ると、もしかしたら桐乃以上に身体が敏感なのかもしれない。
「……わたしのこと好きって、ほんと?」
「当たり前だろうが。じゃなかったらこんなことすっかよ。お前は俺が嫌いか? 俺に触られたり抱かれたりすんのは嫌か?」
「ううんっ。その、わたしも前からきょうちゃんのこと、大好きだったから……」
 首を横に振った後、麻奈実は照れ臭そうに俯きながら予想通りの言葉を返してきた。更には愛情の深さを示すかのように抱き付いた腕に力を込め、総身を密着させてくる。ここまでくれば後は簡単だ。
「だったらいいよな? お前を俺の女にしても」
 その問い掛けに僅かに身を竦ませながらも、麻奈実はゆっくりと頷いた。
   ★★★
 了承を得たとは言え、性交経験がないであろう麻奈実の処女を味気ないレンタルルームで散らすのは野暮というものだろう。聞いてみると、当人も雰囲気のある場所での初体験を望んでいるらしい。ラブホテルでも構わないとのことで、幸いにして試験期間中は午前中に下校出来るので、今から連れ込んで二、三回犯すだけの時間は優にある。しかし、胸を揉み始めた時点から俺の陰茎は着々と準備を進めており、使用時間もまだ残っている以上、一旦この場所で溜まっているものを抜いておきたいところだ。
「セックス以外のことなら、別にここでもいいよな?」
「そ、それ以外って何?」 
「取り敢えず裸を見せ合おうぜ。お前の身体見ながらオナニーしてみてえしよ」
「おっ、おなにいって……」
 戸惑う麻奈実を尻目に俺は立ち上がって手早く服を脱ぎ、全裸になってソファーベッドに座り直すと、勃起した陰茎を見せ付けるようにして扱き始めた。
「きょ、きょきょっ、きょうちゃんっ?」
 麻奈実は慌てて視線を逸らしたが、多少は興味があるのか、制服のスカートを握り締めながら横目でチラチラと俺の股間を盗み見ている。初期の桐乃の反応と大差なく、極端に恥ずかしがったり泣かれたりするよりは気分が楽でいい。
「お前も早く脱いで協力しろ」
「き、協力って、そんな……」
「いいから早くしろ。グダグダ言ってっと、この場でチンポぶち込むぞ?」
「ううっ、きょうちゃんの意地悪ぅ……」
 悲しげに呟きながらも麻奈実は腰を上げて制服を脱ぎ始めた。セーター、靴、靴下、ブラウス、スカートと脱いでいき、真っ白なブラジャーとピンクのショーツ姿になったところで、許しを請うような視線を向けてくる。
「こ、これでいい?」
「駄目に決まってんだろ。全部脱いで乳首もマンコも見せんだよ」
「で、でも……」
「嫌なら先に帰れ。お前との付き合いもこれまでだ」
「そんなっ、ちゃ、ちゃんと脱ぐからっ」
 麻奈実は取り乱したようにそう言うと、全身を真っ赤に染めながらも脱衣を再開した。震える指を背後に回してホックを外し、肩紐を下ろしてブラを取り、乳房を露出したままショーツにに手を掛けてゆっくりと下ろし、布地から足首を抜き取っていく。一糸纏わぬ全裸となってから両手で要所を隠しはしたものの、何度か溜息を吐いた後に諦めたように腕を解き、顔を背けたまま直立不動となって裸身の全てを晒してくる。
「こ、これでいいんだよね? これで今迄通り傍にいさせてくれるんだよね?」
 問い掛けに俺は首肯し、手の動きを速めながら観賞を始めた。豊かな乳房は碗型でふっくらと丸く、薄桃色の乳首と乳輪は羞恥に赤らんだ肌の上で微かに膨れているようだ。尻は大きいものの垂れ下がることなく張りを保ち、密生している陰毛は縮れ、室内灯の光を受けて淫靡な艶を放っている。全体的に桐乃より太めだが肥満体という訳ではなく、ややぽっちゃりという表現が相応しいだろう。
「んだよ、いい身体してんじゃねえか。恥ずかしがる必要なんてねえだろが」
「だって、やっぱり見られるのは……」
「素直に喜べ、気に入ったって言ってんだからよ」
「え? あ、うん。その、ありがと……」
「よし。んじゃ、そのまま俺の正面に跪け」
 座り込むことで多少は自身の身体を隠せると考えたのか、麻奈実は素直に指示に従い、そこで始めて一物が目の前にあることに気付いたらしく、勢い良く顔を伏せた。
「俯いてんじゃねえよ。俺の身体に何か不満でもあんのか?」
「そ、そうじゃないけど……」
「なら、もっと間近で見ろ。いつでも思い出せるよう、俺のチンポの形をよく覚えとけ」
 その言葉に麻奈実はきつく目を閉じたまま顔を上げ、恐る恐る目蓋を開けた。目尻に薄っすらと涙を浮かべ、怯えた顔をしてはいるが、眼鏡越しの視線が少しずつ釘付けになってきているのが判る。些か昂奮してもいるようで、小さく開いた口から漏れる息は甘く、微かに身体をくねらせてもいる。更に発情させてやる為に俺は完全勃起した男根から手を離し、有無を言わせぬ口調で告げた。
「舐めろ。俺のことが本当に好きなら出来るよな?」
 麻奈実は目を見開いたまま首を横に振ったが、俺が無言でいると渋々と肉茎に顔を寄せて喉を鳴らし、やがて我慢汁で濡れた亀頭に怖ず怖ずと舌を押し当てた。
   ★★★
 肉茎の先端から陰嚢まで一通り舌で舐めさせた後、俺は麻奈実をソファーベッドの隣に座らせた。唾液塗れの一物を手で扱かせながら、背中越しに腕を回して柔らかな乳房を強めに揉んでやる。行為に慣れてきた頃を見計らって幾つかの淫語を教え込み、合間に何度か唇を重ねてやると、麻奈実は身体を強張らせることなく素直に指示に従うようになっていった。見た目からしても既に発情してることは明らかで、瞳の虹彩は深く澱み、膨らんだ鼻孔から漏れ出す息は荒く、乳頭は俺の指の間で硬く尖り切っている。
「んはぁ……きょうちゃあん……くふぅ……きょうちゃあん……」
「何だお前、乳首捻られるのが気持ちいいのかよ? マゾじゃねえのか?」
「あふぅ……だってきょうちゃんがぁ……はぁん……だってきょうちゃんがぁ……」
「馬鹿の一つ覚えみてえに名前ばっか呼んでんじゃねえ。どこ触られてどんな気分か言ってみろ」
「くはぁ……オッパイの先ぃ……んふぅ……オッパイの先が気持ちいいよぉ……」
 麻奈実は身悶えし続けながら指示した通りに声を上げ、陰茎を擦り上げる動作を速めた。性格からして奉仕向きだろうとは思っていたが、頭が良いだけあって飲み込みは早く、心地良い速度で扱き上げてくる。
「そうじゃねえ、さっき言葉を教えたろうが。勃起乳首弄られて感じてますって言ってみろ」
「んくぅ……勃起乳首弄ばれてぇ……あふぅ……感じてますぅ……」
 幼少時から俺に依存し切っていた為か、性的な命令にさえ従う姿は数年来の奴隷のようだ。一旦膣を犯してしまえば更に言いなりになってくれることだろう。褒美として秘所の愛撫に移ってやりたいところだが、壁時計を見るとレンタル時間の終了まで十数分しか残っていない。着衣の手間や後々の事を考えると、この辺で精液を放っておいた方が良さそうだ。
「そろそろ出すからチンポ咥えろ。口の中に出してやっからよ。残さず飲んで味も覚えろ」
 文句の一つぐらい言ってくるかと思ったが、麻奈実は素直に腰を折って俺の股間に顔を埋めた。茎部を手で擦りながら亀頭を頬張り、命じてもいないのに舌を這わせてくる。とても処女とは思えない行動だが、俺のことを完全に受け入れ、どうしたら気持ちがいいのか考えてくれているのだろう。それだけの気構えがあるならば、無理してでも全ての体液を飲み干してくれることだろう。
「いいぞ。そのまま手を離して口全体でチンポ扱け」
「んぼっ……もごっ……あむっ……ぐぼっ……ごくっ……ぶごっ……んぐっ……」
 麻奈実は喉奥まで男根を取り入れたまま上下に頭を動かしてくる。息が苦しいのか、豚のような鼻呼吸を繰り返しているが、俺の淫臭に慣れさせるには丁度いい。
「じゃあ出すぞ、くっ、飲めっ」
「んぶぼもごおっ……むぐぶっ……おごぶっ……ごくっ……んごくっ……もごぶぼっ……」
「はぁ……そのままだ……んっ……一滴も零すなよ?」
 そう言って髪をそっと撫で付けてやると、麻奈実は口中の粘液を嚥下しつつ小さく腰を震わせた。
   ★★★
 レンタルルームを出てファーストフード店で簡単な食事を済ませ、繁華街の外れにあるラブホテルに向かう途中、俺は桐乃の携帯に電話を掛けた。帰りが遅くなる旨の連絡を入れておこうと思ったのだが、仕事中なのか出ず、仕方なく留守電にその旨の伝言を残しておく。麻奈実にも同様の電話を自宅に掛けさせた。時刻は十六時を回っていたが、これで多少は時間が稼げたことになる。
 目的のホテルに着くと、まず俺一人が中に入って様子を調べることにした。と言うのも、俺も麻奈実も制服姿だったからだ。以前に雑誌か何かで読んだ記事では、場所によっては未成年であることを従業員に注意され、時に追い返されることもあるとのことで、ここは注意深く行動する必要がある。しかし、部屋を選ぶ為の大型バネルの前を繰り返し行き過ぎても、奥から人が出てくることはなかった。天井にカメラが備え付けられているので監視していることは間違いないが、見過ごしてくれるのならありがたい。今後、事ある毎に贔屓にしてもいい。
 改めて麻奈実を連れてパネルの前に行き、好きな部屋を選ばせ、取り出し口に現われたキーを持って狭苦しいエレベーターに乗り込む。上階の部屋へと辿り着き、まず行ったのは室内の確認だ。当たり前のことだが、俺も麻奈実もラブホテルを利用するのは初めてであり、部屋の片隅に置かれた淫具の販売機やベッドのマットレスに仕込まれたバイブレーション機能、風呂場のスケベ椅子など、興味を引くものが幾つもある。だが、時間には限りがあり、あまり室内探検を楽しんでもいられない。
 俺は鞄の奥に忍ばせておいた避妊薬の箱を取り出して麻奈実に渡し、今すぐ中の説明書を読んで服用しておくように伝えた。その間に風呂場へと行き、浴槽に湯を張っておく。次いで脱衣を命じると、麻奈実は顔を赤らめながらも素直に従った。更には俺の衣服をも脱がせるように指示し、互いに全裸となったところで優しく抱き締めてやる。
「恥ずかしいか?」
 俺が問い掛けると麻奈実は小さく頷いた。背後に回した手で尻肉を鷲掴みにし、勃起した陰茎を下腹部に強く押し当ててやっている為か、それでも徐々に息を荒くさせている。
「お前は俺のことが好きなんだよな? だったらどんなに恥ずかしかろうが痛かろうが全て受け入れろ。お前にとっては辛いことでも俺にとっては愛情を示す為の行動だ。お前のことが本当に好きだから色々としてやりたくなるんだ。嫌ってたら抱こうなんて思わねえ。判るな?」
 そう言って短く口付けをしてやると、麻奈実はうっとりと微笑んで再び首を縦に振った。俺の言葉と行為が余程に嬉しかったのか、瞳を潤ませつつ背中に両腕を回してくる。一糸纏わぬ状態で不安を抱かせた後、安堵を与えて覚悟を促すという目論見はどうやら上手くいったらしい。この様子なら即座に調教に入ってもいいだろう。
「ふはぁ……きょうちゃあん……はぁん……大好きぃ……」
「俺もだぞ、麻奈実。んで、一つ確認しときてえんだけどよ。お前、今迄に俺とセックスしてえと思ったことあっか?」
「ふえっ? え、えっと、その……」
「正直に答えろよ? 俺の質問はお前の愛情の深さを確かめてるんだと思え。本当に好きだったらどんな恥ずかしいことでも言える筈だ。勿論それで嫌ったりなんかしねえ。全部受け入れてやっからよ」
「う、うん。その、いつかはきょうちゃんにあげたいって思ってたから……」
 その返答に俺は薄く笑い、片手を麻奈実の股間へと伸ばして秘所全体を掌で包み込んだ。そのままゆっくりと揉み解してやると、僅かに漏れ出した愛液が指を濡らしてくる。
「んはぁ……いきなりそんなぁ……くふぅ……きょうちゃんてばぁ……」
 そう述べながらも麻奈実は俺の手を払い除けようとはせず、逆に両脚を幾分開きながら力一杯抱き付いてきた。拒絶する素振りは微塵も見当たらず、俺との性行為に対する決意の程が伺える。事前の説得が功を奏したと言えるだろう。
「つまりお前はこのマンコに俺のチンポを入れたかったんだな? こうされてんのはお前が望んでたことなんだよな? そうだな?」
「かはぁ……そうだけどぉ……あふぅ……でもこんなぁ……」
「俺の前では正直になれって言ったろ。マンコにチンポが欲しかったんだろうが。ちゃんと言ってみろ」
「ふはぁ……そんなぁ……はふぅ……言えないよぉ……んふあっ……そこ嫌あっ……あはうっ……そんなに強くされたらあっ……」
 局部全体と臀部への愛撫に加え、親指の先で淫核を繰り返し擦り上げてやると麻奈実は激しく喘ぎ出した。淫蜜の量は一気に増え、俺の掌全体を湿らせ始めている。それでいて嫌悪感の全く感じられない表情で従順に身を任せており、扱い易さは桐乃以上だ。
「お前は俺の女になりたくねえのか? その程度の好きってことかよ?」
「ふくあっ……なりたいいっ……くふうっ……きょうちゃんの女になりたいいっ……」
「だったら言え。マンコにチンポが欲しかったって言ってみろ。恥ずかしさに耐えた分だけ、お前のこと愛してやっからよ」
「んひあっ……オマンコにオチンポ欲しかったあっ……はひうっ……オマンコにオチンポ欲しかったあっ……かはあっ……ずっときょうちゃんとしたかったのおっ……あひうっ……いっぱいセックスして欲しかったのおっ……ふひあっ……オマンコにきょうちゃんのオチンポが欲しいのおっ……」
「よし。んじゃ、そろそろ風呂に入っか。付いてこい」
 望みの台詞を聞き終えた時点で俺は両手を離し、息も絶え絶えの麻奈実を置き去りにして浴室へと足を向けた。
   ★★★
 脳に信号を送る機械など使わなくとも、相手を洗脳する方法は幾らでもある。世界的な宗教団体に於ける懺悔や怪し気な組織が行っている事柄、即ち赤裸々な願望や罪を自ら口述させた上で許してやることもその一つの手段だ。他者との性交を望むことは生物の本能として仕方のないことだが、道徳心から外れた一種の罪悪と呼べないこともなく、その告白をさせた以上、麻奈実がより深く俺に依存してくることは間違いないと思われる。後は受け入れてやりつつ、別種の洗脳方法、例えば催眠商法のように快楽を与えて熱狂を煽り、行為を肯定するように精神を操ってやればいい。効果がなければ別の遣り方を試してみるだけの話だ。詐欺や悪徳商法の手口の多様さは、人の心が如何に弱さを秘めているか表わしているとも言える。
 そんなことを思いながら一緒に浴室に入り、俺が洗い場の椅子に座ると、麻奈実は自ら相向かいに膝の上へと載ってきた。大きく脚を開いて愛液に塗れた陰毛と秘所を晒し、些か湯気で曇った眼鏡のレンズ越しに物欲しそうな視線を向けてくる。
「んだよ? して欲しいことがあったら言ってみろ」
「その、きょうちゃんにもっと、オマンコ触って欲しいの……」
 どうやら先刻の愛撫の際、絶頂を迎えさせることなく行為を終えたことで肉欲が高まっているらしい。締まりのない顔で淫語を平然と口にしてくるところからすると、思想教育の必要性は然程なさそうだ。止むなく指先で淫裂を繰り返しなぞり、肉芽を軽く押し潰してやると、膣奥からどんどん愛液が溢れてくる。淫唇等に色素の付着は殆どないが、触れられることに慣れているといった様子であり、処女だという当人の言葉を信じるなら頻繁に自慰でもしているのだろう。
「んはあっ……気持ちいいっ……あふうっ……きょうちゃんの触り方気持ちいいよおっ……」
「ったく、恥ずかし気もなくマンコ濡らして喘ぎやがって。お前、普段からオナニーのやり過ぎなんじゃねえのか?」
「はふうっ……そんなことないもぉんっ……くふあっ……そんなにしてないもぉんっ……」
「ってことは、してんのは認めんだな? いつもどんなこと想像してんだ? 言え」
 そう言って容赦なく淫核全体を擦り上げてやると、麻奈実は俺に強く抱き付き、豊かな乳房と尖った乳首を押し付けながら口を開いた。
「ふはあっ……きょうちゃんにされちゃうのおっ……んくうっ……毎晩求められちゃうのおっ……うふあっ……朝からお店の仕込みがあるのにいっ……あひうっ……きょうちゃんてば凄くてえっ……はうあっ……わたしのこと全然寝かせてくれないのおっ……」
 発言内容からすると、どうやら俺と夫婦になり、和菓子屋を継いだ状況を思い浮かべては自慰に耽っているらしい。つい先日まで童貞だった無垢な俺に勝手な役を振り、肉欲の為に汚し続けていたという点には呆れたが、相手の願望が判った以上は精々上手く利用させて貰おう。
「お前、俺と結婚してえのか? 何度も言ってっけどな、俺は別に店なんかやりたくねえんだぞ?」
 俺は敢えて素っ気なく言った。麻奈実にとっては理想の未来かもしれないが、和菓子屋を継いでやる気など全くない。だが、田村家の面々、特に麻奈実の母親は以前から俺と娘との交際を望んでおり、事ある毎に婿養子に来るようにと言ってくる。後々妙な勘違いをされないよう、当人にだけでもしっかりと釘を刺しておかねばならない。
「かはあっ……一緒にいてくれるなら別にいいのおっ……んひうっ……お嫁さんにして貰えるならあっ……くひあっ……全部きょうちゃんの好きでいいのおっ……」
 その答えに俺は愛撫する手の動きを止めた。桐乃よりも幾分濃厚な麻奈実の淫臭を嗅ぎながら、口の端を薄っすらと歪めて問い掛ける。
「何でも言うこと聞いて、どんなことでもするか? それならお前との結婚について、先々考えてやってもいいぞ?」
「んはぁ……するぅ……はぁ……何でもきょうちゃんの言う通りにするぅ……」
「なら、このままチンポ掴んでマンコにぶち込め。お前が腰振って俺をイかせてみろ。夫の性処理は妻の役目だかんな。上手く出来たら多少は前向きに考えてやんぞ?」
 その言葉に麻奈実は厳かに頷き、勃起した陰茎を手に取った。
   ★★★
 希望していた初体験とは明らかに違う状況下でありながら、麻奈実は俺の命じたことに素直に従った。辛そうな顔で痛みに耐えつつ自ら陰茎を膣内に取り入れ、破瓜の血を流しながら拙く腰を動かしてくる。時折耐えかねたように動作を止めて苦し気に息を吐くが、その度に唇にキスをしてやると、少しだけ表情に穏やかさを取り戻して再び下半身を揺らし始める。一途なその姿には若干胸が痛くなったが、この程度のことで罪悪感に浸っていたら加奈子を強姦することなど出来よう筈もない。これは麻奈実に課した試練であると同時に、俺がより残酷になる為の訓練だ。そう自分に言い聞かせ、黙り込んだまま事の成り行きを見守った。
 それでも事前の愛撫で充分に秘所を濡らしていた為か、時間の経過と共に麻奈実の表情からは険しさが少しずつ消え、代わりに淫靡な影が差し始めた。苦痛に満ちた喘ぎは徐々に甘い声に変わり、淫核を一物の根元に擦り付けるのが気持ちいいのか、単に上下運動を繰り返していた腰を前後に滑らかに動かしてくる。
「んふあっ……きょうちゃあんっ……くふうっ……気持ちいいっ? はうあっ……わたしの身体あっ……あひうっ……気持ちいいっ?」
「ああ、気持ちいいぞ。けどよ、ちゃんと教えた言葉を使え。それも嫁候補にしてやる条件なんだかんな。おら、自分が何をしてるか言ってみろ」
「はんあっ……オマンコでぇ……くはうっ……きょうちゃんのオチンポ扱いてるのおっ……んひあっ……オチンポ扱かせてもらってるのおっ……」
 自らを卑下した台詞を聞きながら、俺は何度か頷いた。と言うのも、麻奈実は外来語の発音が苦手で常に棒読みになってしまうのだが、淫語に関しては満足のいく響きだったからだ。これなら合格点をくれてやってもいい。更に色々な言葉を教え込んでやれば、流暢な発声だけでなく、持って生まれた地味な気質の改善にも繋がるに違いない。当人の為だと思えば、これからの淫語調教にも力が入るというものだ。
「ふうあっ……きょうちゃあんっ……あくうっ……わたし何だか変だよおっ……はふあっ……アソコがあっ……はひうっ……オマンコがあっ……」
「はっきり言え。お前の血塗れマンコがどうした?」
「んくあっ……まだ痛いのに何だかあっ……くひうっ……ピリってするのが気持ちいいのおっ……はうあっ……オマンコどんどん気持ち良くなっちゃってるのおっ……」
 麻奈実が快楽を得ていることには気付いていたが、どうも俺は一部勘違いしていたようだ。痛みが引いてきたが故に快感を得ているのではなく、痛覚そのものが心地良いらしい。被虐的な要素は桐乃にもあるが、何と言っても麻奈実はこれが初めての性交だ。具体的に思い返さなくとも、どちらの資質が高いのかは明白と言える。
「お前、マゾ確定だな。自分で膜破って一人でケツ振って、それで気持ちいいなんてよ」
「くはあっ……だって相手がきょうちゃんだからあっ……ひふうっ………きょうちゃんのオチンポだからあっ……」
「言い訳してねえで認めろ。私は痛いのが気持ちいいマゾのメスブタです、って言ってみろ」
「んくふああああああっ!」
 俺が新たな命令を告げ終わるのと同時に、麻奈実は下半身の動きを止め、叫び声を上げながら強く抱き付いてきた。そのまま接合部に大量の愛液を溢れさせ、全身を震わせている。横顔を覗き込んでみると、表情は蕩け、瞳の虹彩はそれまで以上に鈍くなっているようだ。恐らく俺の発した言葉をきっかけに達してしまったのだろう。勿論、初の性交時に言葉責めに反応して絶頂を迎えるなど予想もしなかったことであり、今後は付き合い方を考える必要がありそうだ。
「んはあっ……くふぅん……はぁん……きょうちゃあん……ふはぁ……わたしぃ……」
「ったく、許可もなく勝手に一人でイきやがって。俺はまだ出してねえぞ。早くケツ振れ」
「あふぅ……くぅ……うん……んはぁ……ごめんなさぁい……」
 余韻に浸りながらもゆっくりと身体を起こし、麻奈実は再度腰を使い始めた。俺はその乳房に手を伸ばし、荒々しく揉みしだいてやりながら、目の前の真性マゾを短期間で精液便所にするべく育成することを決めた。
   ★★★
 改めて腰を振らせ、程なくして膣奥に精液を注ぎ込んでやると、その染みる痛みに身悶えしながら麻奈実は二度目の絶頂を迎えた。相手が逸材であることが判った以上、遠慮したりする必要はない。汚れた陰茎を口で掃除させ、足の指をしゃぶらせ、その間に膣から床へと垂らした血の混じった粘液を舐め取らせて、奴隷としての立場を叩き込んでおく。
 そうして厳しい態度で接した後は一転して褒美の時間だ。浴槽に浸かって背後から裸身を抱き、両の乳房に優しく触れてやると、破瓜を迎えたばかりの淫裂に湯が染みるのも快感なのだろう、麻奈実は身体を擦り付けながら媚びた声色で囁き掛けてきた。
「んはぁ……きょうちゃん大好きぃ……あふぅ……オッパイ気持ちいいよぉ……」
「色々と頑張ってくれたからな、好きなだけ気持ち良くなっていいぞ。風呂から出たら、もう一度マンコも使ってやる」
「はぅん……嬉しいぃ……んくぅ……きょうちゃんにいっぱい触って貰えてぇ……ふはぁ……もうお嫁さんの気分だよぉ……」
 麻奈実の言葉に俺は薄く笑った。そんなことを言っていられるのも今の内だけだ。いずれは配偶者でなく、奴隷となることを自ら望むようにさせてやる。しかし、何と言っても残念なのは今までその身体に手を出さないでいたことだ。その資質と嗜好性が判っていなかったとは言え、もっと早く犯しておくべきだった。俺が精通を迎えると同時に処女を散らしてやっていれば、今頃は小便までも喜んで飲み干すような肉欲と倒錯に満ちた淫乱女に育ってくれていたことだろう。だがまあ、女として生まれた悦びを教え込んでやる機会はこれから幾らでもある。問題は麻奈実のことをどうやって桐乃に認めさせるかだが、現時点では特に焦る必要もない。当座は成り行きに任せ、妙案が浮かんでくるのを待とう。
「んふぅ……そんな先っぽばっかりぃ……ふはぁ……そんなにクリクリってされたらぁ……」
 麻奈実の声に俺は我に返った。考え込んでいる間に、つい乳首ばかりを責め続けていたらしい。とは言え、当人の素振りは嬉しそうであり、指の腹に挟まれた突起は左右共に硬く尖り切っている。
「要するに気持ちいいんだろ? それならそう言え。恥ずかしがったりすんな。お前がどんなにスケベな女でも全部受け止めてやる。この先もずっとな」
 そう言ってやると、麻奈実は俺の腕の中で勢い良く向き直り、正面から抱き付いてきた。あまり考えもせずに適当に告げただけなのだが、どこかが琴線に触れたのだろう。
「嬉しい、きょうちゃん、嬉しいよぉ」
「判ったから、あんまり身体を押し付けてくんな。この場でもう一回したくなっちまうだろうが」
「きょうちゃんがしたいなら、わたしはいいよ?」
 俺の顔に頬摺りをしながら麻奈実はそう言って甘く息を吐き、湯の中の肉棒を握り締めた。
   ★★★
 浴槽の中で交わる気にはなれず、風呂場からベッドの上へと移動し、事前に丹念な愛撫をしてから正常位で陰茎を挿入してやると、麻奈実は苦痛に顔を歪めることなく俺の腰使いを受け入れた。まだ痛みはあるのだろうが、それも当人にとっては悦びの一つだ。乳首を尖らせ、愛液を垂れ流し、膣肉を擦り上げてやる度に気持ち良さそうに喘いでいる。このまま一気に肉体を開花させてやりたいところだが、風呂場でのんびりし過ぎた為に、時刻はもう二十時を回っている。そろそろ帰宅の準備を始めないと後々面倒なことが起こり兼ねない。
「くはあっ……きょうちゃあん……んひうっ……オマンコ気持ちいいよおっ……」
「そうじゃねえだろ? さっき教えた台詞を言ってみろ」
「ふはあっ……言うからキスしてえっ……くふうっ……きょうちゃあんっ……んはあっ……ちゃんと言うからあっ……あひうっ……お願いキスしてえっ……」
「言えたら考えてやる。おら言え、言ってみろ」
 寝台へと場所を移してから未だに一度もキスを交わしていないことが不満なのか、麻奈実は度々口付けを求めてきている。だが、それこそ俺の思う壺だ。調教の餌とするには丁度いい。
「はうあっ……勃起オチンポでズボズボ犯されてえっ……んくうっ……メスブタオマンコが気持ちいいのおっ……くはあっ……わたしマゾのスケベ女だからあっ……あふうっ……淫乱オマンコから涎垂らしっ放しなのおっ……ひはあっ……オチンポ汁が欲しくて欲しくて堪らないのおっ……」
 一通り言い終わるの待って俺は顔を寄せ、一瞬だけ麻奈実の唇を奪ってやった。無論、言わせた言葉の全てが本心という訳ではないことは理解している。麻奈実は単に指示に従っただけだ。だが、俺自身の興奮を高めることだけが目的で卑猥な言葉を述べさせているのではない。快楽を得ている状態で何度も口にさせることで、発言はその精神に刻み込まれ、知らず知らずの内に錯覚を引き起こし、やがて当人も自らの真情として受け入れるだろう。それこそが淫語調教の醍醐味と言える。
「んひあっ……きょうちゃんもっとおっ……はふうっ……もっとキスしてえっ……ふはあっ……何でも聞くからあっ……あひうっ……言うこと聞くからあっ……」
「なら、もう出してやっから、チンポ汁をおねだりする時の台詞を言ってみろ。上手く言えたら、マンコの中にぶち撒けながらキスしてやる」
「かはあっ……わたしの発情オマンコの奥にいっ……んあうっ……好きなだけオチンポ汁を中出しして下さぁいっ……ふはあっ……だらしないメスブタオマンコの子宮の奥までえっ……はふうっ……オチンポ汁塗れにして下さぁいっ……」
「上出来だ」
 俺は麻奈実に再びキスをし、口腔に舌を挿し入れて絡ませてやりながら膣奥へと精液を放った。
「んもがっ……むぶごっ……もぶむっ……ぐぼもっ……んぶもごぼおおおおおおっ!」
 麻奈実は俺の腰に両脚を絡めて身体を引き寄せると、そのまま幸せそうに全身を痙攣させて白濁液を受け止め続けた。
   ★★★
「なんで帰りがこんな時間になんの?」
 麻奈実を自宅に送り届けてから帰宅すると、部屋着姿の桐乃が玄関で帰りを待っていた。俺の姿を見るなり仁王立ちしたまま腰に両手を当て、きつい目つきで睨んでくる。表情と態度だけを見れば以前と何ら変わらないが、俺の帰りを待つなど初めてのことだ。
「携帯に伝言入れといたろうが」
 言いながら頭を撫でてやると、桐乃は気持ちよさそうに目を細めた。
「でも遅い。どこ行ってたの?」
 穏やかな笑みを浮かべながらも、口調だけは拗ねている。
「麻奈実と勉強してた。まだ試験期間中だしな」
「……こんな時間まで地味子と一緒?」
 桐乃は以前から麻奈実のことを地味子と呼んでいる。当人には悪いが、上手いネーミングと言えなくもない。
「お前だって、仕事で遅くなるって言ってたじゃねえか」
「でも、あたしは兄貴に会いたくて、なるべく早く帰ってきたもん。シャワーも浴びて待ってたのに、こんな時間まで地味子となんて……」
「そんなにあいつのこと嫌うなよ。小さい頃、何度か遊んで貰ったろ?」
「そんなの、もう覚えてないもん」
 そう言って桐乃は頬を膨らませた。元々見た目がいいだけにそんな素振りも可愛らしい。麻奈実との性行為で疲れてはいるが、俺の帰りを待っていたことでもあるし、多少は褒美を与えてやりたくなってくる。
「桐乃、ケツ出せ」
 そう言って俺は玄関の扉を閉め、鍵を掛けた。
「え? ここですんの?」
「早くしろ」
「あ、うん」
 桐乃は言われた通りにスウェットパンツとショーツを膝まで下ろし、壁に手を付いて白い尻を差し出してきた。避妊薬を呑むように言ってある以上、いつでもどこでも膣奥に精液を注ぎ込んでやれるが、たまには臀部や菊門に掛けて眺めを楽しむのもいい。とは言え、その前にまずは準備だ。俺はズボンとパンツを脱いで勃起し掛かった陰茎を扱き、そのまま先端を淫裂に押し当てて上下に軽く擦り始めた。
「マンコが充分に濡れるまで少し待ってろな。体調はどうだ? 問題ねえか?」
「ふはぁ……うん……くふぅ……でもオマンコが寂しかったのぉ……はぁん……学校でも撮影場所でもオナニーしたくなっちゃってぇ……ひはぁ……でも兄貴のオチンポが一番だからぁ……あふぅ……ずっと我慢してたんだからねぇ……んあっ……オマンコ気持ちいいっ……」
 既に桐乃の肉溝は亀頭の愛撫を受けて愛液を溢れさせている。その滑りの心地良さに一物の準備も整いつつあるが、ここはもう少し焦らしてやりたいところだ。
「時々は今朝見てえにパンツの中に射精してやっからよ。その日はそのまま学校に行ってオナニーしてもいいぞ?」
「んはあっ……あれ毎朝してくれるんじゃないのおっ? はふうっ……だったら今度はオマンコの中に出してよおっ……くはあっ……一滴も零さないで学校に行くからあっ……あふうっ……休み時間の度におトイレで取り出してオチンポ汁飲みたいのおっ……」
 その発言に俺が失笑していると、桐乃は陰茎を取り込もうとして自分から尻を押し付けてきた。だが、腰を引いてそれを避け、尻たぶを強めに叩いてやる。
「勝手なことしてんじゃねえ。入れてやんねえぞ?」
「かはあっ……だって欲しくってえっ……あふうっ……早くしてえっ……んふあっ……早くオチンポ入れてよおっ……くはうっ……その為の専用オマンコなんだからあっ……」
「ったく、しょうがねえな」
 俺は溜息を吐きながら膣口に亀頭を押し当て、ゆっくりとした動作で肉棒を半分だけ挿し込んでやった。
「んふはあああっ……きたきたオチンポ入ってきたあっ……くふうっ……ヤダもっと奥までえっ……」
 一物を根元まで膣に咥え込もうと、桐乃は再び尻を寄せてきた。それを手で押し止め、優しい口調で問い掛けてやる。
「なあ、桐乃。どうして欲しい?」
「ふはあっ……ちゃんとオチンポ全部入れてえっ……んくうっ……お願いだから奥まで突っ込んでえっ……はふあっ……こんなの逆に辛いよおっ……くひうっ……もう子宮の入り口がヒクヒクしちゃってるんだからあっ……」
「なら、お前が一人でケツ振れ」
 そう言い終わると同時に尻に当てていた手を離してやると、桐乃は返事もせずに一気に陰茎を膣奥へと呑み込み、淫靡な水音を立てながら貪欲に腰を振り始めた。
「ふはひいっ……オマンコ気持ちいいオマンコ気持ちいいっ……んくふうっ……これ大好き兄貴のオチンポ大好きいっ……はくひあっ……オマンコ汁が止まんなくなっちゃううっ……」
   ★★★
 一際深く膣奥を突き上げてから陰茎を引き抜き、尻肉に精液を浴びせてやると桐乃は嬉しそうに腰をくねらせた。事前に何度も絶頂を迎えさせてやった為に膣外への射精について文句も言わず、余韻に浸りながら臀部から白濁液を掬い取り、立ったまま顔の前に掌を寄せて蕩けた表情で啜り上げている。
「ずぢゅっ……んくうっ……はふっ……美味し……べおれっ……でもちょっと薄いかも……」
「おい、エロ汁鑑定士。妙な感想述べてねえで、さっさとチンポ綺麗にしろ」
 内心の焦りを隠しつつ平素の調子でそう言うと、桐乃は即座に俺の正面に屈み込み、汚れた一物を大切そうに両手に取った。俗に言うヤンキー座りの状態であり、丸見えの秘所ばかりでなく内腿の殆どが淫蜜でべったりと濡れている。
「んふっ、こんなにいっぱい付いてる。すはぁ……いい匂い。んじゃ、戴きま~す。ぺおっ……んれっ……」
 鼻息を荒くさせたまま亀頭に舌を這わせ、雁首、茎部と舐めていきながら、桐乃は次第に不思議そうに眉間を寄せ、やがて大きく首を傾げた。
「どした?」
「ろれっ……ん、やっぱり何かいつもよりオチンポミルクの味が薄いし、臭いも弱いみたい。それにこの香り、ボディシャンプー? ねえ、どっかでシャワー浴びてきた?」
「今日は日差しが強かったろ? 結構汗掻いたんでな、帰り掛けに麻奈実ん家で風呂借りたんだよ」
「……まさか、地味子と汗掻くようなことしたりとか、一緒にお風呂入ったりとかしてないよね?」
「あ、当たり前だろ。一人で入ったに決まってんじゃねえか」
 向けられてきた視線は険しいもので、俺は乾いた声でそう答えると、努めて穏やかに笑い掛けた。桐乃の目付きに変化はなかったが、それでも今は何食わぬ顔をして淡々と切り返す他にない。
「……ふうん。まあ、今回は信じとく。でも、加奈子のことは認めたけど、地味子はダメだかんね? あんなのに使われるくらいなら、このオチンポ切り取っちゃうから」
 凄味のある口調で恐ろしいことを言ってのけると、桐乃は酷薄そうな笑みを浮かべた。もしかしたら俺は本日、とんでもない過ちを犯してしまったのかもしれない。とは言え、調教が進めば恐らくどうにかなる。いや、どうにかする為にも調教を進めなければならない。幾分混乱気味の頭で対処方法を考えながら、俺は奉仕を再開し始めた桐乃の頭を優しく撫でてやった。取り敢えずは事ある毎に少しでも機嫌を取っておくしかない。
「あむっ……はぷっ……むちゅっ……んれろっ……んくっ……ぷはぁ……ねえ、この後どうすんの? もっかいお風呂入るなら、オッパイで全身洗ってあげよっか?」
「そりゃいいな、最高だ、是非そうしよう。お前にそんなことしてもらえるなんて、俺は幸せもんだなあ」
「……なんか態度が変。大袈裟過ぎ。いつもと違う」
「うっ、嬉しいからに決まってんだろ? 大好きなお前にそんなことしてもらえるなんて、小躍りしちまいそうな気分なんだぞ?」
「だったら、愛してるって言ってみて」
「……桐乃、愛してる」
 希望通りの言葉を誠実な口調で述べると、桐乃は静かに立ち上がった。そっと身体を擦り寄せ、俺の耳に口元を近付け、硬い声で囁き掛けてくる。
「今の言葉、あたし、忘れないかんね?」
   ★★★
 脱衣所で服を脱がせてやりながら幾度となく愛の言葉を繰り返すと、桐乃は何とか平素の態度に戻ってくれた。更にデートの約束をしてやると上機嫌になり、今では洗い場の椅子に座った俺の身体の隅々に泡塗れの乳房を押し付け、陽気な歌を口ずさんでいる。どうもアニメか何かの歌のようだが、途中で「失敗しても戻れないよ」という歌詞が出てきた時には身の凍る思いをしたものだ。
「ふっふ~ん、身体はこれで良しっと。じゃあ、最後はお待ちかねのオチンポね。うんと丁寧に洗ったげる」
 脚を開いた俺の前に座ると、桐乃は陰茎を手に取って亀頭を自らの乳首に擦り付け始めた。程よい硬さに勃起した突起で尿道口ばかりを責めてくる。
「これ気持ちいいっしょ? 手の中で脈打ってるよ?」
「お前だって気持ちいいんだろ? 乳首ガチガチに勃起させてんじゃねえか」
 平常心を取り戻してそう言ってやると、桐乃は火照った顔でにっこりと笑い掛けてきた。
「だって、あたしの身体、兄貴のオチンポと仲良しだもん。気持ち良さそうだと嬉しくなっちゃうんだもん」
 どういう理屈かは今一つよく判らないが、自身の身体の反応を恥ずかしがる気など既に失せているらしい。まあ、この状態も悪くはないが、本音を言えばもう少し初々しさを残しておいて欲しかったところだ。
「うわ、先っちょからどんどん出てくる。どうすんの? このままオッパイに掛けちゃう?」
「お前はどこに欲しいんだ?」
「そりゃオマンコの奥に出してもらうのがいいけど、さっきみたいに掛けられるのも結構好きかも。身体の隅から隅まで兄貴のオチンポ汁でドロドロにして貰って、そのまま何日か過ごしてみたいな」
「んなに出せる訳ねえだろが。刷毛とか使って塗り拡げるならともかくよ」
 一回の射精量は一般的には数ミリリットルとされている筈だ。前回からの経過時間や体調、摂取物等によっては変化するだろうが、例え増やせたとしても限度があるだろう。桐乃の要望を叶えてやるとしたら常日頃から容器か何かに溜め込んでおく他にない。
「じゃあ足んない分は兄貴の涎とかでもいいよ? 何ならオシッコでもいいし」
「んな状態で何日も過ごしたら衛生的に問題あんだろ? 病気になっちまうかもしんねえしよ」
「だっていつでも兄貴の匂いに包まれてたいんだもん。その時のこと想像しただけで、もうこんなにオマンコ濡れちゃってんだよ?」
 桐乃はそう言いながらM字開脚すると、両手を左右から淫唇に当てて押し開き、愛液に濡れた膣内を見せつけてきた。桃色の柔肉も包皮から突き出た淫核もトロリとした体液に塗れており、膣奥から更に湧き出た蜜が糸を引きながら床へと垂れ落ちていく。
「あはぁ……ほら見て見てぇ……んくぅ……くぱぁってしてるだけでどんどん溢れて来ちゃうのぉ……ふはぁ……一番奥までドロドロのネチョネチョだよぉ? くふぅ……昂奮するぅ? はぁん……やっぱり今度はここにオチンポミルク注いで欲しいなぁ……」
   ★★★
「おくふひああああああっ! オチンポ気ん持ちいいいいいいいいっ!」
 風呂椅子の上で座位で交わり始めると、直ぐに桐乃は獣のような雄叫びを上げて高みへと昇り詰めた。そのまま両腕でしがみ付き、俺の腰使い以上に激しく股間を打ち付けてくる。余韻に浸ることなく次なる絶頂へと突き進む点には少しばかり寒気を覚えるが、それでも気持ち良さそうに喘ぐ姿は愛らしく、より深い官能を与えてやりたくなってくる。
 俺は身体に付着したボディシャンプーの泡を幾重にも右手に塗り付けると、桐乃の尻へと回して中指を尻穴に挿し入れた。滑りを帯びた指先は難無く腸内へと侵入を果たし、第一関節、第二関節と押し入れていく度に喘ぎ声が高まっていく。
「んかひあっ……それ好きダブルオマンコ好きいっ……くはひうっ……もっと奥までゴシゴシしてえっ……うひはあっ……処女ケツオマンコ犯しまくってえっ……」
「今は風呂場だからこうしてやっけどよ、今度からはマンコだけじゃなく、ここも自分で綺麗にしとけ。近い内に浣腸器でも買ってやっから。ついでにいつでもチンポぶち込めるように拡張もな」
「かはひあっ……何でもするからもっとしてえっ……おふひうっ……オチンポも奥でグリグリってしてえっ……はくひあっ……そうそれ気持ちいい気持ちいいいっ……ふひはあっ……あたし軽くイキっ放しだよおっ……」
「んだよ、軽くか。んじゃ、クリも弄ってやんねえとな」
 そう告げてから膨れ上がった淫核を左手の指で繰り返し擦り上げてやると、桐乃は総身を大きく震わせながら尿を漏らし始めた。漸く二度目の本格的なオルガスムスを迎えたらしいが、当然ながら未だに繋がったままの状態であり、接合部だけでなく俺の脚までびしょ濡れだ。
「うがふひいいいっ……セックスしながらお漏らしすんの超気持ちいいよおおおっ……んへぐほあああっ……ケツオマンコとクリまで溶けるううううううっ! はぎふへえええっ……イキっ放しで脳味噌まで蕩けちゃうううっ……あひぐほおおおっ……幸せ過ぎてバカになるううううううっ!」
「んじゃ、そろそろチンポ汁で止め刺してやっからよ。もう少しだけイキ狂ってろ」
「ふぐはひあああっ……お願いなるべく早く出してえええっ……おへぐふうううっ……オチンポミルクオチンポミルクううううううっ! へひぐほあああっ……ダダ漏れオマンコが欲しがっちゃってるのおおおおっ……ひぐへふうううっ……オチンポ汁飲みたい飲みたいってええええええっ!」
 嘆願を受けるまでもなく俺は腰の動きを加速させた。同時に子宮口を陰茎で押し拡げつつ、腸壁と肉芽を荒々しく嬲ってやる。桐乃はと言えばきつく目を閉じて涙を流し、歓喜の波に翻弄されているようだ。昂ぶりが引いた後には見事なアヘ顔を見せてくれることだろう。
「子宮に直接注いでやる。おらっ、受け取れっ」
 そう告げて俺が射精を始めた途端、桐乃は縋り付くように抱き付き、腰を何度も上下に大きく振り立てた。
「あへぐひいいいっ……オチンポミルクでイくイっくううううううっ! んがふひいいいっ……赤ちゃんルームにドピュドピュ最高おおおおおおっ! ひへぐほあああっ……このまま妊娠しちゃいたいよおおおおおおっ!」
   ★★★
 性交を終えて湯に浸かった後、俺は裸のままキッチンへと行き、遅くなってしまった夕飯の準備に取り掛かった。あり合わせのもので炒飯を作ってランチプレートに盛り、レタスと大根の簡単なサラダとインスタントの中華スープを添えてキッチンカウンターの上に出してやる。 
桐乃は椅子の上で脚をだらしなく拡げて事の余韻に浸りきっていたが、プレートの上を一瞥すると直ぐに散蓮華を手に取って咀嚼を始めた。
「はむっ……もぐっ……んくっ……はぁ、美味し。兄貴ってば、ほんと料理上手だよね。いいお嫁さんになれそ」
「何で俺が嫁なんだよ。どこに嫁げってんだ?」
「そんなの、あたしのとこに決まってんじゃん。専業主夫とかどっかな? 御飯作ってセックスしてくれるだけでいいよ? あたし、一生懸命働いて兄貴をヒモにしてあげる。あ、でも、それだと赤ちゃん産む時に困るかな?」
 隣の椅子に腰掛けて空腹を満たしていた俺は、その唐突な発言に堪え切れず、口の中の米粒を盛大に噴いた。
「ちょっ、どうしたの?」
「けほっ、お前が変なこと、んんっ、言うからだろが。まさか妊娠してんじゃねえだろな?」
「特に調べてないけど心配ないっしょ? 言われた通りに毎日お薬呑んでるし」
「なら、何で急に赤ん坊とか言うんだよ?」
「だって、今すぐは無理でも、いつかは兄貴の赤ちゃん産みたいもん。正式な結婚は無理だとしても、それくらいはいいじゃん」
 桐乃はそう言ってスープカップに手を伸ばした。あまり切実な様子ではないが、冗談を言っているようには見えない。とすれば、それは当人にとって自然な願望なのだろう。
「んなの、親父とお袋が許す訳ねえだろが」
「駆け落ちとかすれば良くない? それか、兄貴と加奈子が結婚して、あたしの産んだ赤ちゃんを二人の子として育てんの。お父さんたちと別居してれば誤魔化せるし、妹のあたしが兄貴たちと一緒に暮らしてても別に変じゃないっしょ?」
「まあ確かに、そんな状況なら、どうにかなるかもしんねえけど……」
「でしょ? けど、もし加奈子と結婚しても本妻はあたしだかんね? 加奈子は愛人。どんなに仲良くても立場までは譲んないから。赤ちゃんだってボコボコ産むし」
「いや、ボコボコは勘弁してくれ。って言うか、お前ってそんなに子供好きだったか?」
「ん? 別に嫌いじゃないよ? 昔っから妹とか欲しかったし、親子っていうより姉妹みたいに育てんの。だから最初は女の子をお願いね?」
 未来の赤子の性別までも指定され、俺は深々と溜息を吐いた。無茶を言うにも程がある。
「なんで肩落としてんの? まさか他の女に産ませたいの? 地味子とか」
「いや、そうじゃねえけどよ」
「じゃあ約束してよ。いつか必ず、あたしに赤ちゃん授けてくれるって」
 絶対に逃がさないという意思表示だろう、そう言って桐乃は手にしたカップに口を付けながら、もう一方の手で萎えた陰茎を強く握り締めてきた。
   ★★★
 いずれ孕ませてやると強制的に誓わされた後、桐乃は追い打ちを掛けるように縋り付き、もう一度可愛がって欲しいと言い出してきた。二階に上がって自室の前で別れ、個別の行動に移ろうとしていた矢先のことだ。少しばかり試験勉強をしておくつもりだったのだが、俺は暫し考えてから要望を叶えてやることにした。明日の試験科目は苦手なものばかりであり、今更机に向かっても効果の程は期待できない。仮に期末試験で赤点を取ってしまったら長期休暇中に数日間の補習を受けねばならないが、今回についてはどんなに出来が酷くとも追試で合格点を取れば済む。今の時点で残りの試験を全て捨ててしまったとしても、追試の対象となりそうなのは二教科前後というところだ。その際には一層頑張らねばならないが、辛いことや面倒なことは可能な限り先送りにしておきたい。
 とは言え、俺は既に本日六回も精を放っており、以前からの疲労の蓄積もあって気力も体力も尽き掛けている。取り敢えず二階に上がって自室の前に立ち、麻奈実のことを伏せつつ精力不足であることを正直に話すと、桐乃は一旦階下へと戻り、小さな瓶を片手に階段を駆け上がってきた。股間を隠さず乳房を揺らし、しなやかな動きで飛び跳ねる姿は生まれついての裸族のようだ。今後、家の中では常に裸でいることを命じ、豹柄の腰布だけを巻き付けさせておくのも面白いかもしれない。しかし、そんな狩猟民族のような格好をさせたなら、狩られるのは俺の精液のみということになり兼ねない。
「どしたの? 何か目付きがおかしいよ? 変なことでも考えてんの?」
「いや、別に。それより急にどうしたんだよ?」
「あ、うん。はいこれ、全部あげる。水がなくても呑めるっしょ?」
 そう言って桐乃は手の中の小瓶を差し出してきた。受け取って確かめてみると、紫を基調としたラベルにロシア文字のようなものが印字されている。書かれていることの意味など判らないが、中に入っているのはカプセル型の錠剤だ。
「これ、外国の薬か? 何でお前がこんなもん持ってんだ?」
「即効性の疲労回復薬だって。先々月ぐらいかな、撮影の時にスタイリストさんに貰ったの」
「スタイリスト? それって男か?」
「女の人だよ? 何度も撮影で顔合わせてて、仲良くして貰ってんの。長丁場の撮影で、あたし途中からダレちゃってたんだけど、そしたらこれ呑めって」
 桐乃はそう言いながら嬉しそうに笑い、身体を密着させてきた。
「んだよ?」
「えへへ、だって今、相手が男の人かと思って焼き餅焼いてくれたんしょ? 兄貴が嫉妬してくれてるとこ初めて見ちゃった」
「別にそんなんじゃねえけどよ。で、お前、その時この薬を呑んだのか? どうだった?」
「鼻血出た」
 その返答に俺は眉根を寄せた。強力な薬効があるらしいということは判ったが、見た目が怪しいだけに副作用がないか心配だ。それ以前に、これは合法薬なのだろうか。
「あ、でも、それは間違えて多めに呑んじゃったからだよ。普通は一日一回、一錠でいいんだって。ね、早く呑んで。あたし、うんとサービスしてあげる」
 促されはしたものの、俺は即座に薬を呑むのを躊躇った。確かに今の状況下では有り難い品だが、どこかに落とし穴がありそうで怖い。
「後で問題なかったか? 急に体調不良になったりとかよ?」
「平気だってば。鼻血が止まるまで撮影は中止になっちゃったけど、その後は何ともなかったし。別の日に何度か呑んだこともあるけど、元気が出るだけで生理不順とかも起こんなかったよ?」
「……なら、呑んでみっか。何かあったら責任取れよな?」
 俺はそう言いながら蓋を外し、瓶を振って薬を一錠だけ掌に取り出した。その手を口に当てて嚥下し、目を閉じて身体に異変がないか探ってみる。
「もう、心配性なんだから。それより早く兄貴の部屋に入れてよ。このまま廊下に立ってたら風邪引いちゃうじゃん。ちゃんとベッドの上で責任取ってあげるから」
 桐乃は甘く囁き掛けながら俺の腕を取り、もう一方の手をドアノブに掛けて扉を開いた。
   ★★★
 結論から言えば、薬効は期待以上のものだった。桐乃との会話から回復薬とは名ばかりの精力剤であることは判っていたが、下腹部と背筋が急激に熱くなり、四肢と生殖器にいつも以上の力が漲ってくる。これなら規定量以上を口にした桐乃が鼻血を噴いたという話にも頷ける。瓶にはまだ三分の二程の量が残っているが、ネット通販か何かで手に入るのならば避妊薬同様に大量に仕入れておきたいところだ。
 桐乃はと言えば、俺をベッドの上に仰向けに寝かせて腰を跨ぎ、先刻からずっと一人で下半身を前後に揺らし続けている。現時点ではまだまだドーピングなど不要であるらしい。
「んくうっ……いつもよりオチンポ大っきいよおっ……うはあっ……すっごい硬くて気持ちいいっ……あひうっ……このまま一晩中オマンコ犯し続けてえっ……」
 普段は小さくて硬度が足らない、と言われている気がしなくもないが、肉悦に浸り切っている桐乃に他意はないようだ。それでも嫌味の一つぐらいは返しておきたい。
「何が犯し続けてだ。お前が一方的に俺のチンポ犯してんじゃねえか。ケツ振んのにすっかり慣れちまいやがってよ」
「はふあっ……だってだってえっ……くはうっ……最近コツが掴めてきたからあっ……かはあっ……少しでも兄貴のこと喜ばせてあげたくってえっ……」
「俺の為じゃねえだろ? 喜んでんのはお前だろ? ったく、あんまり淫乱になり過ぎると調教する楽しみが減るだろうが」
「あふうっ……だったらもっともっと凄い調教してえっ……んふあっ……あたしを今以上の淫乱に育て上げてえっ……はひうっ……あたし何でも覚えて一生尽くすからあっ……ふはあっ……兄貴専用のオマンコ奴隷として生きていくからあっ……」
 流石は弱冠十四歳にしてエロゲーを嗜む女だと思いつつ、俺はこの機会に改めて言質を取っておくことにした。自らの立場を口述させて精神の汚染度を高め、行く行くは妻の座よりも性奴隷であることを熱望するようにさせねば、麻奈実の件を認めさせることなど恐らく出来はしないだろう。
「なら、誓え。エロゲとかで色々とそういう台詞知ってんだろ? 奴隷になることを自分なりに誓ってみろ」
 そう言いながら俺は桐乃の動作に合わせて下から腰を動かし始めた。こういう場合には快楽によって背中を押してやるに限る。無論、誓いの言葉が気に入らなかった場合は即座に抽送運動を止めるつもりだ。
「んくはあっ……あたし高坂桐乃は死ぬまでえっ……あふひうっ……兄貴専用の肉便器になり続けることを誓いますうっ……ふひはあっ……二十四時間いつでもオマンコ汁を垂れ流しているようなあっ……ふはひうっ……そんな淫乱牝穴奴隷に躾けて下さいいっ……かふへあっ……いつでも何処でも何度でも好きなだけえっ……くひへうっ……ドロドロの美味しいオチンポミルクをお恵み下さいいっ……」
 予測を上回る発言に俺は呆気に取られたが、蕩け顔の桐乃に恥じ入る様子はない。もしかしたらエロゲー上では有り触れた誓約の言葉なのかもしれない。が、内容に不満がない以上、躊躇うことなく膣奥を突き上げ、より深い悦楽地獄に導いてやるのが筋だろう。
「あふひうっ……きたきた子宮にオチンポきたあっ……んひくあっ……もっと拡げていいから激しく突いてえっ……はひへうっ……兄貴の使い易いようにオマンコ作り替えてえっ……」
「お前は妹である前に奴隷だ、場合によってはオナホだな。そういう扱いをされても文句なんか言うなよ?」
「くふひあっ……判ったからオチンポもっともっとおっ……かひふうっ……したいこと何でもしていいからあっ……はひへあっ……兄貴に犯して貰えるならもうそれだけでいいのおっ……ひくふあっ……あたしの身体も気持ちも持ち物もお金も全部うっ……いつでも兄貴にあげるからあっ……」
 妹から金を巻き上げる気などないが、性交と引き替えに全てを差し出す覚悟があるならば、いずれは麻奈実のことも認めてくれるに違いない。これで三人の少女を裸で並べて楽しむ日々の到来が多少なりとも現実味を帯びてきた。ならば、次に何をすべきか。
「んじゃ、もっと激しくケツ動かしてもいいぞ。子宮全体でチンポ扱き上げてみろ」
 俺はそう告げて勢い良く腰を突き上げながら、残り二人を完全に隷属させる方法を考え始めた。
   ★★★
 翌日。一時間目のテストが終わって休み時間になると、自席に座った俺の元に赤城浩平という名の男友達が近付いてきた。友達と言っても特に親しい訳ではなく、同じクラスだから時折話をするというだけの間柄であり、本音を言えば相手をするのも煩わしい。何故なら赤城が口にする話題の大半は現在中学三年生だという実妹についての自慢であり、否定的な意見を述べようものなら挑み掛かってくるからだ。説明によると愛らしい顔立ちをした巨乳眼鏡少女とのことだが、兄という立場が一緒であっても繰り返し聞ける話ではない。加えて進級の際のクラス替えから約二ヶ月しか経過していないにも関わらず麻奈実に対して色目を使っており、その点には幾分腹も立つ。殴ってやりたいとまでは思わないが、既にクラスメイトの大半が赤城に対して閉口している。俺が直接手を下さなくとも、その内に誰かから手痛い仕打ちを受けることだろう。
 更に言えば、俺に友人なんてものは不要だ。どうせ当座だけの付き合いであり、卒業と同時に疎遠になるに決まっている。そんな相手と無為な時間を過ごす暇があったら、桐乃か麻奈実の乳首でも引っ張って遊んでいた方が楽しい。
「なあ、高坂。今日の田村さん、妙に色っぽくないか?」
 そう言いながら赤城は身体を屈めて俺の机に凭れ掛かり、熱っぽい視線を窓際へと向けた。釣られて同じ方向に目をやると、椅子に腰掛けたまま頬を赤く染めて俯き、甘い息を深々と吐いている麻奈実の姿が視界に入った。
「そっか? 普通だろ?」
 俺は淡々とした口調でそう答えた。麻奈実の様子が平素のものと違うのは、上下の下着を脱いだ状態で試験を受けるよう朝一番に俺が命じたからだ。当然ながら赤城にそのことを教えてやるつもりなど毛頭無い。
「いや、色っぽいだろ? って言うか、熱でもあんのかな? 何か、見てるだけでドキっとしねえか?」
 赤城の言葉に俺は薄く笑った。近寄ってくる時に若干前屈み気味だったのは、勃起した陰茎を隠そうとしてのことだったらしい。他人が自分の女に欲情しているという事実は苛立たしさ以上に優越感を得させてくれるものだ。その内に美人局にでも嵌め、自慢の妹を差し出すように命じてやろうかと思いつつ、俺は麻奈実の素振りに少しばかり不安を覚えた。他の人間には体調を崩しているが故にとしか見えないだろうが、呼吸は忙しなく、自身の膝へと向けられた目は虚ろで、時折小さく身体を震わせている。事情を知っている俺からすれば、その態度は恥ずかしがっていると言うよりも本気で発情し始めているように見受けられる。単に隷属度を確認する為の指示だったのだが、どうやら麻奈実には被虐性だけでなく露出症の傾向もあるようだ。ここは話題を逸らしておいてやった方がいいに違いない。
「放っといてやれよ。調子が悪けりゃ自分で保健室にでも行くだろ」
「そりゃそうだろうけどよ。にしても、お前はいつも田村さんと一緒にいるから、今日の特別な色っぽさに気付かねえんだよ。ほんとに付き合ったりしてねえんだろうな?」
「またその話かよ? 何度も違うって言ったろ? お前との縁を結んでやる気もねえけどな」
「DVD満杯の無修正画像と交換でどうだ?」
「んなもん、ネット上に幾らでも転がってんだろうが。諦めて妹のパンツでも嗅いでろ」
 俺がそう言うと、妹のことを馬鹿にされたとでも思ったのか、赤城はきつい目で睨み付けてきた。俺が腹の底で嘲け笑っている相手は赤城本人なのだが。
「お前、ウチの妹を見たことねえからそんなこと言えんだよ。あんな可愛い、世界で一番可愛い妹のパンツを嗅ぐなんて――」
 そこで赤城は言葉を切ると、慌てて自身の手を顔へと当てた。
「あ? どした?」
「……いや、想像したら鼻血が出ちまいそうだったんでな。大丈夫だ、ギリギリ回避した」
「そりゃ良かったな。けどまあ、お前の妹を見たことねえのは事実だし、近い内にでも顔を拝ませろよ。直接な」
「それなら来週にでもどうだ? 今晩予定を聞いておくからよ。一緒に崇めようぜ」
 赤城はそう言って、出血の可能性の有無を探る為か、自らの鼻の根元を指先で摘んだ。
   ★★★
 四時間目が終わって放課後になると、俺は下着を身に纏う間も与えずに麻奈実を連れて教室を出た。顔見知りの教師や生徒と挨拶を交しながら足早に校外へと抜け、いつもの帰宅路を進んで行く。そのまま暫く互いに無言のまま歩いていたのだが、周囲に人がいない場所に差し掛かると麻奈実は堪り兼ねたように俺の腕に縋り付いてきた。
「んはぁ……きょうちゃあん……くふぅ……早く何処かでパンツだけでも穿かせてぇ……はぁん……このままじゃわたしおかしくなっちゃうよぉ……あはぅ……恥ずかしいって思う度に身体が勝手に熱くなってぇ……」
 麻奈実の出来上がり方は相当なもので、弛緩した顔を真っ赤に染め上げて荒い吐息を繰り返し、夢遊病者のように足元をふらつかせている。恐らく誰にも気付かれていないとは思うが、よく見れば内腿に伝わらせた愛液で靴下に染みを作ってもいる。
「要するにノーブラノーパンが気持ちいいんだろうが。どさくさ紛れに乳首擦り付けて来やがって。このド変態が」
「あふぅ……変態ってそんなぁ……かはぁ……きょうちゃんに言われたから仕方なくなのにぃ……んくぅ……好きでやってるんじゃないのにぃ……」
「んなの、マン汁ダラダラ垂らしながら言っても説得力がねえんだよ。しっかし、お前がここまで変態だったとはなぁ……」
 感慨深く俺がそう言うと、麻奈実は腕を解いて顔を伏せ、路上に座り込んで嗚咽を漏らし始めた。
「うぐっ……もうこんなの嫌だよぉ……ひぐっ……こんな自分も嫌だよぉ……ふえっ……きょうちゃんのことは大好きだけどぉ……ぐすっ……わたしもっと普通がいいよぉ……」
 昨夕から今まで延々と従順だったにも関わらず、どうやら急に我に返って本気で泣いているらしい。人を自慰ネタに使っていた相手の態度とは思えないが、昨日から抱いていた鬱屈した感情が爆発でもしたのだろう。
 どうしたものかと考えて、俺は麻奈実の正面に屈み込んだ。顎に手を掛けて俯いた顔を上げさせ、涙ぐむ瞳を眼鏡越しに見つめて優しく囁き掛けてやる。
「こんな自分が嫌だなんて言うな。俺はすげえ気に入ってんぞ? 昨日、お前がどんな女でも全部受け止めてやるって言ったろ? だから、お前も有りのままの俺を受け入れてくれよ。俺はお前以上にスケベで変態なんだ。普通に接してやることも出来っけど、お前に対しては自分を誤魔化したくなんかねえ。それともお前はそんな俺じゃ嫌なのか? 俺のスケベで変態な部分を受け入れようとはしてくんねえのか?」
 寂しげな雰囲気を漂わせつつ切々と訴えると、麻奈実は首を小さく横に振った。指先で目尻の水滴を拭い、何度も鼻を啜っては深く息を吐き出し、小さな口を怖ず怖ずと開いてくる。
「ひっぐ……そのままのきょうちゃんがいい……ぐひっ……ほんとのきょうちゃんがいい……すんっ……きょうちゃんの全部……うぐっ……受け止められるようになりたい……」
 俺は何度も首肯しつつ麻奈実の頭を繰り返し撫でてやった。そうしながらスカートの裾から覗く剥き出しの秘所を眺め、気付かれないように口の端をニヤリと歪ませる。
「なら、まずは俺のことよりも自分の変態性をちゃんと認めねえとな。私は真性マゾの露出狂ですって言ってみろ」
「ううっ……認めるってそんな……ぐすっ……わたし別に露出狂なんかじゃ……」
「そっか? 俺には充分その気があるように見えっけどな。そんなお前も可愛いって思ってたんだけどよ。どうしても嫌なら仕方ねえな」
「ひっく……可愛いって……すんっ……ほんとに?」
「ああ。この後で昨日のホテルに行って、そんな可愛いお前のマンコをたっぷりと気持ち良くしてやろうと思ってたんだけどよ。今日はこのまま帰っか」
 俺がそう告げると麻奈実の喉がコクリと鳴った。性交時の情景を脳裏に思い浮かべて快楽に思いを馳せているといった様子だ。表情の緩み具合からは抵抗感が薄れてきていることが明確に読み取れる。朝から下着を脱がせた状態で焦らし続けた甲斐があったと言うべきか。
「じ、じゃあ、ちゃんと認めるから、その……」
「別に無理することねえんだぞ?」
「無理なんかじゃなくて、わたし、変態なの。真性マゾの露出狂なの」
 自らが口にした言葉に昂奮したのか、麻奈実は座り込んだまま身体を大きく震わせた。手間要らずな点が多いのは助かるが、大人しいだけだと思っていた幼馴染みがこんな異常性を秘めていたのかと思うと、女という生き物に対して不信感を抱いてしまいそうだ。
「はぁ……だからきょうちゃあん……はぁ……昨日のとこ行こぉ……はぁ……今日はわたしが払うからぁ……はぁ……もっと色んなこと教えてぇ……」
「はっきり言えよ。どうして欲しいんだ? 昨日はちゃんと言えたろ?」
「はぁん……きょうちゃんに触って欲しいのぉ……はふぅ……オマンコ触って欲しいのぉ……かはぁ……頑張ってもっと変態になるからぁ……んふぅ……昨日みたいに気持ち良くしてぇ……」
「まあ、いいだろ。んじゃ、この先のコンビニで昼飯と飲みもん買ってホテルに行くぞ。それまで好きなだけマンコ濡らしとけ」
 その言葉に麻奈実は蕩けた顔で頷き、次いで俺の視線に気付いて少しだけスカートを捲り上げた。
   ★★★
 コンビニエンスストアで買い物を済ませ、ふと思い付いて店舗の裏の物陰へと麻奈実を連れて行き、辺りに人影がないことを確認してから改めてスカートの裾を大きく捲らせる。濡れた秘所と陰毛を白昼堂々晒させたまま大きく脚を開くように告げると、麻奈実はその指示にも素直に従った。
「どうだ? こうしてマンコ見られんの気持ちいいだろ?」
「はぁ……うん……はぁ……でもぉ……はぁ……それは相手がきょうちゃんだからだよぉ……」
「そっか? ほんとはそこら中の人間に見せて回りてえんじゃねえのか?」
「はぁ……そんなの嫌ぁ……はぁ……きょうちゃんだけぇ……はぁ……見られて気持ちいいのはきょうちゃんだけだよぉ……」
「なら、もっとよく見せろ。ここには俺しかいねえんだからよ。指でマンコ開いて奥まで全部見せてみろ」
 そう告げると麻奈実は左手でスカートを捲り上げたまま右手で花弁を押し開き、正面に屈み込んだ俺に向けて腰を大きく突き出してきた。その姿は桐乃と大差ない淫乱振りだが、無理して迎合しようとしているようにも見える。その全てが演技ということもないだろうが、恐らく俺に嫌われたくないという感情から多分に無理もしている筈だ。しかし、仮に見込んだ資質に間違いがあったとしても、その都度快楽を与えてやれば次第に自ら変態的な行為を望むようになるに違いない。現にその表情は昨日よりも柔らかであり、困ったように視線を彷徨わせる回数も格段に減っている。程度の低い露出行為でありながらも膣肉をヒクヒクと蠢かせ、触れてもいない淫核を包皮から完全に突出させてもいる。徐々に肉体が馴染んできていることは明らかで、この先どれだけ異常性を伸ばしてやれるかは俺の腕次第といったところだろう。
「おいおい、奥までドロドロのネバネバじゃねえか。どんだけマン汁出すつもりだよ?」
「んはぁ……だって相手がきょうちゃんだからぁ……あふぅ……間近で見られてると思うだけでぇ……くふぁ……オマンコが勝手にぃ……」
「でもよ、こうして開いて見せた方が気持ちいいだろ? 正直に言ってみろよ。そしたら、んっと、そうだな、もっと間近でマンコ見てやってもいいぞ?」
「はぁん……すっごく気持ちいいよぉ……はふぅ……きょうちゃんに見られるの気持ちいいよぉ……くはぁ……もっともっと奥まで見てぇ……んくぅ……一番奥まで全部見てぇ……」
 麻奈実はそう言って更に大きく脚を拡げ、悩ましく喘ぎながら局部を俺の眼前へと寄せてきた。近付いた分だけ淫臭は濃度を増し、鼻から深く息を吸い込む度に肉欲を激しく揺さ振ってくる。それでも俺は匂いを楽しむだけに止め、決して女性器に触れてやろうとはしなかった。後の調教をスムーズに進める為には可能な限り焦らしておいた方がいい。
「奥まで見てやるのは構わねえけどよ、すげえ匂いで酔っちまいそうだ」
「ふはぁ……ごめんなさいぃ……くふぅ……オマンコ臭くてごめんなさいぃ……」
「別に嫌な匂いじゃねえから安心しろ。って言うか、謝りながらマン汁増やしてんじゃねえ」
「くはぁ……だってわたし変態だからぁ……んふぅ……露出狂で真性マゾのメスブタだからぁ……かはぁ……ごめんなさいぃ……あひぅ……マゾのスケベ女でごめんなさいぃ……」
 教え込んだ淫語を臆することなく口にしながら、麻奈実は体液で濡れた内腿を引き攣らせ始めた。どうも達し掛けているらしい。
「おいこら、こんなとこでイくんじゃねえ。すぐホテルに連れてってやっから我慢しろ」
 俺が慌てて立ち上がると麻奈実は悲し気に目を細め、失意を表わすかのように肩を落としてスカートを渋々と元に戻した。
   ★★★
 当初の予定ではラブホテルのSM部屋にあるX字磔台に拘束し、持参したハンディマッサージャーで弄ぼうと思っていたのだが、残念なことに特殊設備のある三部屋はどこも使用中だった。仕方なく昨日と同じ部屋、リビングと寝室、風呂場とトイレという有り触れた場所に麻奈実を連れ込み、即座にベッドの上に仰向けに押し倒す。足元に座り込んでスカートを捲り上げ、軽く内腿を撫でてやると、麻奈実は自ら脚を開いて腰を浮かせ、俺の目の前に股間を晒してきた。
「はふぅ……きょうちゃんオマンコもぉ……んはぁ……オマンコも触ってぇ……くはぅ……近くで見ながら触ってぇ……ふひぁ……いっぱい触って気持ち良くしてぇ……」
 俺へと向けられた直向きな視線に迷いは感じられず、露出行為に関しては最早完全に受け入れているように見えるが、だからといって即座に愛撫してやるつもりはない。元より麻奈実は幼少時から虐めてやりたくなるような雰囲気を漂わせており、その資質を多少なりとも理解した今では一層加虐心を刺激してくる。幼馴染みという関係性から今迄は自制していたが、今後は平常時も含めて出来るだけ酷い扱いをしてやりたいところだ。
「我慢出来ねえなら自分で触れ。いつもどんなオナニーしてんのか見せてみろ」
 そう告げると麻奈実は返事もせずに片手を秘所へと伸ばし、中指の先で円を描くようにして淫核を擦り始めた。宙に浮いた腰を艶めかしく上下に揺らし、一心不乱に手を動かして喘ぎ声を高めていく。
「んはあっ……きょうちゃんに見られてるうっ……はふうっ……わたしのオナニー見られちゃってるうっ……ふはあっ……恥ずかしいのに気持ちいいよおっ……」
「恥ずかしいのに気持ちいい? 違うだろ? お前は変態なんだからよ。恥ずかしいのが気持ちいいんだろが。言い直せ」
「かはあっ……恥ずかしいのが気持ちいいっ……あふうっ……恥ずかしくって気持ちいいっ……うはあっ……いつもと全然違うのおっ……くひうっ……きょうちゃんの前でするの凄いのおっ……んひあっ……お願いもっと近くで見てえっ……」
 麻奈実はそう言いながらもう一方の手で淫唇を左右に開いて見せてきた。人差し指と薬指で膣内の柔肉を一旦丸見えにし、そこに中指を浅く挿し込んで辺りに水音を響かせていく。破瓜を迎えた翌日でありながらも慣れた手付きであり、恐らく自慰の際には常に処女膜の手前を弄っていたのだろう。膜に強く触れると激痛が走るという話を聞いたことがあるが、そんな手淫を繰り返していたなら痛みに対する受容性が高いのも理解出来る。それでも一応は確認の為、俺は麻奈実に問い掛けた。
「お前、いつもそんなオナニーしてたのか? マンコ痛くねえのかよ?」
「あひうっ……だってきょうちゃんと初めてする時のことおっ……ふひあっ……何度も想像してたからあっ……くふうっ……だったらちゃんと痛くないとおっ……はふあっ……ほんとっぽくないからあっ……」
 その返答に俺は思わず苦笑した。どうやら現実性やら臨場感やらを追求した結果、快楽に痛みを交えることを思い付いたらしい。そこまで淫技に真面目に取り組む必要もないだろうが、故に真性マゾとして急速に開花しつつあるのならば褒めてやりたいところだ。無論、この場合の褒賞は変態性を向上させる為の行為であることが望ましい。
「んで、他にどんなオナネタがあんだ? 相手が俺以外の時もあんのか?」
「くふうっ……きょうちゃんだけえっ……はふあっ……きょうちゃんだけだよおっ……あはうっ……優しく抱いてくれたりいっ……ふひあっ……急に襲ってきたりいっ……かはうっ……でもきょうちゃんだからいいのおっ……んひうっ……きょうちゃんだから気持ちいいのおっ……」
「そこまで思ってくれてんだったらよ、当然マンコ弄りながらチンポ舐めてえよな?」
 俺はそう言って立ち上がり、手早くズボンとトランクスを脱いだ。次いで傍らへと座り直し、勃起した陰茎に手を添える。それだけで麻奈実はうっとりとした表情になり、自ら姿勢を変えて俺の股座に頭を寄せてきた。そのまま両手の動きを速めて掛け布団の上に愛液を飛び散らせつつ、一物に舌を伸ばしてくる。
「おいこら、勝手に始めようとすんな。単に聞いてみただけで、まだ許可した訳じゃねえぞ」
「んへあっ……舐めたいのおっ……くひうっ……きょうちゃんのオチンポ舐めたいのおっ……ふひあっ……だからお願い舐めさせてえっ……あへうっ……オナニーしながら舐めさせてえっ……」
   ★★★
「ごぶもぼおおおおおおっ! んごくっ……もごぼっ……うぶむっ……ごきゅっ……ぐぷぽっ……」
 口での奉仕を許可してから十数分後、口腔へ精液を放つのに合わせて麻奈実は恍惚の頂点へと昇り詰めた。陰茎を舐めさせる前に何度も嘆願の台詞を修正させ、献身欲を高めてやったこともあって、余韻に浸りながら粘液を飲み下していく表情は喜びに満ち溢れている。無論、まだ慣れていないこともあり、時に苦しそうに眉間に皺を寄せてはいるが、嚥下の際の辛さをも充分に楽しんでいるようだ。
「むぼもっ……んぐっ……えぷっ……げぷうっ……んはぁ、いっぱい出たねぇ、きょうちゃあん……」
「まあ、そこそこ気持ち良かったからな。ちゃんと舌で綺麗にしろよ? んで、口ん中にチンポ汁の味を残したまま弁当喰え。その後でマンコに突っ込んでやっから」
「うん、判ったぁ。えへへぇ、何かこうしてると新婚さんみたいだねぇ」
「いい気になんなよ? まだ結婚してやるって決めた訳じゃねえからな? 婚姻届に名前を書いて欲しかったら、この先ずっと俺に尽くせ。お前みてえな変態女、他に相手なんか見つかりっこねえんだからよ」
 俺がそう言うと麻奈実はブルっと身体を震わせた。罵られるのも心地良いらしい。
「判ってるぅ。わたし一生懸命尽くすからぁ。だからずっと傍にいさせてぇ、あんむっ……んろれっ……あむれおっ……おぶろれっ……」
 普段の愚鈍な動作からは想像も付かないような勢いで、麻奈実は咥え込んだ一物に忙しく舌を絡め始めた。性交二回と僅かな調教で立派な性処理用の奴隷と化している。それだけ俺に対して愛情を抱いてくれているということだろう。そんな気持ちに応えてやる為にも更に変態に仕立ててやりたい。膣にバイブレーターを入れたまま授業を受けさせる程度のことは当たり前として、尻穴に箒の柄を深々と挿し込んで自宅の廊下を掃除させたり、成人用のオムツを当てて人前でこっそりと放尿させたりするのはどうだろう。年に一度の健康診断も既に済んでいることだし、来春になるまで乳首にピアスを付けさせておくというのも面白い。いずれにしろ、そろそろネット通販なり専門店なりで各種の淫具を揃えておいた方が良さそうだ。
「はぷれろっ……んごぶっ……ぷはぁ、オチンポがベトベトになっちゃったぁ。わたしのオマンコとお揃いだぁ」
「お前のはマン汁だろうが。まあ、涎と大して変わんねえけどな。で、残さず綺麗にし終えたのか? ってか、何やってんだよ?」
 唾液塗れの肉茎に鼻を擦り付けている麻奈実を見て、俺はそう問い掛けた。
「きょうちゃんオチンポの匂いを確かめてるの。ちゃんと覚えておきたいもん」
「覚えてどうすんだ? 家でマンコ弄る時にでも思い返すのか?」
「ふえっ? 何で判っちゃうの?」
「何でじゃねえよ、このメスブタが」
 ふんふんと鼻を鳴らしながら、麻奈実は俺の言葉に嬉しそうに笑った。
「こうしてきょうちゃん一緒にいられるなら、もうメスブタでもマゾでもいいもん。それで少しでも好きになって貰えるなら、もっと変態になりたいくらいだもん」
「んじゃ、この先も色んなこと教え込んでやっからよ。覚悟しとけ」
「うんっ。どんなことでも頑張ってちゃんと覚えるから。あっ、ここちょっと白いのが残ってたぁ」
 麻奈実はそう言ってだらしなく脚を開いたまま、肉棒の根元をペロリと舐め上げた。
   ★★★
 リビングのソファに並んで座って昼食を取り、昨日渡した避妊薬の服用を確認した後、俺は麻奈実を連れて再び寝室へと向かった。互いに服を脱がせ合って全裸になり、ベッドの上で適度に愛撫を与えてやる。頃合いを見計らってシーツの上で四つん這いにさせ、陰茎に手を添えて付け根まで一気に膣に突き入れてやると、それだけで麻奈実は嬌声を上げて全身を大きく波打たせた。痛覚も手伝って呆気なく達してしまったらしい。なかなか見所のある反応だが、勿論そのまま余韻に浸らせてやるつもりはない。
「ったく、ぶち込まれただけで勝手にイきやがって。早くケツ振れ、この愚図が」
「あへぇ……ごめんなさぁい……はふぅ……今すぐするからぁ……」
 そう言って麻奈実は崩れ掛けた上半身を起こし、腰を前後に動かして接合部から鈍い音を立て始めた。時々挿入の角度と抽送の速度を微妙に変え、後背位での心地良い場所と方法を探っているようだ。
「はふあっ……これオマンコの奥まで来るよおっ……あひうっ……硬いオチンポが奥までズボズボってえっ……んくあっ……恥ずかしくて痛くて凄く気持ちいいっ……」
 愛液には薄っすらと血が混じってきており、未だに相応の痛みがあるのだろうが、そこに悦びを見出している相手を労ってやる必要はない。寧ろこの場ではより強い刺激を与えてやるべきだろう。
「一人でヒィヒィ善がってんじゃねえ。もっと激しくケツ振ってこい」
そう言って尻肉を力任せに二回叩いてやると、麻奈実は指示に従いながら背中を大きく反り返らせた。
「ひぎいっ……きょうちゃんもっとおっ……かはあっ……今のもっとしてえっ……」
 恐らく自らの知識の中にあるマゾというものになり切ることで、俺を喜ばせようと考えているのだろう。痛みを心地良く感じているとしても、まだスパンキングを願い出てくるような段階には至っていない筈だ。とは言え、相手が真性の変態である以上、本心から求めてきている可能性もある。どちらか見極める為には希望通りに尻たぶを打ってやるしかない。
「おらおらっ、こんなことが気持ちいいのかよっ。このメスブタがっ」
 俺は先刻よりも力を込め、目の前で揺れる白い尻に平手打ちを喰らわせた。打った場所に赤い手形が浮いてくるのが面白い。そうして二度、三度と繰り返していると、麻奈実の秘所から大量の淫蜜が溢れ出てきた。どうやら本当に肉悦を得ているらしく、白く濁った体液はかなりの粘度を帯びている。
「あぐひっ……もっと虐めてえっ……ふぎいっ……お尻虐めてえっ……んぐうっ……痛いのが気持ちいいのおっ……ぐひいっ……オマンコまで気持ちいいのおっ……」
 応じてやっている俺も悪いのだが、麻奈実の臀部は既に真っ赤だ。それでいて一方的な腰使いは勢いを増しており、菊門まで物欲しそうに開閉させている。明朗且つ控え目、というのがクラスメイトたちの麻奈実に対する一般的な評価であり、俺自身も昨日の午前中まではそう思っていたのだが、現在の貪欲振りには呆れるばかりだ。
 しかし、どんなに当人が望んでいようとも、これ以上尻を叩いて腫れ上がらせる訳にはいかない。椅子に座れなくなったら試験を受けることも出来なくなる。ここは肉茎の抽送のみによって絶頂へと導き、一旦大人しくさせるしかないだろう。そう考えて俺が自分でも腰を動かし始めると、麻奈実は直ぐに前屈姿勢となって出し入れのタイミングを合わせてきた。
「うくひあっ……きょうちゃんが動いてくれてるうっ……あへひうっ……硬いオチンポで犯してくれてるうっ……かひはあっ……嬉しくて凄く気持ちいいいよおっ……くふひうっ……イっちゃうオマンコまたイっちゃううっ……」
 膣肉を収縮させて一物をきつく締め付けながら、麻奈実は両手でシーツを握り締めた。身を乗り出して確認してみると、犬のように口から舌を出し、眼鏡のレンズを荒い吐息で曇らせている。
「このまま出してやっからよ、教えた言葉を言ってみろ」
「あひくはあっ……発情オマンコにオチンポ汁うっ……んへはふうっ……メスブタオマンコをドロドロにいっ……くふひはあっ……イくイくイくううううううっ! おほあへえっ……イってるのにそんなにズボズボされたらあっ……かはひぎあっ……またイくオマンコイぐううううううっ! ほぎへぶあっ……ぎょうぢゃんわだじおがじぐなっぢゃううっ……」
「お前が変なのは充分判ってっから心配すんな。おらチンポ汁だぞ、受け取れ変態っ」
 俺はそう告げると同時に子宮口を亀頭で拡げつつ射精を開始した。桐乃なら大喜びするところだが、今の麻奈実にとっては苦痛だろう。だが、その分だけ悦楽も深いに違いない。
「んごがひいいいいいいっ! 熱いオヂンボ汁が奥までへぶあっ……おぐぶへうっ……オマンゴわだじのオマンゴ焼げでるううううううっ! ぐへはびあっ……まだイぐオマンゴイぐはぎほげええええええっ!」
   ★★★
 事が済んだ後、俺はベッドの上に身を横たえて麻奈実の裸体を抱き寄せた。肥大した乳首を指先で何度も弾いてやると、心地良さそうに微笑み掛けてくる。その表情は穏やかで安心し切っており、自身の股間から精液を垂れ流していることなど気にも止めていないようだ。
「もう、きょうちゃんてば。触ってくれるのは嬉しいけど、先にオチンポのお掃除しなくていいの?」
「今は別に必要ねえだろ。少し休んだらまたマンコに突っ込むんだし。んだよ、その嬉しそうな顔は?」
「だって、わたしのオマンコ汁も付いてるのにそのままでいいって。それに、この後またしてくれるって言うから……」
「ったく、詰まんねえことでニコニコしてんじゃねえ。気の利いたピロートークの一つも出来ねえのかよ」
 俺がそう言うと麻奈実は怪訝そうな表情を浮かべた。
「ぴろーとーく? それって何?」
「今してんだろうが。セックス後の会話のことだ。女の方からエロい話題を振って、男の気分を盛り上げんのが当たり前なんだぞ」
「女の子の方から? ほんとに?」
「世界の共通認識だ」
 問い掛けに首肯し、俺は力強く断言した。気心の知れた相手を騙すことなど簡単だ。
「えっと、んと、じゃあ、えっちな問題です。新幹線は男の人でしょうか? それとも女の人でしょうか?」
「……お前の頭、大丈夫か?」
「ええっ? 何で? くいずだよ? 中学生の時に友達から教わったんだけど……」
 俺は本気で脳や神経細胞の健康状態について心配したのだが、麻奈実は不服だったらしい。少しだけ頬を膨らませ、唇を尖らせている。
「んな顔すんな、答えてやっからよ。そうだな、形からして男だろ?」
「ぶぶ~っ、正解だけど理由が違いま~す。新幹線は大きな駅しか止まんないでしょ? 他の駅は飛ばす、つまり、液を飛ばすから男の人で~す。えへへっ、えっち過ぎたかな?」
 下らないクイズを出されたこと以上に勝ち誇った麻奈実の口調が腹立たしく、俺は眉根を寄せた。しかし、抱いた怒りは後で晴らすとして、まずは過ちを訂正してやらねばならない。
「その理屈は通んねえぞ? 女だって液を飛ばすだろが」
「え? それってオシッコのこと?」
「まあ、それも混じってるって説もあるみてえだけどな。ちっと待ってろ」
 そう言って俺は身体を起こし、ベッドから下りてリビングへと向かった。ソファの上に置いいた自分の鞄を開け、中からハンディマッサージャーと延長コードを取り出す。それらを手に再び寝室に戻ると、麻奈実が首を傾げつつ言葉を掛けてきた。
「それってまっさーじ用の道具だよね? きょうちゃん肩が凝ってるの?」
 俺は返答せず、周囲を見回しながら手の中の器具を繋ぎ合わせた。程なくベッドのヘッドボードの傍にコンセントを見つけ、延長コードのプラグを挿し込んでから麻奈実へと顔を向けてやる。
「大きく股開け。んで、そのまま絶対に動くな。ちゃんと説明してやっからよ」
   ★★★
「さて、ここでエッチな問題です。新幹線は男でしょうか? 女でしょうか?」
「んぐはへえっ……ぎょうぢゃん止めでええっ……はぎふひいっ……判っだがらもう許じでええっ……おほへぎあっ……もうオマンゴイがぜないでええええええっ!」
 身体中を不規則に引き攣らせながら、麻奈実はそう叫んで腰を跳ね上げた。恐らくまた達したのだろう。淫核をマッサージャーで愛撫してやっているだけだというのに、仰向けに寝てだらしなく脚を開いたまま、散水機のように絶えず体液を撒き散らしている。当初は俺の命令を守らず、許しを請いながらベッドの上を転げ回っていたのだが、最早そんな体力など残っていないらしい。軽く見積もっても既に二十回以上は果てているのだから無理もない。更には途中から漏らし始めた大量の尿と潮で周囲はどこもびしょ濡れだ。
「これで潮吹き十四回目、と。結構出るもんだな。止めて欲しかったら早くクイズの答えを考えろ。俺が納得出来る理由もな」
「ほがふぎいっ……許じでぎょうぢゃん許じでええっ……ふひへぐえっ……何でもずるがら謝るがらああっ……んぎはぐうっ……お願いだがらもうイがぜないでええっ……」
「何でもしてくれんのか? なら、このまんまでもいいってことだな」
「あぐはひいっ……オマンゴイっぢゃうオジッゴ出ぢゃうううっ……んぎかはあっ……イぎだぐないのにイっぢゃうよおおおおおおっ! おほひぐあっ……もうダメほんどに苦じいのおおっ……」
「苦しいのも気持ちいんだろ? お前、変態だかんな。遠慮なんかすんなよ」
「いぎはぐあっ……遠慮なんがじでないいっ……がへぐひいっ……頭がおがじぐなっぢゃううっ……ごふへびあっ……まだイぐわだじ死んじゃうぐへああああああっ!」
 繰り返し絶頂を迎えている麻奈実の様子を眺め、俺は仕方なくマッサージャーのスイッチを切った。死ぬという表現は過剰だとしても、その精神と肉体が限界間近だということは見て判る。これ以上続けて気絶でもされたら色々と面倒だ。
「今日は特別だかんな。次は途中で止めたりしねえぞ? 判ってんのか、おい?」
 そう言って傍に座り直すと麻奈実は弱々しく頷き、鈍い動作で俯せになって俺の股間に顔を埋めてきた。未だに余韻が続いているのだろう、口の端から涎をダラダラと零しながら白痴のような表情で陰茎の匂いを嗅いでいる。
「あへぇ……きょうぢゃんのオヂンボぉ……すはぁ……いい匂いのオチンポぉ……」
「おい、突然どした? 狂っちまったんじゃねえだろな?」
「んはぁ……まだ気持ちいいの続いてるだけぇ……あふぅ……こうしてオチンポの匂い嗅いでるとぉ……すふぅ……オマンコもっと気持ちいいのぉ……」
 虚ろな口調ではあるものの、麻奈実の声色には僅かに理性的な響きが混在しており、責め苦に耐えかねて発狂したという訳ではないらしい。瞳の虹彩は完全に失せ、眼球の動きは鈍く、壊れてしまっているといった感は否めないが、この程度ならば許容範囲だ。行為を終えて時間が経てばどうにか元に戻るだろう。
「なら好きなだけ嗅いでろ。けどセックスは中止な。もうお前に余力はなさそうだしよ。少し休憩したら風呂入って帰んぞ」
「ふはぁ……してくれないのぉ? はぁん……今度はこのオチンポでイきたいよぉ……くふぅ……わたしなら平気だからオマンコに入れてぇ……」
 その寂し気な言葉には若干心が動いたものの、俺は首を横に振った。一物はいつでも挿入可能な状態になっているが、麻奈実の体力を更に削ってしまったら明日以降の調教に差し障りが出てしまう。今後は桐乃から貰った精力剤を常に持ち歩こうと思いつつ、俺は諭すように語り掛けた。
「今日は我慢しろ。もう夕方なんだしよ。風呂場でマンコ弄ってやっから」
「んはぁ……じゃあそれまでオチンポ舐めさせてぇ……はふぅ……先っぽだけでもいいからぁ……」
「仕方ねえな、少しだけだぞ?」
 俺がそう言った途端、麻奈実は亀頭の先の我慢汁を舌先で掬い上げ始めた。子猫がミルクを飲むように繰り返し上下に動かした後、幸せそうに目を細めて小さく喉を鳴らしている。そんな幼馴染みの頭を優しく撫でてやりながら、俺は暫し考え続けた。こいつの人格を完全に崩壊させた場合の利点と難点は何だろうか、と。
   ★★★
 家に帰って即リビングを覗いてみると、桐乃がソファに腰掛けて鼻息荒く雑誌のページを繰っていた。それだけなら別段驚くこともないが、身に纏っているのはハーフカップのブラジャーと超ローレグの紐パンのみであり、左右の乳首と薄い陰毛の一部が露出している。上下共に赤系統のタータンチェック柄で可愛らしく、とてもよく似合ってはいるのだが、不意の来客でもあったらどうするつもりなのか。
 と言っても、居留守を決め込めば済む話ではある。在宅時でも玄関の鍵は常に閉めておくこと、外出の際には各自必ず家の鍵を持って行くことの二点は、両親の海外赴任が決まってから今日まで続いている約束事の一部だ。
「あ、おかえり。今日は早かったじゃん」
 ドアを開いた俺を見て桐乃は嬉しそうに声を掛けてきた。微かに頬を赤く染めているのは性行為を期待してのことだろう。
「まあな。それより何て格好してんだよ?」
「あれ? 昂奮しない? 全部脱いでオマンコくぱぁの方が良かった?」
「そうじゃなくてだな。恥ずかしくねえのか?」
「今更何言ってんの? ここんとこ家じゃ裸で過ごすことのが多いじゃん。それともたまには着エロのがいい? 何でも着るって約束したもんね。だったら学校の制服とかスク水とかどっかな? どっちも兄貴用に新しいの買ってあるから、好きなだけオチンポミルクで汚しちゃっていいよ? 穴開けられちゃっても構わないし」
 桐乃は一気に捲し立ててからソファの隣をポンポンと叩いた。早く中に入って座れと言うことだろう。取り敢えず部屋に足を踏み入れて指示された場所に腰を下ろすと、甘く鼻を鳴らしながら身体を凭れ掛けさせてくる。
「んふっ、兄貴の匂い大好き。もうオマンコがヌルヌルになってきちゃった。見る?」
「どんだけ盛ってんだよ? 今すぐ始めるつもりか? まずは部屋で着替えさせろ」
 桐乃の鼻先をじっと見つめながら俺はそう言った。昨日のように体臭から麻奈実とのことを勘繰られるかもしれないと思ったからだ。無論、一応は対策を講じてある。自宅で使用している物と同じボディシャンプーをコンビニエンスストアで購入し、ホテルでの入浴の際にはそれを使い、麻奈実を家に送り届けてから少しばかり走って汗も掻いてきた。制服の残り香はどうしようもないが、その程度なら何とか誤魔化すことは可能だろう。これで気付かれるようならば諦めて全てを話し、了承するまで犯し続けてやるしかない。
「んなの後でいいじゃん。兄貴のこと大好きな妹が下着姿で帰りを待ってたんだから、オッパイぐらい触ってよ」
 仕方なく俺は片腕を伸ばして左乳房の先端に触れてやった。紙縒りを作るかのように指先で摘み上げて何度も軽く捻ってやると、桐乃が乳首を勃起させつつ熱い息を吹き掛けてくる。その悦楽に満ちた表情から察するに、どうやら浮気発覚の恐れはないようだ。ならば、帰宅早々こんなことを続けてやる必要もない。
「今はこんだけな。続きは着替えてっからだ」
俺がそう告げて愛撫を止めた途端、桐乃は顔付きを一変させた。アヒルのように唇を尖らせて不服そうに見上げてくる。
「オマンコもちゃんと見てよ。もうトロトロなんだから。このままクリトリス舐めてくれたっていいじゃん」
「胸だけでいいってお前が言ったんだろが。とにかく着替えが先だ。その後で色々としてやっから」
「むうっ。じゃあ今日もセックスの時はあたしが上ね?」
 その言葉に一旦頷き掛けたものの、俺は慌てて思い留まった。昨晩、桐乃が俺の上から降りてくれたのは真夜中のことであり、結局その間に三回射精させられている。精力剤の助けがなかったら一日中寝込んでいたところだ。今朝も起床と共に薬を服用し、故に睡眠不足でありながら気力も体力も何とか維持出来ているが、再び騎乗位で交わるのは危険過ぎる。主導権を奪われそうな体位での性交は試験が終わるまで控えた方がいいだろう。
「いや、今日は俺が上だ。正常位も嫌いじゃねえだろ?」
「ん、まあね。寝そべったままオマンコ突いてもらうの気持ちいいし、兄貴のお尻にも触れるし。けど、やっぱ今日は上がいいなぁ。じっくりとオチンポ責めてあげたい気分なんだけど」
「お前、奴隷なんだかんな? 我儘を言える立場じゃねえんだぞ? 判ってんのか?」
「奴隷だから言ってんじゃん。御主人様のオチンポに御奉仕すんのって当たり前っしょ? それとも何か問題あんの? あたしのオマンコじゃ役不足?」
「いや、そうじゃねえけどよ」
「なら早く兄貴の部屋に行こ? 着替えを手伝うのも奴隷の役目だもんね」
 そう言って桐乃は薄く笑いながら俺の手を取り、ソファから勢い良く立ち上がった。
   ★★★
 自室に入ると直ぐに桐乃は機敏な動作で俺の制服を脱がせ始めた。背後に回り込んで上着を取り、正面に歩み寄ってネクタイを外し、それらをハンガーに掛けてクローゼットへと仕舞い込んでいく。まるで甲斐甲斐しく夫の世話を焼く新妻のような振る舞いだ。その手際の良さに感心していると、桐乃は照れたように笑いながらワイシャツの前ボタンに細い指を掛けた。
「まずはシャツもズボンも脱いじゃお? その後で着替え用意するから」
 そう言いながら手早くボタンを外し、シャツの袖を抜き取る際には肩に唇まで押し付けてくる。ままごと遊びでもしているかのような雰囲気に幾分気恥ずかしくなり、俺が無言で指示に従っていると、ベルトを外してジッパーを下げ、引き下ろしたズボンから足首を抜き取らせ、タックの折り目に注意しながらハンガーに掛けた後に甘えた声で囁き掛けてきた。
「何着る? Tシャツとスウェットパンツでいい?」
「あ、ああ、そうだな」
 俺が適当に言葉を返すと桐乃はクローゼットの前で屈み込み、下部の引き出しを開いて中から上下の衣類を取り出し、振り返りつつ立ち上がって胸元に押し付けてきた。
「じゃあ、これとこれね。着替えが終わったらリビングで待ってて? あたし、ワイシャツ下に持ってって、昨日の分と一緒に洗濯機に掛けちゃうから」
「じゃあ、これとこれね。着替えが終わったらリビングで待ってて? あたし、ワイシャツ下に持ってって、昨日の分と一緒に洗濯機に掛けちゃうから」
 そう言ってシャツを片手に部屋から退出しようとする桐乃の肩を、俺は思わず掴んだ。先刻のリビングでの言動からして着替え中に再び迫ってくるだろうと考えていたのだが、穏やかな表情で世話を焼いてくれただけで、トランクスと靴下のみの俺を前にして欲情している気配はない。それが不思議であり、同時に物足りなくもあった。
「ん? 何?」
「あ、いや……」
「何か変だよ? どしたの?」
「……変なのはお前だろ? いつもならこんな時、どさくさ紛れにチンポ触ってくんじゃねえか。どうしたんだよ? 何かあったのか?」
 俺がそう言うと、桐乃はニヤリと口元を歪ませた。
「新鮮だった? それとも不安になっちゃった?」
 何度か瞬きをした後に、俺は桐乃の意図に気が付いた。わざと素っ気ない態度を取って、反応を確かめるつもりでいたらしい。
「んなことに何か意味があんのかよ? お仕置きでもされてえのか?」
「だって、さっきの兄貴だって似たようなもんだったじゃん。乳首ちょこっと触ってくれただけだったし。そのお返しだもん。少しはあたしの気持ちが理解出来た? 寂しかったんだかんね?」
 咄嗟に文句を口に仕掛けたものの、桐乃の言葉にも一理あるような気がしなくもない。どんな態度で接するべきか迷っていると、桐乃は踵を返して正面から身体を密着させ、トランクスの上から陰茎をそっと撫で上げてきた。
「多少は反省してくれてる?」
「……まあ、多少はな」
「んじゃ、今回は許したげる。その代わし、今晩はあたしの好きにさせてくれること。御飯とお風呂が済んでからでいいから。ね?」
 結局それが目的かよと思いつつも、俺は渋々と頷いた。
   ★★★
 渡された服に着替えて一階に下り、桐乃が洗濯をしている間に夕飯の準備に取り掛かる。食材の一部がそろそろ尽き掛けているので、明日にでも近所のスーパーに買い物に行く必要がありそうだ。となれば、麻奈実を同行させて店舗内で調教してやるのも面白い。その具体的な内容を考えつつ野菜を切り、豚バラ肉に塩を揉み込み、卵を割って溶いた後に少量の牛乳を注ぎ込む。今夜の主菜は肉野菜炒めとチーズオムレツだ。他になめこのおろし和えとオニオンスライス、春キャベツの味噌汁も加え、栄養のバランスも考慮しておく。
「何か手伝おっか?」
 そう言いながら桐乃がキッチンに入ってきたのは、作り終えた料理の盛り付けを始めた直後のことだった。相変わらずの下着姿で乳首と陰毛を晒したまま、片手に先刻の雑誌を持ち、にこやかに微笑み掛けてくる。が、よく見ると手にしているのはエロゲーの情報誌のようだ。成年向けの本をリビングで堂々と読み耽っていた実妹を前にして、俺は溜息と共に肩を落とした。
「ん? どしたの?」
「……いや、何でもねえ。すぐに済むから座って待ってろ」
「はぁい。んじゃ、本読んで待ってんね」
 桐乃はそう言って椅子に座り、キッチンカウンターの上に雑誌を置いてパラパラと頁を捲り始めた。時々手を止めては満足そうに笑ったり、切なそうに吐息を漏らしたり、頬を引き攣らせて舌打ちをしたりと、表情を変化させている。
「はあ? 何それ? シナリオ決定ってマジこいつ? ユーザー舐めてんの? アンタんとこに求められてんのは陵辱系の超ガチエロだっての。社長は死ね、マジ死ね。んで、社員と家族は在庫抱えて路頭に迷え」
 桐乃の台詞に失笑しながらも、俺はその言葉遣いに違和感を覚えた。今迄あまり意識していなかったが、どうやら以前の口の悪さは未だに健在で、俺に対してのみ暴言を吐かないように心懸けているらしい。そうした対応の差は嬉しくもあるが、正直、血の繋がった妹のエロゲー会社批判など聞きたくもない。
「桐乃、うるせえ」
「あ、ごめんごめん。んじゃ次っと。げっ! マジ? 出んの? ほんとに?」
「おい」
「だって大変なんだよっ? ほんとに出るんだよっ? ほら見てよっ、このメルルのフル可動フィギュアっ! 他のメーカーからも出てるけど、この会社のは超一級品なんだからっ!」
 そう言って桐乃は両手で雑誌を掴み上げ、俺の眼前に突き付けてきた。誌面には大きなスリットの入ったミニスカートを穿き、胸部をチューブ型のリボンのような物で覆い、菖蒲色のランドセルを背負った人形の写真が掲載されている。確かに作りはしっかりとしているように見えるが、他のメーカーとの違いなど俺に判る筈もない。
 だが、じっと見ている内に俺はあることに気が付いた。
「なあ、このメルルっての、よく見りゃ加奈子にそっくりじゃねえか?」
「へ? あ、そう言われれば確かに……」
 玄関でDVDケースを拾った時には思いもしなかったものの、ツインテールにリボンという髪型も貧弱な身体付きも性奴隷候補者に酷似しており、桐乃も今更ながらに気付いたといった風に頷いた。次いで雑誌を元の位置に戻し、記事を眺めながら首を傾げている。疑問を抱いているといった様子ではなく、何か深く考え込んでいるようだ。俺は横目で眺めながらランチプレートに手早く料理を載せ、白米を盛り付け、味噌汁を入れた椀と共にカウンターへと差し出してやった。自分の分も用意し、椅子に腰を下ろしながら隣に声を掛けてみる。
「おい、何してんだ? 飯が冷めんぞ?」
「あ、うん。ねえ、加奈子のことでお願いがあんだけど……」
「んだよ? 今更止めろってか?」
「ううん、じゃなくて、兄貴が犯っちゃう時、メルルのコスプレ服着せようよ? そんな格好でオマンコ責められて泣き叫ぶとこ、あたし、すっごく見てみたいんだけど」
 血縁ということもあり、桐乃は俺と同じく加虐的な資質を持っているようだ。現在はそれなりに隷属し、時に被虐性を感じさせる反応を見せているが、先々その対象にされたりしないように注意しておいた方がいいだろう。
と言っても、上手く煽ってやりさえすれば色々と役に立ってくれそうではある。他人を虐めたいという欲求を強めてやり、その捌け口として加奈子以外の友人をも差し出させ、代理人として調教を任せておけば性行為の合間に休憩を取ることが出来る。麻奈実のことを認めさせる条件として、当人を好きなだけ嬲らせてやるのも面白い。
「ねえ、いいでしょ? 服のお金はあたしが出すから」
「まあ、考えとく。けどよ、ランドセルは邪魔になんぞ?」
「んー、でもやっぱメルルは背負ってないと。あ、だったら、後ろからオチンポ突っ込んじゃえばいいじゃん。ついでにお尻の穴にも何か入れちゃおうよ?」
「飯の時に尻の穴とか言ってんじゃねえ。とにかく喰え。ちゃんと検討すっからよ」
 俺がそう言うと、桐乃は多少拗ねた顔をしながら自分の箸を手に取った。
   ★★★
「すぐに洗ってあげるから、椅子に座って待ってて。今日はオチンポからね」
 食事を終えて風呂場に入ると、桐乃はそう言ってボディシャンプーのボトルを掴み、立ったまま脚を拡げて自らの秘所にポンプの先を押し当てた。片手でノズルの位置を調整し、逆さになった容器自体を何度も押し込んでいる。どうやら膣内に洗浄液を取り込んでいるらしい。
「んくっ、冷たっ」
「何やってんだよ?」
 その問い掛けに桐乃は妖しげな笑みを浮かべ、手にしたボトルを棚の元の位置へと戻した。次いで風呂椅子に腰掛けた俺の膝を跨ぎ、半勃起状態の陰茎を手に取って優しく扱き上げてくる。
「んふっ、オマンコの中でこれゴシゴシしてあげんの。外はツルツルのピッカピカで、中はスッキリ。だから早くガチガチにして?」
「何がツルツルのピカピカだ。んなの、ベトベトのヌチャヌチャになっちまうに決まってんだろが。単にお前がチンポ入れてえだけだろ? ベッドに行くまで待てねえのかよ?」
「別にいいじゃん、これも奴隷としてのお仕事なんだから。ちゃんと後で舐め舐めして綺麗にするし、こんな可愛い中学生のオマンコでオチンポ洗って貰えるんだよ? 少しは嬉しそうな顔したら?」
 桐乃はそう告げて亀頭の先に早々と膣口を押し付けた。溶液の助けを借りて硬度の足りない一物を根元まで体内へ取り入れていく。
「んくふあああっ……はふうっ……くはぁ……オチンポ入っちゃったぁ……」
「どう見たってお前が入れたんだろうが」
「でもでも、兄貴だって気持ちいいっしょ?」
「まあ、な。お前のマンコん中、暖けえし、未だによく締まるしよ」
「あはっ、嬉し。じゃあ、もっともっと気持ち良くしてあげんね?」
 あどけなく笑いながらそう言って、桐乃は太腿の上に座り込んだまま俺の首に両腕を回し、胸板に乳房を擦り付けながら緩やかに腰を使い始めた。次第にその表情は蕩け、乳首は硬く尖り、口から漏れる息は悩ましさの度を深めていく。
「あふうっ……オチンポどんどん硬くなるうっ……かはあっ……いつもよりヌルヌルしてて気持ちいいっ……ふひうっ……グチョグチョって音も聞いててゾクゾクするうっ……」
 確かにその言葉通り、ボディシャンプーの効果で膣内はいつも以上に滑りを増している。その感触は心酔してしまいそうな程に心地良く、触れてもいない淫核を限界まで屹立させているところからして、桐乃も同様なのだろう。接合部が徐々に泡塗れになっていく様も見ていてそれなりに面白い。
 とは言え、白く濁った愛液が何本もの糸を引きながら垂れ落ちていく、といった眺めの方がどちらかと言えば俺の好みだ。性器の洗浄方法についての今後の方針はともかく、淫具購入の際にはローションやエアーマット等も加え、時には風呂場でマットプレイを楽しむのもいいかもしれない。物覚えの良い桐乃ならば、いずれは風俗嬢顔負けの濃厚な奉仕をしてくれるようになるだろう。
「んひはあっ……オチンポいいオチンポ気持ちいいよおっ……くはふうっ……あたしもうイくイっちゃいそおっ……」
「おいこら、これは仕事なんだろが。勝手にイったりすんじゃねえ」
「あはひうっ……だってオチンポ凄いよおっ……んひはあっ……いつも以上に硬くて太くてえっ……うくはあっ……このままオマンコの奥に中出ししてえっ……ふはひうっ……オチンポミルク注がれながらイきたいのおっ………かはひあっ……オチンポ綺麗にしながらオマンコドロドロに汚してえっ……」
「俺が出したくなるまで堪えてろ。それまでちゃんとケツ振ってろよ? 弱めたり休んだり一人でイったりしたら、即座にチンポ引き抜くかんな?」
 そう指示を与えた後に俺は片手を伸ばし、桐乃の肉芽を指先で強めに摘み上げた。
   ★★★
 風呂から上がった後、互いに裸のまま俺の部屋のベッドの上へ場所を移すと、桐乃は当たり前のように陰茎を口に咥え始めた。忙しなく舌を絡ませて口中の物を勃起させながら、同時に片手で自らの秘所をも弄り、陶酔し切った表情で甘く鼻を鳴らしている。自慰の惣菜にされている気分になりながらも、俺は好きにさせておくことにした。奉仕時の手や舌の動かし方や性交中の腰使いは日を追う毎に上達してきており、抗う気にはなれなかったからだ。
 とは言え、仰向けに寝たまま快楽に浸り、日々の疲れもあってぼんやりとしていたのが悪かったのだろう。気が付いた時には俺はソフトロープで両手足を縛られ、シーツの上で大の字に拘束されていた。ロープは先日俺自身が買ってきた物で、クローゼットの奥に仕舞い込んでいたのだが、着替えを手伝う際に所在を確認していたらしい。当然この一方的な仕打ちに対して俺は文句を言ったが、桐乃は悪びれた様子もなく微笑みながら唇を重ね、次いで甘い声で囁き掛けてきた。
「だって、今晩は好きにさせてくれるって約束したっしょ? うんと気持ち良くしてあげるからいいじゃん」
「だからって身動き取れなくすることねえだろっ。途中でションベンしたくなったらどうすんだよっ? 早く外せっ」
「あたし、兄貴のオシッコなら飲んであげてもいいよ?」
「ふざけんなっ。つうか、この状態で何するつもりなんだよっ?」
「んふっ、兄貴の弱点確かめとこうと思って。まずは身体中、足の指からお尻の穴まで全部舐めてあげる。その後でねえ――」
 桐乃は一旦言葉を切ると俺の腹に乗ってM字に脚を開き、両手で淫唇を開いて見せてきた。勃起した淫核と膣奥の柔肉を晒け出しながら、腰を前に移動させて局部全体を俺の鼻先へと近付けくる。
「――この奥にオチンポミルクいっぱい注いでもらうの。ほらよく見てよ。兄貴の専用オマンコ、もうこんなに濡れてんだよ? 乳首もクリも前よりずっと敏感になっちゃって、学校でも時々弄んないと辛くて仕方ないんだから。あたしの身体をこんな風にした責任、ちゃんと取ってよね?」
 そう言って桐乃は自らの人差し指と中指とを膣内に入れ、愛液を掬い取って俺の鼻の下に何度も擦り付けてきた。鼻孔から息を吸い込まなくとも、濃厚な淫臭が否応なく意識を朦朧とさせていく。
「……っ……お前……どういうつもりだ?」
「折角の機会だから、オマンコ汁の臭いで中毒にしてあげる。そうすればあたしから離れられなくなるっしょ? それに御主人様だったら、奴隷の臭いぐらいちゃんと覚えてくんなきゃ」
「立場が逆だろ? 普通は奴隷のお前が覚えんだろうが……」
「だって、もう覚えちゃってるもん。ずっと前から兄貴の臭い大好きだったし」
 当然のように言ってくるところを見ると、実際に覚えているのだろう。数年前から脱衣所のカゴに脱ぎ捨てた俺の下着を自慰のオカズにしていた、ということも充分に考えられる。
 しかし、そのことを確かめている余裕はない。まずは現在の行為を止めさせないと、甘酸っぱい牝の匂いに脳までも侵され、本当に中毒になってしまいそうだ。威圧的な態度で注意すべきか、それとも見返りを提示して交渉すべきか、霞の掛かったような意識下にてそれすら判断出来ずに迷っていると、俺が言葉を切り出す前に桐乃は更にとんでもないことを言い放ってきた。
「はぁん……何だかこれだけで昂奮してきちゃったぁ……んふぁ……もう直接オマンコくっ付けちゃってもいいよねぇ? あふぅ……前みたいに鼻と口の両方を塞いだりしないからぁ……くはぁ……兄貴の顔の隅から隅までオマンコ汁塗り込んじゃってもいいよねぇ?」
 喘ぎ混じりの言葉の直後、桐乃は返事も待たずに俺の顔を跨ぎ、鼻を膣内に取り込んだまま腰を前後に揺らし始めた。
    ★★★
 俺の顔面に愛液を塗りたくったことで平素以上に欲情したのだろう、その後の桐乃の乱れ様は凄まじかった。鼻を限界まで膣へと取り込んで二度、三度と達し、宣言通り俺の身体を舐め回しながら自慰をし続け、騎乗位で繋がってからは激しく腰を振り立ててくる。一週間前に性交を覚えたばかりの女子中学生とは思えない程の淫靡さであり、肉欲と共に身体の感度も一層向上しているのか、俺が射精するまでの間に少なく見積もっても三十回は果てているようだった。一度の性交で何度も絶頂を迎えることは珍しくないが、それでも今迄は精々二十回前後といったところであり、明らかに進度が増している。
 膣奥に吐き出された体液の温もりと絶頂の余韻を充分に楽しんでからは再び奉仕に戻り、合間に股間から漏れ出した精液を掌に掬って美味そうに啜り上げ、俺の菊門に舌を挿し入れて陰茎の硬度を確かめては嬉しそうに笑い、挿入可能となった時点で再び覆い被さってくる。性行為に完全に依存し切っていることは間違いなく、それはそれで有り難いことなのだが、何事にも限度というものはある。このまま朝までこの淫獣の相手をすることになるのかと俺は少しばかり憂鬱になったが、拘束された状態からは予想よりも早く解放されることとなった。
 と言うのも、当の桐乃の様子が怪しくなってきたからだ。腰の動きを速めながら虹彩を失った瞳を天井に向け、犬のように舌を出して口から涎の糸を垂らしており、快楽によって意識が混濁していることは明らかだった。ならば先刻よりも扱い易いかと思い、合わせて腰を振ってやるから縛めを解くようにと告げると、素直に指示に従って四肢を自由にしてくれた。
 勿論、身勝手な行為の代償として直ぐに一物を引き抜いてやろうと思ったが、肉の悦びに涙まで流している桐乃のアヘ顔を眺めていると復讐心も薄れてくる。俺は小さく舌打ちをしてから上半身を起こして目の前の華奢な腰を掴み、約束通り抽送運動に加わって子宮口を重点的に責めてやることにした。
「んじゃ、始めっか」
 そう言って亀頭の先で膣奥を強く突き上げてやると、桐乃はそれまで以上に大きな声で喘ぎ出し、身体中を波打たせながら大量の愛液を漏らし始めた。これ迄に幾度か遭遇した放尿場面とは若干素振りが違い、ある程度の時間を経ても延々と総身を引き攣らせている。どうやら失禁しているのではなく、繋がったまま潮を吹いているらしい。初めて見る実妹の潮吹き姿に俺は一瞬狼狽えたが、冷静になって考えてみれば今迄こうならなかったのがおかしいくらいだ。最早一人前と化した女体を前に、俺が深い満足感を覚えたのは言うまでもない。
「いい感じになってきたな、お前」
「んごふへえええっ……オマンコ完全に溶けちゃってるうううっ……うがふひあああっ……イきまくって溶けちゃってるうううっ……あぐはひいいいっ……こんなの知らない知らないよおおおっ……」
「んだよ、イきっ放しなのは経験済だろうが」
「はぎふへあああっ……全然違うの凄過ぎるのおおおっ……うぐへほおおおっ……こっちの方が断然いいいいいっ……あぎはへえええっ……この連続アクメ超気持ちいいいいいっ……ふぐほひあああっ……もうダメこんなの知ったらあたしいいいっ……かはぐひうううっ……兄貴のオチンポなしじゃ生きてけないよおおおっ……」
「ってことは、今迄はチンポなしでも生きていけると思ってたのかよ? 何か腹立つな。抜いちまうか」
「おほぐへえええっ……違うの嘘なのごめんなさいいいいっ……んがあへうううっ……今迄もずっとそうだったのおおおっ……ひぎふへあああっ……オチンポなしじゃダメだったのおおおっ……あひぐほおおおっ……だからお願いもっと奥までえええっ……くふはひいいいっ……子宮の奥までオチンポの形にしてえええっ……」
 桐乃の望みを叶えてやることは容易い。陰茎に当たる感触から、当人の子宮の位置が徐々に下に降りてきているのも判る。しかし、あまり我儘を聞いてやってばかりいると増長する一方だろう。誤魔化しついでに肛門の拡張を進めておくかと思い、俺は接合部に左手を当てて親指に淫蜜を塗すと、それを桐乃の尻へと回して付け根まで腸内に挿し入れた。膣圧以上の力で締め上げてくる腸壁に傷を付けたりしないよう注意深く指を動かしていると、桐乃が愉悦に満ちた顔付きで大きく臀部をくねらせてくる。それでいて腰の動きは相変わらずの勢いを保っており、前方へと突き出しては膣内の肉茎を、後方へと引いては腸内の指を貪欲に楽しんでいる。
「ふぎはへあああっ……セックスしながらケツオマンコ弄られんの最高おおおっ……あはぐひうううっ……もうアナルセックスしちゃおうよおおおっ……はがふへえええっ……オケツでミルク飲みたいよおおおっ……ひぐへはあああっ……オマンコみたいに可愛がってえええっ……」
「もう暫く待ってろ。色々と揃えときてえ道具もあるしよ」
 宥めるようにそう言って強めに直腸内を撫で上げてやると、桐乃の喘ぎはより感極まったものになった。同時に身体の震えも増していることから、尻穴内部が膣に負けず劣らずの性感帯であることが判る。自ら肛交を望んでくる程に心地良いのであれば、なるべく早めに専用の淫具や浣腸器等を用意しておいた方がいいだろう。
「ふがひへあああっ……ケツオマンコまで溶けちゃううううっ……んぐあふうううっ……イってるもうお尻でもイっちゃってるよおおおっ……くはほへええええっ……オマンコもケツオマンコもどっちもイっちゃってるのおおっ……あげほひいいいっ……お尻でイくのも超気持ちいいいいいいいいっ!」
 絶頂を繰り返している桐乃の肌はどこも汗を纏って艶やかな光沢を放っている。その色香に満ちた光景も然る事ながら、極め声を響かせつつ膣と腸の柔肉を著しく脈動させてもおり、そろそろ俺の方の限界も近い。
「んじゃ、俺も出すぞ? 全部出し切るまでケツ振ってろよ?」
「んひくふあああっ……来て来て熱々オチンポミルクうううっ……ふへぐひうううっ……イきっ放しのオマンコで一滴残らず受け止めるからあああっ……おほひくあああっ……子宮を白く染め上げてえええっ……」
「おらよっ、受け止れっ」
「おごふげはひいいいいいいっ! オチンポミルクでイくイくイくううううううっ! んがはへえええっ……出しながらお尻の中そんなに擦っちゃダメえええっ……ふぎへひあああっ……オマンコに響いて狂っちゃううううっ……かはへぎううううっ……またイくケツオマンコでオマンコまでイくがへふごひはああああああっ!」
   ★★★
 真夜中まで桐乃の膣を犯してやった後、ネット通販で各種の淫具や性交時用の衣類等を注文していた為に、翌日の試験は予想以上の出来の悪さだった。恐らく赤点ギリギリと言ったところだろうが、元から覚悟を決めていた以上、特に後悔や気後れをすることもない。
 よって俺は当初の予定通り、放課後になると麻奈実を連れて食材の買い出しに行くことにした。無論、上下共に下着を纏わせていない状態でだ。更には袖なしセーターをも脱ぐように命じ、制服のジャケットを羽織ることも許さず、道を歩きながら白いブラウス越しに乳房の揺れる様を眺め、人気のない場所に差し掛かる度に前ボタンの間の隙間から手を入れて乳首を摘み上げてやる。麻奈実は初めの内こそ恥ずかしそうにしていたが、そんな行為を何度も繰り返す内に次第に表情を蕩けさせ、目的地に着く頃には自ら外気に晒した乳頭を差し出してくるようになった。
「んはぁ……きょうちゃあん……はふぅ……お買い物が終わったらしよぉ……ひはぁ……今日こそわたしがお金払うからぁ……あふぅ……ホテルに行ってセックスしよぉ……」
 スーパー入り口の自動ドアを通り過ぎる際、麻奈実はそう言って人目も憚らず強引に腕を組んできた。腰に力が入らないのか、少しばかり前屈みになりながら布地越しに乳肉を擦り付けてくる。
「買うもん買ったら速攻で家に帰るに決まってんだろ。肉とか魚とか傷んじまうだろが」
「くぅん………だってオマンコもうびっしょりだよぉ……」
「知るか。勝手に濡らしてろ」
 口ではそう言ったものの、性交の為ならばホテル代を払うという言葉に俺は内心ほくそ笑んでいた。昨日も同様の発言を耳にしてはいるが、結局払ったのは俺であり、麻奈実の口調からはそのことに対する後ろめたさが感じられたからだ。この分なら先々ホテル代以外の金銭を巻き上げることも可能だろう。何しろ田村家は俺の家以上に裕福だ。和菓子屋の日々の売り上げがそれなりにあるということは当人の両親や祖父母から何度も聞かされている。店舗や隣接する家屋は幾分老朽化しているが、地所は広く、場所も繁華街に近い。更には賃貸用の借家をも所有しているとのことだ。全ての土地を処分したなら相当な金額となるに違いない。今の時点で小遣いや売上金の一部を貢がせたりするつもりはないが、より良き未来の為の選択肢はなるべく多く獲得しておくに限る。
「はぅん……だったらきょうちゃんのお家でもいいからぁ……んふぁ……何でもするからセックスしてぇ……」
「もう少し声落とせ。人に聞かれんだろうが」
 俺は腕を振り解き、プラスティック製の買い物カゴを手に取った。それを麻奈実へと手渡しながら小声で囁き掛けてやる。
「どうしてもチンポ入れて欲しかったら、買い物の間、ずっと胸張ってろ。勃起した乳首を周りに見せつけるようにな。そしたら一旦家に戻ってからマンコ使ってやってもいいぞ?」
 その言葉に麻奈実は嬉しそうに頷いて即座に背筋を伸ばし、尖り切った双乳の先をブラウス越しに露わにし始めた。元々の布地が薄いということもあって、傍目にも形状や色がはっきりと判る。元からこんな調教を予定していた訳ではなく、騒ぎになった場合の対処法など考えてはいないが、仮に店員が駆け付けてきたなら全て当人の趣味ですと説明することにしよう。
「んふぅ……何だか余計に我慢出来なくなってきちゃったぁ……ふはぁ……もう全部この場で脱いじゃいたいかもぉ……」
「そこまでしたら警察沙汰になっちまうだろうが。その分、ポケットに手を突っ込んでマンコでも弄り倒しとけ。俺の後を付いて来んのも忘れんなよ? カゴ持ちはお前なんだかんな?」
 俺はそう告げて麻奈実から少しだけ距離を取り、生鮮食品の棚へと足を向けた。
   ★★★
 幼少時から間近で見てきただけあって、地味子の異名を持つ麻奈実が他人から注目を浴びることに慣れていない点については俺も充分に理解している。だが、良くも悪くも恥ずかしさに比例して感情を昂ぶらせていくのが人間の自然な反応だ。そんな論理を裏付けるかのように麻奈実は他の客や店員からの視線を受けて舞い上がり、嬉しそうに乳房を大きく揺らして更に人目を集め、挙げ句の果てには指示も与えていないのに菓子売り場にいた男児に向けてスカートの裾を捲り上げ、剥き出しの秘所を晒け出すという大技を繰り出した。五歳前後と思われる男児は一瞬の沈黙の後に大声で泣き出し、恐らくは母親の元へと走り去ってしまったが、これで彼も大人への階段を一つ上ったに違いない。心的外傷にならないことを胸の奥底で祈りつつ、俺は麻奈実の手を引いて手早くレジにて支払いを済ませ、足早に店舗から逃げ出した。利用頻度の高い店だったのだが、暫くの間は寄り付かない方がいいだろう。
「ったく、面倒なことしやがって。ガキにマンコ見せてどうするつもりだったんだよ?」
 自宅に向かう道すがら、買い物袋を左右の手に持ったまま俺がそう言うと、両手で二つの鞄を抱えた麻奈実は照れ臭そうに俯き、消え入りそうな声で呟いた。
「だって、たくさんの人にオッパイ見られてどんどん変な気持ちになっちゃって。あの時はたまたま周りに人がいなかったし、あの年頃の男の子になら見せても問題ないかなって……」
「怖がらせてどうすんだ。ありゃ完全にビビってたぞ」
「そんなこと言われたって、お買い物の後でセックスして貰えると思ったら、嬉しくて誰かに見せびらかしたくなっちゃったんだもん。これからここにオチンポ入れて貰えるんだよって。でも、泣かれちゃうとは思わなかったなぁ。ねえ、きょうちゃん、わたしのオマンコって変なのかな? 臭いのかな?」
「形は別に変じゃねえと思うけどな。それに前にも言ったろ、嫌な臭いじゃねえって。それとも何か? 臭いって言って欲しいのか?」
 そう問い掛けると、麻奈実は怯えたように肩を竦めた。それでいて表情は綻んでおり、口元に小さな笑みを浮かべている。どうやら本当に悪態を吐かれたいらしいが、道端で淫臭についての虚言を述べてやる気にもなれず、取り敢えず先を急ごうと俺は歩みを速めた。麻奈実もすぐに追い着き、横に並んで媚びた眼差しを送ってくる。
「んだよ? ジロジロ見んな」
「えへ。ねえ、きょうちゃん、セックスの時でいいから、わたしのオマンコのこと、試しに臭いって言ってみて。それなのに相手をしてくれてるんだって思ったら、わたし、きょうちゃんのこともっと好きになっちゃうと思うの」
「妙な理屈付けてんじゃねえ。単にお前が罵られてえだけだろが」
「だって、きょうちゃんに虐められるのって気持ちいいんだもん。わたし、マゾで変態のメスブタだから、気にしないでいっぱい酷いことしていいんだよ?」
 麻奈実はそう言って俺に身体を擦り寄せ、穏やかに笑った。
   ★★★
 性交の約束をしてやったとは言え、自宅で事に及ぶと桐乃に悟られる恐れがある。故にキッチンの冷蔵庫等に食材を仕舞い込み終えると、俺は麻奈実を連れてラブホテルに行くことにした。またしてもSM部屋は全室使用中であった為、仕方なく他の部屋に入って互いに衣服を脱がせ合う。痛みを喜ぶ相手に前戯を与えてやる必要などなく、元より秘所が充分過ぎる程に濡れていたこともあって、俺はベッドの脇に立ったまま麻奈実の裸身を抱き寄せると即座に肉棒で貫いた。片脚を持ち上げて膣内に一物を埋没させ、もう片方の脚をも抱え込んで駅弁の体位となり、更にベッドに押し倒して正常位へと移行する。そのまま何度か膣奥を突き上げてやると麻奈実は呆気なく達し、悦びの声を上げながら俺の腰に両脚を巻き付かせてきた。
「オマンコイくううううううっ! んかはへあっ……オチンポ入れて貰っただけなのにいっ……あへふひうっ……だらしないオマンコでごめんなさいいっ……はくひふあっ……臭いオマンコでごめんなさいいっ……」
 早く罵って欲しいという意思表示なのだろう、特に文句を言った訳でもないのに麻奈実は謝罪の言葉を繰り返し、俺の動きに合わせて淫らに腰を揺らしてくる。俺は少し考えてから期待に応えてやることにした。この際、罵声がどの程度の性欲促進効果を持つのか見極めておくのも悪くない。
「勝手にイってんじゃねえぞ、このメスブタが。我慢して臭えマンコを使ってやってんだからよ、感謝しながらもっとケツ振ってこい。お前が俺をイかすんだよ。早くしろ」
 軽く頬を叩きながら努めて冷酷な口調で言葉を浴びせてやると、麻奈実は果てた時以上に大きく身体を震わせた。指示に従って激しく腰を動かしつつ、蠱惑的な笑みを向けてくる。
「おほひへあっ……一人でイっちゃってごめんなさいいっ……んかはひうっ……でもオマンコ痛くて気持ち良かったからあっ……かはひうあっ……きょうちゃんのオチンポが気持ち良過ぎるからあっ……ひくはへうっ……またイくオマンコイっちゃううううううっ!」
 平素の態度からは考えられない程の大きな叫び声を上げ、麻奈実は二度目の絶頂を迎えた。接合部の白く泡立った粘液を洗い流すかのように大量の体液を分泌させてもいる。微かにアンモニア臭が感じられるところからして、どうやら潮と尿を同時に排出しているようだ。それでも余韻に浸ろうとはせず、肉壺で懸命に男根を扱き上げてくる。反応や素振りからして性感が一気に向上したことは疑いようもなく、それが俺の放った暴言によって引き起こされたということも容易に想像が付く。
「あぐふへえっ……オチンポ凄い気持ちいいいっ……はがふひいっ……きょうちゃんもっと虐めてえっ……うぎくへあっ……オチンポと言葉でもっとわたしを虐めてえっ……」
 正直に言えば、参ったな、と俺は思った。桐乃についても言えることだが、性行為に対する受容性が高過ぎる。自らが施した調教の成果だと判ってはいても、もう少し堕落させるまでの過程を楽しみたかったところだ。そんな名残惜しさを感じる一方で、このまま相手を壊してしまいたいといった加虐的な欲望も沸いてくる。一日二十四時間延々と肉欲に捕らわれ続け、陰茎の匂いを嗅がせただけで嬉しさのあまりその場で放尿を始めるというのが俺の理想の女性像だ。当然ながら相手は俺に限定されるが、八割方完成している桐乃の域へと近付ける為にも、理性の大半は早めに崩壊させておきたい。
「んじゃ、今からお前は俺専用の精液便所な。家でも学校でもチンポ汁用の肉便器だ。これからはそのつもりでいつでもマンコ濡らしとけ。気が向いたらケツ穴にも突っ込んでやっから常に綺麗にしとけよ? 判ったな?」
 僅かに迷った挙げ句、俺は麻奈実にそう告げた。どこまで俺の言葉を受け入れるのか確認する意味もある。自ら酷い扱いを望んでおきながら条件によっては拒絶するならば、何が要因になっているのかを推察し、場合によっては取り除かねばならない。例えば尻穴性交を極端に嫌がるとする。その背景に一般的ではないという考え方や汚いと思う感情があるならば、誤った知識を植え付けるなり、事前の掃除方法を教え込むなりして是正を図れば済む話だ。どんなに拒んでいようとも、気心の知れた幼馴染みが相手ならば然程手間も掛からないだろう。
 だが、麻奈実は否定的な語句など一言も口にせず、逆に感激したかのように目尻に涙を浮かべて微笑み掛けてきた。
「ふぎくへあっ……きょうちゃん嬉しいよおっ……んぐはへうっ……わたしの臭いオマンコで良かったら好きな時に使ってえっ……あへぐひいっ……お尻でもどこでも好きにしてえっ……」
 心底喜んでいるのだろう、淫蜜と潮と小便は尚も量を増し、肉茎が秘裂の奥へと呑み込まれていく度に周囲に撒き散らされていく。それはシーツの上に大きな染みを作るだけでなく、酸味の強い淫臭を漂わせながら部屋の湿度をも高め、麻奈実の掛けた眼鏡のレンズは温度差に白く曇り始めている。肩透かしを食らった気分になったことは事実だが、了承を促した身としては言葉遊びを継続する以外に道はない。
「おらっ、便器っ。そんなんじゃチンポ汁が出せねえだろうがっ。もっとケツ振れっ。嫌々ながらチンポ恵んでやってんだってこと忘れんじゃねえぞっ」
 抽送を速めながら俺がそう言うと、麻奈実は恍惚に火照った顔で巧みに腰を跳ね上げた。
   ★★★
「なあ、お前、無理してねえか?」
 子宮口に亀頭を擦り付けて二回程射精してやった後、汚れた陰茎を舌で掃除させながら俺は麻奈実にそう尋ねてみた。先刻までの淫乱振りに多少なりとも演技が混じっているならば、把握しておいた方が良いと思ってのことだ。
「あもっ……ろれっ……ぷはぁ……ん? 何で? きょうちゃんのオチンポ汁、生臭くて苦いけど青汁みたいで美味しいよ? こうやってお掃除してると、いっぱい匂いも嗅げるし」 
「そうじゃなくてだな、お前の身体、馴染むのが早過ぎんだろうが。ほんとは辛いんじゃねえのか? 無理してんならそう言えよ?」
「だって、辛いのも痛いのも気持ちいいんだもん。ほんとだよ。それにね、わたし、もっときょうちゃんのこと受け入れたいから、ちょっと触って貰えただけですぐ濡れるように、昨日の夜から暇さえあればお家でオマンコ弄ってるの。その分、今日のテストはあんまり出来なかったけど、学校の成績よりきょうちゃんの役に立てることの方が大事だし」
 健気な台詞を口にしながら麻奈実はうっとりとした顔で一物から立ち上る淫臭を確かめている。そんなに気に入っているのならば、いずれ鼻孔へ直接精液を放ってやってもいい。
「つまり、昨晩ずっとオナニーしてたのか? もしかして朝までか?」
「えへっ」
「にこやかに笑ってんじゃねえ。つうか、それでよく体力残ってんな。見たところ目の下に隈もねえし。何か秘訣でもあんのかよ?」
「んとね、お父さんとお母さんがエッチする前に呑んでるお薬があるの。精力剤って言うのかな? それをこっそり貰ったから。あとね、すたみなどりんく」
 薬の効能に頼ってでも自慰をし続けていたいという旨の発言に呆れつつ、俺は件の精力剤について質問を重ねた。聞けば、紫のラベルの瓶に入った錠剤とのことで、どうやら桐乃から貰った薬と同じ物であるらしい。それならば昨晩ネット通販で見つけて多めに発注してある。自宅に届いたらすぐに一瓶渡してやり、盗んだ分を補充させておくかと考えていると、麻奈実は父親から聞いたという薬の裏技について説明を始めた。要約すると、水で服用した際には自然な薬効を得られるが、栄養剤で飲み下せばそれ以上に精力が漲り、アルコールで嚥下した場合には通常の効果に加えて発情促進作用があるとのことだ。よくそんな薬の認可が下りたものだとは思ったが、それならそれで色々と使い道はある。加奈子の強姦時には役に立ってくれるだろう。
「でもね、何か近い内に販売禁止になるかもって、お父さんが言ってたよ?」
「まあ、普通に考えたらそうだろな。でも安心しろ。俺がお前の分もまとめて買っといてやっからよ。その代わし、今からお前、家でも学校でも他の場所でもオナニー一切禁止な」
「ふええっ? 何でぇ? 自分のお部屋でするんならいいでしょ? 一人の時にはきょうちゃんとのこと思い出して、ずっとずっと触ってたいよぉ」
「駄目だ。どんなに弄りたくなっても我慢しろ。念の為に言っとくけどよ、お前の顔見りゃ嘘吐いてるかどうかなんて簡単に判んだかんな? 俺の許可なく勝手にオナニーしやがったら捨てんぞ?」
「ううっ……でもぉ……」
「その分、頻繁にチンポ恵んでやるし、この先どんどん酷いこともしてやっからよ。いいな?」
 低い声で了承を求めると麻奈実は渋々と頷き、不満をぶつけるかのように肉茎に忙しなく舌を絡め始めた。
   ★★★
 麻奈実を自宅に送り届けた後、俺は電車に乗って隣の市の繁華街へと向かった。PCショップに入って目当ての商品を購入し、踵を返して自分の住む街へと戻る。既に帰宅していた桐乃と一緒に夕食を取って風呂に入り、いつものように裸のまま自室に入ると、俺は包装された購入品を差し出して短く言葉を掛けた。
「ほれ」
「えっ? あたしに?」
 目の前に突き出された包みを見て桐乃は目を丸くした。誕生日や記念日でもないのに俺から何かを贈られるなどとは考えてもいなかったに違いない。だが、昨夜の加虐的な振る舞いは別として、従順な態度でさえあれば愛らしい性奴隷だ。加奈子の件で協力するとの言質に加え、嬉々として俺の尻穴までも舐めた褒美として、時にはこうして性的行為以外の見返りを与えておきたい。
「お前の為に買って来たんだ。開けてみろ」
「う、うん」
 桐乃はいそいそと包装紙を取り、中の品を見て嬉しそうに俺を見上げてきた。
「ほ、ほんとにっ? これ全部っ、あたしの為に買って来てくれたのっ?」
 四つの小箱を抱えて笑みを浮かべる桐乃を見て、俺は危うく吹き出しそうになった。と言うのも、俺が渡してやったのはエロゲーだったからだ。『いもうと奴隷調教学園』『妹マゾ奴隷マドカ』『お兄ちゃんのパンツは至高の臭い』『妹肉便器・お尻で精液ごっくん編』の四つのタイトルから判るように、兄妹ものの好きな桐乃の嗜好に合わせてはいるが、今以上に隷属させるべく調教物ばかりを選んである。それでも桐乃は箱を乳房に押し付けたまま俺に裸体を擦り寄せ、胸板に横顔を押し付けてきた。
「すごく嬉しいっ。ちゃんとバカにしないで認めてくれてたんだっ?」
 お前の精神を更に汚染する為にな、との言葉は伏せ、俺は桐乃の身体を優しく抱きしめてやった。それなりの出費ではあったが、これで依存度が増すならばモデルのギャラを貢がせるなりして充分に元は取れる。
「けどよ、よく判んなくてな。お前の趣味に合ってっか?」
「うんっ、大丈夫。お兄ちゃんものなら何でもすっごく嬉しいし、兄貴があたしの為に買ってくれたゲームだもん。ちゃんと感謝しながらプレイすんね。お礼に今夜はいっぱいサービスしちゃう。何でも好きなことしていいよ。それともあたしがしよっか?」
「なら、お前の部屋で今からそのゲームやろうぜ。プレイしてる間にマンコ舐めて、一回ぐらいはイかせてやっからよ」
「あはっ、嬉しい。あたし、兄貴にオマンコ舐めてもらうの大好き。クリもいっぱい弄って欲しいな。あ、でもそれって、匂い中毒になってくれたってこと?」
 桐乃はそう言って顔を上げ、俺の目を覗き込んできた。適当な言葉を返したら許さないというような、期待に満ちていながらもどことなく意地悪気な眼差しだ。止むなく俺は苦笑いしながら正直に答えることにした。語るべき時には本音を語り、必要な注意も与えておいた方がいいだろう。
「中毒って程じゃねえけど、匂いも味も好きだぞ。けどよ、昨日みてえに俺の鼻をマンコの奥まで突っ込んで腰振んのは止めてくれ。鼻の中までマン汁塗れになっちまうし、息も結構苦しいんだからよ」
「いいじゃん、あれくらい。あたしはもう中毒なんだかんね? 兄貴のオチンポの匂い嗅ぐだけで子宮がムズムズすんだから。だから同じくらい好きになって貰えるまで、オマンコの匂いについてはあたしが兄貴のこと調教すんの」
 桐乃は有無を言わせぬ口調でそう言い切ると、その場に屈み込んで俺の股間に横顔をそっと擦り付けた。
   ★★★
「んで、マドカは今、誰に何をされてんだ?」
「んふあっ……縄でオッパイ縛られてえっ……あふうっ……お兄様のオチンポでオマンコ責められてんのおっ……はんあっ……ケツオマンコに指も入れられててえっ……くふうっ……昨日のあたしたちみたいだよおっ……ふはあっ……あたしも兄貴にオッパイ縛られたいよおっ……」
 俺の隣の部屋のパソコンデスクの前、桐乃は裸のままキャスター付きの椅子に腰掛け、大きく脚を開いて秘所を露出させている。右手でマウスを操作しながら左手の中指を膣内へと挿し入れ、エロゲーによる自慰の真っ最中だ。約束通り淫核や膣肉を舐めて一回果てさせてやった後、先刻までは余韻に浸りながら自ら淫唇を撫で回していたのだが、現在は再び昂奮しながらGスポットを擦り続けているらしい。局部はどこもまだ色素の付着がほとんどないものの、その慣れた手付きからすると処女喪失以後はこうして身体を慰めていたのだろう。
 俺はと言えば机の下に潜り込んでクッションの上で胡座を掻き、実妹の手淫を間近で観察しながら勃起した一物を扱いている。もしかしたら既に中毒にする為の調教とやらが始まっているのか、桐乃は指を絶え間なく且つ荒々しく動かして愛液を俺の方へと飛び散らせており、周囲に立ち籠める濃度の高い淫臭に酔ってしまいそうだ。
「マドカはチンポ入れられて何て言ってんだ? 画面が見れねえ俺にも判るように、お前が台詞を読み上げてみろ」
 そろそろ頃合いかと思い、俺は予定通りにそう指示を出した。淫語や奴隷としての言葉遣いを今更覚えさせる必要はないが、シナリオを読ませるのも面白いかと考え、予めゲームのキャラクター音声のみ切らせてある。
「くはあっ……マドカの淫乱マンコはお兄様専用のオナホールですうっ……あひうっ……存分に抉りまくってザーメンミルクをぶち撒けてえっ……かふあっ……どうか子宮を精液漬けにして下さぁいっ……んひうっ……お兄様だけの腹ボテ奴隷になりたいんですうっ……」
「感情が籠もってんのはいいけどよ、あんまりマン汁引っ掛けてくんな」
「あはうっ……だって溢れて来ちゃうんだもぉんっ……ふはあっ……あたしも兄貴に精液漬けにして欲しいいっ……んくうっ……ザーメンミルクで腹ボテ奴隷になりたいよおっ……」
 桐乃はそう言って腰を前にずらし、俺の鼻先に性器を近付けてきた。単に自慰を見せつけると言うよりも、触れて欲しいといった素振りだ。俺はそんな様子を鼻で笑った後、昨晩同様に尻穴を拡張してやることにした。左手の人差し指に潤滑油として淫蜜を塗してから、ゆっくりと根元まで押し込んで腸壁をそっと擽ってやる。
「んくはあっ……指オチンポ来た来たあっ……あくひうっ……ケツオマンコいい気持ちいいっ……ふはひあっ……早くオマンコにもオチンポ欲しいよおっ……くひふうっ……マドカと同じことされたいよおっ……」
 桐乃は脚を何度も開閉させつつ、腰を前後に大きく動かし始めた。膣内と腸内の指の感触を交互に楽しんでいるのだろう。二度目の絶頂が近いのか、肥大した淫核をヒクヒクと震わせている。
「おいおい、言葉と態度が違い過ぎんじゃねえか? 指だけで満足できんならチンポ入れてやんねえぞ?」
「ふくはあっ……意地悪言わないで突っ込んでえっ……んはふうっ……自分の指より兄貴の生オチンポがいいのおっ……かへはあっ……オチンポ頂戴オチンポオチンポおっ……」
「だったらもっと奴隷らしくおねだりしてみろよ。今のマドカの台詞を自分に置き換えて言ってみろ」
「あくひうっ……桐乃の淫乱マンコは兄貴の為のオナホールですうっ……かひはあっ……存分に抉りまくってザーメンミルクをぶち撒けてえっ……んくへうっ……どうか子宮を精液漬けにして下さぁいっ……くふひあっ……言ったから早くオチンポハメてえっ……ふはひいっ……お願い兄貴いっ……」
「仕方ねえな。んじゃ、手を退けろ」
 目の前の椅子を押し出しながらそう告げると、俺は桐乃に覆い被さり、膣から抜かれた指の代わりに陰茎を一気に突き入れた。亀頭の先で子宮口を重点的に責めると同時に、菊門から挿し入れたままの指で腸内を激しく掻き回してやる。
「んくほひあああっ……オチンポ凄いケツオマンコも凄いいっ……あへはひうっ……今のあたしマドカと同じだよおっ……かはくひあっ……もうイくまたイくオマンコイっちゃううっ……」
 桐乃は恍惚とした表情で俺にしがみ付き、腰を淫らに動かし始めた。長らく指淫に耽っていたこともあり、熱く濡れた膣壁の蕩けるような感触に俺も射精を我慢し切れそうにない。
「何度イってもいいぞ。俺もすぐに出ちまいそうだ」
「くはふひうっ……出して出していっぱい出してえっ……はくほへあっ……淫乱オマンコにゴクゴク飲ませてえっ……ふひはへうっ……オチンポもザーメンも全部大好きなのおっ……」
「なら零すなよ? おらっ、飲めっ」
「おほくへひいいいっ……イっちゃうザーメンミルクでイっくううううううっ! あはくへえええっ……精液漬けにして貰えてるうううっ……はへくほあああっ……まだイく熱くて美味しいのおおおっ……んぐふひおおおっ……オマンコどっちも超気持ちいいいいいいいいっ!」
   ★★★
 互いに絶頂を迎えた後、今度は俺も椅子に座ることにした。先に腰を下ろして桐乃を膝の上に乗せ、背後から精液の漏れ出ている秘所を改めて貫いてやる。
「はふうっ……乳首とクリも触ってえっ……んはあっ……指で強めに押し潰してえっ……」
 そう言って桐乃は俺が抽送を始める前から勝手に腰を使い出し、股間から大きな水音を立て始めた。言われた通りに乳房の先端と陰核に触れてやると、どちらも既に限界と思われる程に膨らんでいる。
「うくはあっ……気持ちいい全部気持ちいいよおっ……んふひうっ……ケツオマンコの中まで震えてきちゃううっ……かはへあっ……あたしどんどんスケベになってるよおっ……」
「毎日チンポ突っ込まれてんだから仕方ねえだろ。けどよ、たまには休みの日も作った方がいいかもな。じゃねえとお前のマンコ、大人になる前に真っ黒になっちまうかもしんねえだろ?」
「あふひうっ……してしてオマンコ真っ黒にしてえっ……んくひあっ……兄貴になら乳首もクリも全部真っ黒にされたいよおっ……ふくひうっ……だから毎日休まず犯しまくってえっ……うひはあっ……いっぱい使い込んで精液漬けにしてえっ……くふひうっ……もう兄貴とのセックスなしじゃ生きられない身体になっちゃってんだからあっ……」
 性交に依存していることを素直に認める発言に喜び掛けたものの、俺は咄嗟に思い直して眉を顰めた。日々増大していく桐乃の淫欲を常に満たしてやっていたら、相手をする俺が若年死し兼ねない。容姿端麗な実妹と交じり合った末に腹上死、というのは幸福な死に方の一つかもしれないが、自ら実践するには現世における未練や問題が多過ぎる。
「精液漬けとか、別に急ぐことでもねえだろ? やり過ぎてガバマンになられても困るしよ。だからたまには何日か休もうぜ。それと、生理中はしねえって点も譲らねえかんな」
「はくひあっ……生理の時は我慢するからそれ以外は毎日してよおっ……んくはうっ……あたしのオマンコこのオチンポが大好きなんだからあっ……くふひあっ……もっともっとオチンポの形に整えてくんなきゃダメえっ……」
「俺の体力のことも少しは考えろ。もし体調崩したらどうすんだ? 入院する羽目にでもなったら相手なんか出来ねえぞ? 場合によっちゃ何ヶ月もチンポお預けだ。それでもいいのかよ?」
「あふひうっ……何ヶ月もお預けなんて嫌あっ……んひくあっ……そんなのオマンコが耐えらんないよおっ……はへひうっ……だったら時々お休みの方がいいっ……」
 思惑通りの返答を引き出した後、俺は暫し考え込んだ。桐乃と麻奈実だけでなく加奈子をも加えて満遍なく対応する為には、それなりのスケジュール管理が必用となる。仮に一週間を基準とするならば、各々二日ずつ相手をし、残りの一日を完全な休日とするのが好ましい。
 だが、そうなると加奈子の件はともかく、麻奈実との関係を未だに知らない桐乃にとっては週に二日しか性行為を楽しめないということになり、異議を申し立ててくるのは明らかだ。当面は加奈子の分の日数を桐乃に回しておくことも出来るが、そうすると麻奈実とのバランスが少々悪くなる。どうするべきかと悩んだ末に、俺は頭を振って思考そのものを振り払った。解決策が見出せない以上、取り敢えず成り行きに任せ、日程については後々再考するしかないだろう。
「んじゃ、休みてえ時にはその都度言うからよ。文句言ったりすんなよな?」
 俺はそう言いながら桐乃に合わせて腰を動かし始めた。
   ★★★
 その後、桐乃をベッドに寝かし付けてから俺は自分の部屋に戻り、パソコンデスクの前に座ってブラウザソフトを立ち上げた。麻奈実から聞いた精力剤の使用方法について確証を得ておきたかったからだ。幾つかのサイトを巡ってみると、確かに説明通りの効果を示す記述が複数見つかった。合法ドラッグとして一部では有名な薬であるらしい。そんな物を桐乃に渡したスタイリストには文句の一つも言ってやりたいところだが、実際にその恩恵に与っている身としては感謝するより他にない。
 ついでに言えば、麻奈実の父親に対しては単に呆れただけだ。元々田村家は開放的な家風であり、たとえその場に俺が同席していようとも、件の薬の話題が出たら裏技とも言える服用方法を授けられたに違いない。麻奈実が薬をこっそり呑んだというのは、自慰を繰り返していた後ろめたさから両親に対して素直に欲しいと言えなかった為だろう。
 色々と考えを巡らせながらも加奈子を犯すことが当初よりも容易く思え、自然と口元が綻んでしまう。薬効によって発情させてしまえば和姦に持ち込むことさえ可能かもしれない。合意の上では恨みを晴らすことに成り得ないが、あの未発達な身体を自由に弄べるのならば過去のことは不問に付してやってもいい。勿論、反抗的な態度であれば相応に嬲るつもりではいる。恐らく未開通であろう膣にバイブレーターを押し込んで処女膜を破り、尻穴と尿道に専用のスティックを何本も挿し入れ、内外を精液塗れにした後に小便を引っ掛けてやるくらいのことは当たり前だろう。ネット通販でピアスガンを購入し、乳首と淫核に穴を開けて紐を通し、風呂場か何処かに繋いでおくのも面白い。何にしても相手の出方一つで必要な処置が取れるよう、淫具以外にも事前に色々と揃えておく必要がありそうだ。当人の好物や嫌いな食べ物、プレゼント用の雑貨や脅しに使うナイフ等々、精神を揺さ振る為の手段は無数にある。
 そんな理由から各種のショッピングサイトで商品の購入手続きを進めていると、不意に部屋の扉が開いた。慌てて視線を向けると桐乃が顔を覗かせており、そのまま裸身を隠すことなく俺の傍へと近付いてくる。一旦熟睡し始めた後に起き出してくるなど珍しいことだが、何度も目蓋を擦っているところを見ると未だ睡魔に捕らわれてはいるのだろう。足取りも幾らか覚束ない様子だ。
「どした? 目が覚めちまったのか?」
「ん……抱っこ……」
 そう呟いて桐乃は両腕を差し出し、同じく全裸である俺の膝を正面から跨いだ。その裸身を抱え込んで背中と尻を撫でてやると、甘えた素振りで肩に頬を擦り付けてくる。
「何だ? 怖い夢でも見たのかよ?」
「そうじゃないけど……気が付いたら隣に兄貴いないから……どしたのかなって……」
「調べ事があってな。けど、もう終わったからよ。今やってんのは明日でもいいし、ここで一緒に寝直すか?」
「うん……でも今は……このまま抱っこされてたい……」
 寝惚けた声でそう言って、桐乃は更に身体を密着させてきた。特に何か不安を抱いている訳ではなく、夢見心地のまま纏わり付いていたいだけだろう。
「んじゃ、もう少しだけな。眠かったら寝ちまってもいいぞ? 後でちゃんとベッドまで運んでやっからよ」
「ん……ありがと……兄貴大好き……愛してる……」
 桐乃は小声でそう囁きながらゆっくりと頭を上げ、俺の頬に唇をそっと押し当てた。
   ★★★
 試験期間の最終日、俺は朝からクラスメイトたちに次々と話し掛けていった。元より無駄な社交性など持ち合わせていない俺にとっては苦行とも言える行動だったが、今後の麻奈実の調教の為には仕方がない。会話の途中でさり気なく席替えについて問い掛け、試験に対する不満の矛先を現在の席順へと向けさせ、主立った連中の意見を吸い上げてクラス委員長の女生徒に随時報告し、更に論議を煽り立てていく。その甲斐あって帰りのホームルームの時間になって担任教師が教室に姿を見せた頃には、早急に席替えを行うことがクラスの総意となっていた。
 騒ぐのが好きな奴をけし掛けて突然のことに渋る担任から許可を取った後、俺は自ら立候補して抽選係の座を射止め、箱の中から数字の書かれた紙を取り出すという方法を提案して了承を受けた。となれば、特定の場所の分だけ予め抜き出して隠しておき、目当ての席を手に入れることなど簡単だ。クジ引きさえ終わってしまえば特に証拠も残らない。
「おい、高坂。何でお前が田村さんの隣なんだよ? ズルしたんじゃねえだろうな?」
 赤城が小声で不平を述べてきたのは座席の移動が完了してからのことだった。教壇から見て最後列の窓際に麻奈実、その隣が俺という点について不審を抱いているのは明らかで、片頬を僅かに引き攣らせている。出来れば他の生徒たちと同様に抽選結果を受け入れて欲しかったのだが、面倒でも相手をしてやる以外にないだろう。
「あ? んなこと何でしなきゃなんねえんだ? 別に付き合ってる訳でもねえのによ」
「けどよ、不自然じゃねえか。お前からクラスの連中に話し掛けていくとこなんて、俺、初めて見たぞ? おまけに自分から係に立候補までしやがって」
「やっとテストが終わるんでな、朝っぱらからテンション上がってただけだ。立候補したのは話題を振った責任みてえなもんだしよ。大体、麻奈実の隣ってことで俺に何のメリットがあんだよ?」
「そ、そりゃ判んねえけど――」
「きょうちゃん、お待たせ」
 問答に詰まった赤城を救うかのようなタイミングで声を掛けてきたのは、それまでトイレに行っていた麻奈実だった。俺がクジに細工を施したことを知っている唯一の人間だが、見たところ不自然な様子はなく、成り行きを危惧する必要はなさそうだ。今日は下着を着用させているので、それなりに理性を維持出来ているのだろう。自席に腰掛けて机の中の荷物を鞄に詰め込みながら、傍らに佇む俺たちを不思議そうに見比べている。
「二人ともどうしたの? まさか、喧嘩とか?」
「一方的に売られてただけだ。こいつ、俺とお前が隣同士だってのが気に入らねえんだとよ」
「ふえっ? 何で?」
「さあな。お前のことが好きだからじゃねえか?」
「ちょっ、高坂っ、何言ってんだよっ!」
 慌てふためく赤城の姿に吹き出しそうになったものの、すぐに俺は助け船を出してやることにした。これで席替えに対して不用意な発言をすれば麻奈実に対する好意が明るみになるということが赤城にも理解出来た筈だ。たとえ疑惑を抱き続けていようとも、最早その件に関して文句を言ってくることはないだろう。
「詰まんねえ冗談に取り乱してんじゃねえ。来週、お前の家に遊びに行くことになってて、その打ち合わせしてただけだろうが」
「なっ? あっ、ああ、そうだな、そうだったよな。そうなんですよ、田村さん。それだけのことなんです。別に気に入らないとか、その、好きとかじゃなくて……」
「ふうん、そうなんだ。それじゃわたし、その日はきょうちゃんと一緒に帰れないの?」
「当たり前のこと聞いてくんな。んなことより早く帰る準備しろ」
「お前、田村さんにそんな言い方ってねえだろ?」
「ううん、いいの。わたし、きょうちゃんに命令してもらうの大好きだから」
 その言葉に衝撃を受けたのだろう、赤城は口を開けたまま微動だにしなくなった。どこからどう見ても間抜けな表情を浮かべているが、適当な言い訳をして安堵させてやる気にはなれない。
「んしょっと、準備出来たよ?」
「んじゃ、とっとと帰るか。赤城、またな」
「赤城くん、また明日ね。部活頑張ってね」
 麻奈実がそう告げても赤城は何の反応も示さず、俺たちが教室を出て行くまで寂しそうにその場に立ち尽くしていた。
   ★★★
 帰るとは言ったものの、昇降口から出た俺は校門へと向かわず、麻奈実を連れて旧校舎へと忍び込むことにした。現校舎とは完全に独立している木造の建物で、周囲には金網フェンスが張り巡らされている。フェンスの彼方此方には立ち入りを禁じる旨の書かれた木札がぶら下げられており、警告を無視したならば何らかの罰を受けることは間違いないが、それ故に校内で逢い引きをするには最適な場所だ。誰も俺と同じ目的で使用してはいないのか、辺りを回ってみても抜け穴が一つも見当たらなかったのは意外だったが、予め対応策は用意してある。親父の部屋の工具箱に入っていたフェンスカッターさえあれば、人が通り抜けられる程度の穴を開けることなど造作もない。
 後々見つかり難いように人目に付かない物陰に通り道を作り、中に入って切り取ったフェンスと針金で穴を偽装し、周囲を伺いながら建物の裏口に近付いて施錠してある鍵の状態を確かめる。建物の老朽化から予想していた通り、それは内部の突起を押し込んだ状態でシリンダーを回せば解錠出来る単純な仕様の物だった。ピッキングというのは難しそうに思えるが、鍵の構造の知識と慣れさえあれば然程手間の掛かるものではない。小学生の時に自室の机の鍵を無くしたことを切っ掛けに、その面白さに一時期嵌り込んで自宅の様々な場所を開け続けた俺にとって、目の前にあるのはブランク期間を加味しても三分あれば対処可能な代物だ。場合によってはガラスを割る必要があるかもと思い、ガムテープ等も用意してきたのだが、針金で鍵を開ける方が侵入の痕跡が少なくて済む。中に入る度に細々とした作業を行うのは面倒だが、以前に使用されていた職員室内を探索することさえ出来たなら、入り口の鍵の一つくらいは見つけることも可能だろう。
 麻奈実はと言えば、先刻からずっと従順な態度で見張り役を務めている。人気のない教室で嬲ってやると事前に告げておいた為、侵入を咎めたりするような言動は一切無い。四方を確認しつつ内腿を忙しなく擦り合わせているところを見ると、性交時のことでも思い浮かべて愛液を分泌させ始めているのだろう。日を追う毎に肉欲だけでなく扱い易さも増してきており、近い内に何かしら性行為以外の褒美を与えてやりたいところだ。
 指紋が残らないように軍手を嵌めて鍵を開け、校舎の中に入ってみると、職員用の下駄箱の前にはスリッパや傘、花瓶等が乱雑に散らばっていた。どうやら建物内には荷物が色々と取り残されているらしい。取り壊し時期の噂も聞いたことがなく、もしかしたら学校側はこのまま暫く放置しておく予定なのかもしれない。解体時の騒音や業者に支払う費用の捻出等々、延命の理由は色々と考えられるが、実際の原因がどうであれ、一旦侵入を果たした以上は長く活用させて貰いたいものだ。
 取り敢えず靴の上からスリッパを履き、まずは職員室に行ってみることにする。埃を舞い上げないように静かに廊下を進み、扉を開けて室内に入ると、呆れたことに壁に掛けられた保管庫の中には鍵が一式残っていた。不用心過ぎると言いたくもなるが、各々の鍵に設置場所の書かれたタグが付けられている点には素直に感謝してやってもいい。今入ってきた裏口と用務員室、その他幾つかの主要な鍵を軍手のまま取り出し、ズボンのポケットにまとめて放り込んでおく。これで帰り際に商店街に寄って合い鍵を作っておけば、旧校舎内をいつでも自由に利用することが出来る。
 と言っても、現校舎と警備が連動している可能性もあり、夜間の使用は控えた方がいいだろう。裏口にセンサーらしきものは見当たらなかったが、もしもどこかに警備会社の通報機器等が設置されていた場合、夜の侵入では言い訳が立たない。
 ちなみに昼間であれば、キャッチボールをしていた際にボールがフェンス内へと入ってしまい、止むを得ず乗り越えてみたら玄関の鍵が開いていたと何食わぬ顔で告げるつもりでいる。子供染みた言い訳であることは充分承知しているが、フェンスカッターや針金をいつまでも持ち歩く程に俺は愚鈍ではなく、代わりに発言を裏付ける為のカラーボールを常時鞄に入れておく予定だ。運動神経の鈍い麻奈実が同行相手という点については無理があるような気がしなくもないが、強引に鍵を開けて入り込んだという証拠がなければ学校側も軽い処分しか出来ないに違いない。
 先行きの心配はともかく、鍵を入手した以上、まずは今後の使用に向けて建物内を色々と見て回る必要があるだろう。そう思って職員室から出ようとすると、麻奈実が予告もなく腕に纏わり付いてきた。両手を回して制服越しの乳房を強く押し付け、息を荒げながら熱っぽい目で見上げてくる。恐らくは見張りの時点から延々と発情し続け、そろそろ我慢の限界ということなのだろうが、相手の都合に合わせて餌を恵んでやっていては調教にならない。俺は敢えて素っ気なく問い掛けた。
「んだよ? どうした?」
「はぁん……きょうちゃん早くぅ……ふはぁ……早くセックスしようよぉ……」
「もう少し探検したらな。それまで待ってろ。つうか、虐めてやるとは言ったけどよ、チンポ突っ込んでやるなんて約束した覚えねえぞ?」
「くふぅ……そんなぁ……んはぁ……昨日からずっとオナニー我慢してるのにぃ……」
「んじゃ、特別に許可してやっからよ。俺の隣を歩きながら好きなだけマンコ弄ってろ」
 その言葉に麻奈実は勢い良く頷いて俺の腕から離れ、左手でスカートを高々と捲り上げた。そのまま右手を淫臭漂うショーツの中へと移動させ、股間から籠もった水音を響かせてくる。
「んくふあっ……オマンコこんなにトロトロになっちゃってるぅ……あふうっ……きょうちゃん早く行こぉ……かはあっ……早くお散歩に連れてってぇ……」
   ★★★
「くふはひあっ……またイく指でイくううううううっ! んふほおっ……お散歩オナニー気持ちいいよおっ……あひへえっ……またオマンコ汁いっぱい垂れちゃううっ……」
 意図していた訳ではないのだが、歩きながらの自慰というのは麻奈実の嗜好に合致していたらしい。二回程達した時点で自らスカートとショーツを脱ぐことを希望し、俺がそれを許可してからは露出した秘所に両手を当ててそれまで以上に酔い痴れた表情を浮かべている。より具体的に言うならば、犬のように舌を出して瞳と眼鏡のレンズを曇らせ、左手で淫核を摘み上げたまま右手の中指で膣内を絶え間なく擦り続けているといった状態だ。四度目の絶頂を迎えた現時点でもまだ物足りないらしく、指の動きは時間の経過と共に激しさを増している。廊下や一部の教室の窓にはカーテンなど掛かっておらず、人目に触れそうな場所では身を屈めて移動しているのだが、そうした対処が無意味に思える程の身悶えようだ。
「ボタボタと垂らしてんじゃねえ。このナメクジ女が。通った跡が一目瞭然だろうが。ここに入ったことがバレたらどうすんだ? もう少し量を抑えらんねえのかよ?」
 廊下や室内の埃の上に淫蜜を垂らしていく様は見ていて楽しいが、手元にハンカチとポケットティッシュ、加えて軍手しかないような今の状況下で全て拭き取るのは難しい。仮に手洗いにトイレットペーパーが残っていたとしても、わざわざ探して持ってくるのは面倒だ。よって体液については諦めて放置しておくつもりだが、侵入の痕跡は少ない方が望ましい。
「うふはあっ……だって我慢してたからあっ……んくふうっ……その分オマンコが敏感になっちゃってるみたいでえっ……はくひあっ……こんなに気持ちいいオナニー初めてえっ……」
「ったく、だらしねえな。お前にゃ自制心ってもんがねえのかよ?」
「かふはあっ……もう自分じゃどうにも出来ないよおっ……あふひうっ……きょうちゃんが止めてえっ……ふへひあっ……オチンポでオマンコに蓋してえっ……ひくふうっ……じゃないと奥から溢れてきちゃううっ……」
 その物理的に納得してしまいそうな要求に俺は首肯し掛けたものの、危うく思い留まった。今の状態で挿入してやったならば即座に潮や尿を漏らし兼ねない。大量に排出された場合、清掃道具の用意もなしに如何に処置すればいいのか。旧校舎内での性交は各種の準備が整うまで不可とし、ここは一先ずラブホテルにでも場所を移した方がいいだろう。
「ふへはあっ……きょうちゃんどうしたのおっ? くひふうっ……オマンコに入れてくれないのおっ? ひふはあっ……早くオチンポでズボズボってされたいよおっ……」
「この場でチンポ突っ込むのは中止だ。その代わり、今からラブホに連れてってやっからよ」
「んくひうっ……そんなあっ……はくひあっ……ちょっとでいいからオチンポ入れてえっ……あひへうっ……先っぽだけでもいいからあっ……」
「精液便所の分際で一々文句言うんじゃねえ。俺の言うことは絶対だ。いいな?」
 そう告げると麻奈実は肩を竦めて悲しげな顔付きになったが、程なく俺を見上げてゆっくりと頷き、次いで膣から自身の指を抜いて切なそうに息を漏らした。 
   ★★★
 人目を忍んで旧校舎から抜け出し、再びフェンスの穴を塞いだ後、俺は麻奈実と共に校外へと出た。ラブホテルに向かう途中で商店街の金物屋に寄り、後で迷わないようにタグを付けた状態で七本の鍵を渡し、合い鍵の作成を頼んでおく。数が多いので対処に時間が掛かることは承知の上だったが、店主と思われる年配の男から特に不審な目で見られることがなかったのは幸いだ。依頼する前に学校宛の領収書を貰えるかと尋ねておいたのが功を奏し、教師から使い走りを頼まれたとでも思ったのだろう。三時間後には全ての鍵の作成が終わるとのことで、その頃にまた取りに来ると料金を先払いしながら告げ、受取証と件の領収書とを受け取って改めてホテルを目指す。
 いつもなら麻奈実は俺の真横か半歩後ろを歩くのだが、少し先を進んでは幾度となく振り返り、急かすような視線を送ってくる。言いたいことは判るが、俺はその都度苦笑して逆に歩みを遅くしてやることにした。どんなに局部が疼いて辛かろうが優先されるべきは俺であり、肉便器には肉便器としての身の程を根気よく教え込んでやるしかない。
 ホテルでは珍しくSM設備のある部屋が三室共に空いており、俺は大型バネルの前で表示を見比べ、M字開脚台と三角木馬の設置されている部屋を選ぶことにした。木馬の使用はまだ早過ぎるが、裸のまま開脚台に拘束して身体には触れてやらずに更に焦らし、自慰を見せつけた後に各所に精液を浴びせ、そのまま時間一杯放置しておくのも面白い。桐乃より明らかに被虐資質の高い麻奈実ならば、新たな変態性を持たせることも比較的容易い筈だ。
 そんな考えから部屋に入るとすぐに裸に剥いて台に固定し始めたのだが、それだけで麻奈実は愛液を溢れさせて自らの尻と台座とを濡らし、同じく全裸になった俺が陰茎を目の前に晒してやると臭いを嗅ぎながら少量の潮を吹いた。拘束を終えてからは一切裸身に触れてやっていなかったにも関わらずにだ。どうやら淫臭によって軽く果ててしまったようで、加えて完全に潮吹きの癖が付いてしまっているらしい。これはこれで色々と楽しめそうではあるが、常軌を逸した反応であることは疑いようもない。もう少し淫欲と肉体の暴走を抑えさせるべきかと悩んではみたものの、恐らく言っても無理だろうという結論に数瞬で達し、俺は予定通り自慰を見せつけて麻奈実の精神を嬲ってやることに決めた。今更以前の一見無垢な少女に戻すことが出来ない以上、覚悟を決めて本質を見極め、少しでも俺の理想に近い性奴隷に育て上げる他にない。肉悦に対する依存心がある程度の域を超えれば、性交を餌に清純そうな演技を求めることも可能だろう。そんなイメージプレイを先々楽しむ為にも、今は少しでも深く隷属させることを主目的とするべきだ。
「あふぅん……きょうちゃん早くそのオチンポ入れてぇ……んふはぁ……わたしの臭いメスブタオマンコに入れてよぉ……くひふぅ……オチンポ欲しいよオチンポオチンポぉ……」
「お前、今、許可無く勝手にイっちまったろ? だから今日はセックス無しだ。その分、チンポ汁ぶっ掛けてやっからよ。それで我慢しろ」
「かひはぁ……そんなの嫌だよ我慢出来ないよぉ……はくふぅ……謝るからちゃんと専用の便器使ってぇ………おふはぁ……オマンコ壊しちゃっても中でオシッコしちゃってもいいからぁ……」
 絶頂の余韻を楽しみながらも麻奈実は挿入を願い続け、両手足首を拘束している黒革ベルトの鎖をカチャカチャと鳴らしてくる。こんな時には矢張り刑罰による躾が必要だろう。
「お前は黙って俺の言うこと聞いてりゃいいんだよ」
 俺は右手で一物を扱きながら冷淡な声でそう告げると、肉体に触れないという自己規定を早々と放棄し、傍らで揺れる二つの乳房を左手で繰り返し打ち据えた。平手が容赦なく打ち下ろされる毎に麻奈実の双乳は形を歪めて徐々に赤く染まり、その先端を硬く勃起させていく。
「かひあっ……それいいっ……あひうっ……オッパイ気持ちいいっ……おほあっ……きょうちゃんもっとおっ……んぐひっ……もっとわたしを虐めてえっ……ひぎゃあ……セックスしてくれないならあっ……ふぎいっ……せめてオマンコ思いっ切り叩いてえっ……」
 苦痛による快楽に浸り始めた麻奈実を見て、俺は刑罰を諦め、再び放置した状態で説得を試みることにした。相手は変態度が高いだけでなく、性的行為に対する間口も広い。ならば、納得さえさせてしまえば喜んで精浴を受け入れるてくれるかもしれない。そうする為には少しばかり餌を与え、一旦落ち着かせる必要がある。
 暫し考えてから、俺は試しに脱いだトランクスを裏返して麻奈実の顔に被せてみた。陰茎に触れていた部分が鼻の位置に来るよう注意深く布地を当ててやると、予想通りに懇願を止めて豚のような鼻息を返してくる。
「むふぅん……オチンポのいい匂いがするぅ……んふごぉ……この匂い大好きぃ……ぶはへぇ……きょうちゃんのオチンポの匂いぃ……」
 貪欲に淫臭を楽しんでいる麻奈実に対し、俺は深く呆れつつも言葉を掛けていった。愛情の証としてその体表に自らの体液の臭いを付けたいのだと話し、それは犬のマーキングと同じで所有権を示す重要な行為だと伝え、加えて主食だけでは一般的に食事として成り立たないのは副菜の優位性に素因があると説き、故に自慰を行う際の対象物に対してオカズと言う言葉が定着しているは一種の敬意からだと論じた。単に適当な思い付きを口にしただけだが、麻奈実は俺の下着の匂いを深くに酔い痴れていく程に素直になり、手淫における性的対象としての大切な任を託したいのだと告げてやると単純に喜んだ。性交しないことに対する不満など消え失せてしまったようで、質問の内容に応じて俺が話の論点をすり替えていったことにも気付いていない様子だ。全く以て発情した女ほど扱い易いものはない。
 こうして行為の正当性を認めさせた後、顔に被せておいたトランクスを取り上げてみると、麻奈実は眼鏡のレンズに俺の陰毛を一本付着させたまま、どんな行為も受け入れてくれるような深い慈愛に満ちた眼差しを向けてきた。下半身は淫蜜に塗れ、乳首も淫核も最大限にまで膨らませているが、それでも目を細めて穏やかに笑っている。
「んふはぁ……きょうちゃん掛けてぇ……くはふぅ……わたしに好きなだけオチンポ汁掛けてぇ……ふひはぁ……いっぱいまーきんぐして欲しいのぉ……ひくふぅ……きょうちゃんのオチンポの臭いになりたいのぉ……」
「繰り返しぶっ掛けてりゃ、その内そうなんじゃねえか? けどよ、ちゃんと毎日風呂に入って身体は洗えよな? それと昨日も言ったようにケツ穴も奥まで指突っ込んで綺麗にしとけ。その内そこにもチンポ恵んでやっからよ」
「かはふぅ……お尻なら昨日の夜からちゃんと準備してるぅ……ふひはぁ……私の身体は全部きょうちゃんのものだからぁ……んはひぅ……オマンコもお尻もちゃんと丁寧に洗ってるよぉ……くふはぁ……だから何時でも何処でも好きにしてぇ……あふひぅ……きょうちゃんに使って貰えるならそれだけで幸せだからぁ……」
 その甘えた口調の囁き掛けに俺は迂闊にも感じ入ってしまい、肉茎を擦り上げていた手の動きを止めた。そんな心積もりなどなかったのだが、今の発言が琴線に触れてしまったらしく、麻奈実への愛情が自然と募っていく。異性攻略ゲームならば恋愛値増加の効果音が鳴るところだ。
「くはふぅ……どうしたのぉ? んひはぁ……なんでオナニー止めちゃうのぉ?」
「やっぱ気が変わった。今日は特別にこのままマンコに突っ込んでやる」
 そう言って開かれた脚の間に入り込み、躊躇することなく肉棒を根元まで膣へと突き立ててやると、麻奈実は挿入と同時に達して雄叫びを上げ、俺の股間を愛液と潮と尿とで湿らせ始めた。
   ★★★ 
「あひくあああっ……きょうちゃんのオチンポ凄いよおおっ……かはひうううっ……気持ち良過ぎてまたお潮吹いちゃうううっ……はくふあああっ……きょうちゃん見てわたしがだらしなくイくとこ見ててええっ……んくひいいいっ……イくイくオマンコまたイくううううううっ!」
 七回目の絶頂と共に麻奈実は拘束された状態で可能な限り身体を揺らし、申告通り接合部に新たな淫水を溢れさせた。陰茎を挿入してからまだ十分足らずであり、俺はまだ一度も精を放っていないが、交わりを諦めさせていた分だけ喜びが大きいのだろう。膣を貫いてやった直後から延々と悶え続けており、今では不細工なアクメ顔を晒したまま本来は小さな淫核を小豆大にまで膨張させ、各種の体液を延々と漏らし続けている。未だ眼鏡のレンズに俺の下の毛が張り付いているのは笑い種だが、当人は特に不快感を抱いてはいないようだ。その度量の広さに対する感謝を込めて子宮口を小突き回してやる度に、嬉しそうに四肢を引き攣らせながら腰を上下に跳ね上げてくる。
「んかはへえええっ……イきながらズボズボされるの気持ちいいいいっ……はぎふへあああっ……きょうちゃんごめんねこんなオマンコでごめんねええっ……あへぐひうううっ……わたしメスブタの変態便器女だからああっ……うぐはひいいいっ……オマンコだらしなくてイきながらイっちゃうのおおおおおおっ!」
「好きなだけイっていいんだぞ? その代わし、今度から指示した時は俺のことを御主人様って呼んで敬語を使え。なるべく奴隷っぽくな。それと、その際にはマンコやチンポの前にオを付けんな。マンコはマンコ、チンポはチンポだ。判ったな? 言ってみろ」
 俺の言葉に被虐心を擽られたのだろう。麻奈実は総身を一際大きく震わせ、肉悦に満ちた喘ぎ声を発しながら白痴のような表情で頷いた。
「んがはへあああっ……判りました御主人様ああっ……おぐはへえええっ……わたしは御主人様だけの変態メスブタ奴隷ですううっ……はぐふひいいいっ……嬉しくってまたマンコイっちゃいますううううううっ!」
 どうやら麻奈実は本心から奴隷という立場を受け入れる気のようだ。その幸福感を裏付けるように愛液は粘りを増して白く濁り、股間から台座を経て床にトロリと垂れ落ちていく。
「一応は聞いときてえんだけどよ。お前、俺の嫁になって月に一回程度犯されんのと、死ぬまで奴隷って立場で頻繁にチンポ突っ込まれんのと、どっちがいい? あ、嫁で頻繁にってのは無しな。それと、俺が浮気することも考慮しとけ」
「んぐひへあああっ……奴隷でいいです奴隷がいいですううっ……かはぐひいいいっ……この硬くて太いチンポを何度も入れて貰えるならああっ……おひぐふあああっ……御主人様が浮気されても我慢しますううっ……はぎくへうううっ……またイくマンコがイくイぐううううううっ!」
 麻奈実はそう言って全身を鳥肌を立て、四肢を激しく痙攣させ始めた。不幸な立場を受け入れることで一層深い快楽を得ているらしい。その予想通りの反応と返答に俺は満足しつつ口元を歪めた。先刻の言葉の遣り取りで麻奈実に対する愛情が高まったのは事実だが、俺が桐乃に抱いている感情は別格だ。ならば、こうして結婚願望を封じてやった方がいずれは互いの為になる。国内での多重婚は無理な話だが、配偶者ではなく奴隷と言う立場でなら一生傍に置いておくことが出来る。桐乃から了承を得るには手間が掛かるだろうが、一物を餌としてそれなりの見返りを与えてやれば反対し続けることもないだろう。
 俺は麻奈実の様子を確かめながら少しずつ腰の動きを速めていった。妻になることを思い切らせた以上、相応の配慮として更に十回程は恍惚の頂点へと導いてやりたい。破壊するかのような勢いで子宮を突き上げ、乳首と淫核を摘んで指の腹で擦り、合間に何度か唇を重ねて舌をきつく吸い上げてやる。余程に強烈なオルガスムスを迎えたのか、麻奈実は若干ぐったりとしているが、それでも俺の行為を心地良さそうに受け入れて甘美な嗚咽を上げている。この様子なら間を置かずして次の高みへと昇り詰めてくれることだろう。
「ほげぐひうううっ……御主人ひゃまのヒンポ凄過ぎれふううっ……おごはへあああっ……便器ムァンコがまらイっひゃうううっ……あぎはへえええっ……イぐイぐイぐはひいいいいいいっ!」
   ★★★
 十八時過ぎに帰宅すると、玄関に小包が届いていた。親父宛になってはいるが、俺が名前を騙ってネット通販で注文しておいた物に違いない。依頼した商品は全て明後日、土曜日の午前中に届くように申し込んでおいたのだが、複数の業者の内の一社が謝って送ってきたらしい。先に自宅に戻っていた桐乃が宅配便の受け取りを済ませたとのことで、俺は礼を言い、その場で包みを開けてみることにした。配送伝票によると、送られてきたのは衣類とのことだったからだ。それならば桐乃か麻奈実、もしくは加奈子用に頼んだ物だろう。仮に中身が麻奈実に与えるつもりの品であったとしても、衣類なら幾らでも言い訳が可能だ。
「ああ、これか」
「何これ? 子供用のパンツ?」
 桐乃の言葉通り、箱に入っていたのは五枚の女児用ショーツだった。後々加奈子に履かせるつもりで発注した物だ。身長別にサイズ分けがなされていることなど注文時まで知らなかった為、アニメやファンシー系のキャラクターの絵柄を見て種類を決め、一応は少し大きめな寸法の物を選んである。
「その内、加奈子にくれてやろうと思ってな。お前のパンツも近々届くから楽しみにしてろ。マンコとケツ穴が丸出しになるエロいの頼んどいたからよ」
「あたしにも買ってくれたのっ? やったぁ! あ、でも、こういうのも兄貴の好みなんだったら、あたし、履いてみよっか? ピチピチになっちゃうかもしんないけど、このサイズと布地なら多分お尻入るよ? それで上は裸っていうのはどっかな? 昂奮しない?」
「お前の子供パンツ姿ってのも見てみてえけどな、今はいいや。まずは飯喰って風呂だな。その後でちゃんと犯してやっからよ」
「うんっ! あ、そうだ、加奈子ね、来週末に泊まりに来れるって。金曜の夜から日曜の夕方までいられるみたい。強引に誘っちゃったけど、何度も念押しといたから、予定が変わったりすることはないと思うよ?」
 そう言って桐乃は俺に擦り寄ってきた。褒めて欲しいのだろうと思い、優しく頭を撫でてやると、うっとりとした顔付きで甘い息を吹き掛けてくる。
「偉いぞ、桐乃。んじゃ、何か褒美をやんねえとな。チンポ以外に欲しいもんあるか?」
「んとね、だったら明日学校休んで、兄貴と遊園地でデートしたい。観覧車の中でセックスしよ?」
「ったく、結局はチンポ欲しがってんじゃねえか。まあ、テストも終わったし、遊園地に行くのはいいけどよ。観覧車の中じゃセックスすんのに時間が足んねえだろ。チンポしゃぶるぐらいで我慢しとけ」
「うん、それでもいい。愛情込めておしゃぶりするから、その間、あたしのオマンコ触っててね? 出来ればその場でオチンポミルクも出して欲しいな。あたし、全部飲んじゃうから」
 その時のことを考えてか、桐乃はゴクリと喉を鳴らした。
   ★★★ 
 食事と入浴を済ませた後、俺たちは早々と眠りに就くことにした。翌日の体調を考えて今晩は一切の性行為をしないことに決め、桐乃も一旦は納得していたのだが、ベッドに並んで寝ている内に我慢が出来なくなったらしい。消灯してまだ数分だというのに身体を密着させて太腿に股間を擦り付けてくる。互いにパジャマを着てはいるものの、そんなことをされて陰茎が反応しない筈もなく、桐乃もそのことに気付いたのだろう。布団の中でズボンの上から一物を撫で上げながら、俺の耳元に口を寄せて囁き掛けてきた。
「んはぁ……ねえ、兄貴ぃ……はぁ……やっぱりこれ欲しいよぉ……はぁ……このオチンポでオマンコイかせてぇ……はぁ……一回だけでいいからぁ……」
「んなことし始めたら、結局は夜中までセックスしちまうに決まってんだろ? 隣にいるとモヤモヤしちまうんだったら自分の部屋で寝ろ。もしくはこのまま黙って寝るか、明日のデートを中止にするかだ。好きな方を選べ」
「くふぅ……デートには絶対行きたいもぉん……はぁ……だったらセックスは我慢するから一緒にオナニーしよぉ……はぁ……それで二人して一回だけイっちゃおうよぉ…………はぁ……兄貴のオチンポだってスッキリしたいって言ってるよぉ……」
「いつからお前は俺のチンポの通訳になったんだよ? 勃起してんのはお前が触ってっからだろうが。いい加減に手を離せ」
 そう言うと桐乃は渋々と俺の股間から手を除け、次いで身体も少しだけ引き離した。漸く眠る気になってくれたのかと思ったが、布団の中で微かな物音を立てた後、切なげな声を上げてくる。どうやら本当に自慰を始めたらしい。文句を言ってやろうかとも思ったが、俺は敢えて無視することに決めた。このまま会話を続けていたら桐乃のペースに巻き込まれ兼ねない。
「あふぅ……ダメダメそんなのダメぇ……んはぁ……そこは弱いからダメなのぉ……ふひぅ……そんな触り方しちゃダメだってばぁ……ひはぁ……もう兄貴のエッチぃ……」
「俺がオナネタかよっ! つうか、隣で寝てる奴を使ってオナニーすんなっ!」
「くふぅ……だってあたし兄貴でしかオナニーしたことないもぉん……ふはぁ……エロゲとかでする時も兄貴のことダブらせてるしぃ……んひぅ……小学生の時からあたしのオカズは兄貴だけなんだからぁ……はぁん……そんなにクリ引っ張っちゃダメだってば兄貴ぃ……」
「ややこしいこと言ってんじゃねえっ! 想像上の俺に語り掛けるのは止めろっ!」
「もうっ、だったらほんとに触ってよっ」
 桐乃はそう言って俺の左手を掴み、自身のズボンの中へと強引に押し込んだ。更に俺の手の甲に自らの掌を重ね合わせてショーツの中へと導いていく。布地は既にびっしょりと濡れており、手首に当たる陰毛は熱気と体液でしっとりと湿っている。止むなくそのまま局部全体を優しく揉み上げてやると、桐乃は嬉しそうに喘ぎながら再び身を寄せ、俺の首筋に舌を這わせてきた。
「んれっ……もっと強く触ってぇ……んちゅっ……指オチンポでイかせまくってぇ……」
 より強い刺激を望んでいることは判ったが、たとえ叶えてやったとしても、要求を段階的に激化させてくることは明らかだ。行き着く先が同じならば無駄な言葉の遣り取りなどせず、即座に性交し始めた方が後の睡眠時間が多く取れることだろう。一回では無理だろうが、四、五回果てさせてやれば桐乃も取り敢えずは納得してくれる筈だ。
「判ったから手と口を離せ。んで、俺が脱ぐの待ってろ。チンポできっちりイかせてやっからよ」
 そう告げると桐乃は即座に指示に従い、薄明かりの中で満足そうに微笑んだ。
   ★★★ 
 正常位で交わり始めると、桐乃は俺に両手両脚でしがみ付いたまま腰の動きを合わせ、ほんの数分で悦楽の極みへと昇り詰めていった。そのまま膣奥を突き続けて二度、三度と続け様に果てさせ、絶頂回数が五回を超えたのを機に性交の中断を持ち掛けたのだが、なかなか首を縦に振ってはくれない。もう少し、もう一度という言葉を幾度となく繰り返し、その間も身悶えしながら俺以上に激しく腰を振り立ててくる。仕方なく俺は桐乃の左右の脚を掴んで動きを止め、陰茎を膣から引き抜いてから平素の口調で問い掛けた。
「遊園地に行きてえんだろ? だったらここで終わりだ。もっとチンポが欲しいんだったらデートは諦めろ。このままじゃ切りがねえだろが」
「くふぅん……もう一回だけオマンコイかせてぇ……んふはぁ……最後にもう一回だけオチンポでイきたいよぉ……ひはふぅ……オマンコ締めてもっと気持ち良くしてあげるからぁ……」
「お前が本気でマンコ締めたら俺が痛えんだよ。それでなくてもキツキツで、マン汁が足んなかったらチンポが千切れちまいそうなんだかんな。その分、気持ちはいいけどよ」
「はふぅ……だったら兄貴がオチンポで好みのサイズに拡げてよぉ……ふはぁ……オマンコもケツオマンコも好きにしちゃっていいんだからぁ……んふぅ……専用の肉便器にしてくれるって言ったくせにぃ……はぁ……これじゃ調教が足んなくてバッドエンドだよぉ……」
「お前のエロパンツと一緒にバイブとか届くから待ってろ。ケツ穴も専用の道具で拡張してやっからよ。つうか、バッドエンドって何だ? お前は俺に捨てられてえのか?」
 僅かに語気を荒くして俺がそう尋ねると、桐乃は一瞬怯えたように身体を竦ませた後、慌てて抱き付いてきた。裸身を寄せて俺の背中に両腕を回し、絶対に離さないといった素振りで強く力を込めてくる。
「ごめんなさい、違うの、単に勢いで言っちゃっただけなの。ほんとはそんなこと全然思ってないの。だから捨てたりしないで。あたし、もっともっと尽くすから。言われたことは何でも素直にやるし、セックスも、その、今晩はもう我慢するから……」
「あんま深刻に考えんな。俺の言葉も勢いだ。けどまあ、素直に言うこと聞くってんなら、今晩はもう寝るぞ。不足分は明日ちゃんとくれてやっから」
「うん、判った。でもあたし、今みたいに時々我儘になっちゃうから、そんな時は遠慮しないでちゃんと叱ってね? お尻ペンペンとかでもいいよ? あ、でも、兄貴にお尻叩かれたら嬉しくってオマンコ濡れちゃうかも。自分ではエスだと思うんだけど、実際どうなんだろ?」
「バランスいいんじゃねえか? どっかって言うとエスだろうけど、エムっ気もあるしよ。気が向いたらまた縛って虐めたり、本当にケツ叩いたりしてやるよ。マンコにバイブ突っ込んだままデートとかでもいいな。ん? どした?」
 悩ましい吐息を漏らし始めた桐乃を見て、俺は疑問を投げ掛けた。暗くてよく見えないが、頬を赤く染めているように思える。密着している肌も微かに温度が上がっているようだ。裸でいる時間が長過ぎて風邪を引かせてしまったのかもしれない。
「おい、大丈夫か? 寒いのか?」
「ううん、寒くはないし、別に風邪とかじゃないから平気。心配してくれてありがと。その、バイブ入れてデートって聞いたら、オマンコがまた濡れてきちゃって。オッパイの先もちょっと張ってきちゃったから、こんなにエムっ気あったかなって、自分にびっくりしてただけ」
「こっちがびっくりすんだろが。けど、サドとマゾは紙一重らしいしな。どっちに転がっちまってもいいけどよ、俺を玩具にしたりすんじゃねえぞ?」
「うん、判ってる。でも、頑張ってどっちも極めちゃおっかな。そうすれば兄貴の好みに応じて使い分けられるかもしんないし。色々と変化があった方が楽しいっしょ?」
「そりゃまあ、確かにな。けどよ。そろそろ寝ねうぜ。遊園地で辛くなんぞ?」
「はーい。でもでも、最後にオチンポのお掃除だけさせてね」
 桐乃はそう言って、体液に塗れた一物をそっと握り締めた。
   ★★★ 
 翌日は朝から快晴で、俺と桐乃は八時台の快速列車に乗り、両親に以前連れて行って貰ったことのある隣県の市営遊園地に向かうことにした。小規模だがジェットコースター、メリーゴーランド、コーヒーカップ、観覧車等々、一通りの物は設置されており、隣に入園無料の小さな動物園が併設されている場所だ。
 俺はスポーツメーカーのロゴの入った白いTシャツと黒のジーンズ、ジャケット代わりの朱色の長袖シャツ、少し汚れた紺のスニーカー、真っ黒なデイバッグいう出で立ちで、桐乃はピンクの長袖Tシャツの上から黒の半袖Tシャツを重ね着し、赤と茶のタータンチェックのプリーツスカート、赤と黒のストライプのニーソックス、足元はハイカットの赤いスニーカー、加えて煉瓦色のショルダーバッグといった格好だ。俺はともかく、桐乃は流石に現役のモデルだけあって、特別に洒落た衣服を身に纏っている訳でもないのに様になっている。持ち前の愛らしい顔もあって車内でも他の客たちから注目を浴びており、当初予定していた痴漢プレイを楽しめる状況でないのは寂しい限りだが、そんな妹を何時でも自由に犯せるのだと思うと多少は誇らしい気持ちがしないでもない。
 それにしても電車の中の男たち、特に制服を着た俺と同年配の野郎共が桐乃に熱い視線を送って来ているのは真横で見ていて不快だ。相手が一人や二人ならジロジロ見るなと注意し、場合によっては喧嘩に持ち込んでもいいのだが、残念ながら数が多過ぎる。勝つ見込みがない以上はひたすら耐え、帰りはもっと人の少ないバスかタクシーを利用することにしよう。
「ねえ、腕組んでもいい?」
 俺の苛立ちを察したのか、桐乃は小声でそう囁き、返事も待たずに腕を絡めてきた。二の腕に乳房を押し付けて朗らかに笑っているところを見ると、桐乃にとっては他人に見つめられることなど日常茶飯事で気にもならないのだろう。
「それで、いつになったら触ってくれんの? 家を出る時に痴漢ごっこしてくれるって言ってたよね?」
 声を潜めて問い掛けてきた桐乃に向かい、俺は顔を顰めた。
「こんなに人目があったら無理に決まってんだろが」
「あたしは別に構わないのに。今履いてるパンツは横紐だから脱がすの簡単だよ?」
「無茶言うな。それより今履いてるのって何だ? 替えとか持って来てんのかよ?」
「うん。最近すぐ濡れちゃうから、バッグの中に予備の九枚とビニール袋入れてあんの。だからいっぱい触って欲しいな。十枚全部ドロドロになるまで触ってくれたら、あたし、お礼に何でもしちゃうよ? 何がいい? オシッコ飲んであげよっか? それともあたしの飲む?」
 互いに密やかに話しているとは言え、淫語を口にしてこないのは桐乃なりの配慮だろうが、それにしても会話の内容が危険過ぎる。昨晩当人から言われたように叱ってやった方がいいのかと悩んでいると、桐乃は口元に片手を添え、更に小さな声でとんでもないことを申告してきた。
「兄貴のオシッコ飲むとこ想像したら、早速オマンコ濡れてきちゃった。あたし、触られなくても全部ビショビショにしちゃうかも」
 俺は溜息を吐いて目を閉じ、一秒でも早く列車が目的の駅に着き、現在の状況下から逃れられるようにと、JR東日本に祈りを捧げることにした。
   ★★★ 
 当たり前の話だが、鉄道の運行というものは殊更に頑固で、一個人が心の中でどれだけ望んでも融通を利かせてはくれないらしい。電車が遊園地の最寄りの駅に到着したのは定刻で、改札を抜けてからも暫くの間、俺は苛立ちと焦りから受けたスレトスを抱え込んでいた。疲れマラという奴だろうが、そんな時に限って陰茎は勝手に膨張し、性欲を刺激して発散を求めてくる。俺は人目を忍んで駅の男子トイレに桐乃を連れ込み、運良く空いていた個室に入って鍵を掛け、ジーンズとトランクスを足首まで下ろして便座へと腰を掛けた。桐乃もどうすればいいのか察したのだろう。何の指示を与えなくとも眼前に屈み込み、股間に顔を埋めると同時に右手で優しく一物を掴んできた。
「ふんふん……はぁん……ちょっと汗臭くていい感じぃ……すはぁ……嗅いでるだけでオマンコ汁が溢れてきちゃうよぉ……」
 男性器全体に何度か頬摺りをした後、桐乃は茎部に鼻を押し当てながら小声でそう言うと、ゆっくりと顔を上げた。その色香に満ちた微笑みに対して俺が無言で首肯すると、即座に小さく頷き返して裏筋に舌を這わせてくる。
「れろっ……んれっ……美味ひぃ……んちゅ……ぺれろっ……ちろれっ……あんむっ……んぽおっ……もごおっ……ぶごもっ……ぷはぁ……このままお口に出す? それともオマンコ?」
「そうだな、取り敢えず口にすっか。いや、ちょっと待て。お前、ケツ穴綺麗にしてあっか?」
「そんなの、毎日お風呂で洗ってるとこ兄貴も見てるじゃん。家のトイレでその、した後は必ずお風呂場行って洗い直してるし、今日も出掛けに綺麗にしてきてあるよ。え? 何? ここでケツオマンコ使うの? あたし、出来れば初めてのアナルセックスはトイレ以外の場所でして欲しいんだけど……」
「安心しろ。ちょこっと先っぽ入れて、中にチンポ汁出すだけだ」
 俺は穏やかにそう言うと、唾液に濡れた肉茎に自分の右手を添えて扱き始めた。桐乃も本格的な尻穴性交でないことに安堵したらしく、指示を待つかのように俺の顔を見上げている。
「まずはパンツ脱いで、立ったままドアに手を着けろ。そんで、スカート捲り上げてケツを出せ。チンポの先でケツ穴擦って、お前も気持ち良くしてやるからよ」
「あ、うん。ちょっと待って」
 桐乃はいそいそと指示に従い、要求通りの姿勢となった。初の行為による快楽に期待しているのか、粘液だらけの秘所を晒しながら菊門をヒクヒクと蠢かせている。俺は自慰を続けたまま便座から立ち上がり、その動きの中心に亀頭の先端を押し付けた。
「んふあっ……兄貴のオナニーの振動が伝わってくるうっ……あふうっ……ヤダこれすっごい気持ちいいよおっ……はんあっ……オチンポちょっと入ってきたあっ……くふうっ……あたし今トイレでお尻の穴拡げられちゃってるうっ……」
 溢れ始めた我慢汁と当人の塗した唾液とを潤滑液代わりにして、桐乃の肛門は亀頭を徐々に呑み込んでいく。腸壁の締め付けは膣以上に強烈で呻いてしまいそうな程に痛いが、先端部の出し入れを何度も続けていると次第に柔らかく拡がるようになり、苦痛を堪える必要もなくなってきた。
「いい具合に馴染んできたな。これならもう少しでイけそうだ」
「かふはあっ……このままずっとしてくれててもいいよおっ……あふひうっ……もう奥まで全部入れちゃっても構わないからあっ……くひへあっ……指入れられた時とは比べもんになんなぁいっ……んふひうっ……オチンポでされるのがこんなに気持ちいいなんてえっ……」
「もう少し声を落とせ。周りに聞こえちまうだろうが」
「くひはあっ……別に誰に聞かれてもいいもぉんっ……あひふうっ……兄貴が一緒なら何にも怖くないもぉんっ……んふはあっ……だから気にしてないでオナニー続けてえっ……ふはひうっ……お尻の中にオチンポミルクいっぱい注ぎ込んでえっ……」
 桐乃はそう言って小振りな白い尻を艶めかしく動かしてきた。肉溝からタイルの並べられた床へと淫蜜の糸を引いているところを見ると、深い快楽を得ていることは間違いない。真情の籠もった発言を聞き、その痴態を惚れ惚れと眺めたことで、射精の限界が一気に迫ってくる。
「ありがとな、桐乃。なら、思いっきり出すぞ? おらっ、有り難く受け取れっ、これでお前のケツ穴も俺の精液便所だっ」
 そう言って亀頭部の全てを腸内へと押し込み、異物を締め上げようとしてくる内壁を白濁液で汚し始めてやると、桐乃は悲鳴と悦びの声を交えつつ木製の扉に爪を立てた。
「んぐほへあああっ……ヤダこれ染みる染み過ぎるうっ……うがはひいっ……痛くて熱くて超気持ちいいいっ……ふぐはひいっ……お腹にどんどん溜まってくうっ……あひはへえっ……イっちゃうあたしこれだけでイっちゃうよおっ……おごはひあああっ……オチンポミルクでケツオマンコイっくううううううっ!」
   ★★★ 
 事が済んだ後に個室から出てみると、数人の男たちがトイレ内で呆けていた。桐乃の喘ぎを聞いてはいたのだろうが、手の込んだ悪戯とでも考えていて、実際に声の主が室内から出てくるとは思っていなかったのだろう。俺たち二人、特に桐乃の容姿を上から下まで舐め回すように見ては感嘆の息を吐いている。それでも駅の係員を呼んでくるような野暮な真似をせずにいてくれたことは幸いだ。俺と桐乃は即座に駅外へと走って逃げ出し、追ってくる人間がいないことを確認してから顔を見合わせて笑い合った。改めて遊園地へ向かうべく市内の循環バスに乗り込み、空いていた座席に並んで腰を下ろすと、どちからからともなく手を繋ぎ合う。そのまま桐乃は俺の肩に頭を載せ、声を抑えつつ不満そうに呟いた。
「あの連中、なんで他のトイレを探しに行かない訳? 気を利かせてとっとと失せろっての。やってることは覗きと変わんないじゃん」
「そう言うな。悪いのはどう考えても俺たちなんだし。けどよ、ちっとヤバかったかもな。あの中にお前が載ってる雑誌を読んでる奴とかいたら、後で問題になっちまうかもしんねえだろ?」
「それなら大丈夫だと思うよ? エロそうなオヤジばっかで、ティーン向けのファッション誌読んでるようなのは一人もいなかったじゃん。そんなことより、ごめんね兄貴。元はと言えば、あたしが夢中になって大声出しちゃったから悪いんだよね?」
 そう言って桐乃は繋いだ掌に少しだけ力を込めてきた。今ではそんな些細な仕草からでも心底反省していることが理解出来る。
「気にすんな。元々は俺がそうさせたんだし、思っていた以上に気持ちも良かったからよ。それにお前が小さくケツ振るとこ、すげえ可愛かったぞ」
「あはっ、兄貴に可愛いって言われただけで、オマンコ二つともウズウズしてきちゃう。え? あれ? ヤダ、どうしよっ?」
「あ? どした?」
「あれだけ丁寧に拭いて貰ったのに、まだお尻の中にオチンポミルク残ってたみたい。喜んだ拍子にちょろっと漏れてきちゃった。あ、ヤバっ、このままじゃスカートに染みが出来ちゃうかもっ」
 桐乃は手を離し、慌てて席から立ち上がった。そのまま俺の方に尻を突き出し、振り返って困惑した表情を向けてくる。
「ねえ、まだ平気? 染みとか出来てない?」
「今んとこ平気みてえだぞ。念の為に俺のハンカチでも当てとくか?」
「ううん。それだと汚しちゃうから、遊園地までこのまま立ってる。着いたらすぐトイレに行かなくちゃ。まったくもう、電車の中でもオマンコ濡れ濡れで座れなかったのに」
「今度から予備のスカートも用意しとけ。もしくはオムツ着用だな」
 その言葉に桐乃は頬を膨らませた後、何かを思い付いたように目を見開くと、腰を折って俺の耳元に口を寄せてきた。
「ねえ、赤ちゃんプレイとかに興味ない? あたし、兄貴のオムツ姿が見たいんだけど……」
   ★★★ 
 遊園地のトイレで精液の処理をさせた後、俺と桐乃はアトラクションを巡り始めた。平日ということもあって園内は空いており、然程並んでいなくても希望の遊具に乗り込むことが出来る。途中、軽度の高所恐怖症であるが故に俺はジェットコースターに乗ることを拒否したのだが、意地悪く笑う桐乃に手を引かれ、結果としてベンチに身体を横たえることになった。サイクルモノレールや観覧車等は平気なのだが、高速のコースターに乗った後はどうしても膝が笑ってしまう。そんな俺に膝枕をしつつ、桐乃は嬉しそうにソフトクリームを舐めている。時折心配そうに視線を寄越しはするものの、恋人同士のような今の状況に満足し切っているのだろう。
「弱った兄貴も可愛い。このままどっかに連れ込んで、逆レイプしてあげたくなっちゃう」
「……それは勘弁してくれ。まだ身体中、変な汗が出てんだからよ」
「変な汗っていつもと違う味がすんのかな? 家に帰ったら確かめさせてね? あたしが身体中舐め回してあげる。んふっ、楽しみだなっと」
「まあ、いいけどよ。んで、この後どうすんだ? 乗ってねえのは観覧車ぐれえか? その前にトイレでチンポ綺麗にしてこねえとな。お前のケツ穴にぶち撒けた後、軽く拭いただけだしよ。このまましゃぶらせたら、褒美のキスもしてやれねえかんな」
 愛液や精液ならまだしも、腸液の付着した陰茎に奉仕させた後、唇を重ねてやる気にはなれない。尻穴を舐めさせた後も同様だ。どんな相手であろうとも、どれだけ愛しさを抱いていようとも、そこだけは一線引いておきたい。
「そんならあたしも付いてこっか? ハンカチ濡らして拭き拭きしてあげるし、その場でセックスしちゃってもいいよ? あんま騒がないようにするから、ね?」
「マンコに突っ込むのは家に帰るまで我慢しとけ。その内、一緒に出掛ける度に外でハメまくってやっからよ。けどまあ、もう少しはこのままでもいいな。お前の太腿気持ちいいし」
「そう言ってくれんのは嬉しいけど、座ってる時には褒めないでよ。またオマンコ濡れてスカート染みになっちゃうじゃん。今度から兄貴と出かける時は毎回ナプキン着けとこっかな?」
 桐乃はそう言って内腿を微かに擦り合わせた。実際に淫蜜を分泌させ始めているのだろう。
「考えてみりゃ、お前、淫乱になったよなぁ。最初は乳首見せんのも嫌がってたのによ」
「だって、あの時は恥ずかしかったし。今だってほんとは恥ずかしいんだよ? でもね、兄貴のことが好きだから、それ以上にいっぱい見て欲しいし、たくさん触って欲しいの。あたしの身体で満足して貰えれば、それが一番の幸せだから……」
 言葉の途中から真摯な口調となり、桐乃はゆっくりと身を屈めてきた。俺の目を見て照れ臭そうに微笑むと、微かに顔を上げて周囲を見回し、次いで再び熱い眼差しを向けてくる。
「ねえ、兄貴。何人かこっち見てるけど、このままキスしちゃってもいい?」
「別に構わねえけどよ、この体勢じゃお互いに無理だろが」
「あ、そっか。えっと、じゃあ、今はこんだけね?」
 残念そうにそう言うと桐乃はソフトクリームを左手に持ち替え、自身の右手の人差し指と中指の先をペロリと舐めて、その濡れた部分を俺の唇にそっと押し当てた。
   ★★★ 
 観覧車に乗り込むと桐乃は即座に隣に座り、係員が扉をロックすると同時に俺のジーンズとトランクスとを膝まで引き摺り下ろした。そのまま横から凭れ掛かって陰茎を口一杯に頬張りつつ、俺の手を取って自らの股間に何度も強く押し付けていく。女性器への愛撫を求めていることは明らかで、俺は掌でショーツの上から秘所全体を包み込み、適度に力を込めて揉み解してやることにした。手の中の熱気と湿り気は瞬く間に布地全体を濡らし、狭い空間を牝の匂いで満たしていく
「んぼもっ……ぐぶぽっ……おぶれっ……ぷへあっ……そんなに強くされたらあっ……くひはあっ……オマンコに欲しくなっちゃうよおっ……」
 桐乃の発言を受けて俺は周囲を見回した。ゴンドラは時間の経過と共に高度を上げており、仮にこの体勢のまま性交を始めた場合、現時点で俺たちの接合部まで確認出来るのは前の籠に乗り込んだ一組のカップルだけだ。
 しかし、そのカップルがこちらを見ている。外見から察するに男女共に二十歳を超えているようだが、俺たちの行為が信じられないらしく、揃って複雑な表情を浮かべているようだ。試しに小さく手を振ってみると、女は慌てた様子で窓の反対側へと姿を消し、男もそれに倣ったが、視界から消える直前に俺に向かって右手の親指を立ててきた。諸外国に於いてのサムズアップには否定と肯定の相反する意味があるらしいが、この場に限っては頑張れと言う応援の意思表示だろう。
 とは言っても、観覧車は然程大きな物ではなく、故に乗車時間も限られている。膣内に精液を浴びせる前に一周してしまうことは間違いない。そんな中途半端な交わりをしたら桐乃が後々暴走してしまう可能性がある。ここは口内奉仕だけで我慢しておくべきだろう。
「んれろっ……べおれっ……もうしちゃおうよぉ……れろおっ……オマンコセックスぅ……」
「時間的に無理だろが。そのまま大人しく続けてろ」
「ちゅぐっ……れろあっ……じゃあ家に帰ったらたくさんしてよねぇ……あんむっ……んぐぽっ……ぶむぐっ……おぼもっ……むもぶごおっ……もごぶれろっ……ぶむもごおっ……」
 抱いた不満をぶつけるかのように桐乃は唇で激しく一物を扱き始めた。ヘヴィメタル系バンドの聴衆のように頭を前後に大きく振り立て、口中では我慢汁を分泌し始めているであろう尿道口を舌先でチロチロと責めてくる。どうにかこのまま射精まで導きたいのだろうが、貪欲な素振りに却って萎えてしまいそうだ。
「おいこら、もうちっと丁寧にやれ」
「あぼむごもっ……ぷへあっ……もうっ、文句ばっかなんだからぁ……はぶっ……んぷちゅ……むろれあっ……あむれろっ……ちゅぷれぱっ……んはぁ、こんな感じぃ?」
「ああ。つっても残り時間は僅かだけどな。そろそろチンポ仕舞わせろ」
「むうっ、こんだけなのぉ? 全然面白くないじゃん。エロゲだと楽しそうだったのにぃ」
「エロゲと現実一緒にすんな。それよりもお前のマン汁、もうスカートにまで拡がってんぞ? 早く拭いた方がいいんじゃねえのか?」
 俺の指摘に桐乃は素早く身体を起こして目を見開き、溜息と共に深く肩を落とした。
   ★★★ 
「ごめんね、待たせちゃって。そんで、これからどうすんの? 隣の動物園にでも行く?」
 ゴンドラから下りると桐乃はそのままトイレに駆け込み、十分程経ってからベンチに座った俺の元へと戻ってきた。濡れたショーツを再度履き替えてくるとのことだったが、スカートの染みについては大事に至らなかったらしく、落ち込んでいる様子はない。元よりあまり汚れの目立たないタータンチェック柄というのが幸いしたのだろう。後で同じスカートを買い与えてやる必要はなさそうだ。
「もう三時回ってるし、どっかで飯喰おうぜ。何がいい? チンポとか言うなよ?」
「兄貴のオチン――えっと、どうしよっかな。こういうとこのお店って食事は不味そうだし。あ、そうだ、ちょっと待ってて。この辺のお店、チェックしてみるから」
 ショルダーバックから装飾の派手な携帯電話を取り出すと、桐乃は忙しなく親指を動かし始めた。こうして操作する場面を長々と見るのは初めてだが、使用頻度の低い俺にしてみれば、その扱いはプロと言ってもいい程に手慣れたものだ。
「んで、これを評価順に並べてっと。えっとね、ラーメン屋さんと定食屋さん、それにカレーの専門店と焼き肉屋さんがあるみたい。後はファミレスとファーストフードばっか。どこにする?」
 指先一つで必要な情報を呼び出すと、桐乃はその小さな液晶画面を俺へと提示してきた。画面上には近隣の店舗のランキング表が映っており、恐らくは口コミ情報による勝手な順位付けだろうが、確かに五位以降には有り触れたチェーン店の名前が続いている。
「兄貴が平気なんだったら、別に帰り掛けでもいいよ? ソフトクリームとかクレープとか食べたから、あたしまだそんなにお腹減ってないし。駅の傍まで行けば、もっと色んなお店があんじゃない?」
「なら、もっと後にすっか。つっても、帰りはこっからタクシー使うつもりだけどな。途中で寄って貰うなり、降りるなりすりゃいいだろ。予め電話しといて寿司の持ち帰りでもいいし」
「え? 何でタクシー? お金掛かんない?」
「仕方ねえだろが。電車だと朝みてえにお前が周りの男共からジロジロ見られんだろ? そしたらまた腹が立ってくるに決まってんだからよ」
 忌々しそうにそう言うと、桐乃は素早くバッグの中に携帯を仕舞い込んだ後、人目も憚らずに抱き付いてきた。
「そんな風に思っててくれたなんて嬉しいっ。だから朝はあんなにふて腐れてたんだ? それって焼き餅だよね? 焼き餅焼いてくれてたってことだよねっ?」
「焼き餅っつうか、俺は兄としてだな。ああ、判った判った、認めるから。焼き餅だって認めるから、人のケツを力一杯まさぐんな」
「ダメダメ、今まで隠してた罰として、いっぱい触っちゃうんだもん。あはっ、でもすっごく嬉しい。兄貴がそんなにあたしのこと……すんっ……そんなに思っててくれたなんて……ぐひっ……嬉し過ぎてあたし……うぐっ……兄貴のこともっと好きに……ひっぐ……ううっ……」
「んなことで泣くな。尻からも手を離せ。おい、聞いてんのか? 桐乃? 桐乃さん? デートの記念に何か買ってやるから、なっ? だから勘弁してくれよっ」
   ★★★ 
「あの、運転手さん。あたしたち超ラブラブなんで、イチャイチャしててもいいですか?」
「えっ? その、困ったな。まあ、私は運転に集中して、バックミラーを確認する時も、お客さん達の方は見ないようにしますんで。ただ、シートベルトは締めていて頂かないと。それにシートを汚したり、裸になったり、本番行為とかは止めて頂きたいんですが……」
「判りました、ベルト締めてますし、汚さないように気をつけますし、脱ぎませんし、ここではセックスしませんから。それと、あたし、彼氏のこと兄貴って呼んでますけど、別に本当の兄妹じゃないんで、ご心配なく。それじゃ、運転お願いしますね」
 タクシーの後部座席に乗り込んで行き先を告げた直後、桐乃はシートベルトを装着しながら運転席の中年男とそんな遣り取りをし、車が走り出すと同時に呆気に取られていた俺へと横から凭れ掛かってきた。右手でジーンズの上から陰茎を撫で回しながら、遊園地の売店で買ってやったばかりのイルカの縫いぐるみを左腕に抱えている。水族館でもないのに何故そんな物を売っていたのかは不明だが、聞き分けのない子供のように購入後すぐに袋から出してしまい、それ以後ずっと上機嫌なのは傍で見ていて微笑ましい限りだ。尤も、泣き止んだ時点から終始嬉しそうに笑っており、売店内でもはしゃぎ続けていたのだが。
「……お前なぁ、勝手なこと言ってんじゃねえぞ? 運転手さんに迷惑掛けてどうすんだよ? 時と場所を考えろ」
 出来れば注意など与えたくはなかったが、他人を巻き込んだ以上は話が別だ。多少厳しい口調で俺がそう言うと、桐乃は一瞬身体を硬直させた後、素直に謝罪の言葉を述べてきた。
「ごめんなさい。でも、お寿司屋さんに着くまで一時間以上掛かるって言ってたっしょ? その間、色々としてあげたかったし、その、あたしも色々として欲しかったから、一応は許可貰っとこうと思って……」
 確かに遊園地から自宅近所の寿司屋までの道程は長い。と言っても、乗車前に予め電話で持ち帰り分の注文をしておいたので、店に着いてからの所要時間は短くて済む筈であり、寿司折りを手に数分間歩けばそこはもう自宅だ。即ち二時間あれば優に帰宅出来る予定なのだが、今の桐乃にとっては一分一秒が惜しく思えて仕方がないのだろう。
「まあ、今更言っても後の祭りだしな。んで、お前は何がしてえんだ? それともされてえのか?」
「ほんとはオチンポ舐めたいけど、そこまでしちゃうと運転手さんに怒られそうだし。こうして触ってててあげるから、シャツの中に手を入れて直接オッパイ揉んでくれるだけでいいよ?それくらいなら別にいいっしょ?」
「んなことしたら、今度こそマン汁でスカート汚しちまうんじゃねえのか? それにシートに染みが出来ちまうかもしんねえだろ?」
「それなら平気。縫いぐるみの入ってた袋、お尻の下に敷いとくから。それに街中歩くのってお寿司屋さんから家に帰るまでだよね? だったら誰にもバレないだろうし、スカートは好きに汚しちゃっていいよ? これ一番のお気に入りだけど、今日の記念にいっぱい染み作って残しておきたいの」
 そう言って桐乃はバッグから売店のビニール袋を取り出し、身体を密着させたまま器用に臀部の下へと敷き終えると、改めて俺の股間に手を当ててきた。
「準備出来たよ? なるべく声は抑えるから、いっぱい揉んで先っぽも触ってね? ブラも好きな時に外しちゃっていいから」
「準備出来たって言われてもなぁ。正直、そんな気分じゃねえし」
「パパってばママのこと焦らすつもりだよ? ねえキリスケ、こんな時、ママはどうしたらいいのかな? うんうん、もっともっと誘惑しろ? そうだよね」
「んだよ、その台詞は?」
「んとね、この子がキリスケ。あたしと兄貴の子供って設定なの。こういうのって何て言うんだろ? もう子供がいるんだし、新婚ごっこじゃないよね? 単なる夫婦ごっこ?」
 桐乃はそう言って俺の身体から右手を除け、縫いぐるみを両腕で大切そうに支え持った。本物の赤子を抱いているかのようなその姿を見て、俺は思わず安らかな気分になってしまい、そんな自分に狼狽しながら顔を背けて深く息を吐いた。こんな場面で油断していると、また主導権を奪われ兼ねない。
「いきなり妙なこと始めんじゃねえ。気が触れたのかと思ったじゃねえか。ったく、ごっこ遊びがしてえんだったら家に帰ってからにしろ」
「……あたしがこの子産んでから、パパは冷たくなったよね。一度でも出産した女はもう用済みってこと? 退院してこの子連れて家に戻ってきた時も、すぐにパチンコ打ちに行っちゃったし、夜泣きすると怒るし、一度もオムツ替えてくんないし……」
「頼むからマジで止めてくれ。お前の台詞も態度も生々しくって怖いんだよ」
「ほんと? じゃあ事務所に言って、ドラマのチョイ役とかの仕事入れて貰おっかな? あたしが女優になったら兄貴も嬉しい? それとも声優とかの方が萌える?」
 返答に困って視線を移すと、運転手の肩が震えているのが見えた。どうやら俺たちの会話は筒抜けで、声を押し殺して笑っているようだ。恐らく実際に乳房に触れて桐乃が喘ぎ出したならば、後写鏡を使ってその姿をも観察しようとするに違いない。駅のトイレで奉仕させた時のように声だけなら未だしも、流石に至近距離で痴態を鑑賞させてやる気にはなれず、俺は必死に考えた。目的の場所に到着するまでの間、性的行為を一切せずにどうやって桐乃を宥めておこうかと。
   ★★★ 
 自宅の玄関の扉を開け、寿司折りをキッチンの冷蔵庫に仕舞い込み終えると、桐乃はその場で着衣を脱ぎ始めた。買ってやった縫いぐるみも無造作に床に放られている。そんなことに気を配れる程、心中穏やかではないといった様子だ。
「まだ怒ってんのかよ? お前だってタクシーの中で笑ってたろ?」
「それとこれとは別。確かに面白かったけど、なんでオッパイ触ってくれる筈がエロ単語のしりとりになんの? 家に帰ったらすぐに好きにさせてくれるって言ったんだから、今度はちゃんと約束守ってよね? ほら、兄貴も早く脱いで。言っとくけど、あたし、スカートだけは穿いとくから。これを染みだらけにしてくれるまで絶対許さないかんね?」
 宣言通りに全裸でスカートのみ着用という風俗嬢のような出で立ちになると、桐乃は俺の前に屈み込んでジーンズのベルトを外しに掛かった。手付きが荒い分、抱え込んでいる怒りの大きさが判る。当面は好きにさせておく他にないだろう。微かに揺れる乳房を眺めつつ、俺は反省していることを示すべく自ら上着を脱ぎ、引き摺り下ろされたズボンとトランクスから足首を抜いた。
「そんで、俺はどうすりゃいいんだよ?」
「まずはあたしのこと好きって言い続けながら一人でオナニーして。オチンポミルクは全部スカートに掛けて貰うけど、あたしの身体には触っちゃダメ。判った?」
「ここでか? 立ったままか?」
「当たり前じゃん。早く始めてよ。あたしはその間、次に何して貰うか考えとくから」
 俺は素直に指示に従うことにした。不本意ではあるが、これも桐乃の加虐性を高める為の調教だと思い込むしかない。多少なりとも向上させておけば、加奈子や麻奈実の調教時に役に立ってくれることだろう。
「桐乃、好きだ。桐乃、好きだ。桐乃、好きだ。桐乃、好きだ。桐乃、好きだ」
 右手で陰茎を扱きながら同じ言葉を繰り返しているだけだが、性欲が昂ぶるに連れて自然と情感が籠もっていく。まるで眼球にフィルターを掛けたかのように眼前の裸身が眩しく見え出し、それまで以上に愛情を深めながら俺は次第に呼吸を荒くさせていった。
「ふうん、そんなにあたしのことが好きなの? もしかして、もうあたしのオマンコにそのガチガチのオチンポ入れたいの?」
「ああ、お前のことが大好きだし、今すぐマンコにチンポ突っ込んで、身体の中も外もドロドロにしてやりてえ。桐乃、好きだ。桐乃、好きだ」
「へえ、そうなんだ。でもダメ。今の兄貴が出していい場所は、このスカートだけだかんね? それでも大好きなあたしのスカートなら嬉しいよね?」
「すげえ嬉しいぞ、桐乃。お前のスカートにぶっ掛けられるなんて、昂奮してもう出ちまいそうだ。その後はマンコに入れてもいいんだよな? 一番奥でチンポ汁出していいんだよな?」
 情けない口調になっているのが自分でも判るが、回転の鈍くなった頭でどんなに考えても打開策が見つからない。今はもう、目の前の布地に射精出来ればそれでいい。
「それは後のお楽しみ。まあ、あたしの気分次第かな。ほらほら、ちゃんと好きだって言い続けてくんないと、スカートに掛けるのも禁止だよ?」
「桐乃、好きだ。桐乃、好きだ。桐乃、好きだ。桐乃、好きだ。桐乃、好きだ」
 勝ち誇ったように笑う桐乃の姿をぼやけた視界に映しながら、俺は精液を放つ為の呪文を延々と唱え続けた。
   ★★★ 
 一旦射精するとそれなりに性欲も落ち着き、理性を取り戻した俺は直前までの恥辱に塗れた行為を思い返して深く項垂れた。それでも一度高まった愛情は消えることがなく、そんな俺の戸惑いを見透かしてか、桐乃は布地に付着した白濁液を両手でスカート全体に塗り拡げた後、見せつけるようにして指先の汚れを舐め取っている。その表情に傲慢さは欠片も見られず、ただ一途で素直な奴隷のように熱心に舌を這わせ、時折誘い掛けるような眼差しを俺に送って来ている。尊大であったり隷属したりと対応の種類が豊富なのは好ましいが、それを自然に使い分けている点が恐ろしい。もしかしたら関係を結んだ当初から自分の方が調教され続けていたのではないかと思いつつ、俺はキッチンカウンターに凭れ掛かって頭を左右に振った。嫌な考えはこうして追い出しておかないと疑心暗鬼に捕らわれるばかりだ。
「んちゅっ……れろっ……はぁ、美味しかった。ねえ、そろそろ次のお願いしてもいっかな?」
「……今度は何させるつもりだよ?」
「んとね、色々考えたんだけど、やっぱ変な汗の味を確かめとこうかなって」
「もう違いなんか判りゃしねえぞ? 随分と時間も経ってるし、今また汗掻いたしよ。他のことにしろ」
 俺がそう告げると桐乃は残念そうに息を吐き、両腕を組んで首を傾げた。
「んじゃ、どうしよっかな? オムツ履かせたいけど手元にないし、出したばっかじゃ足コキしても反応薄いだろうし、お互いの部屋でテレホンセックスって気分でもないし……」
 代替え行為については何ら考えていなかったようだが、要望を断ったことに対して反論を述べてこないのは有り難い。
「ちょっと待て。考えてみたら、もうスカート染みだらけじゃねえか。ってことは、お前の言うことを聞く必要もねえんだよな?」
「なに言ってんの? こんなん序の口じゃん。染みだらけっていうのはね、大っきいのや小っちゃいのや、色の濃いのや薄いのが入り交じった状態のこと指すの。んなこと言って逃げようとすんなら、あたしのオマンコ一晩中舐めさせちゃうよ? 眠れなくてもいいの?」
 桐乃の叱咤に俺は怯んだ。遠出をして普段以上に疲れているというのに、更に睡眠まで奪われたならば、精力剤を過剰摂取しても身体が保たなくなるだろう。そんな弱った状態を晒したら何をされるか判らない。碌な抵抗も出来ないまま、本当にオムツを当てられるような事になったら一生の恥だ。
「いや、済んませんでした、桐乃さん。それで、自分は何をすればいいですか?」 
「ふん、最初からそういう態度なら、あたしだって虐めないっての。でもまあ、兄貴はどう考えてもエスだもんね。こういうのが嫌なんだったら、もう勘弁してあげてもいいよ? 但し、オチンポ入れずに十回以上イかせてくれたらね。そしたらオマンコ自由に使わせてあげる」
「……それで本当にいいんだな? 二言はねえな?」
「うん。あ、でも、やっぱ十五回にして。ずっと我慢し続けてたから、いつも以上に敏感になってきちゃってるし」
「なら、俺の部屋に行こうぜ。精一杯ご奉仕してやっからよ」
 俺はそう言うと、目論見を悟られることのないよう、少しだけ俯いてニヤリと笑った。
   ★★★ 
「うくはあっ……お願いだから早くイかせてえっ……くひふうっ……もうオチンポ入れちゃっていいからあっ……んかへあっ……オマンコ辛いよ辛過ぎるよおっ……あひはうっ……こんなんじゃおかしくなっちゃううっ……」
 予想通りの桐乃の反応に薄く笑いつつ、俺は更に焦らしてやるべく淫唇の外側に舌を這わせた。当初はベッドに横たわらせて肉溝を丹念に舐めてやっていたのだが、途中で隙を見てクローゼットからソフトロープを取り出し、シーツの上に大の字に拘束し終えた後は敢えて発言を無視し続けている。先刻の報復として決して秘所には触れず、周辺だけを唾液で濡らし続け、時に淫核に強く息を吹き掛けてやっているだけで桐乃は息も絶え絶えだ。平素以上に敏感になっていると言う局部はヒクヒクと蠢いて濁った愛液を垂れ流し、未だ身に纏っている尻の下のスカートの布地に粘液を染み込ませ続けている。身動きの取れない桐乃は仰向けに寝たまま幾度となく謝罪の言葉を繰り返しているが、先刻の発言を借りるならばまだまだ序の口だ。このまま一度も果てさせることなく、もう数十分は嬲ってやりたい。
「ひへはあっ……ごめんなさいごめんなさいいっ……んふひうっ……お願いだから許して兄貴いっ……はんふあっ……オチンポ欲しいのハメて欲しいのおっ……くはふうっ……今すぐオマンコ犯して欲しいのおっ……かひへあっ……何でもするからオチンポ奥まで突っ込んでえっ……」
 俺は股間から口を離して上半身を起こすと、大きく開かれた両脚の間に胡座を掻いたまま、素っ気ない口調で語り掛けた。
「そんなに焦んな。明日は土曜日だし、ゆっくり楽しもうぜ。大体、お前まだ一回もイってねえじゃねえか。あと十五回イかねえとチンポ突っ込めねえ約束だよな?」
「あひうっ……もう好きにしてくれていいからあっ……ふはあっ……兄貴のオチンポでイきたいのおっ……んくうっ……入れてハメて突っ込んで犯しまくってえっ……くはあっ……お願い御主人様お願いしますうっ……はふうっ………哀れな妹精液便所にオチンポ汁をお恵み下さぁいいっ……」
「そういや、帰ってきてからまだ風呂入ってなかったな。ちっと身体洗ってくるか」
「かはあっ……御主人様そんな意地悪言わないでえっ……あふうっ……専用オマンコがおかしくなっちゃいますうっ……んふあっ……せめて御一緒させて下さぁいいっ……くはうっ……オマンコでオチンポ洗わせて頂きたいですうっ……」
 俺は笑みを浮かべながら立ち上がり、前方の左乳房へと右足を伸ばした。足の裏で勃起した乳首を軽く擦ってやりながら、愛撫を受けて気持ち良さそうに目を細めている桐乃へと侮蔑の言葉を放ってやる。
「勝手なこと言ってんじゃねえぞ、この淫乱肉便器が。こんなに乳首硬くしやがって」
「ふくはあっ……御主人様もっともっとおっ……はふひうっ……もっと強く擦って下さぁいいっ……かひはあっ……あたしのオッパイ踏ん付けちゃって下さぁいいっ……」
「そうしてやってもいいんだけどよ、腹も減ったし、また今度な。取り敢えず飯と風呂済ませてくっからよ。お前はもう少しそうしてろ」
 そう言ってベッドから下り、俺が部屋のドアへと向かう途中、桐乃はそれまで以上に切なげな声を延々と上げ続けた。
「はぁん……御主人様あたしもおっ……ふはぁ……あたしも連れてってえっ……くぅん……オチンポ欲しいのオチンポオチンポおおっ……」
   ★★★ 
 腹具合を整えて身体の汚れを落とした後、寿司折り一つと小皿等を載せたトレイを手に裸のまま自室に戻ってみると、桐乃は拘束されたままの状態で繰り返し腰を捩り、シーツに身体を懸命に擦り付けていた。少しでも快楽を得ようとしてのことだろうが、そんな行為で満足出来る筈もなく、俺の姿を確認するなり喜びと悲哀と焦燥感の入り混じった複雑な顔を向けてくる。放置しておいた効果がそれなりにあった様子で、これなら再び居丈高になることもないだろう。俺はトレイを机の上に置き、桐乃の拘束を手早く解いてやることにした。
「はぁ……許してくれてありがと兄貴ぃ……はぁ……待ってる間ずっと寂しかったよぉ……」
 戒めから解放されると桐乃は即座に俺に抱き付き、甘えた声で囁きながら萎えた陰茎をそっと撫で擦ってきた。早く可愛がって欲しいという意思表示だろう。
「んだよ、チンポが欲しいのか? だったら俺のことを好きだって言いながら一人でオナニーしてみせろ。どんな風にマンコ弄ってんだか見せ付けるようにしてな。適当なとこで突っ込んでやっからよ」
「うん、判った。目一杯やらしくするから、ちゃんと見ててね?」
 そう言って桐乃は再びシーツの上に仰向けに横になり、俺に向けて両脚を大きく拡げ、右手の人差し指と中指をゆっくりと膣内へ挿し入れた。途端に小さな水音と共に愛液が溢れ出し、シーツの上に新たな染みを作っていく。左手では乳首を摘み上げて指の腹で強く押し潰し、痛覚をも楽しんでいるようだ。そのまま膣壁を擦り上げる指の動きを徐々に加速させながら、桐乃は指示した通りに喘ぎ混じりの台詞を述べ始めた。
「くふあっ……兄貴好きなの超愛してるのおっ……はふうっ……小っちゃい頃からずっと大好きいっ……ふひあっ……初めてオナニーしたのは兄貴の自転車のサドルでだしいっ……あひうっ……それからは時々このベッドでしちゃってたのおっ……」
 思わぬ告白に俺は唖然とし、次いで苦笑いを禁じ得なかったが、桐乃は以前の行いを切々と暴露しながら熱心に身体を触り続けている。ここは俺自ら誘導して更に懺悔させ、その痴態と告解を記憶に刻み込んでやるのが優しさというものだろう。
「それだけか? 他にもあんなら言ってみろ。今なら全部許してやんぞ?」
「んひあっ……食事前にお箸舐めちゃってごめんなさいいっ……くはうっ……汚れた下着盗んじゃってごめんなさいいっ……ひはあっ……ゴミ箱のティッシュ漁っちゃってごめんなさいいっ……はふうっ……洗い立てのパンツにオマンコ汁塗り付けちゃってごめんなさぁいいっ……」
「お前って奴は……」
「ひふあっ……だってそうせずにいられなくなっちゃうんだもぉんっ……ふはうっ……勝手に身体が動いちゃうんだもぉんっ……はんあっ……もうイくあたしオナニーでイっちゃううっ……はひうっ……お願い早くオマンコにぶち込んでええっ……くひあっ……兄貴のオチンポでイきたいのおおっ……」
 はっきり言えばそんな気分ではなかったが、約束した以上は仕方がない。謝罪の言葉に若干萎え掛けてしまった一物を手で何度か扱いて奮い立たせると、俺は目の前の裸身へと覆い被さっていった。手首を掴んで体内で動かし付け続けている指を抜かせ、だらしなく開いた穴へと陰茎を一気に埋没させてやる。それだけで桐乃は両脚を大きく跳ね上げ、左右の腕で俺にしがみ付きながら不規則に腰を振り立てた。
「んくはふあああっ……オチンポ来た来たイくイくううううううっ! かふあひうっ……奥までズブズブ気持ちいいよおっ……おひほへえっ……オマンコすっごい喜んじゃってるううっ……あくふひいっ……幸せオマンコまたイくイっくううううううっ!」
   ★★★ 
 桐乃が十回目の絶頂を迎えるのと同時に俺は膣内へ白濁液を放った。射精しながら何度か唇を重ね合い、小刻みに震える片脚を抱え込んで正常位から後背位へと体位を変えさせる。膣壁に精液を擦り込みながら鈴口の先で子宮口を責め、物欲しそうにヒクヒクと開閉し始めた菊門に左手の親指をねじ込んでやると、桐乃は背中を大きく反らした後にベッドの上で上半身を崩れさせた。両手でシーツを掴んで肉悦に喘ぎながら、高く突き出した尻を自ら艶めかしく揺らしてくる。
「んかくへあっ……ケツオマンコに指でまたイっくううううううっ! あくはへうっ……好きに拡げていいからもっとおっ……おひくはあっ……もっともっとイかせてええっ……」
 悲哀をも感じさせる実妹の要望に俺は少々考え込んだ。手元にアナル用のローションでもあれば尻穴に入れる指の数を増やしてやってもいいのだが、生憎と届くのは夜が明けてからのことだ。かと言って、何も使用せずに無理矢理拡げたら裂けてしまう恐れがある。風呂場からリンスを持ってきて潤滑液とする手もあるが、一々取りに行くのも面倒臭い。ならば、腸ではなく子宮口を拡げ、久し振りに一番奥まで陰茎で貫いてやることで代替行為とするべきか。
「ケツの方は我慢しろ。代わりに今日は特別に、お前の大好きなのしてやっからよ」
 俺はそう告げて一物の抽送を弱め、桐乃の臀部に腰を密着させた。付け根の限界までグリグリと肉棒を押し込み、未だに硬い扉を力尽くでこじ開けていく。
「うへひぐあっ……そこ拡げられるの待ってたのおっ……あぎくひうっ……来て来てガバガバにしちゃってえっ……ふぐかへあっ……赤ちゃんルームに直接オチンポミルク注ぎ込んでえっ……」
 それなりに痛みもあるとは思うのだが、桐乃の声は喜びに満ち溢れている。その反応の深さは麻奈実には及ばないものの、苦痛を快楽へと昇華させていることは間違えようもなく、いずれ隣り合わせて違いを楽しめる時が来るのを今は待ち望むばかりだ。
「おら、もっと感じて子宮を下げてこい。限界までチンポ突っ込んでやっからよ」
「はふぐへあっ……もう感じてるいっぱい感じてるのおっ……子宮なんかとっくに下がりっ放しだよおっ……かふはぎうっ……イくイくまたイく拡げられながらイっちゃううっ……」
 確かに性交し始めてから膣奥の抵抗感は増し続けており、当人の申告通り既に限界まで子宮の下がった状態なのだろう。もっと手前に下りて来てくれた方が嬲り易いのだが、無理ならば諦めるしかない。或いは正常位のままでいた方が子宮姦には適していたのかもしれず、俺は現体位の選択に幾分自責の念を覚えた。それでも何とか最深部への侵入を果たし、それまで以上に深々と肉茎を出し入れし始めてやる。一旦拡がった入り口は亀頭部の入室を待ち焦がれるかのように柔らかさを増し、程なくして桐乃はそれまで以上に大量の愛液を漏らし始めた。
「ふひはぐあっ……オマンコまたイくイっくううううううっ! おごはへえっ……奥までズボってやっぱ凄いいっ……はがくひあっ……一突きされる毎にイっちゃうよおおおおおおっ! かはひぐうっ……気持ちいいオチンポ気持ちいひいっ……あへひぐうっ……大好き兄貴の極太オチンポおおおおおおっ!」
「おっと、こっちも忘れずに動かさねえとな」
 そう言って腸壁への愛撫も荒々しく再開してやると、接合部からグポっという濁った音が鳴り響いてくる。淫靡な反響が重なる度に粘り気のある体液が周囲に飛び散り、俺の脚を濡らすだけでは飽き足らず、白い敷布の上に少しばかり黄色い紋様を作り上げていく。どうやら潮を吹きながら小便まで放っているようだ。
「ったく、しょうがねえな。ションベン垂れ流しかよ」
「うぐふひいいいっ……らっておひりまれ弄るからああああああっ! ほぐふひあああっ……気持ひよくっへ我慢れきないいいいいいっ! あひふげううううっ……セックシュらひこうひあわひぇふぎるふううううううっ! ふげくはあああっ………オヒンポひるまがひにらっぱいおまへでええええええっ!」
「……おい、大丈夫か? 何言ってっか判んねえぞ? 中断すっか?」
「んがへぐうううっ……しょんなぎほひはぐるひらめえええええっ! おふぐひいいいっ……オミャンコもっろオヒンポもっろおおおおおおっ! あがふへえええっ……もっろにぐべんひにひれほひいのほおおおおおおっ!」
 内容は理解出来ないが、声の抑揚や素振りからすると、このまま犯し続けていて欲しいようだ。俺は二度目の膣内射精に向けて、遠慮なく腰の動きを加速させることにした。
   ★★★ 
 自室のパソコンをスタンバイ状態から戻すと、数十通のメールが届いていた。送信元と件名を見ると、どれも商品を発注したサイトからであり、代金振込の確認が取れたという通知のようだ。注文時にインターネットバンキングにて支払い手続きを済ませておいたのだが、これだけあると一通ずつ中身を確かめる気にもなれない。タイトルからすると特に不備があった訳ではないようだし、取り敢えず所定のフォルダに移して保存しておけばいいだろう。
 しかし、必要な品々を入手する目処が付き、この先の調教の幅が拡がるのは喜ばしいことだが、それでも俺は今回の買い物を多少は悔やんでいる。と言うのも、当初の予定では購入代金の総額は三十万円までに抑えておくつもりだったのだが、調子に乗ってついつい注文し過ぎてしまったからだ。その支払いを終えた今、俺が自由に出来る金額は二百万円強と言ったところであり、この先もラブホテルに通いつつ雑品を購入し続けていたりしたら、破綻するのは目に見えている。かと言って、奴隷達から金銭を巻き上げるような真似は可能な限りしたくない。
「親父に電話すりゃ、五十万、いや、百万ぐれえは送ってくれっかな?」
 息子の俺が言うのも何だが、親父もお袋も金だけは持っている。上には上がいるだろうが、我が家がそれなりに裕福であることは間違いのないところだ。共に勤めている外国の企業には従業員向けのストックオブションや月毎の達成金、その他諸々の報酬制度があるとのことで、才覚さえあれば雇用契約によって決められた年収の数倍の金銭を短期間で得ることも可能なのだそうだ。実際、この前戻ってきた時には、この家とは別に会社の傍にプール付きの一軒家を買い、現在はそこで暮らしているのだと自慢気に語っていた。子供二人を本国に放置してプールで泳いでいるような親ならば、騙して送金させたとしても胸の痛むことはない。
 ちなみに、社内では親父よりもお袋の方が地位が高く、勤務も長いらしい。元々同社の日本法人に勤めていたお袋のコネで親父も勤務するようになり、その前はこの家の周辺で保険の外交員のようなことを行っていたとのことだ。以前にお袋から愚痴混じりに無理矢理聞かされた話によると、その頃の親父は浮気を繰り返していたらしく、もしかしたら俺の浮気性や性的な嗜好等は遺伝子によるものなのかもしれない。
 金銭を得る別の手段についても思案してみるが、他に頼れそうなのは麻奈実の母親ぐらいなものだ。娘によく似た容貌の持ち主で、幼い頃から不自然な程に俺を可愛がってくれている。両親が国外勤務を始めた後、経済面も含めて何でも気軽に頼ってくるように言われた時には、何故そこまで面倒を見たがるのかと不思議に思えたものだ。まさか親父の浮気相手の一人だったということはないだろうが、それでもあの母親に何かを頼むのは気が引けてしまう。それを切っ掛けにして婿養子に来るように言ってくる可能性もある以上、気を配ってくれていることに感謝はしても、なるべく世話にならない方がいいだろう。
 考えてみれば、俺の周りには他に頼れる大人が一人もいない。親父の父母もお袋の二親も俺が生まれる前に他界してしまい、更には両親揃って一人っ子であったが故に、祖父母や叔父伯母といった親類と称する人間には生まれてから一度も出会ったことがない。そのことについて今まで不便に思うことはなかったが、今回ばかりは話が別だ。それでも何かが出来る訳もなく、俺は大きく欠伸をしながら無駄な考察を切り捨てることにした。
「ふわぁ……あふっ。ん、やっぱ親父に連絡取っとくか」
 パソコンデスク前の椅子の上でそう呟き、何気なくベッドへ視線を向けてみると、桐乃の両脚の間から濁った液体が漏れ出ているのが見えた。陰茎を引き抜いてから随分と経つが、俺が五回目の膣内射精を終えてから後は、時々腕や脚を引き攣らせているばかりだ。それでも失神している訳ではなく、シーツの上に俯せに横たわったまま、荒い呼吸を繰り返している。一応は性交の合間に食事も取らせたのだが、疲れ果ててしまって最早身体が自由に動かないらしい。そのまま眠らずに余韻を楽しみ続けているところが愛らしくもあり、末恐ろしくもありといったところだ。
「ん? ちっとションベン臭えか? 鼻が馬鹿になってんな」
 俺はそう言って腰を上げ、換気の為に窓を開けた。ついでに壁時計に目を向けると、時刻は午前三時十二分。親父たちの住んでいるワシントンは優に正午を回っている筈だ。金の無心と次回の帰国時期を確かめておく為に、俺は机の上に置いていた携帯電話を手に取った。
   ★★★ 
 アンモニア臭の漂う中で眠る気にはなれず、桐乃を抱きかかえて自分の部屋へと連れて行ってやり、並んで横になったのは午前四時過ぎのことだった。ベッドの主は隣り合っていることに安心したのか、すぐに寝息を立て始めたが、困ったことに俺はなかなか眠れない。金銭問題も取り敢えずは解決し、特に感情が昂ぶっている訳でもなく、身体には疲労が蓄積しているというのにだ。止むなく桐乃の乳首を指先で弾いて遊んでいると、やがて夜が明けて部屋の中が少しずつ明るくなり始めた。こうなったら睡魔が訪れるまで性行為の後片付けでもしていようと思い立ち、俺はベッドから抜けて隣室へと戻ることにした。
 机上の携帯が振動していることに気が付いたのは、自室のドアを開けて室内に入った直後のことだ。慌てて手に取ってみると、液晶画面に表示されていたのは麻奈実の名前だった。こんな時間に電話を掛けてくる理由に心当たりなどなく、何か重大な事件が起きたのかもしれないと考え、俺は緊張しながらも急いで通話ボタンを押し、機器に向かって呼び掛けた。
「麻奈実? どした? 何かあったのか?」
『ふはぁ……きょうちゃあん……はふぅ……きょうちゃん助けてぇ……』
 不規則な息遣いと共に聞こえてきたのは、今にも泣き出しそうな麻奈実の籠もった声だった。
「何があったっ? 助けが必要なら今すぐ行くぞっ? 自宅でいいのかっ?」
『んふぁ……お願いだからぁ……うくぅ……オナニーさせてぇ……』
「……」
 自慰の許可を求められた直後の俺の感情を何と言い表せばいいのだろう。呆れたのは勿論だが、心配した分だけ怒りも込み上げてしまい、同時に焦った自分が情けなく思えてくる。何度か深呼吸をして平常心を取り戻すと、俺は一時無言を貫いた後にボタンを押して通話を切った。これでも対応としては生温いと言える。もしも目の前に本人がいたなら、迷わず平手打ちを浴びせていたところだ。まあ、真性マゾを叩いても喜ぶばかりで、何の躾にもならないだろうが。
 切ってから一分も経たずに再び手の中の通話機が震え出し、一旦は電源を切ってやろうかとも思ったが、俺は渋々とボタンを押した。肉欲に溺れ掛けた状態で無視し続けていると、勢い余ってこの家に押しかけて来てしまうかもしれず、それでは桐乃に愛人の一人して認めさせることが益々困難になり兼ねない。
「んだよ? したかったら勝手にしろ。但し一回だけだぞ。じゃあな」
『はぁん……待って切らないでぇ……くふぅ……声聞きながらしてたいのぉ……ふひぁ……お願いきょうちゃん命令してぇ……んひぅ……言われた通りに触るからぁ……』
「……お前、今、家なんだろ? んな声出しててヤバくねえのかよ?」
『ひふぁ……自分の部屋で何枚もお布団被ってるから平気だよぉ……あふぅ……いわおの部屋までは声届かないよぉ……んひあっ……久し振りに触るとオマンコ気持ちいいっ……』
 命令しなくても既に始めてんじゃねえか、と思いながら、俺は麻奈実の説明に一応は納得した。確かに幾重にも重ねた布団の中にいるのならば、周囲にあまり音は漏れず、早朝であろうとも家族に気付かれる危険性は少ないだろう。声が籠もっている点にも頷ける。尤も、息が荒いのは密閉空間にいるからではなく、発情しているが故にだということは明らかだ。
 補足しておくと、いわおというのは二人姉弟である麻奈実の弟のことで、現在は十四歳で桐乃と同学年だが、別の私立中学に通っている。姉と同様に目立つ容姿や性格ではないものの、中学生になってからは洋楽に目覚めて色気付き、有名なロックバンドのメンバーに憧れてスキンヘッドにするつもりが、近所の理髪店で五厘刈りにされてしまったという大馬鹿者だ。その状態を目撃してから、俺は嫌がらせの気持ちを過分に込めてロックと呼んでやっている。俺が田村家に婿養子として望まれているのも、元々はいわおが将来家業を継ぐことを固く拒んでいるからであり、その報復処置としてはこれまた生温いと言えなくもないが、兄のように慕ってくれているのであまり邪険にも出来ないでいるのが実情だ。
『はふあっ……きょうちゃん早く何か言ってえっ……んくうっ……オマンコ触り続けてるわたしを虐めてえっ……ふくあっ……もう指二本も奥まで入れちゃってるのおっ……あひうっ……オチンポの代わりにズボズボって動かしてるのおっ……』
「んなこと、わざわざ報告してくんな。もう月曜日まで好きなだけしてていいからよ。眠いから切んぞ? んじゃな」
 そう告げてボタンを押すと、またしても数秒後に携帯電話が震え出し、俺は今度は躊躇せずに電源を落とすことにした。
   ★★★ 
 その日の昼までに届いた宅配便の総量は、大小含めてダンボール箱三十八個となった。中にはデスクトップパソコンが悠々と入りそうな程に大きな箱もある。予想よりも随分と多いのは、梱包材が含まれることを考慮し忘れていた為だ。俺は早速その全てを自室に運び込むと、手元の伝票と箱とを照らし合わせ、内容物に不足がないか確認を始めることにした。運び入れを手伝ってくれた桐乃は、傍らに立ってそんな様子を興味深そうに眺めている。
「こんなに買い物してお金は平気? 中身は何なの? あたしの為に買ってくれたパンツもこん中にあんだよね?」
「まあな。後でちゃんと渡してやっから、お前は自分の部屋でエロゲでもやってろ。俺は荷物の仕分けすんだからよ」
「じゃあ、あたしも手伝う。どうせエロいもんばっかでしょ? 兄貴の趣味がどんなんだか見ておきたいし。ガチホモ同人誌とか出てきたらちょっと、ううん、かなり引くけど……」
「んな見たくもねえもんに金払う訳ねえだろが。とにかく隣の部屋で待ってろ。じゃねえと、パンツ以外にもお前の為に色々と買ってやったもん、全部送り返しちまうぞ?」
 きつい口調でそう告げると、パジャマ姿の桐乃は悲しげに項垂れ、ノロノロとした歩みで部屋から出て行った。可哀想なことをしたとは思うが、今の時点では仕方がない。恐らく淫具を見たら即座に試してみたいと言い出し、麻奈実の調教の為に購入した成人用の紙オムツを見つけたら、その用途を問い掛けてくるだけでなく、先々隙を見て俺に履かせようとするだろう。箱の中には他にも色々と、当面は秘密にしておきたい品々が入っている。
 使用頻度の低いボールペンの先で合わせ目のガムテープを切り、全ての箱を開封して手早く内容物のチェックを終えると、俺は商品を移し替えて一箱を空にし、その中に桐乃に渡しておく物を詰め込み始めた。穴の開いたブラジャーとショーツ、布地を取り外すことで乳房の露出が可能なメイド服、ローターやバイブの装着が可能なボンテージ服、生理期間中に手で奉仕させる為のローション付きオナカップ、腸内清掃の為の浣腸器、先日渡されたのと同じ精力剤を一瓶等々。程なくして満杯になってしまった箱を脇に除けると、次いで他の荷物の整理に手を付ける。クローゼットの奥に届いたばかりの軽量の金庫を設置し、知られたくない物はその中に詰め込んでいく。流石に紙オムツのパックは入らなかったが、袋から出してトートバッグにでも入れておけば多少の誤魔化しにはなるだろう。複数のバイブやローター、アナルプラグや尿道スティック等も適当にバッグや袋に詰め、金庫の脇に置いておく。と言っても、これらは当座の処置であり、いずれ折りを見て使用する相手毎に専用のバッグへと詰め替える予定だ。
 一通りの整理を終え、畳んだダンボールとゴミ袋を一階の親父の部屋へと放り込んだ後、俺は再び自室に戻って桐乃用の箱を抱え込んだ。仮に先刻の対応によってふて腐れていようとも、これだけの贈り物をすれば瞬く間に機嫌を直してくれるに違いない。桐乃の喜ぶ顔を脳裏に思い描きながら、俺は箱を持ったまま隣室へと向かった。        
   ★★★ 
「どっかな? 似合ってる?」
 桐乃はそう言って満面の笑みを浮かべたまま、ベッドの縁に腰掛けている俺に向かってクルリと回って見せた。入浴を終えたばかりの裸身に纏っているのはエナメル調のボンテージ服だ。銀色の輪に繋がられている赤く細いベルト以外に肌を隠すものはなく、当然のことながら乳房も局部も剥き出しになっている。付属していた器具を取り付ければローターやバイブを好きな箇所に固定し続けておけるという優れ物だが、そういった調教は後のお楽しみとしておきたい。
「いい感じだな。アダルトグッズのカタログに載っててもおかしくねえ」
「……それって褒め言葉だよね? ベルトの調整も出来るから、締め付ければもっとオッパイ前に突き出せるよ? そっちの方がエロくない?」
「まあな。けど、今はいいだろ。次はメイド服いくか? ボディストッキングにすっか? ブラジル水着もあるし、穴開き下着にガーターベルトの合わせ技でもいいな」
「じゃあね、あたし、このコスプレ用のウエディングドレスっての着てみたい。あれっ? これってベールやグローブだけじゃなくて、スカート膨らませるパニエまで付いてんだ。なんか本格的じゃん。これで後は、安物でいいから指輪もあったらなぁ……」
 コスプレ服の包みを持ちながらそう言うと、桐乃は物欲しそうな視線を向けてきた。肩を竦めて見せたものの、その判り易い態度に自然と口元が綻んでしまう。
「ったく、判ったよ。今度一緒に出掛けた時にでも買ってやる。親父に臨時の仕送り頼んだばっかだしな」
「ほんとにっ? 超嬉しいっ! あ、でも、お父さんに何て言ったの?」
「落雷で家電の幾つかがイカレたって言ったら、取り敢えず百万送ってくれるってよ。あと五十万ぐれえは引っ張れそうだし、欲しいもんがあったら今の内に言え。パソコンとかでもいいぞ? 最近のエロゲは高スペック要求すんだろ?」
「ん~、でもなぁ、今んとこは平気だし。だったら兄貴と旅行とか行きたいな。海とか温泉地とかで、二人っきりで何泊かすんの。そうすれば食事やお風呂の準備とかしなくて済むし、ずっとセックスしてられるじゃん」
 屈託なく笑う桐乃の意見には俺も同感だが、このところ学校を休んでばかりいることでもあるし、夏期休暇に入るまでは保留としておくべきだろう。それまでに麻奈実のことを桐乃に認めさせ、加奈子を完全に堕とし、共に連れて行って数日間4Pし続けるというのも面白い。可能ならば桐乃の友人や知人をもう何人か籠絡し、宿での乱交相手を更に増やしたいところだ。
「旅行もいいけどよ、すぐには無理だな。夏休みまで待っとけ。で、他に何かねえのか?」
「んじゃ、指輪のこともあるし、明日にでも一緒にショッピングに――ああっ、忘れてたっ! 明日はあいつらが家に来るんだったっ!」
「あ? 誰だよ、あいつらって?」
「んと、友達って言うか、オタ仲間って言うか、コミュのオフ会で知り合った連中なんだけど……」
 少しばかり話し難そうにしている桐乃の表情を眺めながら、俺はその友人達の中に好みの少女が含まれていることを切に願った。
   ★★★ 
「リビングでアニメ鑑賞会ねぇ。んじゃ、俺も参加させて貰うかな」
「それはいいけど、あたし、あいつらの前じゃ性格変わっちゃうよ? 兄貴に対しても生意気なこと平気で言っちゃうだろうし……」
「以前のお前に戻っちまうってことか? 別に構わねえぞ。つうか、他人が傍にいる時はベタベタしてくんな。普通の兄妹っぽくしてろ。間違ってもチンポ触ってきたりすんなよ?」
「うん、判ってる。なるべく我慢するから、その分、今日はいっぱい触らせてね?」 
 桐乃はそう言いながら純白のウエディングドレスを脱ぎ、元の袋の中に大切そうに仕舞い込むと、全裸の状態で足元に跪いてきた。手慣れた動作で俺のパジャマのズボンを下ろし、トランクスの上から陰茎に頬を擦り付けてくる。
「何でドレス脱いじまったんだよ? 気に入んなかったのか?」
「んな訳ないじゃん。兄貴があたしの為に買ってくれたウエディングドレスだよ? すっごく気に入ったから大事にすんの。すぐに汚しちゃったら勿体ないっしょ?」
「けどよ、所詮はコスプレ服だぞ? そんなに高いもんでもねえし、何なら同じのをもう一着買うか?」
「ううん、今はあれ一着でいい。特別な夜に着るから、その時にはオチンポ汁でドロドロに汚しちゃってね? 昨日のスカートと一緒に額に入れて、部屋に飾っとくんだから」
 うっとりとした口調で桐乃はそう告げてきたが、そんな物を壁に掛けておいたら両親の帰国時に俺たち二人の関係が発覚し兼ねない。そうなったならどちらか一人、恐らくは桐乃を即座にアメリカに連れて行くとでも言ってくるだろう。
 それでも嬉しそうに頬摺りを続けている妹に対し、俺は何の注意も出来ずにいた。体液の染みた衣服を自室に飾りたいと思う程に、桐乃は愛情を深めてくれている。ならば、実際に行動を起こすまでは非難めいたことを口にせず、このまま依存させ続けておきたい。
「まあ、その時になったら程々にな。んで、今はどうすんだ? しゃぶりてえのか?」
「ちょっと待って。んと、どこだっけ? ああ、これこれ。これ使ってみたいんだけど」
 桐乃が手に取ったのは、包装されたままのローション付きオナカップだ。特に電動や空気抜き等の機能はないが、手入れをすれば繰り返し使えるタイプの物で、中には樹脂製のオナホールが入っている。桐乃は返事も待たずに外装のビニールを剥がし、付属していた小瓶の中の液体を筒の中に注ぐと、右手の人差し指と中指とを内部に挿し入れて感触を確かめ始めた。
「うわっ、こんな感じなんだぁ。これだったらあたしのオマンコの方が気持ちいいよね? んと、もうちょっとローション垂らすとどうなんの? あ、うん、こっちのが気持ちいいかも」
「楽しんでんのはいいけどよ、お前はそれでいいのか? 自分のマンコ使わなくてよ」
「もちろん後でオマンコも使って貰うけど、これだったらオチンポ汁を他の入れ物に移し替え易いっしょ?」
「あ? んなことしてどうすんだよ?」
「そんなの、ペットボトルに貯めといて、加奈子が来た時にゴクゴク飲ませるに決まってんじゃん。鼻の穴にも流し込んで兄貴の味と臭いを覚え込ませちゃうの。最初は嫌がるかもしんないけど、その内に病み付きになっちゃうから。そしたら兄貴から離れられなくなっちゃうよ」
 最早友人を差し出すことに対する後ろめたさなど微塵も残っていないらしく、桐乃はそう言って薄く笑った。
   ★★★ 
「はぁん……兄貴可愛いよぉ……ふはぁ……可愛過ぎて頭がクラクラするぅ……くふぅ……こんなに乳首尖らしちゃってぇ……んれっ……ぺおっ……あはっ、美味しぃ……」
 俺の胸の先を舐め上げて昂奮したのか、桐乃は右手に持った自慰用器具を更に勢い良く動かし始めた。裸になってベッドに仰向けに寝るように懇願され、止むなく指示に従ってやってから後、勃起した陰茎にオナカップを宛がい、夢中になって俺の身体を愛撫し続けている。そんな攻めの状態であっても、従順な態度で尽くしてくれているところが愛らしい。俺が腕を伸ばして尻たぶを撫で始めてやった時も、感謝の言葉を捧げてきたくらいだ。
「んはぁ……兄貴もっと息荒くしてぇ……あふぅ……もっともっと喘いでぇ……ひはぁ……あたしもをもっと昂奮させてぇ……くぅん……もうオマンコトロトロなんだからぁ……」
「なら、マンコを俺の腿にに当ててみろよ。どのぐらい濡れてるか確かめさせろ」
 脚の間に膝を押し込みながらそう言ってやると、桐乃は指示通りに俺の下肢を跨ぎ、濡れた秘所を太腿部へと押し当ててきた。前後に腰を動かして肌一面に愛液を塗り付けながら、それまで以上に悩ましい声を上げてくる。
「くはあっ……兄貴に塗り塗りしちゃってるうっ……はふうっ……嬉しくてオマンコ汁止まんないよおっ……んひあっ……臭い付けしながらイっちゃいそうっ……」
「んなにケツ振ってばっかいねえで、手もちゃんと動かせ。チンポ汁貯めとくんだろ?」
「あはうっ……ごめんなさい兄貴いっ……くふあっ……ちゃんとするからいっぱい出してえっ……はふうっ……あたしが見ててあげるからあっ……ふひあっ……イキ顔見ててあげるからあっ……」
 桐乃は蕩けた表情で俺の顔を注視し、同時に下半身の動きを速め始めた。既に俺の大腿は溢れた蜜液でびしょ濡れだが、局部が擦り付けられる度に滑りの度合が増していくのが心地良い。加えて触れ合った肌の適度な汗の感触と濃密で芳しい淫臭を受け、一物に精液射出の臨界点が迫ってくる。
「もう少しだかんな、そのまま動かしてろ」
「んふあっ……オチンポ汁来るもうちょっとで来るうっ……かはうっ……オマンコピクピク震えちゃってるうっ……ひはあっ……勝手にザーメン欲しがっちゃってるよおっ……」
「ちゃんとこの後で使ってやるからよ。出すぞ、おらっ」
「んふはあっ……兄貴が出してるオチンポ汁出してるうっ……くはふうっ……中でオチンポビクビク震えてるのが判るよおっ……かふひあっ……その顔好き好きもう堪んないいっ……んちゅっ……あむっ……んぶっ……もぼっ……むごっ……」
 桐乃は予告もなく俺に覆い被さり、唇を重ねて舌を強引に口腔へと挿し入れてきた。かなり感情を昂ぶらせているらしく、舌を絡めるだけでは飽きたらずに歯や歯茎を忙しなく舐め回してくる。
「っぷ……ちょっ……おぶっ……待てっ……もごっ……桐乃っ……むぼっ……」
「んもぼっ……むおぶっ……んごくっ……ぷはぁ、もっとぉ……んむぶっ……おぶもっ……ぶれろっ……はぷっ、もっとおっ……」
 桐乃の情熱的且つ一方的な舌での奉仕はその後も止まらず、漸く唇を離してくれたのは、一旦萎えた肉棒が再び屹立してからのことだった。
   ★★★ 
「ふはあっ……気持ちいいよおっ……くふうっ……兄貴はどっかなぁ? んはあっ……やっぱあたしの生オマンコの方があっ……あふうっ……オチンポ気持ちいいっしょおっ?」
 桐乃はそう言って上体を後ろに反らし、騎乗位で繋がったまま大きく脚を開いた。恥ずかし気もなくガニ股になって勃起した淫核をも晒しながら、牝汁に塗れた局部に陰茎を出し入れしていく。
「当たり前だろが。なんたってお前のマンコは俺専用に開発してんだからよ」
「うはあっ……すっごく嬉しいよおっ……はふうっ……もっともっと開発してえっ……かはあっ……今以上に兄貴のオチンポの形にいっ……あはひうっ……抉り続けて整えてえっ……」
 接合部を見せ付けながら桐乃は自身の両乳房を下から持ち上げ、左右の手でゆっくりと揉みしだき始めた。撫子色の乳首だけでなく乳輪をも膨らませたまま、一人で振っている腰の動きを段階的に速めていく。一見したところ身勝手な行為に思えるが、どうやら俺の快楽度合に抽送速度を合わせてくれているらしい。蕩けた瞳を常に向けてきているところからすると、反応を確かめてもいるようだ。その献身的な振る舞いに、自立型のオナホールとしてAVNアワードに表彰申請してやりたくなってくる。
「おい、尽くしてくれてんのはいいけどよ、お前もちゃんと楽しんでっか? 別に好きに動いても構わねえぞ?」
「はくふあっ……充分気持ちいいから平気いっ……んふひうっ……それに兄貴の好きな動きいっ……くひはあっ……ちゃんと身体で覚えたいのおっ……かひはうっ……兄貴のオチンポの喜ぶ動きがあっ……ひふはあっ……あたしにとっても一番気持ちいいようにいっ……」
 その言葉に思わず俺は上半身を起こし、桐乃の身体を引き寄せて力一杯抱き締めた。唇を奪って口腔を舌で犯しながら、自らも腰を動かして膣奥に亀頭を叩き付ける。性奴隷としての崇高な精神に対するせめてもの礼だ。
「うぶむっ……ぼもごっ……んぶはっ、そんな急に強くしたらあっ……あぐぶっ……おぼもっ……ぐむぼっ……」
 反論を口付けによって閉ざし、身動きできないように抱き竦めたまま、俺は反復運動の勢いを強めて子宮口をこじ開けた。桐乃は腰使いを既に止め、口内も膣内も嬲られるが侭となっている。それでも肉悦を堪能してはいるらしく、目尻には薄っすらと涙が滲んでいるが、虹彩は鈍く、表情は官能的だ。互いの生殖器に纏わり付く粘液を水気の多い潮で洗い流し始めてもいる。
「これがこの体位での俺の好きな動きだ。ちゃんと覚えたか?」
 頃合いを見て顔を離し、淡々とした口調でそう問い掛けると、桐乃は口の端から涎を垂らしながら何度も何度も頷いた。自分では制御出来ないのか、未だ胸部に両手を当てたまま内腿や肩を不規則に引き攣らせている。
「んくふひううっ……もっと色々教えてええっ……かはふひああっ……兄貴の気持ちいい動きいいっ……あふはひううっ……イきっ放しのオマンコにいいっ……」
   ★★★ 
 数十分に及ぶ座位での教示が終わり、依頼された通りキッチンから洗い立ての五百ミリペットボトルと調理用の漏斗を持って来てやると、桐乃は嬉々として膣内の体液と淫具内の粘液とをペットボトルに移し替え始めた。膣に二本の指を挿し入れて白濁液を掻き出し、オナホールにも同様の行為を繰り返した後、自身の内腿や尻に付着した分までも掌で拭い、一滴も無駄にしないようにと注意深く寄せ集めている。
「ほんとに飲ませるつもりかよ? ローションも混じってんだぞ?」
「その点は平気。小瓶の注意書きに、飲んでも人体に影響ありませんって書いてあったから。あ、今オチンポに付いてる分はあたしのだから、ちょっと待っててね。すぐ舐めて綺麗にしてあげるから。ん、こんなもんかな。後は冷蔵庫に入れておけば一週間ぐらいは保つよね?」
「んなこと知るか。ったく、マンコん中のまで一緒にすんだったら、最初から普通にセックスしてりゃ良かったんじゃねえかよ」
「だって、オナホール使ってみたかったんだもん。それにここんとこ、オチンポミルクの量が毎回少ないじゃん。味は薄いし臭いも弱いし。浮気とかしてんじゃないの?」
 桐乃は冗談のつもりで言ったらしいが、俺は思わず身体を強張らせてしまい、慌てて弁明を試みようとした。が、考えようによっては麻奈実のことを切り出す良い機会ではある。指導混じりに散々果てさせてやった今ならば、然程機嫌を損ねることなく言質を得ることが出来るかもしれない。
「なあ、桐乃。お前に頼みがあんだけどよ」
「ん? 改まってどしたの? まさか、ほんとに浮気してるとか言わないでよ?」
「そうだ、って言ったらどうする? 相手は麻奈実で、今後も浮気を認めなきゃお前とは二度とセックスしねえ、そう俺が言ったらお前はどうすんだ?」
 俺の言葉に桐乃は目を目開き、深く俯きながら汚れた両手でシーツを強く握り締めた。細い肩を震わせているところを見ると怒っているのは明らかだが、それでも何とか情動を抑え込もうとしてくれているらしい。ならば、ここは見返りについて話し、少しでも宥めてやるべきだろう。
「正直に言うとな、俺は他にも女が欲しい。麻奈実や加奈子だけじゃなくて、他に何人もな。けどよ、どんなにセックスする相手が増えても俺の一番はお前だ。お前ことを一番に愛して、一番数多く抱いてやる。その点は約束してもいい。それによ、もっと色んな奴らに俺たちの愛し合ってるとこを見せつけてやりたくねえか? 俺のセックス相手が増えるってことは、お前とのセックスを見せびらかせる相手も増えるってことなんだぞ」
「でも……そんなの……別に望んでなんか……」
「だったら、もう一つ約束してやる。お前に必ず俺の子供を産ませてやる。それでも嫌か?」
「……ほんとに? ほんとに兄貴の赤ちゃん産ませてくれる?」
 予てからの願望だった為だろう、桐乃は伏せていた顔を僅かに上げ、縋り付くような口調で問い掛けてきた。感情が大きく揺れ動いているのが手に取るように判る。
「ああ。何人でも好きなだけ産んでいいぞ。もしも俺かお前の身体に問題があって妊娠出来ねえようだったら、治療を受けるなり養子を貰うなりしてもいい。とにかく、子供については全部お前の好きにさせてやる。つっても、今すぐは無理だけどな。それともう一つ、年に何回かは二人だけで旅行に行こう。場所も日程も毎回お前が決めていい」
「ほんとにっ? 信じていいんだよねっ?」
「んなの当たり前だろうが。言っとくけどな、ずっとお前を騙して浮気し続けることだって出来たんだぞ? けどよ、そんなの嫌だろ? 俺だってお前に嘘を吐き続けんのは心苦しいしよ。だからこうして話したんだ。お前の前では正直でいてえからな。判ってくれるか?」
 そう言いながら優しく抱き締め、そっと背中を撫でてやると、桐乃は小さく頷いた。
「うん……判った……ありがと兄貴……」
「なら、俺がハーレム作んのを認めてくれるな? 当然お前はそこでの一番、つまり本妻ってことだ。他の誰よりも優遇してやるし、ある程度の我儘も聞き入れてやる。それでいいな?」
「……判った。あたしが一番だって、そう言ってくれるなら我慢する。その、地味子とのことも認めるから……」
 桐乃はそう言いながら身体を離し、俺の目を見据えてから一際深く首肯した。瞳は微かに潤み、表情には不本意さが見え隠れしているが、唐突に切り出した今の時点では仕方がない。それでも言葉上は納得してくれただけ有り難いと言える。いずれは本心から乱交を望むようにさせてやろうと思いつつ、俺は感謝の意を込めて目の前の裸身を再び抱き寄せた。
   ★★★ 
 驚いたことに、その後の桐乃の様子は平素と変わりなかった。いや、いつも以上に親密な雰囲気を漂わせていたと言っていい。風呂場でシャワーを浴びて汗を流している時も、リビングで遅い夕食を採っている時も、直向きな眼差しを向けて静かに身を擦り寄せてくる。事ある毎にささやかな文句ぐらいは口にしてくるだろうと思っていたのだが、どうやら出産の許可を得たことが殊の外嬉しかったらしい。無論、一度でも浮気を認めさせた以上は後から何を言ってきても取り合うつもりなどないが、当人が感情の折り合いを付けてくれているならそれに越したことはない。
 しかし、不満と共に抱え込んだであろう精神的なストレスは発散させてやらねばならない。就寝前、俺は自室のベッドの上で桐乃を裸に剥き、予め用意しておいたバッグの中から模造毛皮付きの手錠を取り出して後ろ手に嵌め、更に開脚足枷を取り付けて脚を閉じられない状態にしてやった。そのままシーツに仰向けに寝かせ、両乳首と淫核にクリップ式のローターを取り付け、予告もせずに各コントローラーのダイヤルを最大にまで回してやる。
「んくひいっ……ちょっと待ってっ……かはふうっ……待ってってばあっ……うへふあっ……これ刺激が強過ぎるよおっ……」
「気持ちいいだろ? 早くマン汁垂れ流せ。そしたらすぐにバイブ突っ込んでやっからよ。本妻として相応しくなりてえんだろ? その為ならどんな調教でも受けるって、確かお前、風呂場でそう言ったよな?」
「はひくあっ……けど乳首とクリがブルブルってえっ……かはひうっ……もっと弱くなんないのおっ……ふはへあっ……これでバイブなんか入れられたらあっ……」
 否定的な言葉とは裏腹に桐乃の肉溝は既に大量の愛液を分泌させており、室内の灯りを受けて妖しい光を放っている。俺は躊躇なくそこに手の中のバイブレーターを限界まで押し込み、スライドスイッチを最上段まで上げてやった。途端に男根を模した淫具は籠もったモーター音を立てて勢いよく蠢き始め、膣内を擦り上げながら淫液にどんどん塗れていく。
「おごはひあっ……そんな奥まで入れてグリグリされたらあっ……あぐひへえっ……こんなのあたしすぐイっちゃうよおっ……ふひぐはあっ……イくイくイっちゃうほんとにイっちゃううっ……んがくひいっ……オマンコあたしのオマンコがああああああっ!」
「もう潮噴いてんのかよ? ケツ穴までびしょ濡れじゃねえか。んじゃ、次はこの電動アナルスティックって奴な。割と細身だし、これなら痛くもねえだろ。ローション多目に付けてっと……」
「ふぎくへうっ……ちょっと待って今は止めてえっ……はへぐひあっ……まだイってるから今はダメえっ……ひうがへあっ……あたしの身体おかしくなっちゃうよおっ……」
 苦しげに訴え掛ける声を無視して俺は桐乃の片脚を持ち上げ、露出した尻穴へと棒状の淫具を少しずつ呑み込ませていった。菊門専用の粘度の高い潤滑剤の助けもあり、螺旋状に波打つゴム棒は予想以上に滑らかに腸内へと入り込んでいく。
「おおっ、あんだけ長いのがここまで入るとちょっと感動すんな。んで、スイッチを、と」
「ほげくひはあっ……オマンコイってるのにケツオマンコまでえっ……あへんぎひいっ……許してこれダメ凄過ぎるうっ……はがくふひいっ……またイくお尻でもイっちゃううううううっ! うがくへひあっ……止まんないイくの止まんないいいいいいいっ! おひぐふへえっ……オマンコどっちもイぐぶへはひいいいいいいっ!」
「残るは尿道か。つっても、バイブ入ってっから今は無理っぽいな。仕方ねえ。おい、桐乃。マンコとケツ穴、どっちを先に拡げて欲しいか言え。好きな方のをもっと太えのに取っ替えてやっからよ」
「うがくひほあああっ! あぐはへひうううっ! んぎふはひいいいっ! おごひくへえええっ!」
「……まあ、ケツ穴でいっか」
 焦点の合っていない桐乃の目を見てそう呟いた後、俺は挿入した淫具が押し出されないように左手で根元を押さえ付け、極太のアナルバイブを取り出す為に傍らのバッグの中へと右手を入れた。
   ★★★
 二時間近くシーツの上をのた打ち回らせた後、全ての淫具と拘束具を外してやってから、俺は桐乃の膣を正常位で犯し始めた。長時間達し続けていた膣壁は微妙な顫動を繰り返しながら通常以上に陰茎を絞り上げてくるが、固形物に近い程ドロリとした淫蜜を排出し続けているが故に然程痛みはない。それでいて水気の多い潮と尿をも垂れ流しており、女体の複雑さには感心するばかりだ。
 当の桐乃はと言えば、珍しいことに俺に抱き付くことなく性交を受けて入れている。軽く見積もっても既にこの場で四、五十回は果てており、最早身体に力が入らないのだろう。濡れたシーツの上にだらしなく横たわったまま、時に脚や腰を大きく跳ね上げてくる。口振りはかなり素の状態に戻ってはいるものの、快楽に蕩けた顔付きは成年漫画で描かれるアヘ顔乃至アクメ顔と呼ばれる表情そのものであり、両手でピースサインをしている場面を撮影してやりたくなってくる。それでも行為を中断してデジタルカメラを取ってくるような真似はせず、その乳首や淫核を指で擦り上げてやりながら、俺は容赦なく膣奥を責め続けた。
「んぐひふあっ……やっばり兄貴のオチンポが一番好きいいっ……はがふひうっ……オマンコもビクビクって喜びっ放しだよおおっ……ふぎはひあっ……バイブじゃダメなの物足んないのおおっ……おぶはへえっ……もうオマンコこのオチンポの形になっちゃってるからああっ……」
「んじゃ、近い内にケツ穴もチンポの形にしてやっからよ。楽しみにしてろ」
「くひへぎあっ……してして全部オチンポの形にしてええっ……あぐへひうっ……あたしをもっと兄貴のオチンポの虜にしてええっ……うひはがあっ……またイく生オチンポ最高に気持ちいいいっ……ひぐはへえっ……オマンコ幸せセックス大好きいいいいいいっ!」
 桐乃はそう言って犬のように舌を出し、腰を前後に数回躍らせた。口元だけでなく頬や髪までもを涎で濡らし、余韻に浸る間もなく次の絶頂に向けて悶えている。この様子ならば浮気に関して貯め込んだストレスは既に解消されたと見ていいだろう。現時点からの肉悦は新たな交渉材料にさせて貰うことにしよう。
 俺は桐乃の脚を片方ずつ抱え込んでは正面へと回し、そのまま深く覆い被さって屈曲位へと体位を移行させた。身体の重みが桐乃の負担とならないように膝の位置等を調整しつつ、より深々と一物を突き入れてやる。
「あへふぎいっ……子宮の入り口ゴツゴツ突かれるの好きいいっ……はがふへうっ……もっと奥まで来て来て犯してええっ……ふぐへひあっ……イってるオマンコの一番奥までええっ……」
「また子宮に突っ込んで欲しいか? だったらそれなりのことを考えろ。俺がハーレムを作るに当たって自分はどうしたらいいか、加奈子の次に誰を差し出すかとか、どうやってそいつを罠に嵌めるとかをよ。なんなら明日来るっていうオタ仲間でもいいぞ? まあ、俺が見て気に入ればの話だけどな」
「うぐふひあっ……判ったから何でも言う通りにするからああっ……あがふひうっ……幾らでも協力して誰でも差し出すからああっ……はぎふへあっ……だからもっとオチンポ奥までええっ……ひぶはへえっ……オチンポミルク子宮で直接飲みたいのおおっ……」
 桐乃の返答に俺は唇の端を歪めた。これでハーレム作りの許可だけでなく、その協力に関する言質をも得たことになる。加奈子以外にも友人を何人か献上させることは当然として、加虐的な資質もそれなりにある桐乃なら、その調教過程でも大いに役立ってくれる筈だ。
「今の言葉を忘れんなよ? 約束だぞ?」
 その問い掛けに桐乃が繰り返し首肯するのを見届けてから、俺は肉棒の先でゆっくりと子宮口を開いていった。
   ★★★
 日曜日の昼過ぎ、自宅にやってきたのは見るからにオタクな二人の少女だった。流石にインターネット上のコミュニティ名が『オタクっ娘あつまれー』というだけのことはある。
「ほほう、きりりん氏の兄上で京介殿という名でござるか。ではでは、京介氏とお呼びしても構いませんかな? 拙者は沙織・バジーナと名乗っておるものでござる。気軽に沙織とお呼び下され。ニン」
「あ、ああ。宜しくな」
 まずは一人目。沙織・バジーナと名乗った少女は十五歳の中学三年生とのことで、頭にバンダナを巻き、度の強そうな渦巻き状の眼鏡を掛け、チェック柄の半袖シャツの裾をズボンに入れるという典型的なオタクの格好をしていた。更には丸めたポスターを挿したリュックサックを背負い、自身のことを拙者と呼び、言葉の末尾に「ござる」とか「ニン」とか付けてくる。長身でスタイルは良く、当人曰くスリーサイズは藤原紀香と同じとのことだが、服装と喋り方のせいで麻奈実以上に大きな胸と尻が台無しだ。機会があれば裸に剥いてみるのも面白そうではあるものの、早急にどうにかしたいと思える相手ではなかった。
「……取り敢えず、宜しく。そうね、どうしてもそう呼びたいのなら、黒猫と呼ばせてあげてもいいわ」
「……宜しくお願いします」
 そして二人目。黒猫と名乗った少女は同じく十五歳の中学三年生とのことで、所々に変な飾りの付いた黒基調のゴスロリ服を着込んでいた。どうもコスプレの一環らしく、両目に赤いカラーコンタクトを嵌めてもいる。他人を見下すような痛々しい発言ばかりを繰り返してはいるが、長く艶やかな黒髪、華奢な身体、真っ白な肌、切れ長の瞳、左目の下に泣き黒子という和風の美少女であり、少なくとも外見は俺の好みに合致している。加奈子の次にはこの傲慢少女を好きなように犯してみたい、と思ったのは当然だろう。
 事前に桐乃から受けた説明によると、アニメやエロゲーが趣味であることは学校の友人たちに秘密にしており、その分と言っては何だが、身元を明かすことなく語れる同好の士を求めてコミュニティに参加したとのことだった。やがてオフ会で顔見知りとなり、沙織と黒猫が近場に住んでいることを知ってからは三人だけで頻繁に会っていたようで、特に確認はしなかったが、恐らくエロゲーの入っていたアニメのDVDケースはその際に持参する予定だった物だろう。
 玄関からリビングへと場所を移して雑談が始まると、俺は自分から話し掛けることはせず、問い掛けられれば答える程度でしか会話に加わらないように心懸けた。話題は当初からエロゲーや同人誌など一般的にハードルの高いものばかりだったが、多少の知識ならば俺にもある。それでも混ざろうとしなかったのは、三人の様子を注意深く観察する為だ。その甲斐あって数十分も経つと大凡の人間関係は把握することが出来た。どうやら桐乃と黒猫は嗜好性の違いから反目しながらも内心では互いを認め合い、沙織は必要があれば調停役となりつつ、二人の関係を温かく見守っているようだ。
 とは言え、気になることもあった。会話の際、沙織は仲間の二人を「黒猫氏」「きりりん氏」と呼び、黒猫は一貫して「貴方」という言葉を使い、桐乃に至っては「ぐるぐる眼鏡」とか「邪気眼女」などと口にしている点だ。実妹の毒舌に呆れたのは当然だが、考えてみれば沙織も黒猫も俺に本名を名乗ってはいない。後々の為に確認しておいた方が良いかと思い、俺は頃合いを見計らって尋ねてみることにした。
「なあ、お前ら、もしかしてお互いの名前とか教え合ってねえのか? それと、ずっと気になってたんだけどよ、きりりんって何だ?」
「んなの、あたしのコミュでのコテハンに決まってんじゃん」
「拙者たちは常にハンドルネームで呼び合っております故、本日も何卒お許し頂きたいでござる」
「貴方一人が勝手にそう呼んでいるだけでしょう? 尤も、私のマナを口にする許可など誰にも与えてはいないけれど」
 そう言って偉そうに髪を掻き上げる黒猫を眺めながら、俺は再度問い掛けた。
「マナ?」
「真の名と書いて真名、つまり本名のことでござる。既にお互いの苗字も名前も知ってはおりますが、黒猫氏が殊更に嫌がる故、その名を呼ぶ訳にはいかぬのでござるよ。ニンニン」
「コミュでもずっとこうだったし、あたしは別に違和感ないけどね。この電波女のこと、名前で呼ぶ必要なんか全くないし」
「……ふん、精々吠えてなさい。高貴なる私の真名が汚されるよりは増しよ」
「うわぁ、高貴とか言っちゃってる。アンタ何様? マスケラなんて裏番組見てると人間歪んじゃうってモデルケースもいいとこじゃん。だからメルル観ろっての」
「ふ、バトル系魔法少女なんて、今更流行らないのよ。あんなのは超低脳のお子様と、萌えさえあれば満足する大きなお友達くらいしか観ない駄作。大体、視聴率的にはそっちが裏番組でしょう? くだらない妄言はやめて頂戴」
「視聴率? 何それ? いい? あたしが観てる番組が表で、それ以外が裏番組なの。これ世界の決まり事だから覚えておくことね。だいたいアンタ、以前からオサレ系邪気眼厨二病アニメに夢中で一度もメルル観てないっしょ。死ぬほど燃える挿入歌に合わせてメチャクチャぬるぬる動くっての! キッズアニメ舐めんな!」
「あなたこそ口を慎みなさい。なにが厨二病アニメよ。私はね、その漢字三文字で形成される単語が死ぬほど嫌いだわ。ちょっとそういう要素が入っているというだけで、作品の本質を理解しようともせずにその単語を濫用しては批判する蒙昧どももね。あなたもそんな低能な豚の一匹なのかしら?」
 桐乃が夢中になっている『星くず☆うぃっちメルル』は黒猫の好きなアニメと同じ時間に放映されているらしく、お互い自分の見ている番組の方が良いと譲る気配がない。俺は困惑して残りの一人に視線を移したが、沙織は澄まし顔で出してやったジュースを飲んでいる。こんなことは日常茶飯事で、まだ自分の出るような事態ではないとでも思っているのだろう。仕方なく仲裁に入ろうとして、俺は迂闊にもオタク相手に口を滑らせた。
「お前ら、いい加減にしろよ。たかがアニメで喧嘩してんじゃねえ」
「はあ? たかがアニメ?」
「……少し議論する必要がありそうね?」
 桐乃と黒猫に同時に睨まれ、その後の説教と各アニメの解説は三時間ほど続いた。
   ★★★
 夕食を振る舞ってやった後に沙織と黒猫が帰り、リビングでの会食の後片付けが終わると、桐乃は待ち兼ねたように俺に抱き付いて意地の悪そうな笑みを浮かべた。
「んふっ、兄貴ってば、クソ猫の方ばっか見てたよね? あの邪気眼女にもオチンポ突っ込んじゃうつもりなんだ?」
「まあな。もちろん協力してくれんだろ? 一人で泊まりに来させられっか?」
「んー、泊まりはどうだろ? んな話したことないし。一応は聞いてみるけど……」
「今んとこは無理に誘わなくてもいいぞ。事前にもう少し性格とか把握しときてえしよ。俺が指示するまでは普通に付き合ってろ。怪しまれることのねえようにな」
「うん、判った。でもあの女、割と簡単に堕ちると思うよ? 男に免疫なさそうだし、自意識過剰だから。褒め言葉の一つや二つ掛けてやれば、自分からオマンコ差し出してくんじゃない?」
 桐乃の言葉に俺は頷いた。確かに観察していた限りでは、黒猫は自尊心が高く、それでいて自分に自信がなさそうに見えた。居丈高で理屈っぽいのは自らの弱さを隠す為だろう。他人に認められたいという気持ちと叶わぬ現実との狭間で葛藤しているのならば、付け入る隙も大いにあるに違いない。何を認めてやればいいのかを見極め、甘い言葉で導いてやれば、和姦に持ち込むことは難しくないように思える。
「けどよ、人のこと免疫ねえとか言ってっけど、お前だってそうだったんじゃねえのか?」
 軽く尻を撫でてやりながらそう言うと、桐乃は擽ったそうに目を細めた。
「しょうがないじゃん。ずっと前から兄貴のことしか見てなかったんだもん。言っとくけど、これでも結構モテんだかんね? 学校じゃ手紙貰ったり告られたりするし、撮影現場でもデートとかに誘われたりするし。まあ、他の男なんか一切眼中にないけど、その分ちゃんと大事にしてよね?」
「判ってるよ。お前が一番だ」
「だったらいいけど、あんま他の女ばっか見てたら怒るかんね?」
 そう言って桐乃は不満そうに唇を尖らせ、下から俺の目を覗き込んできた。と言っても、特に感情を害している様子ではなく、単に甘えたいだけのようだ。仕方なく抱き締め返してやると嬉しそうに微笑み、着衣越しに乳房を擦り付けてくる。
「んじゃ、そろそろお風呂入ろうよ。今日は蒸し暑かったから、いっぱい汗掻いたっしょ? 汗臭いオチンポの匂いって大好き。お口の中で丁寧にしゃぶって、そのままオチンポミルクも飲んであげる」
「いや、今日は風呂場ですんのは勘弁してくれ。何かさっきから身体が熱っぽくてよ」
「えっ? ほんとに? そう言われれば、いつもより体温ちょっと高いかも……」
 桐乃は慌てた素振りで両腕を離し、右手を俺の額に、左手を自身の額にて当て、互いの温度を比べ始めた。ひんやりとした掌の感触が思いの外心地良い。
「嘘っ? これってちょっとどころじゃないよっ? すぐ部屋に行こっ。薬呑んで暖かくして寝てなきゃダメっ!」
 取り乱した桐乃の声に、こんなにも心配してくれるのかと胸の内までもを熱くしつつ、俺は素直に頷いた。
   ★★★
 結局、日曜日の夜から二日間、俺は風邪を引いて寝込んでしまった。日々の性行為での無理が祟ったのは明らかだ。幸いにして大したはなかったものの、桐乃のことを見直すにはいい機会だったとも言える。桐乃は自らも学校を欠席し、月曜日にはモデルの仕事が入っていたにも関わらず知人に代理を頼んで休み、甲斐甲斐しく介抱し続けてくれたのだ。俺の額に載せた氷嚢や手拭いを小忠実に取り替え、大量の汗を掻いた際には身体の隅々まで濡れタオルで拭き、負担が掛からないように注意しつつ添い寝をし、食べたい物があれば急いで買ってきてくれた。流石に食事だけはレトルトのお粥で済ませることを了解して貰ったが、以前の態度からは考えられない程の献身的な振る舞いに、愛情が更に深まったことは言うまでもない。
 そんな火曜日の夕方、不意に玄関のチャイム音が繰り返し家屋内に鳴り響いた。桐乃は俺の注文した苺ゼリーを買いにコンビニへと出掛けている。少しばかり迷った後、俺はパジャマの上から厚手のカーディガンを羽織って玄関に向かうことにした。本音を言えば億劫ではあったが、既に熱は完全に引いており、リハビリの一環だと思えば我慢出来ないこともない。
 もしも相手が新聞や保険の勧誘員ならば怒鳴りつけて横になっていた間のストレスを発散しようと思いつつ、握力の幾分弱まった右手で玄関の扉を開けると見覚えのある女の子が立っていた。名前は知らないが加奈子と同じく桐乃の友人で、以前家に遊びに来ていた際に短い挨拶を交わしたことがあり、一応は顔見知りと言っていいだろう。明朗で人当たりの良さそうな黒髪の美少女で、その容姿の麗しさは桐乃や黒猫と甲乙付けがたい程だ。
「あ、お兄さん、こんにちはっ! お久し振りですっ。お風邪は大丈夫ですか? もしかして寝てらしたんですか?」
「あ、ああ。でも、もう平気だから。えっと、桐乃なら今ちょっと出掛けてんだけど、すぐ戻ると思うから。入って待ってて貰っても構わねえけど……」
「あ、そうなんですか。ご迷惑でしたか?」
心底申し訳なさそうに少女が言った。見るからに清楚で気遣いの出来る美少女の訪問を受けて迷惑などと思う筈がない。その存在を失念していたことを逆に謝っておきたいぐらいだ。
「いや、迷惑なんてことねえから」
「突然押し掛けちゃって本当に済みません。桐乃からお兄さんの看病で学校を休むってメールは貰ってたんですけど、このところ休みが多かったので心配になっちゃって。たまたま近くに用があったので寄ってみただけです。この後の予定もあるので、今日はすぐに帰ります」
「そっか、折角来てくれたのにごめんな。それと、桐乃のこと心配してくれてありがとな。もう俺の風邪も治ったし、明日には学校に行けると思うから。これからも仲良くしてやってくれな」
「はいっ、もちろんですっ! わたしたち親友ですからっ! あ、そうだっ!」
 少女は制服のポケットから携帯電話を取り出し、俺の前へと突き付けてきた。
「もう具合がよろしいんでしたら、折角の機会ですから、お兄さんの携帯番号を教えて頂けませんか? それとメールのアドレスも。わたしの方もお教えしますから」
「……俺の?」
「はいっ! あ、ごめんなさいっ! まだ名前をお伝えしてなかったですよね? わたし、新垣あやせと言います」
 そう言ってあやせは屈託なく笑った。
   ★★★
「……あやせはちょっと難しいと思うよ?」 
 その日の夜、あやせもハーレムに強制参加させたい旨を伝えると、桐乃は腕を組んで一頻り思案した後、言い辛そうににそう告げてきた。本心からの言葉らしく、友人を庇おうとしている気配はない。
「何でだよ? お前とは親友だとか言ってたぞ? だったら罠に嵌めんのも簡単だろうが。それに向こうの方からメアドの交換とか言ってきたんだぞ? ちょっとは俺に、その、気があったりはしねえのかよ?」
「そこいら辺はどうなんだろ? 確かに以前、兄貴のこと優しそうとか言ってたし、印象は悪くないとは思うけど……。ただ、携番やメアドの交換は初対面の相手とも平気でしてるし、単なる趣味みたい。それよりもその、性格が問題って言うか、女同士でエロトークしてても絶対混ざってこないし、少しでもそれっぽい話題が出ると露骨に嫌な顔するし……」
「単に恥ずかしがってんじゃねえか? つうか、平気な顔でエロ話してる方がおかしいんじゃねえのかよ?」
「何言ってんの? エロトークなんて女の子の基本装備じゃん。みんな小学生の頃から普通にしてるよ? 幾ら誘っても混ざってこないあやせの方がおかしいんだってば。確かに恥ずかしいのもあるだろうけど、それ以上に嫌ってるって言うか、あれで結構頑固だからなぁ……」
 桐乃の愚痴を聞きながら、俺はあやせの訪問時のことを思い返してみた。十分程度の他愛のない会話ではあったが、確かに言葉の端々に意志の強さ、もしくは我の強さといったものが表われていたような気がする。桐乃の申告通り性的な事柄に対して拒否感を抱いているならば、堕落させるにはそれなりに手間が掛かるだろう。
 しかし、それは常日頃からそれだけ性的行為を意識しているということでもある。快楽によって嫌悪感を取り除くことさえ出来れば、それまで拒み続けていた分だけ反動が大きくなり、容易に肉欲の虜と化すかもしれない。
「急がなくていいから、何とか隙を見つけ出せ」
「……まあ、頑張ってはみるけど、あんま期待しないでよ? んっと、これであたしと加奈子と、ああ、地味子ね、それにクソ猫とあやせが入ったとして全部で五人か。もうハーレムとしては充分っしょ?」
「馬鹿言ってんじゃねえ。最低でも七人いなかったら、一週間日替わりで楽しめねえだろが」
「うわっ、それこそ最低。んなこと考えてたんだ? でも、あたしが紹介出来んの他にもういないよ? それなりに仲のいい子は何人かいるけど、見てくれの良くないのばっかだし」
「お前の方が最低じゃねえか。見てくれが良くねえとか言ってんだからよ。けどまあ、数より質を優先してえしな。相手が金持ちの娘とかだったら話は別だけどよ」
 俺がそう言うと、桐乃は少しだけ首を傾げた。考え込んでいると言うよりも、自身の記憶を探っているような顔付きだ。
「……あれ? まだ兄貴に言ってなかったんだっけ?」
「あ? 何をだよ?」
「ぐるぐる眼鏡がそうだってこと。つまりその、お金持ちって言うか、大金持ちって言うか、駅の北口に八階建てのマンションあんじゃん? あそこにメイドと住んでんの。なんか親から貰ったとかで、あのマンション全部が自分の部屋なんだって。邪気眼女と一回だけ遊びに行ったことあんだけど、フィギュアの部屋とか食玩の部屋とかガンプラの部屋とかあんの」
「初耳だぞ? つうかマジかよ? 滅茶苦茶金持ちじゃねえか」
「だってあの女の苗字、槇島だよ?」
 その言葉に俺は大口を開いたまま暫し呆けた。槇島家と言えば市内でも有名な資産家だ。不動産取引を本業としながらも、建設や運輸、各種店舗の経営や人材の派遣等々、その事業は多岐に渡っている。
「あたしも知った時は驚いたけど、一人娘って訳じゃないみたい。後を継ぐのはお姉さんだとか言ってたし。なんか家の中がゴタゴタしてるんで、親から許可貰ってあそこに住んでんだって」
「……なら沙織も加えっか。いや、その前に黒猫やあやせについて、お前の知ってることを全部話せ。加奈子のこともだ。色々と計画立てなきゃなんねえしよ」
 俺はそう告げた後、自室のベッドの上で身体を起こし、要点を表計算ソフト上で整理すべくパソコンデスクへと向かった。
   ★★★
 性奴隷候補三人の詳細を聞き出した後、俺は桐乃と共に風呂に入ることにした。自室のクローゼットから持ってきたエアーマットを洗い場の床に敷き、全裸の身体を仰向けに横たえる。
「桐乃、洗え。その後で少しだけチンポ舐めさせてやっからよ。病み上がりだから今日はそれで勘弁な?」
「ええっ? そんだけっ? もう、仕方ないないなあ。あ、でもでも、ちょっと待って」
 そう言って桐乃はマットの端に屈み込むと、半勃起している陰茎を手に取った。笑みを浮かべながら掴んだものに顔を寄せ、親猫に寄り添う子猫のように身体を丸めて背を向けてくる。表情は隠れていて判らないが、荒々しい息が股間全体に当たっているところからすると、汚れた一物の匂いを楽しんでいるのだろう。
「ふはぁ……すっごく臭くていい匂いがするぅ……くふぅ……頭がクラクラしてきちゃうよぉ……」
「臭えのは当たり前だろが。二日も風呂に入れなかったんだからよ。それより早く身体を洗え。のんびりしてたら風邪がぶり返しちまう」
「あれ? 寒いの? んじゃ、あたしが人肌で暖めてあげんね?」
 桐乃はそう告げるや否や、逆向きとなって俺の上に覆い被さってきた。俺の顔を跨いで少しだけ腰を上げ、淫蜜の漏れ始めた秘所を眼前へと差し出してくる。シックスナインの体勢で互いの性器を愛撫し合いたいと言うことだろうが、許可を与えた覚えはない。
「何してんだよ? どういうつもりだ?」
「ん? 暖かくない? まだ寒い?」
「いや、まあ、寒くはねえけどよ」
 確かに肌の触れ合う面積が増えた分、先刻よりは暖かい。間近に見える女性器からは淫臭混じりの熱が放射され、俺の顔を火照らせていく。室内には浴槽に張った湯からの蒸気が充満しており、元々寒気など一切感じてはいなかったのだが、包皮から突き出た淫核を眺めている内に、この状態でいること自体は別段悪くないように思えてくる。
「ならいいじゃん。別にオマンコ舐めてくんなくてもいいから、もう少しこのままでいさせてよ。あたしがオチンポの臭い嗅ぎながらオマンコ汁溢れさせちゃうとこ、じっくり観察でもしてて」
 恥ずかし気もなくそう言って、桐乃は改めて俺の下半身に鼻息を浴びせ始めた。説得をしても無駄だろうと思い、何気なく鼻先の肉溝に目をやると、当人の言葉通り愛液の量が増している。
「ふんふんっ……かはぁ……なんでこんなに臭いのぉ……あふぅ……何度もタオルで拭いてあげたのにぃ……くはぁ……ここなんか白いのがこびり付いてるしぃ……んふぅ……これチンカスってやつだよねぇ? はぁん……兄貴のチンカス美味しそぉ……あんむっ……おぼっ……ぶむっ……」
「おいこら、勝手にフェラすんじゃねえ」
「んぐっ……はふぅ、何か味の薄いチーズみたい。あ、ここにもいっぱい付いてる。ろれっ……はぷっ……ごくっ……ぷはぁ、ん、ちょっと苦いけど美味し。あはっ、オチンポどんどん大っきくなってきてる。チンカスお掃除気持ち良かった? もっともっとお口で綺麗にしてあげんね? はぷっ……もぼっ……」
「チンポだけ洗えとも、口で洗えとも言ってねえだろが。おいこら、聞いてんのか?」
 呼び掛けにも答えず、桐乃は夢中になって口中の陰茎に舌を這わせている。嗅覚だけでなく味覚も刺激してしまったが故に、抑えが利かなくなっているようだ。心地良いのは事実だが、このままでは回復途上にある体力を根こそぎ奪われかねない。止むを得ず力尽くで制止させようとして、俺は自身の顎が僅かに濡れていることに気が付いた。視線を向けると、面前の淫裂は既に大量の体液に塗れており、陰毛や内腿を濡らすだけでは飽き足らず、過剰分を下方へと滴らせている。最早この淫蕩女子中学生に対しては前戯など全く必要ないらしい。俺は深く溜息を吐き、次いで思わず鼻から桐乃の濃密な淫臭を吸い込んでしまい、奉仕を中断させることに躊躇いを覚えつつ、視界の中の淫靡な光景に次第に目を細めていった。
   ★★★
 翌朝。いつもよりも早めに朝食を取り終え、登校の準備を済ませた後、桐乃は玄関で自ら制服のスカートを捲り上げた。壁に手を付いて丸味を帯びた尻を俺の方へと突き出し、真っ赤な穴開きショーツから覗く濡れた秘所を差し向けてくる。俺は薄く笑いながらベルトを外してズボンとトランクスを膝まで下げ、勃起途上の陰茎を一気に膣内へと埋没させた。
「くひはあああっ……四日振りにオチンポ来たああっ……んくふひううっ……入れられただけでもうイっちゃそおおっ……」
「おいおい、あんま激しくケツ振ってくんな。制服汚しちまうぞ?」
「かふひはああっ……好きに汚していいから兄貴も早く突いてええっ……あへはふううっ……いざとなったら別のに着替えてから学校行くからああっ……うくふひいいっ……もうダメもうイく生オチンポ最高おおおおおおっ!」
 一度の絶頂では物足りないのだろう、上半身を少しばかり崩れさせながらも、桐乃は壁に爪を立てつつ更に激しく腰を振ってくる。前後の抽送に円運動を加え、今や完全に屹立した一物を根元まで呑み込んではカリ首まで排出し、下着の布地を徐々に体液で染め上げていく。
「一応言っとくけどよ、今日は特別だぞ? 看病してくれた礼も兼ねて朝からチンポ突っ込んでやってんだからよ。明日からは滅多にこんなことしてやんねえぞ?」
「んふくひああっ……判ったから突いて突き上げてええっ……あひくへううっ……まだイってるから早く早くううっ……かはふひああっ………このままオマンコイきっ放しにさせてええっ……」
「……ったく、しょうがねえな。おらよっ」
 桐乃の動きを阻害しないように注意しながら、俺は腰を荒々しく揺らし始めた。ついでに両腕を伸ばして桐乃のセーラー服の中へと入れ、ブラジャーの上から両の乳首を軽く捻り上げてやる。
「ふぐひはああっ……それいい乳首もっと強くううっ……はがくひいいっ……またイくイっちゃうオマンコ幸せええええええっ! おひぐへああっ……また来るまたイく敏感になってるううっ……ひぎはへええっ……特別大っきいのがオマンコに来るううううううっ!」
 桐乃は背中を大きく反らして四肢を引き攣らせ、腰使いを止めることのないまま接合部に大量の液体を溢れさせた。いつもよりアンモニア臭が強いところからすると、今回は潮を噴いているのではなく単に失禁しているだけのようだ。が、面倒な状況になったことには変わりがない。俺は慌てて膣から肉茎を引き抜き、そのまま数歩後退った。間一髪でどうにかズボンとトランクスを汚されることは避けられたものの、桐乃はそのままズルズルと床に崩れ落ち、自ら作り上げた水溜まりの中に上半身をも浸らせている。
「おい、大丈夫か? ションベン塗れになってんぞ?」
「ひぐはへええぇ……兄貴のオチンポ超気持ちいいのぉ……あはっ、あははぁ……オマンコ付いててほんとに良かったぁ……」
 不安になって桐乃の顔を覗き込んでみると、締まりのない笑みを浮かべたまま口から涎を垂らしている。どうやら通常よりも深い余韻を楽しみ続けているらしい。腕時計で時刻を確認するとシャワーを浴びて着替えるだけの時間は充分にあるが、数日振りとは言えど性交開始からほんの数分でこれ程までに陶酔してしまうのであれば、今後も朝の性交は控えた方がいいだろう。
「お~い、早く戻って来~い。遅刻しちまうぞ~」
 そんな俺の呼び掛けに答えるかのように桐乃は更に小便を放って水溜まりを拡げ、一般的な会話が可能となったのはそれから十数分後のことだった。
   ★★★
 玄関の後片付けに本来不要な時間を取られたものの、何とか余裕を持って学校に到着し、自分の教室に入った途端、俺は先に登校していた麻奈実に手を引かれて校舎裏へと引き摺られていった。途中で文句を言い、手首を掴んだ腕を振り払うことも出来たが、黙って従ってやることにしたのは麻奈実が明らかに発情していた為だ。瞳を潤ませて頬を赤く染め、荒い呼吸を繰り返している。考えてみれば丸々五日間も相手をしてやっておらず、その強引な行動の原因は俺にあるとも言えるだろう。案の定、校舎から独立している機械室の裏手に入って周囲に人気がないことを確認すると、麻奈実は登校前の桐乃と同じようにスカートを大きく捲り上げた。違いはと言えば、互いに正面から相対しての露出行為であったという点と、目の前の幼馴染みは穴開きの下着すら身に付けていなかったという点だ。
「……おい、パンツはどうした?」
「はぁ……だって学校に来る途中で穿けなくなっちゃったからぁ……はぁ……きょうちゃんにやっと会えると思ったらどんどん濡れちゃってぇ……」
 その淫乱極まりない発言に俺は苦笑しながらも納得した。風邪で学校を休む旨は携帯メールで通知しておいたのだが、自慰の許可を得たとは言え週明けの再会を待ち望んでいたであろう麻奈実にとって、この二日間は生殺しに近い状態であったに違いない。
「で、んな場所で俺にどうしろってんだよ?」
「んはぁ……今すぐオマンコにオチンポ入れてぇ……あふぅ……ここで裸になっちゃってもいいからぁ……くぅん……何回オナニーしてもきょうちゃんのオチンポじゃないと駄目なのぉ……」
 そう言われても、いつ誰が来るかも判らないような現在地で裸に剥いたり性交したりする気にはなれない。旧校舎に連れ込んでもいいのだが、麻奈実の荷物が教室にある以上、一時間目の授業に間に合わなかったら問題となる恐れがある。ここは二人で早退し、ホテルにでも行ってゆっくりと慰めてやるべきだろうか。それともこのまま放置しておき、更に肉欲の虜とさせてやるべきだろうか。
「チンポはもう少しだけ我慢してろ。昼休みになったら旧校舎でぶち込んでやっからよ。んなことより、お前に渡すもんがあんだよ」
 思考の途中で俺はあることを思い出し、そう言って自分の鞄を開いた。取り出したのはネット通販で購入した上下組の下着だ。形状は在り来たりだが、どちらも豹柄で布地が厚い。
「ふえ? これ、ぱんつとぶらじゃー?」
 手渡された下着を見て麻奈実は喘ぎ混じりの息遣いを止め、素の口調で問い掛けてきた。それでも性行為を諦めきれないのか、未だに片手で高々とスカートを捲り上げている。
「お前の為に買ったんだ。取り敢えず下だけでも穿いとけ」
「あ、うん。ありがと。でも、ほんとにお昼になったらオマンコに入れてくれる?」
「ああ、約束すっから。その代わし、授業が始まる前にトイレ行ってブラも付けとけよ?」
「うん、判った。じゃあ、下は今ここで穿くね。でもわたし、豹柄とか似合わないと思うんだけど……」
 麻奈実は小さく呟きながら渡されたブラジャーを俺の鞄の上に置き、手早くショーツを身に付けると、再びスカートを持ち上げて見せてきた。
「どう? おかしくない?」
「いいんじゃねえか? たまにはそういう柄もいいだろ?」
「うん、言われてみればちょっと新鮮な気分かも。似合ってるかどうかはあんまり自信ないけど、きょうちゃんから貰った物だし、そのことはとっても嬉しい」
 何度も俯いて自らの下半身を確かめた後、麻奈実は淫靡さの欠片もなく素直に笑った。多少でも気に入ってくれたのならば、俺としても喜ばしい限りだ。
「穿き心地はどうだ? 違和感とかねえか?」
「うん、ちょっとごわごわしてるけど穿き心地は悪くないよ。あ、けど、なんか固い物が当たってるような……」
「その点は気にすんな。こういうことだ」
 素っ気なく告げた後、俺は隠し持っていたリモコンのスイッチを押した。無論、ショーツの股布部分に埋め込んであるローターを起動させる為にだ。途端に麻奈実は奇声を上げ、両手を自身の股間に当てて前屈姿勢となった。困惑した表情と両脚を忙しなく震わせている点を除けば、勃起した陰茎を隠そうとする男子中学生のようにも見える。
「はにゃうっ……きょうちゃんこれ動いてるうっ……ふへあっ……ぱんつの中で何か動いてるよおっ……」
「そういうもんを買ったのに動かなかったら不良品だろうが。心配すんな。消音ローターと厚手の布地により振動音は一切漏れません、ってのが売り文句の商品だからよ。確かにこんだけ近くにいても聞こえて来ねえしな。一応は最大レベルでも音漏れしねえか確認しとくか」
「んくはひあっ……きょうちゃん待ってこれダメえっ……あひくふうっ……当たってるクリトリスに当たってるのおっ……かふひはあっ……またぱんつ穿けなくなっちゃううっ……」
「もっと小声で話せ。音がしなくてもお前の声でバレちまうだろうが。それにそのパンツな、ローターの下に交換式の吸水シートってのが入ってっからよ、思う存分マン汁垂れ流せ。後で予備のシートも渡してやっから、休み時間毎にトイレ行って自分で入れ替えとけ」
 ローターの振動を一旦弱め、動作をランダムに設定しつつ俺がそう言うと、麻奈実は物置の壁に片手を着いて身体を支えながら、怖ず怖ずと問い掛けてきた。
「んくぅ……休み時間毎ってぇ……はぁ……それってまさかぁ……ふはぁ……一日中このままってことじゃないよねぇ……はぁ……そんなのわたし耐えられないよぉ……」
「馬鹿だな、お前は。んな訳ねえだろが」
「はぁ……そうだよねぇ……くふぅ……きょうちゃんはそんなことしないよねぇ……」
「プレゼントしてやったのは上下組の下着だぞ? ブラの方も乳首んとこにローター入ってっからよ、両方付けて昼休みまでに決まってんじゃねえか。けど、絶対に教室やトイレでイったりすんなよな? 一度でもイったら昼に相手してやんねえぞ?」
   ★★★
「んぁ……くぅ……ふぁ……はぅ…」
「おい、もうちっと声を押し殺せ」
「ひぁ……頑張ってるけどぉ……あぅ……もう無理だよぉ……」
 淫具入りの下着を手渡してから後、二時間目が終わる頃には麻奈実は息も絶え絶えの状態となっていた。真っ赤な顔を苦悶に歪め、荒い呼吸と共に小さな呻き声を上げ続けている。無論それは俺の指示が原因であり、予めクラスの奴らには「体調が悪く、熱があるらしい」と告げてはおいたのだが、今では周囲に濃密な淫臭をも放ち始めており、このままでは教室内での調教が発覚し兼ねない。仕方なく俺はリモコンを操作して全てのローターの振動を止めてやり、後の予定を変えることにした。
 延々と焦らした後に深々と膣を犯し、午後は前後の穴にも直接ローターを突っ込んでおくつもりでいたのだが、今の麻奈実の状態からすると昼休みになるまで耐えられる筈がない。かと言って一度でも果てさせてしまえば抑制が効かなくなり、恐らく授業中であろうとも性交を切願し、淫語すら平気で口にし始めるだろう。幼馴染みのそんな姿を鑑賞するのも悪くはないが、周囲から白い目で見られることは確実だ。場合によっては停学や退学、無事卒業出来たとしても長らく話題にされることは間違いなく、そこまでの覚悟を持って始めた行為ではない以上、計画の変更は致し方ないところと言える。
 だが、鞄に詰めてきた各種の淫具を使わずに持ち帰るというのも味気ない。大した重さではないものの、その搬送に消費したカロリー分くらいは麻奈実の反応を楽しみたいところだ。となれば、隣の校舎では調教場所として少々役不足かもしれない。
「もう少し我慢してろ。昼休みになったら――」
 早退してラブホテルに連れてってやる、と告げるつもりでいたのだが、俺は隣席の様子を見てその言葉を呑み込んだ。麻奈実は机の上に半身を伏せたまま俺の方へ蕩けた横顔を向け、口の端からノートの上へと涎を垂らしている。今朝の桐乃と何ら変わりのない表情だが、余韻に浸っている訳でも気が触れた訳でもないらしく、よく見れば左手をスカートの中に入れて蠢かせており、机に乳房を押し付けながら自慰を始めてしまったらしい。二時間近くに渡っての肉悦を受け、最早理性の大半が吹き飛んでしまっているのだろう。
「あふぅ……くはぁ……はふぅ……んひぁ……」
 僅かに残った判断能力の御陰か、その喘ぎ声は平素に比べれば随分と抑えられているが、それでも熱病に浮かされているとは到底思えないような淫靡な響きが混じっている。室内の最後列ということもあり、幸いにして此方に顔を向けているクラスメイトはいないが、最早気付かれるのは時間の問題だ。
「おい、麻奈実。落ち着け」
 小声で言って肩をそっと揺らしてやると、麻奈実は何を勘違いしたのか、俺のその手を力強く掴んで自らのスカートの中へと導いた。布地の内側は熱気が籠もっており、掌に押し付けられた内腿はしっとりと汗ばんでいる。微かに指先を濡らしてくるのは吸水シートに収まり切れなかった愛液だろう。汗ではない証拠に粘り気を帯びている。
「ふはぁ……きょうちゃあん……んふぅ……指でいいから入れてぇ……はぁん……何本入れちゃってもいいからぁ……くはぁ……オマンコ指で掻き混ぜてぇ……」
 その小さな囁き声が他の級友達に届いていないことを祈りつつ、俺は麻奈実の手を振り払ってスカートの中から腕を抜き、今すぐ二人で早退する為に教壇に向かって声を放った。
   ★★★
 俺自身が昨日まで風邪で休んでいたこともあり、傍目には具合が悪そうに見える麻奈実と共に早退するのは簡単なことだった。無論、その後は校舎を出て通い慣れたラブホテルへと向かい始めたのだが、平日の午前中ということもあって街に人気は少なく、その状況を少しばかり楽しみたくもなってくる。麻奈実はと言えば片手で鞄を提げ、もう一方の手をスカートのポケットに入れたまま覚束ない足取りで隣を歩いている。普段ならばそんな生意気な態度を俺の前で見せることはないのだが、ポケットに差し入れた手で絶えず股間に触れているのだろう。教室内での自慰の時以上に顔は紅潮しており、路地裏で犯してやるとでも言えば即座に尻を差し出して来そうな気配だ。街中で白昼堂々青姦というのも楽しそうではあるが、真性マゾの扱い方としては幾分物足りなくもある。
 そのまま歩を進め、途中にある商店街へと差し掛かると、俺は麻奈実の手を引いて店舗の物陰へと引き入れた。麻奈実は再度勘違いをしているらしく、慌てた様子で路上に鞄を置き、スカートの中に両手を入れてローター入りのショーツを脱ぎ始めている。
「おい、何やってんだよ?」
「ふえっ? だって、ここでセックス……」
「早とちりすんな。パンツ脱ぐのは正解だけどよ」
 呆れながらそう告げた後、俺は自身の鞄を開けて中から成人用オムツを一枚取り出した。
「取り敢えずそのまま脱げ。んで、スカート捲り上げろ」
「あ、うん。でも、それって何? 紙おむつ?」
「いいから早くしろ。人が来ちまうかもしんねえだろが」
 強い口調でそう言うと、麻奈実はいそいそと指示に従った。その剥き出しになった下半身に手早くオムツを付けてやり、スカートを元の状態に戻させる。
「いいか? 今から俺の言うことをちゃんと聞けよ?」
「う、うん。でもわたし、いつもちゃんと聞いて――」
 穏やかな口振りでそう言い掛けた麻奈実の頬を、俺は無言で乱暴に叩いた。当然ながら力の加減をしてはいるが、打たれた頬は徐々に赤く染まりつつある。少々やり過ぎたかとは思ったが、当の麻奈実は叩かれた箇所を擦りつつ嬉しそうに微笑んでおり、結果的には正しい対応だったと言えなくもない。
「はぁ……きょうちゃあん……くふぁ……御主人様ぁ……」
「ビンタぐれえで盛ってんじゃねえ。いいか、一々口答えすんな。判ったな?」
 その言葉に麻奈実が真剣な顔で首肯するのを見届けてから、改めて命令を言い渡す。
「この先に本屋があんだろ? そこに一人で行ってSM関係の雑誌や漫画をこれで買えるだけ買ってこい」
 そう言いながらブレザーの内ポケットから財布を取り出し、麻奈実の手に五千円札を握らせる。
「で、でも、どんなのを買ったらいいか……」
そう言い返してきた麻奈実の頬を俺は再び勢い良く打った。
「だったら店員に聞けばいいだろが。SM関係の本を買いたいんですけど、どれがお勧めですかってよ。いや、そっちの方が面白えな。自分で判断せずにそうしろ」
「う、うん。判った。でもわたし、あそこの本屋さん、よく行くんだけど……」
 少しばかり意気消沈した様子の麻奈実に往復ビンタを与えてやってから、更に厳しい声で問い掛ける。
「嫌なら別にいいんだぞ? つまり、お前は俺の命令よりも行き付けの本屋が大事だってことだな?」
「ううんっ、違うのっ、きょうちゃんの方が大事なのっ。きょうちゃんが一番大事なのっ」
「だったら四の五の言ってんじゃねえ。んで、レジで金払ってる間に店員の前で小便して来い。その為にオムツ穿かせてやったんだからよ。見るからに気持ち良さそうに漏らしてくんだぞ? 判ったな?」
 短い沈黙の後、麻奈実はその言葉にも頷いた。
   ★★★
 その後の行動は敢えて監視せずにいたのだが、物陰でのやり取りから数十分後、大きな袋を手に戻ってきた麻奈実を見て俺は口の端を歪めた。瞳は完全に虹彩を失い、表情は弛緩し切っている。矢張り羞恥心に関しての調教は高い効果があるようだ。とは言え、予想よりも時間が掛かった点については多少の疑問も感じた。何か問題があったのかと思い、平素の口調で尋ねてみる。
「遅かったじゃねえか。何かあったのかよ?」
「えっと、その、オシッコ止まんなくなっちゃって、それで、その……」
 口籠もる当人からその時の状況を詳しく聞き出してみると、オムツ一枚で吸収可能な分量以上の小便を漏らし、結果としてレジ前の床にも垂れ流してしまい、店員に詫びて掃除を手伝ってきたとのことだった。ちなみに対応してくれた店員は残念なことに女性で、SM雑誌について問い掛けたこともあり、清掃中もずっと怪訝な表情を浮かべていたらしい。
「それでその、凄く変な目で見られちゃってたから、オシッコする時にイっちゃって……」
「あ?」
「お掃除してる時もずっと変な目で見られてて、雑巾で床を拭きながらオムツの中にまた少し漏らしちゃって、それでまたイっちゃって……」
 朝から特に飲料水の類を多目に飲ませておいた訳ではないのだが、その量や頻度からすると、どうやら麻奈実の中では快楽と排尿が密接な結びつきを持ち始めているようだ。今回は放尿の恥ずかしさを他人の蔑んだ視線が増幅させ、身の置き所の無さが鮮烈な刺激となって絶頂を迎えたということだろう。二度目の排泄及び絶頂は、新たな愉悦が精神と肉体に確実に刻み込まれたが故に引き起こされたものと考えられる。
「んじゃ、お前、その店員の前で二度もイったのかよ?」
「お掃除の途中で漏らしちゃったの二回だから、全部で三回……」
 その返答に俺は失笑したが、麻奈実は明らかに気落ちしていながらも、まだ何か言い足りな気な顔付きでいる。
「んだよ? 他にも何かあったのか?」
「うん。三回目の時、ついオマンコイくって叫んじゃって……」
 俺は堪え切れずに噴き出し、一頻り腹を抱えて笑った後、麻奈実の肩を軽く叩いた。
「あんま心配すんな。近くに別の本屋もあんだからよ。もし欲しい本がそこになかったら、俺がネットで買ってやっから」
「う、うん、ありがと。でも、それより早くセックスして欲しいな。オシッコで濡れちゃった制服も脱いで乾かしたいし……」
「だから急いでホテルに行こうってか? んだよ、三回もイったのにまだ物足んねえのかよ?」
「だってまだ、きょうちゃんのオチンポ入れて貰ってないでしょ? ちゃんとオマンコ虐めて貰わないと、わたし、わたし……」
「判った判った。んじゃ、コンビニで昼飯買ってからな。飯喰って風呂入って、そのションベン臭えマンコを洗ってからだぞ?」
 臭い、という言葉に反応したのだろう。俺がそう言うと、麻奈実は大きく身悶えしながら甘く息を吐いた。
   ★★★
 ラブホテルでは一般的な部屋を選び、購入したばかりの四冊のSM本を眺めながらコンビニ弁当とペットボトルのお茶とで昼食を済ませると、俺は予定通り麻奈実と一緒に風呂に入ることにした。
脱衣の途中、肉欲の虜と化している幼馴染みは何度もその場での膣内挿入を願い出て来たが、俺はそれを断わった。陰茎には充分精力が漲っているが、極力無駄遣いは控えておきたい。何しろ三日後には加奈子の調教が控えている。
「だったらオチンポ洗わせてぇ。お願い、きょうちゃあん」
 切なげな訴え掛けに仕方なく頷いてやると、麻奈実は洗い場の風呂椅子へと腰掛けた俺の前に屈み込み、一物を躊躇なく咥え込んだ。口ではなく手で洗わせるつもりでいたのだが、舌を忙しなく動かしながら幸せそうに微笑んでいる姿を見ると、文句を言う気も失せてくる。
「おぶっ……むごっ……美味ひいよぉ……あむっ……んぼっ……きょうひゃんのオヒンポぉ……ぐぶっ……うぼっ……とっても美味ひぃ……」
「そら良かったな。ちゃんと袋の方も綺麗にしろよ?」 
 口での奉仕を続けながら麻奈実は嬉しそうに目を細めて首肯し、茎部をから一旦口を離すと、更に前屈みになって陰嚢を繰り返し舐め始めた。数日間放置しておいたことが功を奏したのか、その舌使いは明らかに以前よりも巧みで、男性器に対する深い愛情が感じられる。
「れろっ……ここも美味ひぃ……べおっ……オヒンポ美味ひぃ……」
 元から被虐的な資質が高かったとは言え、股間全体に熱心に舌を這わせている姿は性奴隷としてそれなりに様になっている。桐乃も含め、そろそろ調教内容を次段階へと移行させるべき頃合いなのかもしれない。新たな奉仕方法や露出行為、尻穴性交に直腸射精、その他の特殊プレイや淫具の取り扱い等々、覚え込ませたいことは幾らでもある。
「はぷっ……きょうひゃんはどうぉ? んろれっ……オヒンポ気持ひいい?」
 そんな問い掛けに我に返って視線を向けると、麻奈実は淫欲に満ちた表情で俺の顔を見上げてきていた。陰毛の張り付いた唇を裏筋に押し付け、上目遣いのまま亀頭に舌を絡めてくる。
「ああ、気持ちいいぞ。上手くなったよな、お前」
「あぷっ……嬉ひぃ……んちゅっ……もっろもっろ綺麗にひゅるねぇ……」
「もうチンポはいいからよ。お前は自分の身体を洗え」
「ふえっ? 何で? まだお尻の穴とか舐めてないよ?」
 麻奈実は肉棒から僅かに口を離して不思議そうに首を傾げたが、指示を与えてもいないのに尻穴を舐めるつもりでいたその言葉に、俺は頬を緩ませた。
「ケツ穴はまた今度舐めさせてやっからよ。とにかくマンコを綺麗にしろ。じゃねえといつまでもセックスお預けだぞ?」
 その言葉に麻奈実は首を何度も横に振って嫌々をすると、焦った素振りで備え付けのボディシャンプーのボトルに手を伸ばした。
   ★★★
 入浴を終えてベッドの上に場所を移すと、俺は仰向けに寝た麻奈実の両脚を大きく開かせ、その間へと座り込んだ。前屈みになって内腿に手を当て、肉溝にゆっくりと舌を這わせていく。麻奈美は久し振りの前戯に当初戸惑っていたようだったが、すぐに自ら腰を大きく浮かせ、幸せそうに喘ぎながら感謝の言葉を述べてきた。
「んはあっ……嬉しいよおっ……くふうっ……きょうちゃんが舐めてくれてるうっ……かはあっ……だらしないわたしのオマンコおっ……あふうっ……優しく舐めてくれてるうっ……」
 俺としては数日間に及ぶ放置プレイの単なる埋め合わせのつもりだったのだが、麻奈実は深く感じ入っているのか微かに涙声だ。時々顔に手を当てているところを見ると、目尻の水滴でも拭い取っているのだろう。それ程までに喜んでくれるのならばもう少し対応を考えてやりたい。
 俺は行為を中断して麻奈実の身体に寄り添い、濡れた瞳を覗き込みながら何度も唇を重ねてやった。そうしながら乳房を揉み、乳首を摘み、陰毛の上から下腹部を擦り、局部全体を右手で包み込んで揉み解してやる。麻奈実も鼻息を荒くさせながら屹立した一物へと手を伸ばして扱き始め、俺たちは互いの性器を愛撫し合いながら延々と舌を絡め続けた。
「んもぶっ……ぐぷぽっ……ぷはぁ、きょうちゃん来てえっ……くひうっ……もうわたしの中に来てえっ……ひはあっ……このオチンポで思い切り犯してえっ……」
 長い口付けの後、麻奈実は口の周りを唾液塗れにさせたままそう言い放ち、陰茎を掴んだ手の動きを速めた。当人の性器は今や夥しい量の痴蜜を漏らし、未だその箇所に押し当てている俺の手は粘液で隈無く覆われている。ヌラリとした感触の中で一際硬い淫核の尖り具合を確かめつつ、俺は小さく首を横に振って麻奈実の耳元に囁き掛けた。
「チンポはもう少しお預けだ。代わりに手でイかせてやっからよ」
 言い終えると同時に膣内に指を二本潜り込ませ、Gスポットを荒々しく刺激してやる。途端に麻奈実は嬌声を上げて腰を大きく浮かし、そのまま俺の掌に生温かい潮を浴びせ始めた。予想通り既に絶頂間近だったらしい。
「ふくひあああっ……きょうちゃんそれいい気持ちいいいいっ……かはくひうううっ……イってるオマンコもうイっちゃってるよおおっ……はうひへあああっ……またイくイっちゃうイっちゃうよおおっ………あへふひいいいっ……きょうちゃんの指でオマンコイっくううううううっ!」
「どうだ? たまにはこうして指チンポでイくのもいいだろ? このまま暫く潮噴き出してろ」
「おぐふひあああっ……指オチンポ凄い凄いいのおおっ……くはふぎうううっ……グリグリってされてオマンコ溶けちゃうううっ……んがふひいいいっ……身体の中身が全部出ちゃうよおおおおおおっ!」
 麻奈実の叫び声に俺は眉根を顰めた。小便なら未だしも、シーツの上で脱糞などされたら一気に性欲が失せてしまう。数瞬迷ってから取り敢えず指を引き抜き、濡れた指先を当人の顔に押し当てて付着した牝汁を返却しておく。
「あがはへええっ……何でぇ……んくふはぁ……何で止めちゃうのぉ?」
「お前がウンコ漏らすようなこと言うからに決まってんじゃねえか」
「くひはぁ……いくらわたしでもそんなことしないよぉ……はふぅ……きょうちゃんが汚いの嫌いなの知ってるもぉん……」
「お前の身体の反応は今一つ信用出来ねえんだよ。何にしても一旦休憩だ。この後チンポ入れてやっからよ。お前も顔のマン汁拭いて、少し身体を休めとけ」
 俺がそう言うと麻奈実は自らの頬に手を当て、指先に張り付いた体液の匂いを嗅ぎながら僅かに顔を顰めた。
   ★★★
 濡れたシーツを掛け布団で覆い、その上で後背位にて交わり始めると、麻奈実は挿入から数十秒で容易く絶頂を迎えた。余程性交が待ち遠しかったのだろう、膣壁は陰茎に吸い付いて適度な圧力で締め上げ、果てると同時に小刻みに蠢いてくる。当人の精神以上にその肉体は久し振りの性交を喜んでいるようで、尻穴さえも絶えず開閉を繰り返し、触れられることを待ち望んでいるかのようだ。期待に応えてやろうと左手の親指を根元まで腸内に押し込んでも嫌がる素振りは全くなく、麻奈実は俺以上に激しく腰を揺らしてくる。
「んくはあっ……またイっちゃうっ……あはふうっ……またオマンコイっちゃうよおっ……」
「……お前、他に言うことねえのか? ケツ穴に指入れないでくれだとか」
「かひはあっ……だってきょうちゃんはわたしの御主人様だからあっ……くふひうっ……こうしてセックスして貰えるなら何されてもいいのおっ……ふくひあっ……きょうちゃんときょうちゃんのオチンポが喜んでくれるならあっ……はくふうっ……どんなことでもわたしは嬉しいのおっ……」
「別にお前が気にしねえんだったらいいんだけどよ。その内ここにもチンポ突っ込むんだから、暇な時は指突っ込んで拡げとけ。ケツ穴でのオナニーなら家で何度しててもいいからよ」
 その言葉に麻奈実は振り返ることなく首を縦に何度も振った。いや、単に悶えている姿がそう見えたのかもしれないが、耳に届いてはいる筈だ。とすれば、後は帰り掛けに持参してきた淫具を全て持ち帰らせばいい。道すがらアナルバイブと浣腸器の使い方を教えてやれば、勝手に尻穴を拡張して常時挿入可能な状態にしておいてくれることだろう。
「くひはあっ……だったら毎日たくさんするうっ……あひふうっ……お尻の穴でオナニーいっぱいいっ……ふかはあっ……きょうちゃんに犯して貰えるとこ想像しながらあっ……かふひうっ……部屋に籠もって弄り続けてるううっ……」
「まあ、回数や時間は程々にな。んじゃ、今からまた奴隷ゴッコだ。自分が何されてるのか言ってみろ」
「ふかはあっ……動物みたいに後ろからあっ……あくひうっ……御主人様にチンポを入れて貰ってますうっ……んひはあっ……太くて硬くて立派なチンポでえっ……くはふうっ……マゾマンコ虐めて貰ってますうっ……んはひいっ……御主人様イきますマンコまたイくうっ……おほはひへえっ……メスブタマンコイくイくイくイくううううううっ!」
 抽送の速度を特に速めてもいない俺からすれば、麻奈実は一人で腰を振って好きに果てていると言ってもいい状態なのだが、それでもまだ満足するには程遠いようだ。その腰使いは更に勢いを増し、愛液だけでなく微量の腸液すらも挿し入れた指の隙間から排出させている。現在の姿勢からでは見えない淫核を試しに右手で探ってみると、触れた感触から一センチ前後にまで肥大させていることが判る。ついでとばかりにその部分を強く押し潰してやると、麻奈実は一際高い声を放って淫裂から大量の潮を噴き出し始めた。
「あくはひいいいっ……クリトリス気持ちいいですううっ……んくはへえええっ……身体がどんどん緩んじゃううううううっ! うぐかはへあああっ……またイくチンポと指でイくううっ……がはふひいいいっ……マンコもお尻も全部イくううううううっ!」
「お楽しみのところ悪いんだけどよ、お尻じゃなくてケツマンコな。おら、言い直せ」
そう言いながら子宮口を突き上げてやると麻奈実は前のめりに崩れ落ち、四肢を引き攣らせながら大きな尻を不規則に震わせた。
「あぐひへえええっ……ケツマンコケツマンコおおっ……ふぎはへあああっ……オマンコだけじゃなくケツマンコでもイっちゃってますううううううっ! おごくはひいいいっ……クリトリスもどんどん気持ち良くなるうううっ……んがぐひへあああっ……クリとマンコとケツマンコでイくううううううっ!」
   ★★★
 延々と果て続けてて満足したのだろう、射精を終えた後に膣内から陰茎を引き抜くと麻奈実は即座に身体を起こし、胡座を掻いた俺の股間に顔を埋めてきた。放ってやったばかりの精液を秘裂から掛け布団へと垂れ流しながら、猫のように裸身を丸めて茎部に付着した体液を舐め取っていく。俺はその頭を優しく撫でてやりながら、次に何をさせようかと思い悩んだ。時間はまだ充分にあるが、その間ずっと性交し続けている訳にもいかない。帰宅後のことを考慮すると、この場ではあと一、二回の精放出が限度といったところだ。
「なあ、麻奈実」
「はぷっ……んちゅっ……ふはぁ、何ですか御主人様ぁ?」
「セックス以外で何かして欲しいこととかあるか? やってみてえこととかよ」
 俺の問い掛けに麻奈実はゆっくりと顔を上げ、首を傾げて眉間に皺を寄せた。
「それってやっぱりエッチなことに関してだよねぇ? えっと、何かあったかなぁ?」
 少しばかり気が抜けているのか、いつもの口調に戻りながらも、麻奈実は真面目な顔で考え込んでいる。
「何でもいいぞ? その代わり必ずしてやるとは限んねえかんな。俺の好みでなければ却下だ」
「う~ん、いっぱい気持ち良くして貰ったし、こうしてオチンポのお世話もさせて貰えてるし、今は特にないかなぁ。あっ、そうだ。ちょっと待ってて」
 麻奈実はそう言うと徐ろに立ち上がってベッドから降り、隣のリビングヘと姿を消した後、すぐに一冊のSM本を手に戻ってきた。
「お弁当食べながら見てて思ったの。これ、こういうのして欲しいかも」
 開かれた頁の右には亀甲縛りされた女性がリード付の首輪を嵌めて野外で犬のように放尿している写真が、左には同じ女性の精液塗れの顔が掲載されている。
「どっちだよ?」
「えへへっ、両方」
 つまり、野外露出放尿プレイの後、顔面に精液をぶち撒けて欲しいということのようだ。
「ったく、難易度の高えこと望みやがって。どうしてもって言うならその内にな。他に今すぐ出来そうなことねえのかよ?」
「じゃあ、えっと、どこだったかな? あ、これこれ、こっちのこれは?」
 頁をパラパラと捲った後に指先で示されたのは、全裸の女性がM字開脚したまま股間に手を当てて淫唇を開き、床に敷いた砂の上へと放尿している写真だった。
「……お前、単に小便するとこを俺に見られてえだけなんじゃねえのか?」
「あ、うん、そうかも」
「まあ、その程度のことならいっか。んじゃ、少し休んだらもう一回風呂場な。ちゃんと見ててやっからよ」
 俺がそう告げると麻奈実は先刻と同じように立ち上がり、床に降りて隣室へと足を向けた。
「おい、休んでからって言ったろうが。今すぐの話じゃねえんだぞ?」
「うん、判ってる。その時にオシッコいっぱい出せるように、飲み掛けのお茶飲んでくるだけだから」
 返ってきた言葉を鼻で笑ったものの、疲労感が一気に増した気がして俺は深く溜息を吐いた。
   ★★★
 実際に放尿の許可を与えてやったのは、それから十数分後のことだ。麻奈実は洗い場に立ってガニ股になり、少しばかり力みながら両手で下腹部を押さえ、幾分距離を取った俺の正面で心地良さそうに小水を放ち始めた。
「おいこら、普通は座ってするもんじゃねえのかよ?」
「んっ……だってこの方がぁ……くぅ……きょうちゃん良く見えるでしょお?」
視線を受けて昂奮しているのか、麻奈実は小便を続けながら淫核を勃起させている。全身の肌は赤く染まり、乳頭をも膨らませ始めているようだ。性交中ならばともかく、単なる放尿では然程気分が昂ぶることはないだろうと考えてはいたものの、そんな反応を見ていると萎えていた陰茎に自然と力が籠もってくる。
「なら、もう少し大きく脚開け。腰も前に突き出してみろ。但し、俺に掛けんなよ?」
「はふぅ……うん、判ったぁ……くはぁ……きょうちゃんもっと見てぇ………んふぅ……わたしがオシッコしてるところぉ……うはぁ……見られてるだけで気持ちいいのぉ……ひふぅ……もっと近くで見つめててぇ……」
 透明な液体を下方へと漏らしながら、麻奈実はそう言って指示に従った。幼馴染みの放尿に特化した場面を見る機会などそうはなく、希望通りに数歩近付いて鑑賞してやると、床で跳ねた小水が足元を微かに濡らしてくる。それでも特に嫌な気分になることもなく、その様子を見守り続けている内に排泄は終わり、麻奈実は上気した顔を俺に向けて悩まし気な息を吐いた。
「はぁん……全部見られちゃったぁ……ふはぁ……オシッコするとこ全部ぅ……」
 そう言って身体を寄せて来た後に膝立ちになり、勃起した一物を手に取って乳房の先に押し付けている。そのままパイズリでもしてくれるのかと思ったが、いつもより期待に満ちた表情で見上げてくるところからすると、どうも奉仕の許可を得ようとしている訳ではないらしい。
「んだよ? 何がしてえんだ?」
「今度はきょうちゃんがするとこ見せてぇ」
「あ?」
「だからぁ、このままオシッコしてぇ。わたしの身体にオシッコ掛けてぇ」
 事前にそんな約束などしてはおらず、一瞬呆気に取られたものの、相手の放尿場面を見た後ではそれも悪くないような気がしてくる。丁度周囲に漂うアンモニア臭に誘われ、少しばかり尿意を催し始めていたところだ。
「んじゃ、今日は特別だかんな。そのままチンポ掴んでろ」
 そう告げてから俺が下腹部に力を込めて小便を始めると、麻奈実は嫌な顔一つせずに肉茎の向きを変え、自身の左右の乳房や股間へと放出先を切り替えていく。
「んはぁ……きょうちゃんのオシッコぉ……あふぅ……御主人様の黄色いオシッコぉ……」
「んだよ、小便掛けられて嬉しいのか?」
「だってきょうちゃんのオシッコだからぁ……はふぅ……きょうちゃんのなら何でも嬉しいのぉ……くはぁ……オシッコの匂いまで愛しいのぉ……」
「……お前、ある意味凄えよな」
「えへへぇ……褒められても何にも出せないよぉ……あんっ……でもオシッコならもうちょっとだけ出せるかもぉ……」
 こうして俺と麻奈実は十数年に及ぶ付き合いの中で、初めての連れションをすることになった。
   ★★★
 一旦シャワーを浴びた後、俺は麻奈実を連れて再びベッドの上へと戻った。もちろん性交する為だが、先刻と同じ内容では詰まらない。正常位で膣内に陰茎を突き入れてから淫核に吸引ローターを付けてやり、乳首は金属製の専用クリップで挟んでやる。適当なところで後背位に移行し、大中小三本の拡張用アナルスティックを尻穴に二セット挿し込んでやっても麻奈実は何の文句も言わず、ただ繰り返し果て続けた。
「うがふひいいっ……またイく凄い気持ちいいよおおおおおおっ! おぐへあああっ……身体全部が気持ちいいいいいっ……ふぎはへえええっ……きょうちゃんもっと虐めてええええええっ!」
「んなこと言われてもなぁ。こんなことしか思い付かねえぞ?」
 俺はそう告げて六本のアナルスティックを一気に抜き取り、そのことで再び絶頂を迎えている麻奈実の菊門に極太のバイブレーターを押し込んだ。直径は俺の肉茎の一・八倍程もある前穴用の代物だ。ポッカリと開いていた肛門はその先端を容易く受け入れ、より奥へとねじ込んで行く度に周囲に腸液を溢れさせてくる。
「はぎへあああっ……お尻が裂けちゃいそおおおっ……あぐふうううっ……痛いの好き痛いの大好きいいいっ……」
「……やっぱ、あんま虐めにはなってねえよな、これ」
 麻奈実と共に腰を前後に動かしながら、シーツの上に置いた袋の中身を改めて確認してみるが、どの淫具を使っても結局は悦ばせることになってしまいそうだ。一番の虐待は直ちに肉棒を引き抜くことだろうが、既に射精の準備段階に入っていることもあり、そんな気にはなれない。
「となると、後はこんなことぐらいか……」
 俺は呟きつつバイブレーターの根元に振れ、そこで初めてスイッチを入れた。スライド・スイッチを強の位置にまで押し上げられた疑似男根は、くぐもった音を立てて勢い良く腸内を掻き回していく。
「んごはへえええっ……お尻いいいっ……ひぎはぐうううっ……お尻の中で暴れてるうううっ……ほげふひいいいっ……何これ凄いよ凄過ぎるよおおおおおおっ!」
「んだよ、もうケツ穴でイってんのか? 適応能力高過ぎんだろが」
「かはぎへあああっ……だってオチンポで突かれながらこれってえええっ……うごふぎいいいっ……指入れられた時とは全然違うからあああっ……あぐふへえええっ……またイくイっちゃうイぐううううううっ!」
「まあ、確かに気持ちはいいよな。チンポにも振動伝わってくるしよ。つうか、お前もうこれ以上ケツ穴拡げる必要ねえだろ? こんな太えバイブが入んなら、俺のチンポも普通に入れられそうだしよ」
「おごひぎいいいっ……おひりオマンゴ凄いいいいっ……あがはぐうううっ……まらイぐイっひゃううううっ……んがふひあああっ……オマンゴとおひりでイぐふぎはへええええええっ!」
「……無視かよ。んじゃ、罰としてこっちも最大な」
 そう言って俺は接合部で揺れる吸引ローターのスイッチへと手を伸ばした。
   ★★★
 明らかに衰弱した様子の麻奈実を家へと送り届け、田村家の面々に挨拶をしてから帰途に就く。途中でコンビニエンス・ストアに立ち寄って適当に買い物をし、遊具の乏しい小さな公園に差し掛かったところで、俺は偶然加奈子を見つけた。桐乃と同じセーラー服を着てベンチに座り、顔を上空へと向けて夕闇を眺めている。整った顔立ち、小さな身体、時折風に揺れるツインテールの長い髪。どことなく水彩画を思わせるような情景だが、口に咥えているのは明らかに火の点いている煙草だ。人気のない公園で寂し気な表情を浮かべて紫煙を立ち上らせている姿は、公営ギャンブルで大敗したオヤジが途方に暮れているように見えなくもない。
 俺は少し悩んだ末、園内に足を踏み入れて声を掛けてみることにした。何と言っても三日後には性交渉を持つ予定の相手だ。恐らく会話が弾むことはないだろうが、人柄を把握するいい機会であることは間違いない。
「お前、煙草吸うのか」
 横合いからの俺の声に加奈子はビクッと肩を竦め、恐る恐ると言った素振りで此方に視線を向けてきた後、煙草をゆっくりと口から離して深く煙を吐き出した。
「……誰かと思ったら桐乃の兄貴かよ。いきなり声掛けてくんな。補導員かと思ったじゃねーか」
「一応は罪の自覚があるようだな」
「あん? 説教する気かよ?」
「んなつもりはねえけどよ」
 そう言って俺は更に歩を進め、少しばかり間を空けて加奈子の右隣へと腰を下ろした。次いで相手の眼前に左の掌を差し出す。
「あんだよ、この手は? 口止め料でも寄越せってか?」
「俺にも一本くれよ」
 その言葉に加奈子は一瞬目を丸くしたが、すぐに薄く笑って通学用らしきバッグの中から小さな巾着袋を取り出した。不自然に膨らんでいるそれを俺の手の上へと載せ、居丈高な口調で声を放ってくる。
「特別に二本までタダで吸わしてやんよ。三本目からは金払えよな?」
 俺は苦笑しつつ袋を開け、中身を取り出して眉間に皺を寄せた。
「……おい」
「あんだよ?」
「何で女子中学生が缶ピー吸ってんだよっ? もっと軽いのか、メンソール系にしろっ」
 袋に入っていたのは五十本入りのピース缶、つまりはニコチンやタールを吸収するフィルターの付いていない両切り煙草のパッケージだ。他に百円ライターも二つ入っていたが、シガレットホルダーと呼ばれるプラスチック製の吸い口等は見当たらない。よくよく確認してみれば、加奈子は煙草の片端を押し潰し、そこに直接口を付けている。
「これが一番美味えからに決まってんじゃねーか。軽くちゃ物足んねーしよ。それにメンソールなんてのは女子供の吸うもんだべ?」
「お前は女で、しかも子供だろーがっ!」
「うっせーから怒鳴んなよ。てか、もしかして両切りの吸い方判んねーの? だったら加奈子が教えてやっからヨ」
 加奈子はそう言って俺の手から缶を取り上げて煙草を一本取り出し、慣れた手付きで自身の爪にトントンと軽く打ち付け始めた。
   ★★★
 俺が初めて煙草を吸ったのは中学二年生になったばかりの頃だ。新たに編成されたクラスの男子生徒数人でカラオケボックスに行き、興味本位で試した挙げ句に全員咽せたという有り勝ちな話だが、それ以来同じ面子が何かの際に集まる度、誰かが煙草を用意して来るのが当たり前のこととなった。誰が一番早く喫煙可能となるか、そんな無意味なことを競っていたように思う。その結果、俺自身について言えば現在は月に四、五本吸うか吸わないかといった頻度ではあるものの、一応は嗜めるようになっている。その気になれば毎日一箱以上消費することも可能だろうが、今のところは気分転換の一手段であり、自ら積極的にニコチン中毒になるつもりはない。
 そんなことを加奈子に説明しながら煙草を何度も自身の爪に打ち付けて葉を片側に寄せ、隙間の空いた方の端を唇で軽く押し潰し、手にしたライターで火を点ける。指示されたように少しずつ煙を吸い込み、やがて緩やかに息を吐くと、身体が微かに痺れていくのが判った。
「でもよ、味くれえ判んだろ? 初の両切りピースはどーよ?」
「ちっと俺には強え気がすっけど、悪くはねえな」
「だべ? これで判ったべ? 加奈子がこれ吸ってる理由がよ」
「……まあな。でもよ、お前が毎日何本吸ってんのか知んねえけど、多少は控えた方がいいんじゃねえのか? どう考えたって発育の妨げになってんだろ」
「あんだよ、結局は説教かよ? てか、それってセクハラじゃね?」
 加奈子はそう言って俺を睨み付けた後に、ニヤリと口元を歪ませた。
「んだよ、その不気味な笑いは?」
「んじゃ、加奈子も言っちゃおっかなー?」
「何をだよ?」
「オメー、桐乃とデキてんべ?」
 加奈子の言葉に俺は吸い込んでいた煙を思わず鼻から吹き出した。鼻孔に拡がる強烈な煙草の匂いに、慌てて顔の中央へと掌を当てる。
「んくっ……いっ、いきなり何言ってんだよっ」
「だってよぉ、桐乃ってば最近オメーのことしか話題にしねーし、彼氏が出来たって話もねーのに処女捨てましたって顔してるしよ。義理の兄妹じゃないんだべ? マズいんじゃねーの?」
「そそっ、そんなことある訳ねえだろっ」
「キンシンソウカン?」
「だから違うって言ってんだろがっ!」
 俺はそう言いながら加奈子の細い肩を両腕で掴んだ。ここで認めてしまったら以後の計画が台無しになる。それどころか仮に噂が拡がったりしたら、この街に住んでいることすら出来なくなってしまう。何とか上手く会話を誘導し、加奈子を納得させねばならない。
 しかし、どう切り出せばいいのか判らずに言葉を詰まらせていると、不意に加奈子が怪訝な表情を浮かべた。その視線の先にあるのは俺の右前腕部だ。何か装飾品を付けている訳でもないのに、加奈子の目はそこに釘付けになっている。
「おっ、おい? 今度は何だよ? まだ何かあんのかよ?」
 加奈子は左手の人差し指を俺の腕へと当てると、真摯な口調で問い掛けてきた。
「……この傷って、何かに噛まれた跡?」
「あ? ああ。昔、ちょっとな」
「いつ? どこで? 何に?」
 突然の態度の変化に狼狽えながらも、俺は掠れた声で加奈子に答えを返した。
   ★★★
 それは尋ねられるまで俺自身も忘れ掛けていた記憶だ。
 麻奈実の家へと遊びに行った帰り、犬に吠え立てられていた二人の幼稚園児を見掛け、追い払ってやろうとした結果、自分が噛まれて泣き喚く。その後、幸いにして犬は何処かへ走り去ってしまい、俺は血と涙を流しながら自宅よりも距離の近い田村家へと舞い戻ったのだが、英雄譚とは程遠い結末は当時小学二年生であったということを加味しても情けなく、故に当時のことを敢えて思い返さないようにしていた。首輪を付けた犬が放し飼いになっていた理由も、園児服を着た幼児二人の詳細も、今となっては共に一切不明であり、特にそれで問題もなかった。この件で痛みと前腕部に残る歯形以外に得たものはと言えば、噛み付いてきた犬を離すには鼻先を思い切り殴り付ければいい、という経験則と、家族と田村家一同と当時のクラスメイト達の同情くらいなものだ。
「つまり九年前、この公園で犬に噛まれたってこと?」
「ああ」
「子供二人を助ける為に?」
「ん、まあ、そういうことになんのかな? 未だに役に立った気はしねえけどよ」
 桐乃との件を如何にして誤魔化すか考え続けながら、俺は加奈子の質問に適当に頷いた。全てを話した後、その間抜け振りに大笑いされるかと思っていたのたが、加奈子は珍しく真面目な表情のままだ。両肩に触れている俺の手を特に気にしている素振りもない。
 と、小さく開かれたその口から、ふと思い掛けない言葉が紡がれた。
「ありがと、お兄ちゃん」
「……はあ?」
「お兄ちゃんが助けてくれたの、加奈子とあやせだよ」
 俺は暫し硬直し、耳にした言葉を頭の中で反芻してみた。件の園児が加奈子とあやせだったということは、俺はその二人の前で不甲斐なく泣いたことになる。
「……マジで?」
「うんっ。で、お兄ちゃんを噛んだのは、あやせん家の犬ね。放して一緒に遊んでる最中、加奈子が水鉄砲で鼻の穴狙ったら怒っちゃってさ。だから人に噛み付いたこと、あやせん家の親とかには今も内緒にしてあんだけど。あの後、捕まえるの大変だったし。てへっ」
「おいこら、ちょっと待て」
「でもあれから加奈子、ずっとお兄ちゃんのこと探してたんだよ? 時々この公園に来て、近所の人に聞いてみたりして。でも誰も知らないって言うし」
 加奈子の言葉に俺は肩を落とした。前述したように当公園は比較的田村家に近く、我が高坂家からはそれなりに距離がある。噛まれた腕を三角布で釣っていた間は再び公園や田村家を訪れることはなく、所用があれば麻奈実の方が俺の自宅へとやって来ていた。となれば、負傷者の居所を近隣の住民が知る筈もない。尤も仮に判明していたとしても、飼い主であるあやせの親に加害行為を知らせていない以上、大した見返りも得られなかったことだろう。
「……つまり、お前が全ての元凶だったってことだな?」
「だからぁ、謝りたくってずっと探してたんだってば。今日ここに来たんだってそうだし。まさか桐乃のお兄ちゃんだったとは思わなかったけどさ」
「つうか、お兄ちゃんて何だ? さっきまで兄貴とかオメーとか言ってたじゃねえか。言葉が変わってんぞ?」
「感謝の気持ち」
 そう言って加奈子は可愛らしく首を傾げ、にっこりと笑った。
   ★★★
 その後も会話を続けて聞き出した内容によると、加奈子が当公園に於ける負傷者、つまりは俺を探していたというのは本当のことらしい。と言っても、面影を延々と抱いていたならば家で顔を合わせた時に気付かないまでも疑問を抱く筈で、既に当時の記憶は薄れ、暇を見ては公園に立ち寄って時間を潰していたというのが実際のところのようだ。
「だって、もっとイケメンだと思ってたし」
「悪かったな、こんな顔でよ」
「別に悪口言ったつもりはないってば。お兄ちゃんも程々には、てか、充分カッコいいよ?」
 幾分従順と化したツインテール少女はそう言って静かに身体を寄せ、今では相手の肩から自身の膝へと移動させた俺の手の上に小さな掌を重ねてきた。
「……どこのホステスだよ? 言葉以上に態度が違うじゃねえか」
「だって、お兄ちゃんは特別だから」
「はあ?」
「あの時、加奈子たちを守ってくれたじゃん?」
「お前が犬の鼻に水浴びせなきゃ、んな必要もなかったけどな」
「済んだことをグチグチ言うなヨ。で、ほら、何つーの? その時にこんなお兄ちゃんが欲しいって思ったっつーか、惚れたっつーか……」
 少しばかり素の混じった加奈子の言葉を俺は鼻で笑った。九年も前の行動がフラグ立てになっていたなどと、俄に信じられる訳もない。
「顔も覚えてなかったのにかよ? 大体お前、家に来た時、俺に聞こえるようにブサメンとか悪態吐いてたじゃねえか」
「仕方ないじゃん。助けてくれた人とは別人だと思ってたんだから。判ってたらホメ殺しにしてたってば」
「お前な、ホメ殺しってのは褒めまくって相手を駄目にするって意味の言葉だぞ?」
「そうなん? んじゃ、抱き付いてホッペタにチューしてたよ、きっと」
 加奈子はそう言って照れた様子もなく朗らかに微笑み掛けてきた。一見自然な素振りのようだが、どことなく胡散臭い。
「まあ、その話はいいや。それより桐乃のことなんだけどよ」
「判ってるってば。誰にも内緒にしとく」
「いや、そうじゃなくてだな」
「誤解とか勘違いとか言われて、加奈子が納得すると思ってんの?」
 高坂家の近親相姦については最早確信を抱いているといった加奈子の口調に、俺は小さく舌を打った。このままでは弱味を握られ続けることになる。止むなく認めるにしても、それ以上に相手が後ろめたさを覚えるような事柄を予め掴んでおかねばならない。その切り口が見つからない以上、ここは行動によって相手を脅す方法を手に入れるしかないだろう。即座にレンタル・ルームにでも誘い込んで強姦し、後に携帯電話のカメラで写真を撮るしかなさそうだ。そんな結論に至った俺の耳に、突如左隣から福音としか思えないような言葉が届いた。
「……すまん、よく聞こえなかった。もう一回言ってくれ」
「だからぁ、黙っとくから加奈子も混ぜろヨ。初めてはあの時のお兄ちゃんにあげてーって、ずっと思ってたんだからさー」
   ★★★
「つまりお前は、初体験が桐乃との3Pでも構わねえっつーのか?」
「やっぱ兄妹で犯ってんじゃん。じゃなきゃ普通、そんな聞き方してこないと思うんだけどぉ?」
「いや、その、今のは例えばの話でだな」
「そんなアタフタすんなヨ。まあ、本音を言えば初めては二人きりの時にして欲しいけど、後から加奈子が割り込む形になんだし、それくらいは仕方ねえかなーって。相手が桐乃なら裸見せても今更別に恥ずかしくもねーし」
「ほんとに相手で俺がいいのかよ?」
「何で? 一応お兄ちゃんは加奈子の初恋の相手なんだし、いいに決まってんじゃん。どうせ誰かとするもんだったら、折角だからお兄ちゃんにあげてーし。その代わし、セフレじゃなくて恋人として扱ってくんね? だったら加奈子も色々と頑張るし、別に桐乃と二股でもいいからさ」
 屈託無く微笑みながら加奈子はそう言い、俺の上肢に腕を絡めてきた。現在は公園を後にして二人で路上を歩き、俺の自宅へと向かっている最中だ。普段の加奈子は習い事を複数抱えていて忙しいらしいが、たまたま今晩は予定が入っていないらしく、夕飯を喰わせろと言って半ば強引に付いて来ている。口調は平素のものに戻りつつあるが、事ある毎に華奢な身体を押し付けてくる点からすると、どうやら今では本当に俺に対して好意を抱いてくれているようだ。それはそれで喜ばしいことではあるが、出来れば自宅にて顔を合わせる前に桐乃に一通り事情を説明しておきたい。
 しかし、そんなことをすれば却って関係を疑われることは間違いなく、そもそも秘しておくべきなのかどうかの判断すら迷うところではある。その貧弱な身体を差し出すという主旨の言質を得た以上、全てを明かしてしまってもいいのではないか。いや、全ては兄妹間の不貞を曝く為の演技であるという可能性もある。もう暫くは誤魔化しつつ様子を見た方がいい。
 そんな思考の堂々巡りに陥りつつ歩を進め、やがて我が家に辿り着いた俺が玄関の鍵を開けて扉を手前に引くと同時に、リビングから足早に現われた桐乃がそれまでの考察を全て台無しにしてくれた。
「兄貴おかえりー、って、あれ? 何で加奈子も一緒なの?」
「んなことより、お前、服はどうした?」
 俺が問い掛けたことで桐乃は初めて自らの不手際に気付いたらしく、局部が殆ど丸見えになっている穴開き下着と赤いハート型のニプレス以外纏っていない身体を両手で覆い隠すと、無言で元の部屋へと姿を消した。ふと視線に気付いて顔を向けると、加奈子がニヤニヤと意地の悪そうな笑みを浮かべて見上げてきている。
「ねえ、お兄ちゃん?」
「はい、何でしょう?」
「今のも黙ってた方がいいんだよね?」
「サンバカーニバルに出場する為の練習してた、っていうのは無理がありますかね?」
「黙ってた方が、い・い・ん・だ・よ・ね?」
「……宜しくお願いします」
 そう言って俺は加奈子に向かい深々と頭を垂れた。
   ★★★
「あ~あ、結局そういう話になっちゃったかぁ……」
 公園での加奈子との遣り取りをリビングにて説明し終えると、桐乃は小声でそう言ってソファに座ったまま弱々しく笑った。薄手のトレーナーとスウェットパンツを着込んではいるが、兄妹間の肉体関係については既に隠す気など失せているらしく、今では俺の左側に座って身体を密着させてきている。
 一方の加奈子はと言えば、これまた右隣に腰掛けて腕を絡ませてきており、俺はそれなりに満ちた気分ではあるものの、居心地の悪さをも感じていると言ったところだ。負の感情の原因は室内の刺々しい空気であり、それは主に俺の利き腕の方から発せられている。
「……やっぱな。桐乃オメー、今までずっと隠してたべ? 犬に噛まれたことのある知り合いがいねーか、あんだけ何度も聞いてたのによ。加奈子の探してんのがお兄ちゃんだってこと、判ってて隠してたべ?」
 恐らく加奈子が桐乃に尋ねたというのは中学生になってからの話だろう。現在住んでいる街、特に件の公園付近は学区が入り組んでおり、俺と麻奈実、そして当然ながら桐乃は同じ小学校に通っていたが、加奈子とあやせは隣の区にある学舎の出身者らしいからだ。互いの生徒達は中学生になって初めて同じ校舎で学ぶことになり、それまでは特に交流もないのが普通だ。ちなみに黒猫と沙織、ついでに赤城は、またそれぞれ別の学区となる。オタク娘三人については現在通っている中学校も別れており、それでも結果として集い合う同好の士の情念というものには畏敬の念を抱かなくもない。
「だって加奈子が聞いてきたのは、知り合いに、ってことだったじゃん? 兄貴は家族で、知り合いって間柄じゃないしぃ」
「あァ? んな理屈が通ると思ってんの? 超ムカツクんですケドぉ?」
「おい、桐乃。今回の件は俺も初耳だぞ? どうして加奈子の詳細を尋ねた時に言わなかった?」
「だって加奈子ってば、いつか相手を探し出して抱いて貰うんだって、ずっと言ってたし。あやせも少し気に掛けてる感じだったし……」
「あれあれ? 何でお兄ちゃんが桐乃に加奈子のこと尋ねんの? もしかして前から気に掛けてくれてたとか? つまりラブラブ両想いってヤツ? やっぱ桐乃より加奈子の方がマジ可愛い?」
「んなことある訳ないっしょ! 兄貴は単にレイプ目的で色々と調べてただけだっつーのッ!」
「……レイプ?」
 独り言にも似た加奈子の呟き声に、部屋の温度が一気に下がった気がして俺は上体を震わせた。
「あ、いや、その……」
「誤解すんなよ? 俺は別に無理矢理なんて――」
「加奈子をレイプするつもりだったってこと? それって今度の週末の話?」
 加奈子は俺の言葉を遮って疑問を口にし、次いで真意を探るかのように横から瞳を覗き込んできた。いつかテレビドラマで見たことのある、犯罪者を取り調べる刑事のような眼差しだ。
「じゃなくてだな、えっと、つまり……」
「つまり?」
「その、もっと加奈子のことを理解してだな、その上で、出来れば……」
「出来れば?」
「ど、どうにかセックスに持ち込めねえかなって……」
「要するに、レイプしてでも加奈子と犯りたかったって?」
 その問い掛けにぎこちなく頷いた途端、加奈子は破顔して俺の右肩をポンポンと軽く叩いた。
「だったら最初からそう言えヨ。公園で話を聞く前だったら今すぐ警察に電話するとこだけどよ、初恋の相手だって判っちまった以上は仕方ねえやなぁ」
「おい、それって……」
「けどレイプは止めてくんね? 加奈子痛えの超嫌いだしさぁ。お兄ちゃんがどうしてもって言うなら、いつかそういうプレイしてみてもいっかなーとは思うけど」
「お前、俺が変なこと企んでたの知った上で、それでもまだ犯らせてくれるって言うのかよ?」
「好きになった相手が、たまたまそういう人間だったって程度のことじゃん? 実際にレイプされた訳じゃねーんだし。全部引っくるめて受け入れてやっから、勝手に加奈子のこと捨てようとしたりすんなよな?」
   ★★★
「ハーレムって、マジで?」
「そっ。だから兄貴に抱かれたいんだったら、まずはそれに賛同してくんないと。嫌ならこの話は無しね。一応言っとくけど、嫌がらせにあたしと兄貴のこと誰かに喋ったりしたら、それなりに酷い目に合って貰うから」
「加奈子がお兄ちゃんの嫌がることする訳ねーだろっ?」
「ならハーレムの件も認める? 他に何人も兄貴に女が出来んだよ? 目の前でキスされたりとかさ。そんな状態に耐えられんの?」
 リビングでの会食の途中から桐乃はハーレムの件を説明し始め、やがて同意を求めて加奈子が黙り込むと、少しばかり疲れた顔付きで長々と溜息を吐いた。浮気の了承を得るには時期尚早だと思いはしたものの、黙って成り行きを見守る気になったのは、先刻の会話で俺に対する加奈子の好意が本物であると確信出来たからだ。
 と言っても、その感情の源が幼少時に偶然抱いた憧憬であるということは間違いなく、身勝手な印象を俺に重ね合わせているだけだということは充分に理解している。要はタレントやアイドル等に対するファン心理を肥大させたようなものだ。そこには思い込みがあり、誤解があり、現実の俺を知ったら冷めてしまうであろう熱情がある。となれば、熱量の高い内に言質を得ておくに越したことはない。必要な約束さえ取り交わしてしまえば、たとえ先々恋愛感情が薄れようとも、快楽を与え続けることによって隷属させることが可能となる。
「……桐乃はそれで我慢出来んのかよ?」
「まあね。あたしのこと一番可愛がってくれるって約束して貰ったし」
「それってズルくね? んじゃ、加奈子は二番?」
「それは加奈子次第じゃん? 相手が誰だろうと、きっと尽くした分だけ大事にしてくれると思うし。ねえ、兄貴?」
「まあ、そうだな。なるべく平等に接してやりてえとこだけど、俺の体力にも限界があるしよ。けどまあ、ここまで話したからには加奈子のことも特別扱いするつもりではいるぞ?」
 俺がそう告げると加奈子は表情を緩めた。
「ほんとにっ? ならハーレムの件も別にいっかぁ」
「ちょっと加奈子、ほんとにいいの? そんな簡単に認めちゃって」
「要はガチのエロバトルってこったろ? それはそれで面白そうじゃん。勝てばお兄ちゃんとのキスとかエッチとか見せびらかせるんだし。悔しそうな顔した連中の前で可愛がって貰うのは気分いいだろうしよ」
「もしかして自分が負けた時のことなんて全く考えてないの? つうか、あたしに勝てると思ってんの?」
「んなの、やってみなきゃ結果なんて判んねえじゃん。もしかしたら加奈子の方が身体の相性がいいかもしんねえしよ。お兄ちゃんとのエッチ絡みなら負けたら負けたで次は頑張ろうって思えるだろうし、色々と張り合いがあって楽しそうじゃね?」
 ある種現実離れした加奈子の楽観的且つ陽気な返答に桐乃は絶句し、次いで感心したかのように何度も小さく頷いた。
   ★★★
「加奈子さ、親と、特に親父とすげー仲悪いんだよね。だから今は家出して、社会人の姉貴に世話になってんの。でも姉貴の仕事時間て不規則だから、夜は一人で外食ばっかでさ。だから今日は楽しかったんだ。お兄ちゃんの手料理、すっごい美味しかったし」
 晩餐を終えて現在住んでいるというマンションまで送っていく道すがら、加奈子は甘えた口調でそう言って繋いだ俺の掌を強く握り締めてきた。二人きりと言うこともあってか、言葉使いが再び女の子らしいものに変わりつつある。もしかしたら荒々しい言動は自身の弱い部分を守る為のもので、こちらが素の状態なのかもしれない。
「だったら毎晩ウチに喰いに来いよ。二人分作んのも三人分作んのも、大して手間は変わんねえしよ」
「うへへ、あんがと。でもレッスンとかあるから、毎晩は無理かも」
「だったら来れる時は予め俺の携帯に連絡しろ。メールでいいからよ」
「うんっ。あ~あ、やっぱ加奈子もお兄ちゃんが欲しかったなぁ……」
「別に姉ちゃんとも仲が悪い訳じゃねんだろ?」
「うん。姉貴のことは超好き。いい加減で変わり者だけど、加奈子の話ちゃんと聞いてくれるし」
 そんな他愛のない会話を続けながら街灯に照らされた夜道を歩いて行く。足を踏み出す度に加奈子に対して抱いていた憎しみが氷解し、代わりに愛しさが募ってくる。どうも俺は好意を寄せてくる相手に弱いらしい。改善を要することではないだろうが、心変わりの早い自分が多少なりとも如何わしく思えてくる。やがて俺は加奈子への愛情と自らへの疑心とに背を押され、改めて真意を知るべく傍らのツインテール少女に言葉を掛けた。
「なあ、加奈子」
「んー?」
「ほんとにいいのかよ? その、ハーレムの件とか」
「ヤだよ?」
 加奈子は短く呟くと歩みの速度を僅かに落とした。慌てて歩幅を調整して再び隣に並んだ俺に、真剣な目を向けてくる。
「ほんとは浮気とかハーレムとかヤだよ? でも、相手がお兄ちゃんなら我慢出来るかなって。お兄ちゃんがそうしたいんだったら、そうさせてあげた方がいっかなって」
「そこまで思い込む程のことか? 俺は単に九年前、お前の前で犬に噛まれて泣いただけだぞ?」
「……同じようなことが、前にもあったんだよね」
「あ?」
「幼稚園に入ったばかりの頃、親父と近所を歩いててさ。たまたま大っきい犬と出会っちゃって。首輪に紐が付いてたから、多分散歩の途中で逃げ出してきたんだと思うんだけど、吠えながら加奈子たちの方に走り寄って来てさ。そしたらウチの親父、どうしたと思う?」
 問い掛けてくると同時に加奈子は道端で足を止め、俺もそれに習った。
「そりゃまあ、お前のことを守ろうとしたんじゃねえか?」
「それが一人で逃げちったんだよねー。その場に加奈子置き去りにしてさ。犬は逃げてく親父を追ってったから、別に痛い思いとかはしなかったんだけど」
 加奈子はそう言って照れ臭そうに笑い、繋いだ手をそっと解いて正面から俺に抱き付いてきた。
「お、おい……」
「だからね、あの時、すっごい嬉しかったんだ。親父でさえ逃げたのに、知らない男の子が助けようとしてくれたってことが。だったら浮気ぐらい認めてあげないと悪いじゃん」
 そう述べた後に加奈子は俺を見上げ、懸命に背を伸ばしつつゆっくりと目蓋を閉じた。それが何を求めている姿かは充分に理解出来る。俺は加奈子の頬に片手を添えて僅かに身を屈め、眼前の小さな唇を奪った。
   ★★★
「あたし加奈子のこと、ちょっと見直しちゃった」
 自宅に舞い戻って共に入浴している最中、桐乃は真顔でそう呟いた。現在は風呂椅子に座った俺の膝の上に乗り、泡だらけの乳房を胸板に押し付けて身体を洗ってくれている。既に両の乳首を硬く勃起させ、陰茎の付け根に当たる感触からすると淫核をも膨らませているようだが、その顔付きは平素のものであり、発する言葉に快楽の響きはない。俺の陰毛に付着した気泡を愛液で洗い流しつつも、奉仕に集中していると言った様子だ。
「どこにそんな要素があったんだよ?」
「だってさ、負けたら負けたで次は頑張ろうとか、そんな風に考えたことなかったから。ただ悔しいだけだろうな、って思ってたし。でも兄貴のこと一番に考えるなら、したいようにさせてあげて、その上であたし達が努力するしかないのかなって」
「いや、あの発言は幾ら何でも前向き過ぎんだろ。俺は正直、呆れながら聞いてたぞ?」
「でも兄貴からしたらラッキーだったっしょ? これで加奈子のオマンコ自由に使えんだよ?」
「まあ、な」
 確かに性的行為、及び浮気の了承をも早々に得たと言うことは喜ばしいことだ。計画が一気に前進したことは間違いなく、加えて加奈子の性格ならば、他の女達の調教に一役買ってくれそうでもある。候補者をも含む性奴隷達の内、加虐的な資質については加奈子が一番、桐乃が二番といったところだろう。黒猫と沙織は堕としてさえしまえば恐らく従順でどちらかと言えば被虐的、麻奈実については言うに及ばずだ。ただ一人、あやせについては桐乃から詳細を聞き出した今も予想が付かない。
「そういや、あやせも気にしてるとかって言ってたよな? 犬の件を持ち出せばどうにかなりそうか?」
「うーん、どうだろ? 最初からセックスって話にはなんないと思うけど。でもまあ、責任感が強いから、上手く頼み込めばオッパイぐらい触らしてくれんじゃない?」
「でもよ、エロい話とか苦手なんだろ?」
「あたしもずっとそう思ってたんだけど、よくよく観察してみると聞き耳だけは立ててるみたいなんだよね。嫌そうな顔はするけど、その場から居なくなっちゃう訳じゃないしさ。あれは多分、超ムッツリなんじゃないかなぁ?」
 桐乃の返答に俺は眉根を寄せた。確かに今時の女子中学生が性的な事柄に無関心であるというのは考え難い。加奈子のように即受け入れてくれるということはないだろうが、ある程度興味を持っているのならば、それを更に深めてやることで後々和姦に持ち込むことが可能かもしれない。
しかし、問題は抱いている好奇心の方向性だ。それが自身の快楽に向かっているのか、異性の身体に関心があるのか、若しくはその両方なのかを見極める必要がある。でないと、先ずは服の上から肉悦を与えるべきか、一物を晒して触れさせるべきか、乳首を摘んでやるのと交換に手で奉仕させるべきか、具体的な行動の選択が出来ない。。
「……何考えてんの? オチンポどんどん硬くなってきてんだけど。他の女のことばっかじゃなくて、ちゃんとあたしのことも大事にしてよね?」
「判ってるって。けどよ、その、今度の週末、最初の二日間だけは加奈子と二人っきりにさせてくんねえか? その代わし、日曜日は朝からお前の相手もすっから」
「ふざけんなっ! って言いたいとこだけど、まあ、加奈子にとっては初めてのことだしね。今回は特別に我慢してあげる。ちゃんとその分のお返しはあんだよね?」
 桐乃はそう言って背中に回していた手を下へと移動させ、風呂椅子との間に無理矢理押し込み、俺の尻穴に軽く指先を当てた。返答次第によっては即座に指を腸内へと突き入れるつもりだろう。奉仕の際に舌先を挿し込んでくる程度なら構わないが、残念ながら俺には実妹の手指にアナル処女を奪われて喜ぶような趣味はない。
「え、えっと、んじゃ、来週末にでもラブホテルに連れてってやるってのばどうだ? もちろん泊まりでよ」
「……そんだけ? 地味子とは毎日のようにラブホ行ってんだよね? なのにあたしとは一泊だけってこと?」
「判った判ったっ! 金曜の夜から二泊っ! 昼間はデートでもセックスでも好きにさせてやっからよっ! だからケツ穴グリグリすんなっ!」
「だったら金曜日は学校休んで、ちゃんとしたホテルで二泊しようよ? ほら、隣の市に芸能人が結婚式するような大っきいホテルあんじゃん? あそこの一室、沙織ん家が年間契約してんだっ   て。でも全然使ってないらしくって、好きな時に貸してくれるって言ってたからさ」
「好きにしろっ! 全部お前に任せるからっ!」
「うんっ。で、出来れば初めてのアナルセックスもそのホテルでして欲しいなぁ」
 桐乃は甘えた声でそう言うと、俺が繰り返し首肯しているにも関わらず、指先をゆっくりと尻の中へ侵入させ始めた。
   ★★★
 その後、指による執拗な愛撫を受け、情けないことに俺は大した抵抗も出来ないまま喘ぎ続ける結果となった。つまりは舌での愛撫とは違う新たな感覚が、それ程までに心地良かったと言うことだ。桐乃に指示されて風呂椅子から降り、洗い場に手を突いて四つん這いとなった際にも、自らの行動に何ら疑問を抱かず、ただひたすらに声を上げていた。
「あはっ、兄貴ってばお尻震わしちゃって、超可愛い。このままオチンポも気持ち良くしてあげんね?」
 桐乃はそう言って俺の腸壁を責めつつ、勃起した陰茎を掌で掴んで優しく扱き始めた。新たな快感が加わったことで俺が大きく呻くと、更に手の動きを激しくさせてくる。
「うあっ……桐乃っ……くうっ……それじゃっ……んあっ……すぐに出ちまうっ……」
「いいよ、いっぱい出して」
「うくっ……でもよっ……くあっ……こんなのってっ……」
「ん? もしかしてお尻ん中とか痛い? ちょっと待って、すぐペロペロしてあげるから」
「ちょっ、待てっ、そうじゃねえっ、今は止めろってっ、くふひあっ!」
 俺が殊更大きな声を発したのは、尻穴から一気に指が抜かれた直後に桐乃の舌が深々と入ってきたからだ。これ迄何度か菊門を舐めさせたことはあるが、奥深くまで侵入させたことはなく、これもまた新たな感覚と言っていい。ヌルリとした感触の味覚器官は体内で忙しなく蠢き、俺の肉体のみならず精神をも容易く征服していく。
「んくうっ……桐乃っ……出るッ!」
 そう叫びつつ射精を開始しても桐乃は一物を擦り上げる速度を落とさず、臀部に顔を押し付けたまま俺の腸内を犯し続けている。本来ならば第二射、第三射と粘液を放出する度に薄れていく陶酔感を、無理矢理継続させるかのような官能的且つ適確な動きでだ。全て出し切った後も肉茎は些かも衰えることはなく、このままでは俺は呼吸を整えることも許されないまま次の射出に向かわざるを得ない。
「あうっ……頼むから待てっ! くあっ……せめて少しは休ませろっ!」
 荒く息を吐きながらも繰り返しそう言い続けると、やがて桐乃は手を離して舌を抜き、即座に床へと身体を横たえた俺に向って穏やかに微笑み掛けてきた。
「遠慮することないんだよ? まだまだオチンポ元気じゃん。それともオマンコん中に出してくれんの?」
「うっ……何度も……んっ……言ったろ? ふぅ……少し……はぁ……休ませろ……」
「兄貴がそんなヘロヘロになんのって珍しいね。もしかしてお尻ん中、すっごく気持ち良かった?」
「……まあまあだ」
「んふっ、嘘吐き」
 桐乃は笑みを深めながらそう呟き、自身の手に付いた精液を見せ付けるようにしてペロリと舐め上げた。
   ★★★
「なあ、沙織に部屋借りんのって、考えてみたら色々とヤバくねえか?」
「何が? っと、はい、今度は前向いて」
 言われた通り脱衣場で正面を向けると、桐乃は手にしたバスタオルを俺の胸に当てて甲斐甲斐しく水滴を拭き取り始めた。自らの身体は未だ濡れたままであるという点からしても、その献身の度合が判るというものだ。
「普通、兄妹でわざわざ隣の市のホテルに泊まったりしねえだろ? 俺たちのこと勘繰られたりしたらよ……」
「別に平気だと思うけど。オチンポどうする? 普通に拭いとく? それとも舐めよっか?」
「タオルで頼む。つうか、お前、ケツん中舐め回したんだからよ。歯ぁ磨いてリステリンでうがいし終わるまで、俺の身体に口付けんな」
「酷っ! 兄貴だって喜んでたくせに」
「お前だって自分のケツん中の味とか、間接的にでも知りたくねえだろ?」
「相手が兄貴だったら気にする訳ないじゃん」
「何と言われようとこれは絶対だ。嫌なら二度とすんな」
 俺がそう告げると桐乃は頬を膨らませて唇を突き出し、すぐに何か閃いたかのように瞳を大きく見開いた。
「そっか。これからはベッドの横にうがい道具を一式置いとけばいいのか」
そこまでして舐めたいのかよ、とは思ったが、取り敢えず口にはしないでおく。奉仕に前向きなのは喜ばしいことであり、何より知ったばかりの新たな感覚は間抜けな姿を晒してしまう程に心地良い。実際に二度として貰えないようなことになったら、俺の方が打開策について考え込んでいたところだ。
「で、ホテルの話なんだけどよ」
「うん。じゃあ一応、適当な理由を考えとく。向こうの同人ショップ巡りがしたいとか、家のお風呂が壊れちゃったとか」
「そんなんで納得すっか?」
「大丈夫じゃない? 恋愛事とか疎そうだし、あれで割りと世間知らずなとこもあるし。あたしと兄貴がこうしてるとこ見られても、兄妹なんだから一緒にお風呂入るのは普通って言えば、そういうもんかって思うんじゃないの?」
 以前に桐乃から聞き出した内容によると、沙織と加奈子にはそれぞれ姉が一人ずつおり、黒猫には妹が二人、そしてあやせは一人っ子とのことだった。どの家にも男の兄弟がおらず、確かに俺と桐乃の関係性を自らに置き換えて考察することは難しいだろうが、それでも世の中には一般常識というものがある。高校生の兄と共に日々入浴している女子中学生がこの国に何人いるのかは調べようもないが、桐乃の物言いはあまりにも楽観的過ぎるだろう。
「まあ、実際に何かあったら、なるべく余計なことは言わずに話を濁しとけ。後から幾らでも言い訳が出来るようにな」
「ん、判った。そんで今日はどうすんの? たまにはあたしの買ってあげたパンツ穿いてくれる?」
「また着替えと一緒に持って来てたのかよ?」
「だってまだ一度しか穿いてくれてないじゃん。あたしも兄貴の好きな格好して、もっこりパンツの上からオチンポ舐めてあげるから。ね?」
   ★★★
[2010年09月28日] カテゴリ:【SS】俺の妹がこんなに~ | TB(-) | CM(-)
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